2.15 集中管理について
2.15.1 基本的な概念
バックアップ ポリシーの適用とその実行の追跡
1 台のコンピュータ上のデータを保護するには、保護するさまざまなデータの種類に応じて 1 つま たは複数のエージェント (423ページ)をコンピュータにインストールします。そのコンピュータにコン ソールを接続し、1 つまたは複数のバックアップ計画 (428ページ)を作成します。
Copyright © Acronis, Inc. 67 それでは、何百台ものコンピュータを管理する必要があるときはどうでしょうか。たとえば、システム ドライブやユーザーのドキュメントをバックアップする必要があるとき、それぞれのバックアップ計画 はよく似ていても、コンピュータごとに計画を作成するのは時間がかかります。また、それぞれのコ ンピュータで別個に計画の実行を追跡するのも時間がかかります。
複数のコンピュータに対して管理操作を設定するには、Acronis Backup & Recovery 10 管理サー
バー (432ページ)をインストールし、サーバーに各コンピュータを登録 (435ページ)します。登録し
た後でコンピュータのグループを作成すると、複数のコンピュータをまとめて管理できるようになりま す。バックアップ ポリシー (428ページ)と呼ばれる共通のバックアップ計画を設定することにより、
すべてのコンピュータまたは選択したコンピュータを保護できます。
コンピュータのグループにポリシーを適用すると、管理サーバーによって各コンピュータにポリシー が配置されます。それぞれのコンピュータ上で、バックアップする項目がエージェントによって検索さ れ、対応する集中管理用計画 (433ページ)が作成されます。それぞれのポリシーのステータスを 1 つの画面で監視し、必要に応じてそれぞれのコンピュータ、計画、またはタスクに移動して、そのス テータスとログ エントリを確認できます。また、管理サーバーでは、ローカルで実行されるエージェ ントの活動を監視および管理することもできます。
各コンピュータではなく、管理サーバーにコンソールを接続し、1 か所の管理コンピュータを経由し てすべての管理操作を実行するので、この管理方法は集中管理 (433ページ)と呼ばれます。
集中管理では、各コンピュータでの直接管理 (434ページ)も可能です。各コンピュータのコンソール に接続し、直接管理操作を実行できます。ただし、集中管理用バックアップ計画は、入念に設定され たポリシーが自動的に機能し、人の介入が必要になることはほとんどないので、管理サーバーを経 由してのみ管理できます。
管理サーバーを使用すると、1 つまたは複数の集中管理用アーカイブ ストレージ(集中管理用格 納域 (433ページ))を作成して、登録したコンピュータで共有することができます。集中管理用格納 域は、バックアップ ポリシーのほかに、直接管理を使用して登録済みのコンピュータに作成したバ ックアップ計画でも使用できます。
管理対象のアーカイブ ストレージの構成
集中管理用格納域にはどの程度の容量が必要か。大きなバックアップを格納域に転送すると、ネッ トワークが混雑する原因となるか。オンラインで運用サーバーのバックアップを実行すると、サーバ ーのパフォーマンスに影響を与えるか。集中管理されたバックアップで会社のビジネス プロセスの パフォーマンスが低下しないようにしたり、データ保護に必要なリソースを最小限に抑えるには、
Acronis Backup & Recovery 10 ストレージ ノード (424ページ)をインストールし、1 つまたは複 数の集中管理用格納域を管理するように構成します。このような格納域は、管理対象の格納域 (432ページ)と呼ばれます。
エージェントは、ストレージ ノードを使用して、管理対象の格納域に転送する前にバックアップを重
複除外 (434ページ)したり、既に格納域に保存されているバックアップを重複除外したりできます。
重複除外によって、バックアップの転送量が減り、ストレージ領域が節約されます。また、ストレージ ノードは、通常はエージェントが実行するアーカイブに関する操作(ベリファイやクリーンアップなど) を実行し、管理対象のコンピュータに過剰な処理負荷がかかるのを防ぎます。さらに、Acronis
Backup & Recovery 10 ストレージ ノードでは、バックアップ アーカイブを格納するための集中管
理用格納域として、テープ ライブラリを使用できます。
それぞれが多数の格納域を管理する複数のストレージ ノードを設定し、Acronis Backup &
Recovery 10 管理サーバーからそれらのストレージ ノードを集中的に制御することができます。
