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3.5 簡易構造物を用いた検証

3.5.1 実験方法

対象とする構造物を図 3.30に示す.供試体は箱型構造物とフレーム,そして比較的高い 剛性を有する厚さ 20mm の平板(以下,剛体ブロック)から構成される.供試体は,アン グル材を組んで作られた台上に,ゴムブッシュを介してマウントされている.箱型構造物

は両側面・前面が厚さ 25mm のジュラルミンで作られている.そして上面・背面・底面は 厚さ5mmのSS400で作られた平板である.これら5mmの平板は,ジュラルミン製の25mm 平板と比べて柔らかい構造であるため,便宜的に弾性パネルとよぶ.この箱型構造物の下 面にはフレームが取り付けられており,先端部に剛体ブロックをマウントする.フレーム と剛体ブロックとの結合部には,ロードセルとゴムブッシュを介してあり,内力の計測を 行なう(図3.31).これらの結合部が力の伝達経路であり,以降Pathと称する.剛体ブロッ クとゴムブッシュ,フレームとロードセルはボルトで締結されている(図3.32).本実験に おいて伝達経路は全部で4点あり,以降Path1に関する同定結果を示してゆく(図3.33).

また,供試体の寸法は図3.34に示すとおりであり,総重量は約100kgである.

実稼動計測は,剛体ブロックの中央に慣性型加振器を設置して加振することで行なう.

加振器の諸元を表3.7 に示す.そして FRF を計測する際には剛体ブロックとゴムブッシュ を取り外し,ロードセルに加振器を取り付けて加振する.伝達経路は全部で4点あるため,

順次加振器を移動させながら加振してゆく.

計測におけるサンプリング点数は8192点,周波数分解能は0.1563Hzである.フーリエ変 換における窓関数の使用は入力同定精度に影響を与えると考えられるため,矩形窓を用い ることが好ましい.そのためFRF を計測する際にはバーストランダム波を,実稼動計測に おいては確定波としてスウェプトサイン波を用いて加振した.バーストランダム波は,FFT 時間窓長が6.4secに対して,加振時間は4sec としているが,2.4secの間に振動が十分に減 衰していることを確認済である.FRF推定における平均化回数を50回とし,実稼動計測は 100回繰り返し,同定結果をパワースペクトルで平均化して評価する.

約25Hzまでは加振器が十分な加振力を発生させられないため,解析結果は50Hz以上に ついて示す.そして解析周波数の上限は500Hz とする.第1章で述べたように本研究では 自動車のこもり音が問題となる約 200Hz までの低周波領域を対象としているが,実験に用 いる簡易構造物の音場の固有振動数が200Hz以下には存在しないため,解析周波数を500Hz としている.

図3.30 供試体の概観

箱型構造物

x z y

図3.34 供試体の寸法 [mm]

図3.33 4箇所の伝達経路

図3.31 伝達経路

Path1

剛体ブロック

フレーム

表3.7 加振器の諸元 メーカー Wilcoxon Research

型番 F3/Z602WA

重量 0.37kg

周波数範囲 2510,000Hz

ボルト イモネジ

図3.32 フレームと剛体ブロックの結合方法

剛体ブロック

フレーム

ゴムブッシュ ロードセル

フレーム