第 4 章 ペルソナ法を利用した FIT-PCA の不公 平感低減を目的とする説明方法の提案平感低減を目的とする説明方法の提案
4.5 ペルソナの分類
4.5.4 ペルソナが持つ不公平感
• 要介護者に対する補助は適切だと思うか、3つの不公平感以外に、改案のFIT-PCA に不公平と感じる部分はあるか
4.5.3.1 ペルソナAのインタビューに対する回答
吉田愛は「人間主義的不公平感の持ち主」である。よって、自分ではなく、他人に配 布される排出許容枠の少なさに関して不公平感を持つ傾向にあると考えられる。それ を踏まえ、Q1からQ3にどのように回答するかを考案した。
まず、Q1においては、自分のように寒さに弱い人が、自分の該当地域に配布される 排出許容枠より少ない量で、冬の寒さを耐えるには厳しいという理由から、「自分の該 当地域以外に配布される排出許容枠が少ないことが不公平である」と答えるとした。
次に、Q2においては、自動車を所持していないため、適切な排出許容枠の配分量が わからないとの理由から「よくわからないけど、日常生活で車が必要になる人に配慮 しようとしていると思う」と答えるとした。
最後に、Q3においては、普段、福祉関係の仕事をしていることから、高齢者の人は 家にいる時間が長くなるということを知っていると考えられる。よって、「排出許容枠 の配分量に関して、年齢を考慮に入れていないのは不公平である」と答えるとした。
そして、表4.4 に示すように、ペルソナB∼Mまでも同様にして改案のFIT-PCAに 対する不公平感についてのインタビューを行った場合、どのような回答をするのかを 検討した。詳細は付録に記載した。
表 4.4: 作成したペルソナのインタビューに対する回答
ペルソナB
Q1への回答 北海道は二酸化炭素の排出量が多いため、優遇するのはよいと思うがその他の地域は足りないのではないか。
Q2への回答 自動車でしか移動できない通院中の方などもいるため、もっと必要だと思う。
Q3への回答 特になし
ペルソナC
Q1への回答 インドア派の自分にとってはもっと必要なので、不足していると思う。
Q2への回答 自動車は甘えだ。ネットでなんでもできると思う。特に追加の必要はないのではないか。
Q3への回答 ペットを飼っているが、追加策を欲しいけど、厳しいかな。
ペルソナD
Q1への回答 少ないぐらいの設定の方が皆がんばっていいんじゃない。ただ、その他の地域は少なすぎると思う。
Q2への回答 エコカーは高いため、貧しい人達は買えない。エコカーを特に優遇する必要はないと思う。
Q3への回答 特になし
ペルソナE
Q1への回答 その他の地域が少なく、寒冷地は多い。冬は服を着込んだりして防寒をしている。ここまでの差はないと思う。
Q2への回答 特になし Q3への回答 特になし
ペルソナF
Q1への回答 現状より、エネルギー使用量を控えろと言われても既に限界で無理。もっとたくさんの量が欲しい。
Q2への回答 エコカーへ補助しているみたいだけど、高いので、買い替えるのは無理だ。
Q3への回答 母子家庭への対策も欲しいと思う。
ペルソナG
Q1への回答 北海道などは多めでよいが、九州や沖縄などは夏が暑いから不足するのでないか。
Q2への回答 田舎に住む人にとっては、もっと追加枠が必要だと思う。
Q3への回答 特になし
ペルソナH Q1への回答 努力すればなんとかなりそうな量なので、これぐらいだと思う。
Q2への回答 二酸化炭素の排出量を抑える制度なので、そもそも追加枠は必要ないと思う。
Q3への回答 気候区分の分け方に疑問がある。
ペルソナI Q1への回答 離島など特殊な環境に住む人は考慮していないのはなぜか。
Q2への回答 自分はこの量では足らない。エコカーを優遇するのは良いが、買い替えるのは高くて無理。他の手はないのか。
Q3への回答 その他の地域がひとくくりにされずぎだと思う。
ペルソナJ Q1への回答 今の生活はギリギリだ。これ以上1円の負担も嫌だ。
Q2への回答 車を持っていないのでよくわからない。
Q3への回答 どんな制度が出てこようとも不利を被るのは弱者だ。
ペルソナK
Q1への回答 北海道は行ったことがあるが本当に寒かった。もっと多くてもよいのではないか。
