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山岸による3つの不公平感

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第 4 章 ペルソナ法を利用した FIT-PCA の不公 平感低減を目的とする説明方法の提案平感低減を目的とする説明方法の提案

4.5 ペルソナの分類

4.5.1 山岸による3つの不公平感

各ペルソナのグループ化には、山岸が提唱しているアノミー的不公平感、人間主義 的不公平感、過少評価的不公平感の3つの不公平感タイプの分類法を使用した。山岸 は[44]、1995年SSM調査(社会階層と社会移動全国調査)[17]における質問項目のうち、

表4.3 に示した3つの質問に対する各回答者の回答によって、「公平」という言葉が回 答者にとって持つ意味を測っている。そして、表4.3 の(一般的な不公平感を聞く質問) に対して、「あまり公平でない」ないし、「公平でない」と答えた回答者を、表の(理想 の富の配分を聞く質問)と(現実の富の配分を聞く質問)に対する回答の組み合わせに よって、図4.3 のように、3つの不公平感とその他の不公平感のいずれかに分類して いる。

以下に、各不公平感の持ち主の特徴について記述する。

アノミー的不公平感の持ち主の特徴

表4.3 の(現実の富の配分)の質問に対し、「わからない」と答えた回答者

「不満感」を「不公平感」と表現する可能性が高い

図 4.2: 作成したペルソナ一覧

表 4.3: 不公平感分類のための質問 (一般的な不公平感を聞く質問)

一般的にいって、いまの世の中は公平だと思いますか。

1.公平だ

2.だいたい公平だ 3.あまり公平でない 4.公平でない

5わからない

(理想の富の配分を聞く質問)

どのような人が高い地位や経済的豊かさを得るのが良いか、

という点について、次のような意見があります。この中で、

あなたの意見に一番近いと思われるものを1つ選んでください。

A.実績を上げた人ほど多くを得るのが望ましい(実績)

B.努力をした人ほど多くを得るのが望ましい(努力)

C.必要としている人が必要なだけ得るのが望ましい(必要性)

D.誰でもが同じくらいに得るのが望ましい(平等)

E.わからない

(現実の富の配分を聞く質問)

それでは日本社会の現実は、次の4つのうちどれに一番近いと 思われますか。

a.実績を上げた人ほど多くを得るのが望ましい(実績)

b.努力をした人ほど多くを得るのが望ましい(努力)

c.必要としている人が必要なだけ得るのが望ましい(必要性)

d.誰でもが同じくらいに得るのが望ましい(平等)

e.わからない

社会的評価を得ることに諦めている

「公の場」であっても「そうでない場」であっても、周りからの評価を重視しない

低い自己評価と自己効力感を抱いている

低学歴者(中卒)の比率が高い 人間主義的不公平感の持ち主の特徴

表4.3 の(現実の富の配分)の質問に対し、「実績」と答えた回答者。ただし、(理 想の富の配分)で「実績」と答えた回答者は除く

努力をしないで実績を上げた人、もしくは、努力以上に実績を上げた人に対して 不公平に思う

社会的弱者の視点から、「冷たい」、「人間的な思いやりに欠けた」社会のあり方を 不公平な社会と考える

実績に表れない人間性に対する評価が考慮されない分配方法を不公平に思う

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図 4.3: 山岸による不公平感の分類[44]

過少評価的不公平感の持ち主の特徴

表4.3 の(現実の富の配分)の質問に対し、「必要」ないし「平等」と答えた回答 者。ただし、(理想の富の配分)で「必要」ないし「平等」と答えた回答者は除く

コストをかけることなく利益を享受しているような「ただ乗り」する人に対し不 公平に思う

「公の場」であっても「そうでない場」であっても、周りからの評価を重視する

男性の場合、比較的従業員の多い会社に勤務している

経済的に恵まれている

福祉政策の充実に対し反対している

不満感と不公平感が独立している(不満が直接的に不公平につながらない)

