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第 3 章 Device Matrix Array によるチップ内ばらつきの評価

3.2 アーキテクチャおよび評価精度

3.2.3 容量測定

容量測定にはCBCM(Charge-Based Capacitance Measurement)を用いた[40](図3.10(b)).

CBCMにおいては,容量CLは直流電流IDに変換される.その変換式は式(3.1)である.

ID = VD CL fC (3.1)

この式において,VDは駆動電圧,fCは周波数である.一例として,VD = 1.2V,fC = 100MHzの 場合で,電流への変換係数は120nA/fFとなる.

容量測定においては,階層構造を持つ櫛型バスを採用している(図 3.10(a)).より積極的なバ スリーク電流の削減が必要だからである.CBCMはチップ内部でクロック駆動を行っている.そ

のため,この時発生するノイズによって,バスリーク電流の変調が発生する.これによって生じ る測定誤差を抑制するためには,バスリーク電流そのものを削減する必要がある.

バスリーク電流は回路上の電位差ΔV = VDD – VD によってコントロールされる.ここでVDD

はコントロールロジックの電源電位である(図3.10(b)).電位差ΔVはドライブトランジスタ(MP) の逆ゲートバイアスとして作用する.この逆ゲートバイアスは,非選択の CME(Capacitance

Measurement Element)のすべてに印加される.また,非選択のMAUスイッチとコラムスイッ

チにも印加される.

このバス構造および回路技術は,リーク電流の削減に非常に効果的である.総合的なバスリー

ク電流は1.2nAまで削減された(図3.10(c)).リーク電流の1.2nAは,容量に換算して10aFで

あり,被測定素子の最小容量である約2fF に対して,絶対的に小さい.よって,クロックノイズ による変調が発生しても問題のないレベルである.

容量測定に関しては,チップの測定回路以外にも,測定環境全体でのクロックノイズ対策を施

した(図3.11).クロックは低電圧振幅(0.17VP-P)の差動入力とした.オンチップキャパシタは

図3.10 容量測定回路 VD VS * (a) Hierarchical

a

a CME

CME CME

31 Common unit

Cloc

* Mesh-structure bus.

x=

1 2 3 . . . . . 14

30 MAU

y x

Comb-structure bus.

5th-metal

Column MAU switch switch

0.E+00 2.E-09 4.E-09 6.E-09 8.E-09 1.E-08 1.E-08

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

1.2nA

(b) Capacitance measurement element (CME).

Interconnect layers : 15 patterns n and p diffusions : 8 patterns Gate poly-silicon : 6 patterns Reference ( 0 fF ) : 1 pattern Total element number = 5580

(c) Leakage reduction 20

18 8 6 4 2 0 ID* (nA)

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 ΔV = 0V

0.1V 0.15V

0.2V

ID* : Sense current at VD pad.

Frequency (MHz) VD(x,y)

VS = 0V Enable(x,y,z)

Clock(x,y)

VDD ΔV

Test

0.05V

element CL

characteristics (measured).

DC leakage

z: Element Number

ID

metal

MP

MN

8000pFである.電源ラインにはフィルタ回路を挿入した.このフィルタ回路は,100kHz以上の 周波数において,チップ側の端子からは同軸ケーブルのインピーダンスである50Ωに等しくなる ように動作する.同軸ケーブルを抵抗終端しているのと等価になり,チップ上で発生するノイズ をダンピングする作用が得られる(図3.12).

(2) Differential clock. (3) LCR filter.

Coaxial cables (Z0=50Ω)

VVDD

VGND

(1) On-chip capacitor 8000pF.

Logic

DMA chip

Probing circuit

図3.11 容量測定におけるノイズ対策

220μ 50

0.22μ

25 0.47μ ZO

100 15.9μ

200 159μ

A B

Buffer model 1 f= R/2πL

0 25 50 75 100

10001k 10k10000 100k100000 10000001M 1000000010M Frequency(Hz)

Buffer model 1 100

75 50 25 0

|ZO| (Ω)

120 90 60 30 0

Phase (degree) Buffer model 2

= 1MHz

Buffer model 2 f= R/2πL

= 200kHz

図3.12 ノイズダンプフィルタの特性

図3.13は,被測定素子の中で,容量が最小(図3.13 (a))のものと,容量が最大(図3.13 (b))

のものを測定した場合の周波数特性である.測定周波数 1~200MHz の範囲において,その変動 は±0.1%であり,非常に安定である.

図3.14は,クロックの振幅電圧を1.38VP-Pに上げて測定した場合の周波数特性である.変動幅

の増加は 0.1~0.2%程度に留まっている.クロックのカップリングノイズ,電源ラインの振動,

計測バスの応答等による影響は,非常に低く抑えられている.

2.410 2.415 2.420 2.425 2.430 2.435 2.440

1 10 100 1000

2.440

2.430

2.420

2.410 CL (fF)

Background noise.

0.2%

(a) CL= 2.4fF

29.76 29.82 29.88 29.94 30.00 30.06 30.12

1 10 100 1000

30.12

30.00

29.88

29.76 (b) CL= 30fF

1 0010 0100 1000

1 0010 0100 1000

Frequency(MHz)

Frequency(MHz) 0.2%

CL

(fF)

2.410 2.415 2.420 2.425 2.430 2.435 2.440

1 10 100 1000

2.440

2.430

2.420

2.410

0.2%

(a) CL= 2.4fF

29.76 29.82 29.88 29.94 30.00 30.06 30.12

1 10 100 1000

30.12

30.00

29.88

29.76

0.2%

(b) CL= 30fF

1 0010 0100 1000

1 0010 0100 1000

Frequency(MHz)

Frequency(MHz) CL

(fF)

CL (fF)

図3.13 入力振幅0.17VP-Pでの周波数特性 図3.14 入力振幅1.38VP-Pでの周波数特性

CL = 0fF(リファレンスパターン)の場合に得られた測定値は2.24fFであった.これは被測定

パターン部以外の寄生容量が計測されたものである.図 3.10(b)の最終出力段(MP, MN)のドレ イン容量や,その周辺の配線容量が加算されたものである.この容量をチップ全体の196点につ いて測定した結果,そのばらつきは 7.5aF(σ)であった.よって,リファレンスパターンによ ってオフセット補償をした場合,23aF(3σ)の測定精度が得られる.

ドキュメント内 早稲田大学大学院情報生産システム研究科 (ページ 53-56)