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学部主催FD研修会

ドキュメント内 FD FD (ページ 111-121)

第5章  教育学部のFD活動

第2節  学部主催FD研修会

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(1)概要 

日時: 平成22年11月10日(水) 16:10〜17:40 場所: 教育学部23番教室

参加者: 32名

(内訳):学務委員(教学委員を含む)、FD担当教員、教育学部課程・コース委員、教育学部教務係など 合計27名、岩部大学教育センター長、兼石教育コーディネーター、大学教育センター専任教員(小川勤、

吉田香奈、岡田耕一)合計5名

(2)研修内容 

最初に、岩部大学教育センター長より本研修会の開催趣旨の説明があった。平成23 年4月の大学設置 基準改定に伴い、第四十二条には新しい項目として「社会的及び職業的自立を図るために必要な能力を培 うための体制」が付加された。さらに、日本学術会議による「大学教育の分野別質保証の在り方について」

において、専門教育の在り方について今後対応すべき内容が記されており、3年後に主要30分野で掲げら れる予定である「教育課程編成上の参照基準」が公表されることなどの大学教育における質保証が求めら れている。また、大学設置基準改定に合わせて、これまで山口大学で整備してきた学部・学科・コースの GP に「社会的及び職業的自立を図るための必要な能力」をどのように取り入れるかをカリキュラムマッ プ(以下、CUM)やシラバスを用いて今後、検討する必要がある。学士課程教育の再構築について、今後 は学部・学科・課程・コースが自分の専門教育分野だけの教育だけでなく、共通教育として教育学部とし てどのような科目が必要なのかを議論し4年間一貫した学士課程教育を学部として考えていく必要がある。

次に、兼石教育コーディネーターより、山口大学における出口管理のグランドデザインの必要性が説明 された。大学のGPは学部GPを包含し、学部GPは課程・コースのGPを包含するといった関係から再考 すべきである。また、CUMはコース等の最小単位のGPと授業科目との対応関係を示すべきである。教育 学部のCUMでは、GPの立て方が少ないコース・選修があり、また、非常に多くの科目があるためか、○

付けが行われていない科目が一部ある。(補足:科目数の多いことについては、同じ授業科目でも科目名が 異なるものがあり、それらが統合されないまま、今回提示されている状況が教育学部の教務委員から指摘 された。これらを統合して考察する必要がある。)

さらに、大学教育センター小川教授よりカリキュラム・フローチャート(以下CFC)についての説明と 作成依頼があった。CFCの作成については、課程、コース・選修等の特性によっては資料に示された手順 による作成が困難な場合も考えられる。その際は学問的な特性に応じてCFCの作成・表示方法を適宜変更 してもかまわない。愛媛大学の教育学部のカリキュラム・マップ(本学のCFCに該当)の事例も参考にな る。各学部の教育改善FD研修会で出される意見を参考にして、後日、大学教育センターから学部に作業 依頼の通知を正式に行う。

以上について、教育学部教員と大学教育センターとの意見交換・質疑応答があった。教育学部の教員か らは、現在の共通教育の全員出動体制と学士課程教育の再構築の関係やCFCの作成に関してGPとの関係 について質問があった。

本研修会では、(1)「大学設置基準の改定」および「大学教育の分野別質保証の在り方について」からみ えてくる今後の大学に求められるカリキュラム改善の方向性、(2)これらに対応するためのGP、CUM、CFC の再整備の進め方、(3)共通教育を含めた学士課程教育の再構築の進め方、を考えるきっかけになった。研 究会参加者も多く、組織的なFD活動を推進する上で有意義な研修会であった。

