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第 5 章の参考文献

第 5 章 平均応力が油井管特殊ねじ継手の疲労強度に及ぼす影響

5.8 第 5 章の参考文献

[1] Warren T. M., Angman P., and Houtchens B., Casing Drilling Application Design Considerations, SPE/IADC paper 59179, SPE/IADC Drilling Conference, New Orleans, 2000

[2] Ong G., Yamaguchi S., and Imai R., Successful Casing Drilling Experience with Premium Connection for Production Casing Application on a Subsea Well,

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[3] Sches C., and Shilling R., Design and Qualification of Fatigue Resistant Heavy Wall Threaded &

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[4] Bailey G., Strickler R. D., Hannahs D., and Kamruzzuman S.,

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[5]日本材料学会編,疲労設計便覧,養賢堂,1995 [6] SAFETY DATA SHEET API MODIFIED 304-ST, 2018

[7] American Petroleum Institute, Specification for Casing and Tubing, API SPECIFICATION 5CT (SPEC 5CT) THIRD EDITION, 1990 [8] ISO/FDIS 13679: 2011, Petroleum and Natural Gas Industries

– Procedures for Testing Casing and Tubing Connections, 2011 [9] Simulia編,ABAQUS Theory Guide,2016

[10]奥洋介,杉野正明,辻村琢也,牧野泰三,油井管特殊ねじ継手の疲労寿命予測,

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[11]柳田信義,複合硬化則を用いたSUS316Lの応力-ひずみ関係の検討,

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[12]薦田亮介,久保田祐信,近藤良之,Jader Furtado,水素ガス中フレッティング疲労に おける疲労強度低下の基本的機構,日本機械学会論文集(A編)79巻801号,536-545,2013 [13]西岡邦夫,平川賢爾,フレッチング疲れに関する研究(第4報,平均応力の影響),

日本機械学會論文集(第1部)34巻266号,1644-1649,1968

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日本機械学会論文集(A編)57巻534号,262-267,1991 [15]木本寛,フレッティング疲労強度に及ぼす平均応力の影響,

日本機械学会第12回機械材料・材料加工技術講演会講演論文集,2004

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6 章 結言

石油,天然ガスの生産に使用される油井管を接続する油井管特殊ねじ継手において,近 年,新しい掘削技術Drilling with Casingの発達により,耐疲労性能が重要な性能の一つとし て着目されるようになりつつある.これまで油井管は予め掘削した坑井に敷設され,引張,

圧縮,内圧,外圧に耐えうる静的な強度を基準に設計されていたが,近年は油井管の先端 にドリルビットを装着して掘削と油井管の敷設を同時に行う手法,DwCが普及し始めてい

る.DwCによると油井開発のコスト低減や掘削中の地盤の崩落を防止が可能となる一方で,

油井管は屈曲した坑路の掘削時に回転曲げ疲労を受けることになり,今まで主要な設計因 子ではなかった疲労が重要な性能となった.

そこで,本研究では,油井管特殊ねじ継手の定量的な疲労強度評価法を確立し,かつ,

耐疲労性能を向上するための設計指針を見出すため,種々の実体疲労試験および小型試験 片レベルの基礎的な試験によって油井管特殊ねじ継手の疲労破壊モードに及ぼす影響因子 や疲労破壊の現象を定性的に解明すること目的と定め,以下の検討を実施した.下記に,

本研究で得た知見を総括する.

第1章では,油井管特殊ねじ継手はどのようなものであるか,またそれに要求される性能 などについて述べ,さらにこれまでに行われた油井管特殊ねじ継手を対象とした実体疲労 試験や数値解析による疲労強度を評価した事例について紹介した.そして過去の研究では 疲労破壊の原因や機構の解明にまで踏み込んで研究されていないことを述べ,本研究の必 要性を明らかにした.

第2章では,代表的な油井管特殊ねじ継手を対象に,比較的高応力域においては4点曲げ 式回転曲げ実体疲労試験,比較的低応力域においては共振型実体疲労試験を実施し,疲労 破壊モードの解明を試みた.得られた知見は以下のとおりである.

(1)油井管特殊ねじ継手の実体疲労試験の結果,試験対象とした応力振幅領域において Q125とP110の疲労寿命は同程度であったが,母材の引張強度がP110よりも高いQ125 の方がやや短寿命となっていること,引張強度の最も低いL80が最も短寿命となる ことがわかった.

(2)比較的高応力振幅の領域において,貫通き裂の起点はねじ底荷重面側の曲面止端 近傍となっており疲労破壊の要因は曲面の応力集中であることがわかった.

(3)比較的低応力振幅の領域において,貫通き裂の起点がねじ底中央近傍となっており,

疲労破壊の要因は雄ねじ底と雌ねじ山の繰返しすべりに起因するフレッティング

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であると考えられる.しかし,貫通き裂の位置が従来のフレッティング疲労で確認 される接触端部とは異なることがわかった.

(4)油井管特殊ねじ継手の疲労破壊モードは,負荷応力振幅域に応じて主に3種類の領 域が存在すると考えられる.一つ目はねじ底荷重面側の曲面止端の応力集中による 貫通き裂の発生,二つ目はねじ底挿入面の曲面止端の応力集中による貫通き裂の 発生,あるいはねじ底接触端部におけるフレッティングによる疲労き裂の発生が 混在する遷移領域,三つ目がねじ底の接触中央部でのフレッティングによる疲労 き裂の発生である.

