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シミュレーション結果

第 7 章 ブレードピッチ角度の運転特性モデルに基づくフィードフォワードを利用したブレー

7.5 シミュレーション結果

よびブレードピッチ角度の累積移動量(3本のブレードの平均値)を示すが,縦軸はフィードフ

表7-2. シミュレーションで利用したパラメータ

ローパスフィルタのカットオフ周波数 [Hz] 0.107 中間風速でのブレードピッチ角度モデルを定義する近似曲線の定数 𝜌𝜌𝑑𝑑 [ deg/(m/s)-2] 0.181 中間風速でのブレードピッチ角度モデルを定義する近似曲線の定数 𝐵𝐵𝑑𝑑 [ deg/(m/s)] 3.098 中間風速でのブレードピッチ角度モデルを定義する近似曲線の定数 𝐶𝐶𝑑𝑑 [ deg] 13.211 高風速でのブレードピッチ角度モデルを定義する近似曲線の定数 𝜌𝜌 [ deg/(m/s)-2] -0.074 高風速でのブレードピッチ角度モデルを定義する近似曲線の定数 𝐵𝐵 [ deg/(m/s)] 4.541 高風速でのブレードピッチ角度モデルを定義する近似曲線の定数 𝐶𝐶 [ deg] -43.383 フィードフォワード制御ゲイン 𝐺𝐺𝐹𝐹𝐹𝐹 0.2

図7-9. 平均ハブ高風速18m/sでのシミュレーション結果

10 20 30

Wind speed [m/s]Electrical power [MW]

Mean bladepitch angle [deg.]

0 100 200 300 400 500 600

0 2 4

Nacellepitchangle [deg.]

Time [s]

4.2 4.6 5.0

with FVC with FVC & FF 10.5

11 11.5 12

Fine Feather

Rotor speed [rpm]

ォワード制御未適用時(with FVC,黒色×印)を基準としたフィードフォワード制御適用時(with FVC & FF,緑色丸印)の変化率を示す.シミュレーション条件としては,各風速でヨーエラー

0deg.および±8degの3種のシミュレーションの平均値をプロットした.なお,海象条件は初期

ヨーエラーに関わらず一定とした.

まず,図 7-11(a)の平均発電電力に注目すると,増加と減少がみられるが,その絶対値の最大

は 0.5%未満であり,フィードフォワード制御は大きな性能の変化を及ぼさないことが確認でき

る.次に,図 7-11(b)のナセルピッチ角度の標準偏差に注目すると,これも同様に増加と減少が あり,風速に基づく傾向はみられない.また,その値が大きい傾向があるが,これは図7-9の際 下段に示したように,フィードフォワード制御未適用時の絶対値が小さいためであって,フィー ドフォワード制御が大きく影響を及ぼさないと考える.最後に,図 7-11(c)および(d)のブレード ピッチ角度の標準偏差と累積移動量に注目すると,双方の値が風速8 m/s以上で大きく減少する

図7-10. 平均ハブ高風速18m/sでのシミュレーション結果のパワースペクトル密度

100 Wind speed [m2/s2/Hz]

10-5 100 Rotor speed [1/min-2/Hz]

10-5 100

Electrical power [MW2/Hz]

100 105

Mean bladepitch angle [deg.2/Hz]

10-2 10-1 100

10-5 100

Nacelle pitchangle [deg.2/Hz]

Frequency [Hz]

10-4 104

with FVC with FVC & FF

ことが確認できる.標準偏差の減少はブレードピッチ角度の変動幅が減少したことを示し,累積 移動量の減少はブレードピッチ角度の動作量が減少したことを示す.これらより,フィードフォ ワード制御の適用によってブレードピッチ角度の動作を抑制できると考える.

以上の結果から,FVCのみ適用した場合に対してフィードフォワード制御を追加することで,

浮体式洋上風力発電システムに搭載されるブレードピッチ駆動部の負荷を低減できる見込みを 得た.

