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フレッティング疲労試験の結果

第 3 章 接触中央部におけるフレッティング疲労き裂発生のメカニズム

3.3 フレッティング疲労試験の結果

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74 3.3.2 試験後の接触表面の様子

図3-17にフレッティング疲労試験で得られた試験後の試験片表面の様子を示す.図3-17(b) は接触面圧Pc = 50 MPa,図3-17(c)は接触面圧Pc = 100 MPa,の場合である.いずれの場合も 試験片の接触面のほぼ全面に摩耗粉が堆積しており,良好な接触状態が得られている.図 中の破線で示すとおり,接触面圧が50 MPaの場合は主き裂が接触中央部近傍から発生して おり,油井管特殊ねじ継手のねじ底で発生した疲労破壊モードが再現できていることがわ かった.また,反対側の主き裂の発生していない接触面においても接触中央部近傍からき 裂が発生していた.一方で,接触面圧が100 MPaの場合は,接触端部において主き裂が確認 された.

図3-17 フレッティング疲労試験後の試験片接触面の主き裂

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3.3.3 フレッティング疲労き裂の発生位置と相対すべり量の関係

図3-18にフレッティング疲労き裂の発生位置と応力振幅の関係を示す.中塗りのプロット が主き裂の発生した接触面を,中抜きのプロットが主き裂面と反対の接触面を表している.

この図から,接触面圧が50 MPaの場合は主き裂,微小き裂ともに接触中央部に発生してい ること,接触面圧が100 MPaに増加すると,主き裂の位置が接触端部に移る傾向がみられる が,接触面圧が100 MPaの場合であっても,微小き裂が接触中央部近傍に発生していること もわかった.

フレッティング疲労き裂の位置が変化する要因を評価した研究事例は,これまでいくつ か存在する.例えば,Nakazawaら[26]や,浅井[27]の研究によると,フレッティング疲労き 裂の起点の位置は接触面圧の大きさに依存すると言われている一方で,仁保ら[28]の研究で はフレッティング疲労き裂の起点の位置は,接触面圧のみならず相対すべり量の大きさに も影響を受けると報告されている.本試験の結果においても上記研究事例[26-28]と整合し ていることがわかる.

図3-18 フレッティング疲労き裂の発生位置と応力振幅の関係

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図3-19に接触面圧Pc = 100 MPa,応力振幅σa = 183 MPa,疲労寿命Nf = 2.38×106の場合の相 対すべり量と繰返し数の関係を示す.図3-18と同様に中塗りのプロットが主き裂の発生した 接触面のすべり量を,中抜きのプロットが主き裂面と反対の接触面のすべり量を表してい る.繰返し数が1.50×106回付近までは,相対すべり量は両方の接触面でほぼ同じ値で推移 していたものの,それ以降は,主き裂の発生する接触面の相対すべり量が顕著に増加して いた.相対すべり量が増加したのは,接触面のフレッティング疲労き裂が進展して,き裂 が開口し,その開口量が相対すべり量に加算されるためと考えられる.

図3-19 相対すべり量と繰返し数の関係

(接触面圧Pc = 100 MPa,応力振幅σa = 183 MPa,疲労寿命Nf = 2.38×106

図3-20に相対すべり量と応力振幅の関係を示す.この図における相対すべり量は,相対す べり量の推移が比較的収束する1/2 Nf時の値を代表値としてプロットしている.接触面圧が 50 MPaの場合の相対すべり量は総じて接触面圧が100 MPaの相対すべり量よりも大きくな っていた.

なお,図3-17のとおり試験片の接触面は全すべり状態であったと考えられるが,接触端部 近傍の摩耗領域は色濃く黒ずんでいるのに対して,接触中央部は灰色がかっている.この 観察結果を全すべりではなくて,接触表面は固着域とすべり域が共存する部分すべり状態 となっており,固着域とすべり域の境界(本ケースでは接触中央部)に接線力が集中する ことで,フレッティング疲労き裂が発生[29]したと考えるのは誤りである.色の違いは摩耗 の程度の違いによるものであり,摩耗の激しい領域は色が濃く,摩耗の少ない領域は色が 薄く表れている.つまり,接触中央部でもフレッティング摩耗が発生しており,接触面の 全面が摩耗粉で覆われていたことはその証拠である.

また,図3-21にき裂の発生位置と相対すべり量の関係を示す.フレッティング疲労き裂は 相対すべり量が約10 μm程度となった際に,接触面圧が100 MPaの場合においても接触中央

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部近傍に移動する傾向が見られた.接触面圧がすべり状態および,き裂の位置を変化させ たことが示唆される.

図3-20 相対すべり量と応力振幅の関係

図3-21 フレッティング疲労き裂の発生位置と相対すべり量の関係

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3.4 接触面のフレッティング摩耗とフレッティング疲労き裂の位置に関する評価