第3章では,油井管特殊ねじ継手のピンねじ底における接触中央部近傍からのフレッティ ング疲労き裂の発生のメカニズムを解明するため,油井管材料L80を対象としたブリッジパ ッド式フレッティング疲労試験を実施した.得られた知見は下記のとおりである.

(1)弾塑性有限要素法解析により,油井管特殊ねじ継手の締結をモデル化した計算を 実施した際,実体疲労試験で破断に至るき裂が発生したピン不完全ねじ底に発生 する接触面圧の平均値は13~97 MPaであった.これらの値はタービン翼の ダブテイル締結部などの接触面圧よりも比較的低く,それらのフレッティング 疲労とは異なる破壊の様相を生じる原因と考えられる.

(2)ブリッジパッド式フレッティング疲労試験の結果,フレッティング疲労強度は,

平滑材の疲労限度の1/3以下にまで低下すること,接触面圧の増加に伴って低下する ことが判明した.これは,過去のフレッティング疲労の研究で報告された知見と 整合する結果である.

(3)本研究で適用した比較的低い接触面圧50 MPaの試験により,接触中央部に主き裂が 発生し,油井管特殊ねじ継手のピンねじ底で発生するフレッティング疲労き裂の 再現に成功した.一方で,比較的高い接触面圧100 MPaの場合は,接触端部において 主き裂が確認された.

(4)(3)において確認したフレッティング疲労き裂の発生・進展のメカニズムをさらに 詳細に解明するために,途中止めフレッティング疲労試験を実施した.その結果,

比較的低い接触面圧の場合は比較的大きな相対すべりの影響でフレッティング摩耗 が生じ,試験初期の段階に接触端部の接線応力の集中が緩和されことにより,

フレッティング疲労き裂の発生位置が接触内面に移行し,フレッティング疲労き裂 は摩耗の激しい領域と緩やかな領域の境界近傍で発生することを明らかになった.

一方,比較的高い接触面圧の場合は,試験初期に接触端部における接線力の集中 によってフレッティング摩耗が十分進行する前に,接触端部にフレッティング疲労 き裂が発生したことが分かった.

(5)全すべり状態での接触面の大きな相対すべり量が油井管特殊ねじ継手のピンねじ底

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におけるフレッティングの一つの主要因であることが明らかになった.油井管特殊 ねじ継手のねじ底中央部でのフレッティング疲労を防止するためには,ねじの挿入 面のすき間量を低減し,すべり量を極力低下することが有効であると考えられるが,

極度のすき間量の低減については締結時のねじ部の焼付きを誘発する可能性がある ため,その適正値を見出す必要がある.

第4章では,表面処理および潤滑剤がフレッティング疲労特性に及ぼす影響を評価するた め,リン酸マンガンと銅めっきの2種類の表面処理を油井管特殊ねじ継手のボックス表面に 適用し,実体疲労試験を実施した.さらに,上記表面処理を接触片に施しかつ,試験片と 接触片の間にAPI規格の潤滑剤を塗布した状態で,油井管材料のブリッジパッド式フレッテ ィング疲労試験を実施した.得られた知見は以下のとおりである.

(1)油井管特殊ねじ継手の実体疲労試験の結果,銅めっきをボックス表面に処理する ことで,リン酸マンガンで処理した場合と比較して疲労強度が改善されることが 判明した.

(2)(1)の試験で疲労破壊した供試体において,貫通き裂はピン不完全ねじ底の中央部 で確認された.さらに,貫通き裂の近傍において複数の微小き裂が発生しており,

疲労破壊の原因はねじ底のフレッティングであると推定できる.また,ボックス ねじ山頂面の銅めっきが試験中に剥離し,ピンのねじ底面に移着していた.これが,

ピンねじ底面およびボックスねじ山頂面における基材間の直接接触を妨げ,

フレッティング疲労き裂の発生を遅延させたと思われる.

(3)第3章と同じ接触片,Long Padを用いた際のフレッティング疲労強度は,比較的高 応力振幅の領域ではリン酸マンガン,銅めっきともに被膜と潤滑剤による改善効果 は見られなかった.一方,比較的低応力振幅の領域では,2種類の表面処理とも 潤滑剤を塗布すると疲労強度が向上することがわかった.

(4)(3)の試験において,表面処理や潤滑剤を付与した場合においても,主き裂の発 生位置はすべて接触面内部となっており,実機ねじ底で発生する疲労破壊を再現 できていた.また,試験片の全面が摩耗粉で覆われていたことから全すべり状態 であったことがうかがえる.

(5)(3)の試験における接線力係数の結果より,潤滑剤には接線力係数を下げる効果 があり,これによりフレッティング疲労強度が向上されたものと考えられる.

高応力振幅では,低応力側振幅と比較して相対すべり量が大きいために,接触界面 の潤滑被膜が破壊されやすくなるため,潤滑の維持ができなかったことが疲労強度 を向上できなかった要因の一つであると考えられる.

(6)(5)における課題を検討するため,接触片の軸方向長さを短縮したShot padを 用いて相対すべり量を小さくした状態でフレッティング疲労試験を行った.その