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エレベータ乗りかごの実稼動実験

2exp1

D.4 エレベータ乗りかごの実稼動実験

D.4.1 実稼動測定実験

本節では 24 人乗りの高速エレベータを供試体とし,2名乗車の状態で走行する.図 D.2 に示す加速度センサの配置でエレベータを速度4m/sで3往復運転させてサンプリング周波 数fs = 256Hzにて応答加速度を測定する.ただし図D.2中の矢印は,各加速度センサの計測 自由度を表す.また,本節ではガイドレールの途中に,振動モードが励起されやすくなる ように微小なレール曲がりを与えた.

D.4.2 データ解析

・スペクトル解析

収録された応答加速度データに対して,約 75%のオーバーラップを施して,運転開始か ら終了までの全範囲を網羅するように3往復分のフーリエスペクトルを平均化する.なお,

サンプリング時間T = 16 secであり,窓関数にはハニング窓を用いた.1往復運転の鉛直方 向の加速度波形においてFFT時間窓を設定する様子を図D.3 に示す.ただし縦軸の値は,

かご床に設置された鉛直Z方向のセンサの出力電圧値を示している.

・PSD 行列のスケーリング

各応答加速度のフーリエスペクトルを重心に縮約して,重心の PSD行列を計算する.し かし重心6自由度のPSD行列の成分は加速度波形のスペクトルと角加速度波形のスペクト ルという 2 種類の単位から成る.PSD 行列に対しては,固有値分解により分散が最大化さ

にスケーリングを施し,PSD 行列を算出した.得られた固有ベクトルに対しては,逆のス ケーリングを施して評価する必要がある.

・解析結果

RIF値を図D.4に示す.RIF値は約4Hz以下において高い値を示し,本節で対象とする周 波数範囲内において剛体の仮定が成り立つことを確認できる.

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FFT & Spectral Analysis PSD Matrix Eigenvalue Decomposition

Peak Picking Mode Shape Vector

SDOF PSD

Undamped Natural Angular Frequency, Modal Damping Ratio

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End no yes

図D.1 FDDのフローチャート

Z X

Y

: Accelerometer : Measurement DOFS

frame cage

図D.2 センサ配置

1

0 10 20 30 40 50 60

-0.1 -0.05 0 0.05 0.1

Time (sec)

Aceeleration (V)

表D.1 同定されたモード特性

Mode Shape

Damped Natural Frequency

Modal Damping

Ratio X translation 1.58 Hz 3.25 % Z-axial rotation 2.13 Hz 2.81 %

図D.5 PSD行列の固有値 図D.6 モード形状

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4

10-8 10-7 10-6 10-5 10-4 10-3 10-2 10-1 100

Frequency (Hz)

Eigenvalue (Nm/s) (a) 1次モード(TX)

(b) 2次モード(RZ)

(c) 3次モード(RY)

Z

X Y

Neutral Mode shape 図D.3 鉛直方向加速度とサンプリング時間長

UP

0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 DOWN 0.4

0 1 2 3 4 5 6 7

RIF (-)

Frequency (Hz)

8 9 10

図D.4 剛体指示関数

重心のPSD行列の固有値プロットを図D.5に示す.図中には,上から順に第一固有値か ら第六固有値までプロットしてある.最大固有値のピーク(図中の矢印↓)に着目し,それ ぞれのピーク近傍においてSDOF PSDを推定し,これに対してカーブフィットを行ない,

固有振動数とモード減衰比を同定した.モード特性同定結果を表D.1に示し,固有モード形 状を図D.6に示す.図D.6では,初期位置におけるかごを点線で,モード形状を実線で示し ている.

D.4.2.4 考察

同定された固有モードを用いて,Z並進運動を除く重心5自由度における計測加速度から モード座標を計算する.得られるモード座標のPSD波形を図D.7に示す.モード座標に変 換された重心X並進運動のPSD波形には,約1.63Hzにピークがあり,Y軸回転運動のPSD 波形には,約2.69Hzにピークがあり,そしてZ軸回転運動のPSD波形には,約2.13Hzに ピークがある.FDD によって同定された固有モードを用いてモード座標に変換された計測 データには,各固有振動数付近においてPSD のピークが形成されており,同定された固有 モードの妥当性を確認できる.

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4

10-6 10-4

PSD [(m/s2 )/s] 1st mode

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4

10-6 10-4

PSD [(rad/s2 )/s] 2nd mode

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4

10-6 10-4

Frequency [Hz]

PSD [(rad/s2 )/s] 3rd mode

図D.7 モード座標におけるPSD