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第 3 章 接触中央部におけるフレッティング疲労き裂発生のメカニズム

3.2 ブリッジパッド式フレッティング疲労試験

3.2.3 本研究のフレッティング疲労試験評価部

3.2.3.1 試験評価部の説明

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図3-4 フレッティング疲労試験の試験評価部

図3-5 油井管ねじ継手の縦断面に負荷される曲げ荷重

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図3-6に試験片と接触片の形状と寸法を示す.試験片と接触片は同じロットのパイプ素管 から切り出し,試験片および接触片の軸方向とパイプの軸方向を合わせた.ただし,円周 方向位置と軸方向位置については任意の箇所で採取しているため,それらの位置が機械的 性質に及ぼす影響がもしあっても考慮していない.接触片の脚部は接触端部が直角に形成 されるスクエア型とし,脚高さは0.5 mm,脚長さ(フレッティング方向の長さ)はボック スねじ山頂面の幅に近い3 mmとした.

試験片の評価部と接触片の接触表面は精密研磨機による鏡面加工後に,400番のエメリー 紙による手研磨で仕上げた.本章でのフレッティング疲労試験における試験片,接触片に ついては,表面処理,潤滑剤は適用していない.図3-7に接触片の表面形状の一例を示す.

接触片の接触部の形状はレーザー顕微鏡により測定した.接触部のフレッティング方向の 接触長さは3 mmであるが,これに対して接触端部と接触面内部の高さの差は2~4 μmとなっ ており,接触端部は非常に曲率の大きい丸みを帯びた形状になっていた.この接触端部の 丸みは,上記エメリー紙で手研磨した際に発生したと考えられる.接触面の形状は,小型 モデルの試験においてフレッティング疲労特性に影響を及ぼすことは過去から報告されて いる[16-18].例えば接触片の片当たりの影響で接触面圧が増加し,フレッティング疲労強 度を著しく低下させる場合もあるので[18],実際の構造物の疲労強度を評価する際には注意 を払う必要がある.従い,接触面の仕上げ精度は疲労強度評価においては非常に重要で,

今後明らかにすべき課題であるが,本研究においては,後述するフレッティング面の観察 からこの程度の丸みはフレッティング摩耗によって平坦化して片当たりなく接触が起こる ため,このまま実験に用いた.

図3-6 フレッティング疲労試験片と接触片の形状・寸法(単位:mm)

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図3-7 接触片の表面プロファイルの測定結果の例

試験の公称応力振幅を算出するための公称ひずみは,試験片評価部の端部から7 mmの位 置に貼りつけたひずみゲージによって測定した.また,試験片におけるき裂の発生箇所を 限定するため,図3-4のようにポリアミドフィルムを片側の接触面間に挟み込み,当該部分 における摩耗を防止した.これによりフレッティング疲労き裂の発生をもう一方の接触面 に限定できる.

試験片に負荷する接触面圧は,箱型ばねに貼りつけたひずみゲージが所定の面圧に相当 するひずみになるようボルト締めすることで調節した.箱型ばねに発生するひずみと負荷 する接触面圧の関係は事前に弾性有限要素法解析で求めた.なお,接触面圧の値について は次節で詳細に検討したので後述する.

接線力係数および,相対すべり量は,フレッティング疲労を評価する上で重要な影響因 子となる.図3-8に接線力係数と相対すべり量の概念を示す.図より接線力係数は,接線力 Nと押付け力Pをもとに下記(1)式によって求められる[11].

∅ 2 1

しかし,試験中の接線力Nを直接測定することは困難であるため,本研究では接触片内面の 中央に貼りつけたひずみゲージで測定した試験中のひずみ,弾性有限要素法解析で求めた 関係式から接線力係数を算出した.1サイクル中にも接線力係数は変化するため,最大接線 力係数と最小接線力係数から求まる振幅を接線力係数と定義した.また,本試験での接線 力係数は,二つの脚部の接触面の接線力係数の平均値を示しており,個々の脚部の接線力 係数を示すものではない.

試験中の試験片と接触片の相対すべり量は,図3-8のとおり,試験片の変位量と接触片の 変位量の差で求まるが,本研究では接触片の両端部に設置した小型変位計[19]を用いて測定 した.図3-9に小型変位計の模式図を示す.小型変位計は接触面の相対すべり量を正確に測 定するため,できるだけ接触面の近傍に設置するようにした.また,図3-10のように小型変 位計を備え付けたXステージに規定の変位を与え,相対すべり計に与えた変位と相対すべり

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計の出力の関係を取得した.同図に示すとおり,相対すべり計の変位と出力は良好な線形 関係が得られた.この校正曲線により試験中の相対すべり量を算出した.

試験周波数は15 Hz,応力比はR = -1の両振り,室温,大気中で試験を実施した.繰返し数 が107回に達しても試験片が破断しない場合,その応力振幅の最大値を疲労限度とした.ま た,本試験方法は変位一定の方式であり,き裂の進展によって応力振幅が減少するため,

応力振幅が試験開始時の値より15 %低下した時点を試験片の破断と定義し,それを疲労寿 命とした.

図3-8 接線力係数と相対すべり量の概念

図3-9 相対すべり量を測定する小型変位計の模式図(単位:mm)

Contact force,P

Bending

Displacement of contact pad Tangential force,N Contact pad

Specimen

Displacement of specimen Relative slip

Strain gauge Relative slip sensor

Relative slip sensor

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図3-10 小型変位計の校正方法および校正曲線の一例