第 6 章 経済学部の FD 活動
平成 22 年度 教育改善FD研修会(経済学部)
日時: 平成22年11月17日(水) 16:00〜17:30 場所: 経済学部会議室
参加者:47名 (内訳):学務委員(教学委員を含む)FD委員、教育学部課程・コース委員、教育学部教 務係など合計 43 名、岩部大学教育センター長、兼石教育コーディネーター、大学教育センター専任教員
(小川勤、岡田耕一)合計4名 研修内容:
大学教育機構との共催による教育改善研修会が経済学部の教学委員、FD 委員、学務委員、各課程・コー ス委員等を対象に実施された(なお、この研修会は大学教育機構としては本年度 5 回目のものである)。当 日は教授会の後で開催されたため昨年に比べて多くの教員が参加した。最初に、岩部大学教育センター長 より本研修会の開催趣旨が説明された。平成 23 年 4 月の大学設置基準改定に伴い、第四十二条には新しい 項目として「社会的及び職業的自立を図るために必要な能力を培うための体制」が付加されていることが 述べられた。さらに、日本学術会議による「大学教育の分野別質保証の在り方について」についても説明 があり、専門教育の在り方について今後対応すべき内容が記されており、3 年後に主要 30 分野で掲げられ る予定であり、「教育課程編成上の参照基準」が公表されることなどの大学教育の質保証についても説明が あった。今後はそれらに注意を払い、経済学部・学科のGPを再検討して欲しいことや、大学設置基準改 定に合わせて、これまで整備してきた学部・学科の GP に「社会的及び職業的自立を図るための必要な能力」
をどのように取り入れるかをカリキュラムマップ(以下、CUM)やシラバスを用いて今後、検討して欲しい という要望があった。最後に学士課程教育の再構築に関する話があり、今後は各学部・学科が自分の専門 教育分野だけでなく、共通教育を含めた学士課程教育を経済学部としてどのようにするのかを考えていく 必要があることが明らかにされた。
次に、兼石教育コーディネーターより、山口大学における出口管理のグランドデザインの必要性が説明 された。
大学の GP は学部 GP を包含し、学部 GP は学科 GP を包含し、さらに学科 GP は課程・コース GP を包含す るといった関係から再考すべきであるという見解が示された。また、CUM は学科等の最小単位の GP と授業 科目との対応関係を示すべきであるとの説明がなされた。経済学部の CUM をチェックした感想については、
学科における GP の数が少ないことが明らかにされた。これに対して経済学部の教員からは学生になるべく 幅広い科目を履修させているため、学科の人材育成の特性が明確でなりつつある。このため、どの学科で も GP の数が必然的に少なくなるという見解が示された。
次に、大学教育センターの小川教授よりカリキュラム・フローチャート(以下 CFC)についての説明と 作成依頼がなされた。CFC の説明では、学科の特性によっては資料に示した手順による作成が困難な場合 も考えられるため、その際は学問的な特性に応じて CFC の作成・表示方法を適宜変更してもかまわないと 説明があり、愛媛大学の人文学部総合政策学科のカリキュラム・マップ(本学の CFC に該当)の事例など が示された。なお、CFC の作成については、各学部の教育改善 FD 研修会で出される意見を参考にして後日 大学教育センターから各学部に作業依頼の通知を正式に行いたい旨、説明があった。CFC の作成について は、上記で述べたように現在、経済学部の各学科としての特性が表しにくい状況にあるため、学科ごとに
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大学教育センターから示されたような CFC を作成することは難しいという見解が示された。しかし、国立 大学として、保護者や学生だけでなく、納税者である国民に対して経済学部の教育内容と GP との関係をな んらかの形で明らかにする必要はあるため、今後、学部で CFC の作成に向け、可能な形で前向きに検討し て欲しいと要望が示された。
今回の研修会では、大学教育機構の意図が明確になったこと、並びに意見のすりあわせにより課題や問 題点が浮き彫りになったことが効果としてあげられる。経済学部の教育は理科系学部と違って必ずしも卒 業時の目的が細分化されていない。たとえば、5 つの学科が存在するがそれらの学科の垣根は低くい。2 年から開始する演習が経済学部では最も重点を置いた授業科目であるが、その選択においても授業科目の 体系性や一貫性よりも自由度を重視している。たとえば経済学科に所属する学生が他学科に所属する教員 の演習を選択するというケースも珍しくない状態である。このような学生は卒業単位取得のためには経済 学科の科目が中心(ただし、それほど多くない)であるが、大学生活の中で最も多くの時間をかけて勉強 する科目はそれ以外の学科の科目ということになる。
