第 5 章 山岳トンネルの合理的な維持管理
5.5 おわりに
【参考文献】
1) 吉川恵也,北側修三,川上義輝,馬場富雄:トンネル変状の傾向(2),鉄道技術研究報 告,No.1293,1985.
2)(社)日本道路協会:道路トンネル維持管理便覧,丸善,1993.
3) エネルギー土木委員会設備診断・補強技術小委員会:「エネルギー土木設備の維持管理 技術」,1990.
4) (財)鉄道総合研究所:トンネル補強・補修マニュアル,1990.
5)(社)土木学会地下空間研究委員会,維持管理小委員会活動報告書:地下空間の維持管 理の現状と問題点,そしてその解決策,2008.
6) 宮川豊章,ライフサイクルコストの活用法,日経コンストラクション/コンクリート補修 入門講座最終回,pp.79-83,2001.
7)(財)道路保全技術センター,山岳トンネルの劣化予測に関する検討報告書,2007.
8) 岡田,藤原,山田:山岳トンネルの要求性能と照査項目に関する一考察,pp.213~220,
第 10 回地下空間シンポジウム,2005.
9)朝倉俊弘:最新のトンネル技術~技術の変遷と課題~,「最新のトンネル技術」講習会 テキスト,(社)地盤工学会,2005.3.
第6章 トンネルの長寿命化に向けた新しい取り組み 6.1 はじめに
山岳トンネルの覆工コンクリートは一般の土木構造物と異なり,吹き上げ方式により打 ち込まれる.そのため,補強鉄筋区間のアーチ天端部,断面変化部,妻部隅角部,箱抜き 部などの施工では,十分な締固めができずに背面空洞の発生が懸念されていた.
また,覆工コンクリートのはく落事故等をうけ,新設トンネルの覆工コンクリートに対し て,地山の変状(崩落,変位量の増大,未収束等)や,充填不足による空洞等などの構造 的な欠陥,また品質管理上の問題などに起因するひび割れ等の変状や,第三者への被害を 与えるはく離・はく落の発生に対しての社会的関心が高まり,これまで以上に覆工コンク リート施工時の品質の確保や耐久性の向上が重要となってきている.
本章では,山岳トンネルの主たる構造物である覆工コンクリートの長寿命化に向けた新 技術の開発と現場適用について述べる.
6.2 高品質高充填覆工コンクリート工法の開発 6.2.1 概要
本工法は,覆工コンクリートの施工に配慮して,覆工材料の性状の改善といた観点から 新技術の現場適用を図ったものである.
本工法の適用により流動性を変え打設部位で使い分けることで,充填性向上,低水比コ ンクリートの使用が可能となり,コンクリートの密実化・緻密化が図られる.標準の施工 工程での施工が可能であり,覆工コンクリートの流動性向上による充填性の改善により,
覆工コンクリートの高品質化,高耐久性化が期待できる.
6.2.2 現場適用実績2)
(1)適用トンネルの概要
四国横断自動車道は,阿南市を起点として,高松市,高知市を経由し,大州市に至る延
長441kmの路線である.今回,当工事は,須崎新荘~窪川間の直轄高速方式により整備さ
れる区間で中土佐町久礼に位置する和田トンネル L=156m,焼坂トンネル L=920m,
明り土工工事 L=670mを含む延長 L=1,746mの高速道路を新設するものである.
表-6.2.1に工事概要をまとめた.