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保健学科

ドキュメント内 FD FD (ページ 153-166)

第8章   医学部のFD活動

2.  保健学科

(1)活動概要

本学の大学教育改革が著しく進む中、保健学科では今年度、以下の4つの目標を定め、教員の教育・研 究に対する意識のさらなる向上を目指した。具体的には、1)「目標達成型大学教育改善(GPマップ作成、

教育改善FDなど)」、2)「社会人基礎力育成」:学生にキャリア教育の強化などを通じて 社会人基礎力 を如何に育むか、3)「学生・教職員が連携して進める 新しいFDへの発想転換 を目指して」、さらに、

4)「組織人としての人材育成を如何に進めるか(企業の取り組みより)」を、主たる目標として、医学部 合同あるいは保健学科独自のFD研修会を企画運営した。

1)  「目標達成型大学教育改善」

大学の「教育パラダイムシフト」の方針に基づき、保健学科でも、学生が何を獲得したかを主体と する新しいカリキュラムの学士課程教育を整備したことである。つまり授業科目のキャリキュラムマ

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ップ(CUM)を共通教育と専門科目を併せ構築した。また、授業科目の内容は学部・学科・専攻ご とのグラジュエーションポリシー(GP)のうち、その科目から何を学生が獲得するのかを図示化す ることでわかりやすくした。さらに、カリキュラムフローチャート(CFC)を作成し、教育課程の組織 的な教育の連携や有機的構成が一目で分かる様にした。こうした取り組みは、組織的に意義深い FD 活動であり、また外部に向けた教育課程の開示であり、受験生向け案内や大学間交流にもつながる。

2)  「社会人基礎力育成」

小川先生をお迎えした講習会で、背景や期待される効果など具体的に学んだ。大学では、教育改革の 柱である、いわゆる学士力(中教審による 学士が身につけるべき知識や能力 )から、社会人基礎力

(経産省による、 前に踏み出す力 、 考え抜く力 、および チームで働く力 )育成へと教育ゴール が大きく転換してきた。すなわち社会で今、必要とされている従来からの知識・実践能力の育成に加え、

それを生かす力 を育ませ、人間性や社会での基本的習慣を身につかさせようとするものである。手 法として、職場体験などによるキャリア教育が効果的とされ、本学では医療施設などへの見学研修(イ ンターンシップ)を3年次から年2回以上実施している。学生は、働くことの意味や、その報酬の価値 観が、達成感による内部報酬に変わることで、職業意識が目覚め、学習意欲へとつながることが伺えた。

したがって、本学ではインターンシップによる社会人基礎力への影響を高く評価している。

3)「学生・教職員が連携して進める 新しいFDへの発想転換 を目指して」

  まず、FDの定義には歴史的変遷が著しいことを理解した。従来より、大学設置基準の法令にある「授 業の内容および方法の改善を図るための組織的な研修および研究」とされてきた。しかし最近、「各大学が 掲げる教育目標を実現することを目的とする教員の職能開発と幅広くとらえ、また個人的・集団的な日常 的教育改善の努力を支援し、また教職員のキャリア開発支援や教職員の協働や学生参画授業による、多様 なアプローチを組織的に促進する」ことに主眼が置かれるようになった。具体的には、保健学科のFD活 動はこれまで、「人材育成」や「時代を乗り切るイノベーション」なども企画したが、主には研修会の実施率、

参加率、および学生授業評価の実施率と評価であった。今後に向けては、本学のGP達成のための活動を 評価すること、教員の職能開発を検証する、また日常的境域改善の成果を評価すること、などの観点へと 移行することを学んだ。特に、職員や学生との協働、つまり学務課職員や学生の参画による授業の展開で、

授業の効率があがり、学生の修学力向上となることを事例から学び、本学の今後のFD活動に貴重な事例 であると思われた。

4)「組織人としての人材育成を如何に進めるか(企業の取り組み)」

組織において、最も重要な活力となるのは「人を如何に動かすか?生かすか?」であろう。本テーマで は、企業に長年貢献し人事管理も幅広くアプローチされた野利本講師から、その背景と手法を学んだ。国 立大学は平成 16 年に独法化をし、組織のハード、ソフト両面より、著しい改革を迫られてきた。したが って、企業においても、まず方策は社会環境に依存することから、まず1)企業の歴史と変遷について概 況が述べられ、さらに、2)健康と食や背景となる世界の食糧事情の分析がなされ、社会のニーズを踏ま えた企業戦略が存在することが述べられた。こうした中、企業では「人が生かされ、成果を生み社会貢献 する」ことから、人材育成は極めて重要であることを解説された。保健学科においても人材育成は極めて 重要な課題である。 

以下に、今年度の保健学科における主な活動4つの目標に対するFD活動について述べる

(2)実施内容

1)  授業公開(ピュア・レビュー) 

1.日  時:  平成22年1月26日(木)10:20−11:50 S1教室  (参加者:26名)

2.科  目:  「血液学」  血栓止血学の総括   

担当:  野島  順三教授(検査技術科学専攻)

3.対  象:  検査技術科学専攻  2年生    必修  講義形式(最終講義)

内容:

近年、臨床検査診断学の進歩発展は目覚しい。単に病名の診断にとどまらず病態像の把握や有効な治療 法の選択、さらには予後の推定など、臨床検査診断学は臨床医学の主軸をなすものとなってきた。中でも、

診断・治療の根拠となる臨床検査データを担当する臨床検査技師には、高い検査技術・専門知識と併せて 生態の機構やそれに関連した疾患の発症機序など分子レベルの知識が必要となってきている。本講義では、