その他の不公平感の持ち主の特徴

以上の3つのタイプに当てはまらない回答者

なお、本研究では、各ペルソナを「その他の不公平感の持ち主」として分類しない。

なぜならば、「その他の不公平感の持ち主」は特徴がなく、各ペルソナを分類できない と考えたからである。また、特徴がないことから、後述する「説明方法」を考案する 際に適さないと考えたことも理由の一つである。

以上より、本研究では、各ペルソナを「アノミー的不公平感の持ち主」、「人間主義 的不公平感の持ち主」、「過少評価的不公平感の持ち主」の3つに分類することにした。

4.5.2 各ペルソナに当てはまる不公平感の検討

設定した属性を参考に、各ペルソナが、先述の3つの不公平感タイプのうち、どの 不公平感を持ちやすいのかを検討し、分類していった。詳細は付録に記載した。

4.5.2.1 ペルソナAの不公平感のタイプ

吉田愛は「人間主義的不公平感の持ち主」のタイプに分類した。その理由は、福祉 関係の仕事をしていることから、弱者に対する理解がある人物であると想定できるか らである。つまり、「社会的弱者の視点から〈冷たい〉、〈人間的な思いやりに欠けた〉

社会のあり方を不公平と感じやすい」と考えられるため、「人間主義的不公平感の持ち 主」と判断した。

そして、図4.4 に示すように、ペルソナBMまでも同様にして3つの不公平感タイ プのいずれかに分類した。

図 4.4: 作成したペルソナの不公平感タイプ一覧

4.5.3 ペルソナへの想定インタビュー

作成したペルソナに対し、改案のFIT-PCAに対する不公平感についてのインタビュー を行った場合、どのような回答をするのかを検討する。そして、その際には、各ペル ソナの具体的な不公平感を抽出する。

なお、インタビューの内容は以下の通りである。

Q.1 気候区分による排出許容枠の差に関する質問

自分の該当地域に配布される排出許容枠は適量だと思うか、自分の該当地域以外 に配布される排出許容枠は適量だと思うか

Q.2ガソリン・軽油使用者への補助策に関する質問

ガソリン・軽油排出許容枠対象者の条件は適切であると思うか、追加するガソリ ン・軽油排出許容枠が適量であると思うか

Q.3要介護者に対する補助策・3つの不公平感以外に関する質問

要介護者に対する補助は適切だと思うか、3つの不公平感以外に、改案のFIT-PCA に不公平と感じる部分はあるか

4.5.3.1 ペルソナAのインタビューに対する回答

吉田愛は「人間主義的不公平感の持ち主」である。よって、自分ではなく、他人に配 布される排出許容枠の少なさに関して不公平感を持つ傾向にあると考えられる。それ を踏まえ、Q1からQ3にどのように回答するかを考案した。

まず、Q1においては、自分のように寒さに弱い人が、自分の該当地域に配布される 排出許容枠より少ない量で、冬の寒さを耐えるには厳しいという理由から、「自分の該 当地域以外に配布される排出許容枠が少ないことが不公平である」と答えるとした。

次に、Q2においては、自動車を所持していないため、適切な排出許容枠の配分量が わからないとの理由から「よくわからないけど、日常生活で車が必要になる人に配慮 しようとしていると思う」と答えるとした。

最後に、Q3においては、普段、福祉関係の仕事をしていることから、高齢者の人は 家にいる時間が長くなるということを知っていると考えられる。よって、「排出許容枠 の配分量に関して、年齢を考慮に入れていないのは不公平である」と答えるとした。

そして、表4.4 に示すように、ペルソナBMまでも同様にして改案のFIT-PCAに 対する不公平感についてのインタビューを行った場合、どのような回答をするのかを 検討した。詳細は付録に記載した。

ドキュメント内 lΏۂƂ_Yfroegx̕sጸ̒Ăƕ] (ページ 52-57)