7.5.4 最大荷重

図7-11に示した運転特性を取得するためのシミュレーション結果を利用し,フィードフォワ ード制御適用前後での最大荷重を比較した.図7-12に,フィードフォワード制御未適用時を基 準とした最大荷重の比率を示す.評価部位はブレードピッチ角度の中心軸の回転方向のモーメン ト,同中心軸の曲げモーメント,ロータ回転軸の曲げモーメント,タワートップ(ヨー旋回軸)

の曲げモーメント,およびタワー基部の曲げモーメント,である.

(a) 平均発電電力 (b) ナセルピッチ角度の標準偏差

(c) ブレードピッチ角度の標準偏差 (d) ブレードピッチ角度の累積移動量

図7-11. フィードフォワード制御適用時のシミュレーション結果(運転特性)

4 8 12 16 20 24

Average wind speed [m/s]

-0.4 -0.3 -0.2 -0.1 0 0.1 0.2 0.3

Average electrical power [%]

with FVC with FVC & FF

4 8 12 16 20 24

Average wind speed [m/s]

-10 -5 0 5 10 15

Standard deviationof nacellepitchangle[%]

4 8 12 16 20 24

Average wind speed [m/s]

-14 -12 -10 -8 -6 -4 -2 0 2

Standard deviationof mean blade pitch angle[%]

4 8 12 16 20 24

Average wind speed [m/s]

-35 -30 -25 -20 -15 -10 -5 0 5

Cumulativemoving distance of blade pitch angle[%]

図7-12に注目すると,ブレードピッチ角度の回転方向モーメントおよび曲げモーメントがフ ィードフォワード制御未適用前よりも増加している.理由を確認した結果,フィードフォワード 制御未適用よりもブレードピッチ角度がファイン側(風からの荷重をより受ける方向)となる場 合があり,その状態からフェザー側へ調整する際に発生していた.ただ,他の運転状態でも,上 記のファイン側よりもさらにファイン側へ変化し,その後にフェザー側へ変化するが,荷重が最 大荷重に達しない場合があることを確認した.このことから,フィードフォワード制御の適用に よって必ずしも最大荷重が増加するのではなく,運転条件やタイミングによって最大荷重が増加 する場合があると考える.ただし,これらの最大荷重は設計許容値を超えることはなく,問題な いレベルの増加であることを確認した.

7.5.5 疲労等価荷重

前節と同様に,図7-11に示した運転特性のためのシミュレーション結果を利用し,フィード フォワード制御適用前後での疲労等価荷重を比較した.疲労等価荷重の算出の条件を以下に示す.

(a) 発電運転時のみで比較.待機時,スタートアップ,およびシャットダウンなどは考慮しな い.

(b) Rainflow方式を適用.期間20年,繰返し回数2e×108回,およびウェーラー数をm=4と

した.

(c) 発生頻度はワイブル分布より演算.設置サイト(福島沖)の計測環境条件に基づき,形状 パラメータを1.68,平均風速を8.4 m/sとした.

図7-13に,フィードフォワード制御未適用時を基準とした疲労等価荷重の比率を示す.比較 項目は前節の図7-12と同様である.

図7-13より,フィードフォワード制御の適用により,疲労等価荷重はすべての項目で減少す ることが確認できる.この理由は,フィードフォワード制御の適用によってブレードピッチ角度 の変動が低減できたことにより,浮体式洋上風力発電システムの各コンポーネントに発生する繰 返し荷重が低減できたためと考える.

以上の結果より,フィードフォワード制御は疲労に悪影響を及ぼさず,浮体式洋上風力発電シ ステムの疲労軽減に貢献できる見込みを得た.

図7-12. フィードフォワード制御適用前後のシミュレーションにおける最大荷重の比較

with FVC & FF

0.88 0.92 0.96 1.00 1.04

Pitch bearing (axial)

Blade root (bending)

Main shaft (bending)

Yaw bearing (bending)

Tower bottm (bending) with FVC

Ratios of maximumloads [-]