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第 7 章 ブレードピッチ角度の運転特性モデルに基づくフィードフォワードを利用したブレー

7.6 実機試験結果

ることが確認できる.これらの結果は,提案制御(フィードフォワード制御)の適用は浮体式洋 上風力発電システムの運転に大きな影響を及ぼさないことを示す.

7.6.3 ブレードピッチ角度の累積移動量

図7-15に,風速毎のブレードピッチ角度の累積移動量の結果を示す.図7-15の横軸はナセル 風速の試験期間600s での平均値を示し,縦軸は同期間でのブレードピッチ角度の累積移動量を 示す.図中の青色×印がフィードフォワード制御未適用時(without F/F)を,緑色丸印がフィー ドフォワード制御適用時(with F/F)を示す.

図7-15より,フィードフォワード制御適用時(with F/F)の方が,ブレードピッチ角度の累積 移動量が低い傾向があることが確認できる.

図7-15の比較を明確化するために,図7-15のナセル風速ビン毎の平均値を比較した.その結 果を図7-16に示す.図7-16の横軸は平均ナセル風速を示し,縦軸はブレードピッチ角度の累積 移動量の割合を示す.ブレードピッチ角度の累積移動量は,ナセル風速1m/sのビン平均値であ る.図中の黒色点線がフィードフォワード制御未適用時(without F/F)を,緑色実線がフィード フォワード制御適用時(with F/F)を示す.なお,図7-16はフォードフォワード制御が有効化す る平均ナセル風速が8m/s以上をプロットした.また,平均ナセル風速の上限が20m/sとしたの は,図7-15に示す通り,試験期間中にフィードフォワード制御適用時のデータが取得できなか ったためである.

図7-16より,フィードフォワード制御適用時には,ほとんどのナセル風速においてブレード ピッチ角度の累積移動量を低減できることが確認できる.ナセル風速が 13,19,および 20m/s

で100%を超過しているが,これは図7-15で確認できるように,取得できたデータ数が少ないた

めと考える.周辺のデータから推測すると,継続したデータ取得によって,フィードフォワード 制御適用時には,8m/s以上の全ての風速においてブレードピッチ角度の累積移動量を減少でき

表7-3. 提案制御の試験方法

No. 項目 内容

1 データ取得方法

・試験期間中の9:00~17:00にてフィードフォワード制御を有効化し,この 期間のデータをフィードフォワード制御適用時とする.

・上記以外の時間はフィードフォワード制御を無効化し,この期間のデー タをフィードフォワード制御未適用時として採用.

・スタートアップ,シャットダウン,アラーム発生時,および保守点検等 の期間のデータは不採用.

2 取得データ ・サンプル周期1s

・ブレードピッチ角度の累積移動量演算のための積分期間600s

3 評価項目

・時系列応答:発電電力,ロータ回転角速度,ナセルピッチ角度がフィー ドフォワード制御適用前後で比較.

・風速毎の平均値:ブレードピッチ角度の累積移動量をフィードフォワー ド制御適用前後で比較.

4 その他 関連パラメータは表7-2に示す値を利用.

る可能性があると考える.

以上の結果より,提案制御を適用することで,ブレードピッチ角度の累積移動量を低減し,ブ レードピッチ駆動部の負荷を軽減できる可能性があることを確認した.ただし,図7-16 に示す ブレードピッチ角度の累積移動量の改善率は,図 7-11(d)に示したシミュレーション結果よりも 絶対値が小さい.この理由は以下と推測する.

(a) フォードフォワード制御に用いたブレードピッチ角度モデル(2次曲線)はシミュレーシ ョンで得られた結果を利用して試験を実施した.このモデルがシミュレーションと実機 試験で異なることが影響を及ぼした可能性がある.

(b) シミュレーションで決定したフィードフォワード制御ゲインの値が実機には最適な値で はなかった可能性がある.

(c) フィードフォワード制御に利用するナセル風速は,ロータの回転による乱れや,ナセル 形状による流れの変化が含まれるため,シミュレーションと実機でこれらに差異があっ た可能性がある.

上記は,今後検討してその要因を明確にすべき課題である.

図7-14. 試験結果:時系列応答

6 8 10 12 14

Nacelle wind speed [m/s]

11 11.5 12 12.5

Rotor speed [rpm]

2 3 4 5 6

Electrical power [MW]

Fine Feather

Blade pitch angle [deg]

1 2 3 4 5

Nacelle pitch angle [deg]

0 100 200 300 400 500 600

Time [s]

without F/F with F/F