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ユニバーサルなランダム曲面モデル

ドキュメント内 早稲田大学大学院情報生産システム研究科 (ページ 74-78)

第 4 章 ランダム曲面モデルの基本思想

4.3 ユニバーサルなランダム曲面モデル

1になるように横方向の広がりが調整してある.図4.10(a)は区間 [ -1, 1 ] の一様分布乱数を3つ 加算した場合に合成される乱数の確率密度関数に相当する.3つの2 次関数をつなげた関数とし て表現される.図4.10(b)はcosxを調整した関数である.横軸を調整しているのはσ= 1を得るた めである.図4.10(c)はガウス分布関数である.

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5

-4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 x

y

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5

-4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 x

y

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5

-4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 x

y



 

   exp 2 2

1 x2

y

) 1 1 ( 8 / ) 3

( 2   

x x

y   

) 1 3

( 16 / ) 9 6

( 2    

x x x

y   

) 3 1 ( 16 / ) 9 6

( 2   

x x x

y   

8805 . 0 2

1 ) 8805 . 0 / cos(

 

y x

(a) (b) (c)

) 3

| (|

0 

x

y    y0  (|x|0.8805) ) 8805 . 0

|

(|x 

図4.10 山型となる関数の例

これらの関数を横に並べて重ね合わせた場合に,波形が平坦になるかを試してみる.図4.11は

図4.10(a)の2次関数で構成される山型関数を重ね合わせた場合である.重ね合わせのピッチは1

である.この場合は,重ね合わせた結果が完全に平坦になる.しかしピッチをずらすと平坦には ならない.ピッチを1.4にした場合を図4.12に示す.約4%幅の振動が発生している.このよう に重ね合わせるピッチによって,振動が出たり出なかったりする.図4.10(a)~(c)の各関数で,重 ね合わせのピッチに対する振動幅(%表示)の変化を図4.13に示す.

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2

0 2 4 6 8 10 12 14 16

X Y

重ね合わせ結果 pitch = 1

図4.11 山型関数の重ね合わせ(図4.10(a)のpitch = 1)

0 0.2 0.4 0.6 0.8

0 5 10 15 20

X Y

重ね合わせ結果 pitch = 1.4

図4.12 山型関数の重ね合わせ(図4.10(a)のpitch = 1.4)

0.0001 0.001 0.01 0.1 1 10

0.01 0.1 1 10

ピッチ 振幅(%)

0.0001 0.001 0.01 0.1 1 10

0.01 0.1 1 10

ピッチ 振幅(%)

0.0001 0.001 0.01 0.1 1 10

0.01 0.1 1 10

ピッチ 振幅(%)

(a)

(b)

(c)

2次関数のつなぎ合わせ

cosx

ガウス分布

図4.13 関数の重ね合わせピッチに対する振動幅

ここで顕著な差が出る.2次関数のつなぎ合わせ(図4.13(a))とcosx(図4.13(b))ではピッ チの縮小に対して,ある一定の比率で振動が減少している.それに対して,ガウス分布(図4.13(c))

の場合は,そもそもの振動が少なく,かつ,その減少は急激である.このようにガウス分布は,

本来的な素性の良さを持ち合わせている.荒いピッチで重ね合わせても滑らかで癖のないランダ ム曲面モデルを構成できる可能性が高い.山型関数にガウス分布を選んだのは,このことが最も 大きな理由になっている.(これについては第7章にて詳述する.)

さらに理由はもう一つある.ガウス分布の回転体というのは2次元のばらつき分布そのもので もあるという事実である.たとえば2次元平面の中心に,ある物体があったとしよう.その存在

確率を図 4.14(a)のようにマス目の中に数値で示す.(0 は省略) その物体が,一定時間毎に移

動するものとする.単位時間経過後の存在確率を図4.14(b)とする.上下左右に動く確率が各々0.1,

動かない確率を0.6とする.この状態から,さらに単位時間が経過すると,図4.14(c)の分布とな る.このような移動を100回繰り返した後の存在確率分布は図4.14(d)となる.図4.14(d)のa-a' 断 面およびb-b' 断面のグラフは,図4.15(a)および図4.15(b)となる.かなり正確にガウス分布に漸 近しているのが分かる.このように,平面上での小さな単位の確率的移動が多数繰り返された場 合,その存在確率はガウス分布の回転体で近似されるという性質がある.

初期状態 1回目 2回目

0.01

0.1 0.02 0.12 0.02

1 0.1 0.6 0.1 0.01 0.12 0.4 0.12 0.01

0.1 0.02 0.12 0.02

0.01

(a) (b) (c)

(d)

a a'

b'

b

図4.14 2次元平面での確率的移動による存在確率分布

0 0.01

-20 -10 0 10 20

マス目の位置 存在確率

0 0.01

-14 -7 0 7 14

マス目の位置 存在確率

a-a' 断面 b-b' 断面

(a) (b)

・ データ

― ガウス分布

・ データ

― ガウス分布

図4.15 図4.14(d)におけるa-a' 断面およびb-b' 断面での確率分布

以上の経過が示すように,ユニバーサルなランダム曲面モデルとして,ガウス分布の回転体を 使用することには,それ相応の理由があったわけである.実際,どれだけ相応しいかは,第7章 で詳述されるが,詳細な調査の結果,ガウス分布の回転体によるランダム曲面モデルは,理想ラ ンダム曲面としての資質を十分に備えていることが確認されている.ルジャンドル多項式ベース のランダム曲面モデルとは別の,新しい思想のランダム曲面モデルを構築することに成功した.

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