3. 「最近の学生の状況と対応について」 

(1)概要 

日時: 平成23年3月16日(水)16時50分〜17時45分 題目: 最近の学生の状況と対応について

講師: 山口大学学生相談所カウンセラー  今井佳子 先生 場所: 共通教育棟28番教室

参加者数:  約65名

(2)内容 

講演に入る前に、FD 担当教員より、本研修会についての趣旨説明があった。最近の学生の中には、大 学の授業に継続して出席することが困難となり、大学での学業に問題を抱える者が増えつつある。教員と しては、学生と面談し励ましながら、卒業に至るようサポートしたいと考える。しかしながら、そのよう な学生は大学に出てくること自体が困難となっていることも多く、教員が学生と面談することや連絡を取 ることさえも困難な状況も見受けられる。このような最近の状況について、まず、山口大学全体としてど のような状況にあるのか、また、教員はどのように学生に対応したらよいのか、その考えるきっかけを得 るため本研修会を企画した。

講師による講演の内容は次の通りであった。

講師は、これまで単科の精神病院で常勤職として勤務した後、いくつかの非常勤職を経験し、8 年ほど 前から、山口大学吉田地区の学生相談所に勤務するようになった。この8年間で、吉田地区の学生相談所 において受けた相談件数は年々増加しており、およそ年間200名まで増加している。男女比は同程度であ り、性別による多少は認められない。現在、1日当たり2,3件、多くて5件程度の相談を受ける。但し、1 年間の中で多い月と少ない月がある。2010年度では、4月が多く(1日当たり12,13件)、5月に一旦減少 し、その後、6 月に再び増加し、8 月は減少するが、後期が始まるころから再び増えるという振動しなが ら減衰していくような傾向をたどる。

今の学生を理解するために、まずは、彼らの育った時代(1990年頃以降)における世相について考えて みる。まず、1989年に日本で初めてのセクハラ裁判があり、上司から暴言を受けたとして、裁判となった。

この裁判の過程で、「心」にスポットが当たることになった。また、1990年代に入り、体罰が非常に問題 となり、そのような状況の中で育った学生は怒られることに非常に敏感となっている。1995年には阪神淡 路大震災や地下鉄サリン事件が起こり、特に心のケアが考えられるようになった。スクールカウンセラー

(SC)が学校に配置されるようになったのも1995年からである。1997年には大手証券会社が倒産し、バブ

ル崩壊後の不景気な時代背景とも相まって、人々が不安を過度に感じる時代でもあった。実際、自殺者は 3万人(1日80人)を超え、賃金は削減、正社員は減少していた。和歌山毒カレー事件が起きたのもこの ころである(1998年)。日本全体で、不景気、災害、重大事件など不安を感じずにはいられない時代であ った。また、それらに呼応するように、ボランティアも盛んになった。

悩みを抱えている学生は、そのいろいろな悩み・心配事が頭の中で絡み合っている状態に陥っているよ うに思う。カウンセラーの一つの仕事は、そのような状態から問題を整理して見直していくようにアドバ イスすることだと思う。また、その整理・見直す場が、学生相談所である。悩み・心配事の内容としては、

学生個人がこれまで抱えてきた家庭環境や友人関係に関するものが多い。相談を受けている中で感じるこ との一つとして、学生は一人で自分の頭で十分に悩んでいないことが挙げられる。そうすると、すぐに身 体に反応が出て・行動化される。すぐに解決したい、面倒くさい人間だと思われたくないと思うためだろ うか。希望する大学に入れなかった挫折感や、妥協して入学した山口大学でさえも、大学の学業が満足に いかないという、さらなる挫折感や孤独感、少数派にいる自分という現実に、悩みが深刻になっていくの かもしれない。なお、学生支援の変遷や実践モデルに関する「廣中レポート」や「苫米地レポート」の紹 介、「悩めない」学生の増加の傾向については、高石によって報告されている(高石, 京都大学高等教育研 究, 2009, 15: 79-88)。

引きこもりや連絡がつかない学生への具体的な対応について考えてみる。まず、精神的な病気か?そう でなければ、まずは安心できる。そして、電話よりもメールで連絡を取るようにする。内容は、睡眠や食