ただし、商業教員養成課程と経営学科の中のコースである職業会計人コースに属する学生の場合は少し 事情が異なる。後掲の CFC でもわかるようにこれらの課程とコースは目的が明確であり、授業科目がこ れらの目的を達成できるように配置されている。理科系学部の CFC はこのように作られているのではな いかと想像している。
いずれにしても、大学教育センターと経済学部教員が相互にそれぞれの立場から意見を出しあったこと は、今後、組織的な教育改善を全学的規模で推進する上で有意義な研修会であったと考える。
第3節 教育改善に関する活動
ここでは前節で紹介したFD研修会を経て経済学部教務委員会を中心にして作成されたCFCを紹介す る。ただし、これらのCFCは経済学部において学科レベルで初めて作成されたものである。したがって、
今後これをベースにして改善が行われる可能性が高い。
FD研修会等で示されたモデルケースでは学年別と内容が2次元になっていたように思う。このうち内 容は基礎、応用、実践といったものです。モデルケースでは、1年次からこれら3つの分野の内容が配置 されています。
これに対して、経済学部では必ずしもモデルケースのようになっていません。むしろ、学年ごとに1年 は基礎、2年で応用、3年次以降で実践といった科目体系だと思う。
このように経済学部の CFC は他学部のものと異なっていると考えます。ただし、商業教員養成課程と 職業会計人コースのカリキュラムは経済学部の中では異色です。その理由は、課程やコースの名前から推 測されるようにこれらの課程とコースが極めて明確な目的を有しているからです。前者は商業教員、後者 が会計士や税理士を目指しているからです。このように設立目的が明確なために配置される授業科目もそ れらのために必要な科目群で構成されることになります。
経済学部 経済学科 カリキュラム・フローチャート 2011年2月17日版
GP1(経済計量のGP)
ミクロ経済学、マクロ 経済学、マルクス経 済学の理論と計量的 な分析を含む応用能 力を身につけている。
GP2(経済政策のGP)
経済政策、政府の財 政活動、金融経済、
地域経済の理論と現 実的な問題の分析能 力を身につけている。
GP3(経済社会のGP)
労働経済や社会保障を含めた社会経済の 現状と社会経済の歴史的変遷を理解し分析 する能力を身につけている。
4年次 応用 卒業論文演習
経済計量の各論科目 経済政策の各論科目 経済社会の各論科目 3年次 発展
2年次 基礎 経済計量の総論科目 経済政策の総論科目 経済社会の総論科目
1年次 導入 専門基礎科目(ミクロ経済学、マクロ経済学、簿記、法学などの基盤科目)
共通教育科目(基礎セミナー、情報リテラシー演習、TOEIC準備)
経済学部 経営学科 カリキュラム・フローチャート 2011年3月31日版 経営学科のGP
<経営管理講座> <経営情報システム講座> <企業会計講座> <流通システム講座>
1年次2年次4年次3年次 導入基礎発展応用
共通教育科目
フレッシュマンセミナー、基礎セミナー、情報リテラシー演習、情報セキュリティ・
モラル、TOEIC準備、経済学など共通教育科目の学部必修科目 基盤科目
ミクロ経済学Ⅰ、マクロ経済学Ⅰ、簿記Ⅰ、法学1、法学Ⅱ GP1:経営経済、経営史、企業
行動、経営管理に関る諸問題を理 解する能力を身につけている
GP2:経営問題を数理モデルに より理解する能力を身につけてい る
GP3:企業の経済活動の結果を 計数的に把握する能力を身につけ ている
GP4:商品自体、あるいは商品 の流通・マーケティング活動、保 険の活動を関わる諸問題を理解す る能力を身につけている
経営学総論、経営管理論、
財務管理論、国際経営論、
経営史、A単位・B単位の他 学科総論科目、演習Ⅰ
経営学総論、経営工学、
情報科学、経営数学、
A単位・B単位の他学科総 論科目、演習Ⅰ
経営学総論、流通論、
マーケティング論、商品学、
保険論Ⅰ、A単位・B単位 の他学部総論科目、演習Ⅰ 経営学総論、会計学、
簿記2、工業簿記、
A単位・B単位の他学科総論 科目、演習Ⅰ
労務管理論、生産管理論、
経営戦略論、投資論、日本経 営史、欧米経営史、企業論、
新事業創造論、多国籍企業 論、A単位、B単位の他学科 各論科目、演習Ⅱ
情報処理論 経営統計、
A単位・B単位の他学科各 論科目、演習Ⅱ
税務会計論、会計監査1・2、
簿記3、原価計算論1・2、、 管理会計論1、A単位・B単 位の他学科各論科目、演習Ⅱ
マーケティング戦略論 商品開発論 保険論Ⅱ
A単位・B単位の他学科各論科 目、演習Ⅱ
卒業論文演習 卒業論文演習 卒業論文演習 卒業論文演習