Q2への回答 田舎なので、ちょっと遊びに行くにも自動車が必要なので、もっと欲しい。
Q3への回答 特になし
ペルソナL Q1への回答 可能な限り多くもらって、何も気にせずに暮らしていきたい。
Q2への回答 車を持っていないし、持つ予定もないのでよくわからない。
Q3への回答 よくわからない。なんとなく不公平な気がする。
ペルソナM
Q1への回答 目標を提示するのは大切だが、この量は果たして適当なのかがわからない。
Q2への回答 田舎は車がないと厳しいと思うが、この量で大丈夫かが不明。エコカーはもっと優遇して3倍ぐらいにしてはどうか。
Q3への回答 特になし
人間主義的不公平感の持ち主が感じる不公平感
• 自分の該当地域に配布される排出許容枠は適量であると思うが、自分の該当地域 以外に配布される排出許容枠が少ないと思うから、改案のFIT-PCAは不公平で ある
• 自分の該当地域に配布される排出許容枠は多いと思うが、自分の該当地域以外に 配布される排出許容枠が少ないと思うから、改案のFIT-PCAは不公平である 過少評価的不公平感の持ち主が感じる不公平感
• 自分の該当地域以外に配布される排出枠が多いと思うから、改案のFIT-PCAは 不公平である
ガソリン・軽油使用者への排出許容枠追加に関する不公平感一覧 アノミー的不公平感の持ち主が感じる不公平感
• 自分が排出許容枠の追加対象者でないから、改案のFIT-PCAは不公平である
• 自分に追加される排出許容枠の量が少ないと思うから、改案のFIT-PCAは不公 平である
• 自分が低燃費かつ低排出ガス認定車に買い替えることができないと思うから、改
案のFIT-PCAは不公平である
人間主義的不公平感の持ち主が感じる不公平感
• 日常的に自動車を使用している人であっても、その人が必ず排出許容枠の追加対 象者となるわけではないと思うから、改案のFIT-PCAは不公平である
• 対象者に追加される排出許容枠の量が少ないと思うから、改案のFIT-PCAは不 公平である
• 排出許容枠の追加を得ようとしても、低燃費かつ低排出ガス認定車に買い替える ことができる人とできない人がいると思うから、改案のFIT-PCAは不公平である 過少評価的不公平感の持ち主が感じる不公平感
• 自動車への排出許容枠の追加が必要ないと思うから、改案のFIT-PCAは不公平 である
• 自動車への排出許容枠の追加はあってもよいが、量が多すぎると思うから、改案
のFIT-PCAは不公平である
要介護者在住による排出許容枠追加に関する不公平感一覧 アノミー的不公平感の持ち主が感じる不公平感
• 自分の世帯に要介護者がいないから、改案のFIT-PCAは不公平である
• 自分の世帯に要介護者はいるが、排出許容枠の追加量が少ないと思うから、改案
のFIT-PCAは不公平である
人間主義的不公平感の持ち主が感じる不公平感
• 自分の世帯に要介護者はいないが、排出許容枠の追加量が少ないと思うから、改
案のFIT-PCAは不公平である
過少評価的不公平感の持ち主が感じる不公平感
• 要介護者への排出許容枠の追加が必要ないと思うから、改案のFIT-PCAは不公 平である
• 要介護者への排出許容枠の追加はあってもよいが、追加量が多いと思うから、改
案のFIT-PCAは不公平である
上記の項目以外に関する不公平感一覧
アノミー的不公平感の持ち主が感じる不公平感
• 自分は必ず損をする不利な立場である思うから、改案のFIT-PCAは不公平である 人間主義的不公平感の持ち主が感じる不公平感
• 同じ気候区分間であっても、都会在住者と田舎在住者の二酸化炭素排出量に差が あると思うから、改案のFIT-PCAは不公平である
• 年齢による二酸化炭素排出量の差を考慮に入れていないと思うから、改案の FIT-PCAは不公平である
過少評価的不公平感の持ち主が感じる不公平感
• 気候区分の分け方がおかしいと思うから、改案のFIT-PCAは不公平である
以上より、「気候区分による排出許容枠の変更に関する不公平感」の4つと、「ガソ リン・軽油使用者への補助策に関する不公平感」の8つ、「要介護者在住による排出許 容枠の変更に関する不公平感」の5つ、「これら以外に関する不公平感」の4つを、改
案のFIT-PCAにおける不公平感として抽出した。