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事の状況に関することなどがよく、頻度は教員の可能な範囲でよい。毎週が大変であれば、1月に1回程 度でもよい。学生が大学に出て来ることができない・連絡がつかないで、困ることは何かというと、現実 問題として出席日数が足りなく単位が取れないことや、卒論のゼミができないことなどであろう。そうす ると卒業できないことになり、周りの人たちはなんとか卒業できるように励ます。ただ、悩み考え、その 結果として退学という結論を出すならば、それでも学生自らが考えて決めたことであり、何かを「成す」

という意味では宝物であり成長につながると考える。

ここで、学生からの言い分を紹介しておく。まず、先生から学生へ連絡するときは、電話よりメールに して欲しい。電話だと負担に感じる。また、怒っていないことを伝えてほしい(今の学生は怒られること に敏感な世代)。そして、褒めて褒め殺しにしてほしい。「とりあえず・・・」や「早く・・・しっかりし なさい」、「他の人は・・・あなただけ・・・」などといわないでほしい。簡単にできることをメールで具 体的に指示してほしい。また、メール等で連絡してきてくれていた先生から連絡がなくなると、見捨てら れた気持ちになる。返事はしなくてもメールは読んでいるので、先生からのメール連絡は続けてほしい。

日頃、学生対応をしているカウンセラーとして最も心配していることは、ニコニコしている学生、何で も任せられる学生、文句を言わずにやってくれる学生の中には無理している者がいることである。良い子 を演じることを強制されてきた者は、無理をしているので、注意が必要である。

学生支援を如何にしていくかまとめる。現代は情報が過多の時代であり、今の時代では不安はつのる一 方である。東北地方で大きな地震があったが、テレビの好きな者は一日中一人で地震のニュースを見てい るだろう。そして、不安感でいっぱいになるかもしれない。閉じこもる者、逃げる者、に対して細やかな 学生支援、すなわち一人ひとりに対してひとつ余分な関わりが必要と考えている。また、五感で感じた物 を表現するような活動を取り入れることも重要と考えている。大学の中で、教職員とは少し違った、1人 の社会人として学生に接したいと思っている。

以上の講演に対して質疑応答があった。質問としては、(1)学生相談所が他の機関と連携してうまくいっ た例はあるか、(2)無理している学生をどのように見つけて話をしていくか、(3)教育実習等における影響を 考えた時の学生に対する対応について、の3件であった。それに対して、(1)他機関と連携してかなりうま くいった例があること、(2)無理をしている学生を見つけ出すのは難しいが、面談をしていく中で、学生の 表情をよく見ていくと気付くことがあること、(3)周囲の状況を説明しつつも、その時点での学生の状況・

気持ちをくみ取って対処することが必要である、といった回答であった。

最後に、教育学部長より講師に対するお礼の言葉が述べられた。

(3)参加からのアンケート結果 

研修会の内容について、以下の質問項目からなるアンケートを実施した。

1.今回のFD研修会の時間(長さ)及び構成はいかがでしたか?

時間:ちょうどいい・もう少し長い方がよい・もう少し短い方がよい 構成:適切であった・改善すべき点がある

お気づきの点など:

2.今回のFD研修会の内容に関連して、さらに聞いてみたいことなどありましたら、お願いいたします。

3.次回のFD研修会で取り上げてほしいテーマなどありましたら、お願いいたします。

4.その他、FD研修についてのご要望やお気づきの点などありましたら、お願いいたします。(学生相談 所への要望を含む)

以上の質問項目に対する回答をまとめると概ね次のようなものであった。

1.の質問項目については、興味あるテーマであったこと、講演内容について、学生指導の上で参考に なるなどの回答が多かった。また、さらに聞きたいということで、もっと長い時間を取ってほしいという 意見も1件あった。FD研修会の開催時期を3月ではなく、もっと落ち着いた時期にして欲しいという意

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