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実体疲労試験の結果

第 5 章 平均応力が油井管特殊ねじ継手の疲労強度に及ぼす影響

5.4 実体疲労試験の結果

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5.4.2 引張平均応力が負荷された場合の疲労破壊モード

当節では,試験後に供試体の観察を行い,疲労破壊モードを調査した.図5-7および図5-8 に引張平均応力を負荷しなかった場合の観察結果を2例示す.図5-7は,供試体No. #8(応力 振幅σa= 71 MPa,平均応力σm= 0 MPa,疲労寿命Nf= 4.89×106)の結果で,図5-8は,供試体 No. #7(応力振幅σa= 97 MPa,平均応力σm= 0 MPa,疲労寿命Nf= 1.52×106)の結果である.

図5-7のように,貫通き裂の起点はピン不完全ねじ底面の中央近傍であった.また,ねじ 底面をバフ研磨したところ,図5-7(b)に示すように貫通き裂の他にも複数の微小き裂が確認 されるとともに,図5-7(c)のような縦断面でも,貫通き裂の近傍に微小き裂が発生している ことがわかった.

図5-7 平均応力を負荷しない場合のピン不完全ねじ底の疲労破壊の様子(その1)

(応力振幅σa= 71 MPa,平均応力σm= 0 MPa,疲労寿命Nf= 4.89×106

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一方,図5-8(c)のように応力振幅を増加させた場合でも,ねじ底の貫通き裂近傍が変形し,

傾いてしまってはいるが,貫通き裂の起点はねじ底中央近傍となっていた.また,図5-8(d) のように荷重面側の曲面止端近傍にも複数の微小き裂が発生していた.これらの疲労破壊 の主要因は,第2章で示した比較的低応力振幅の領域の試験結果と同様に,ピンねじ底面と ボックスねじ山頂面の繰返しすべりに起因するフレッティングであると考えられる.

図5-8 平均応力を負荷しない場合のピン不完全ねじ底の疲労破壊の様子(その2)

(応力振幅σa= 97 MPa,平均応力σm= 0 MPa,疲労寿命Nf= 1.52×106

図5-9と図5-10に引張平均応力を負荷した場合の2例の観察結果を示す.図5-9は,供試体 No. #2(応力振幅σa= 101 MPa,平均応力σm= 166 MPa,疲労寿命Nf= 4.20×105)の場合で,図 5-10は,供試体No. #3(応力振幅σa= 75 MPa,平均応力σm= 170 MPa,疲労寿命Nf= 2.26×106) である.図5-9のように貫通き裂の起点は,ピンねじ底の曲面止端と平面の境界近傍であっ たのに対し,図5-10の場合はねじ底の曲面上となっており,負荷応力振幅が低下することで,

貫通き裂の位置が曲面内部に移動していることがわかった.また,図5-9(b)で示したバフ研 磨後の写真や,図5-10(b)のねじ底中央近傍の写真を確認しても,貫通き裂以外の微小き裂 は確認されないばかりか,摩耗している様子も殆どなかった.そのため,疲労破壊の主要 因はフレッティングではなく,ねじ底曲面止端近傍,あるいは曲面内部における応力集中 であると考えられる.しかし,比較的低応力振幅の領域では,フレッティングが疲労破壊 の主要因という第2章の知見とは異なる.そのため,引張平均応力負荷時の貫通き裂の発生 の要因を明らかにするため,以下に実体疲労試験をモデル化した有限要素法解析を実施し,

ピンねじ底の応力状態を評価した.

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図5-9 引張平均応力を負荷した場合のねじ底の疲労破壊の様子(その1)

(応力振幅σa= 101 MPa,平均応力σm= 166 MPa,疲労寿命Nf= 4.20×105

図5-10 引張平均応力を負荷した場合のねじ底の疲労破壊の様子(その2)

(応力振幅σa= 75 MPa,平均応力σm= 170 MPa,疲労寿命Nf= 2.26×106

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5.5 有限要素法解析によるピンねじ底の応力状態の評価