血液凝固・線溶機構の異常(組織因子・炎症反応・感染症・腫瘍細胞)に伴う出血症状および臓器障害の 診断プロセスとして、近年、臨床サイドから検査部に対して最もコンサルタントの多い播種性血管内凝固 症候群(DIC)をモデルに臨床検査データによる早期診断および病態鑑別法を解説する。本講義は、検査 技術科学専攻2年生を対象とした血液学・血栓止血学の総括であり、今学期学んできた「血小板・凝固・

線溶機構のバランスと破綻」の知識を実際の臨床症例に応用することで一層理解を深めることを目的とし ている。

【講義のスケジュール】

10:20〜10:25 Introduction

10:25〜10:50 血管内皮細胞による血栓制御機構と血小板・凝固・線溶機構のバランスによる血管内恒常

性の維持について概説する。

10:50〜11:00  分子マーカー測定による凝固・線溶系異常の診断プロセスについて解説する。

11:00〜11:30  播種性血管内凝固症候群(DIC)の発症機序および病態像について解説し、臨床検査デー タによるDICの早期診断および病態鑑別法を教授する。

11:30〜11:40  総括・学生からの質問への返答

11:40〜11:50  小試験(本日の講義内容の理解度を自己評価するため)

2)保健学科主催 FD 研修会について 

(1) 山口大学 FD 講演会 

「目標達成型大学教育改善プログラムと達成評価の方法」

1.日  時:  8月10日(火)  午後 1:30〜 4:30(GPワーキング担当者)

  2.場  所:  医学部第3講義室(遠隔システム)

  3.講  師:  岩部  浩三  教授      大学教育センター

内容:平成20年度に大学教育センターが文部科学省に申請した「目標達成型大学教育改善プログラム」が「質 の高い大学教育推進プログラム」に採択された。その背景には,中教審答申「学士課程教育の構築に向けて」

(2008 年12 月24 日)の中でも述べられているように,ユニバーサル化とグローバル化が同時進行する日 本の高等教育にとって,社会からの負託に応えられるような質の高い学士課程教育の充実をさまざまな分野 から大学に対して求められていることがある。 

今回のFD講演会では,学生の自己管理能力と学修意識を高める取組を具体的にどのように取り組むのか、

達成度の評価方法および学生の自己評価を通じた学習意欲を向上させるという観点は,山口大学が今後取り 組まなければならない重要な事柄である。岩部浩三大学教育センター長により、本学が取り組んできた「目

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標達成型大学教育改善プログラム」の概要と成果および今後の課題について,指摘があった。 

(2) 「社会人基礎学力の養成と大学教育改革」  

1.日  時:  2月15日(火)  午後3:00〜4:30    2.場  所:  総合研究棟  3F  S3  講義室

  3.講  師:  小川  勤  教授      大学教育センター

内容:  学科FD研修会として当該研修会が開催された。研修内容は最初に最近の大学を取り巻く環境変 化と大学改革について、統計資料を使って示された。その後に経済産業省が示した「社会人基礎力」を大 学教育の現場でどのように養成すべきかをテーマに説明と他大学の事例紹介が行われた。最初になぜ最近、

企業等の社会から大学に対して「社会人基礎力の育成」が求められるようになったのかその背景について 説明が行なわれた。さらに、他大学でどのような社会人基礎力を養成するためにプログラム(授業)が設 置されているのかについては、札幌市立大学看護学部の事例が紹介された。そして最後に研修会に参加し た先生方に、自分の立場から社会人基礎力をどのように育成していくべきかについてそれぞれ意見交換が 行われた。具体的な研修内容は以下の通りであった。

大学教育改革とキャリア教育(社会人基礎力の養成)との関係を中教審答申や大学設置基準改訂などを 踏まえて説明が行われた。その後、山口大学の教育改革の仕組みと本学が今後取り組もうとしている改革 の方向性について説明があった。最後に、本学が大学教育の中でどのようなキャリア教育を推進していこ うとしているかについて説明があった。今回の大学設置基準改訂に対応するためには、これらの教育改善 作業に加えて、キャリア・ポリシーの早急な確立と実施が必要であることがまず説明された。そこで本学 では学生支援センターの就職支援室を中心に、各学部教育組織単位(教室、学科)で、キャリア・ポリシ ーの策定を急ぎ、これを実効あるものとするために、平成 23 年度入学生からを対象とする学生による目 標作成と自己評価(ポートフォリオ)の導入によるキャリア教育を進める予定であることの説明があった。

参加者からは、「現状の把握と今後の展望がわかった。」、「GPとCFCの理解が深まった。」という意見 が寄せられた。その一方で、「他大学の事例より本学の事例を示して欲しかった」や「同じテーマでいいの だが、解決案が示されるような内容が良いと

思う。」といった「社会人基礎力」の育成を目 指した具体的な取り組みを行う際のサポー ト体制の充実などについて言及する意見が 多かった。今回学科研修会という形で開催さ れたが、内容的には CFCの作成が教育機構 から各学科に対して依頼が来ている段階であ ったので、キャリア教育を絡めて大学の教育 改革を説明したもらったことは教員の意識を 高めるためにはタイムリーであった。

(3) 「学生を巻き込むFDの発想  −教学改革の次のステップ−」

1.日  時:  3月  3日(木)  午前10:00〜11:30      参加者:  39 名  2.場  所:  総合研究棟  3F  S3  講義室 

3.講  師:  沖  裕貴 教授    立命館大  教育開発推進機構 

選択肢 人数 割合(%)

非常に良かった 6 22.2%

良かった 18 66.7%

どちらとも言えない 1 3.7%

あまり良くなかった 2 7.4%

良くなかった 0 0.0%

無回答 0 0.0%

合計 27 100.0%

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