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ストレージ ノードの詳細については、「Acronis Backup & Recovery 10 ストレージ ノード (23ペ ージ)」をご参照ください。
2.15.2 異種ネットワーク内での集中データ保護の設定
ネットワーク インフラストラクチャに、Windows と Linux を実行しているサーバー(1、2、9)とコンピ ュータ(3、5 ~ 8)があるとします。 2 つのゲスト システムをホストする VMware ESX サーバー (4)もあります。
サーバー全体、コンピュータ上のユーザー データ、および仮想コンピュータを保護する必要があり ます。 そこで、データ保護の状態を追跡できるようにすること、バックアップ アーカイブに重複する 情報が格納されないようにすること、および古いバックアップを適切な時期にストレージから削除す ることを計画します。 これらの目標は、必要なデータ項目を重複除外された集中管理用格納域に 定期的にバックアップすることにより達成できます。
Acronis
インフラストラクチャの設定
1. 操作を行うコンピュータ(3)に Acronis Backup & Recovery 10 管理コンソール(コンソール)を インストールします。 このコンソールでは、グラフィカル ユーザー インターフェイス(GUI)を使 用して他の Acronis コンポーネントにアクセスし、管理することができます。
2. Windows サーバーの 1 台(2)に Acronis Backup & Recovery 10 管理サーバー(AMS)をイ ンストールします。 管理サーバーは、Acronis インフラストラクチャに対する単一の入り口とし て機能します。
3. コンピュータのディスク、ボリューム、またはファイルをバックアップする各コンピュータに Acronis Backup & Recovery 10 エージェントをインストールします。
エージェント(W) - エージェント for Windows
エージェント(L) - エージェント for Linux
Copyright © Acronis, Inc. 69 エージェントをインストールするときに、それぞれのコンピュータを管理サーバーに登録します。
コンピュータを登録するには、インストール ウィザードの該当するウィンドウで、サーバーの名 前または IP アドレスとサーバーの管理者ログイン情報を入力します。 または、後でサーバー 名または IP アドレスを使用して、コンピュータを管理サーバーに追加します。
4. ホストから仮想コンピュータをバックアップするために、Acronis Backup & Recovery 10 エージ ェント for ESX/ESXi(エージェント(ESX))を ESX サーバー(4)にインストールします。 このエー ジェントは仮想アプライアンスとして提供されます。
5. Windows サーバーの 1 台(9)に Acronis Backup & Recovery 10 ストレージ ノード(ASN) をインストールします。 ストレージ ノードでは、バックアップ アーカイブを格納するためのインフ ラストラクチャを構成して重複除外機能を使用することができます。 ホストに十分な能力がある ときは、管理サーバーと共にストレージ ノードをインストールできます。
ストレージ ノードをインストールするときに、エージェントと同じ方法で、管理サーバーにノードを 登録します。
インストールのヒント
AMS と ASN の両方をコンピュータのオペレーティング システムにインストールすることもで
きます。
ネットワーク上に複数のストレージ ノードを配置することができます。 各ノードで、最高 20 台 のローカル格納域またはリモート格納域を管理できます。
1 回のインストール手順で複数の Acronis Backup & Recovery 10 コンポーネントをコンピュ ータにインストールできます。
Active Directory ドメインでは、グループ ポリシーを使用してコンポーネントを配置できます。
ストレージ ノードの設定
ストレージ ノードを使用する前に、ノードの格納域にバックアップするすべてのユーザーが、ノード に Windows アカウントを持っていることを確認します。
ストレージ ノードが Active Directory ドメイン内に配置されているときは、すべてのドメイン ユ ーザーがノードにバックアップを作成することが可能で、すべてのドメイン管理者がノードの管理 者になります。
ワークグループでは、ノードにバックアップする各ユーザーのローカル ユーザー アカウントを 作成します。 Administrators グループのメンバが、ノードの管理者になります。 必要に応じ て、後で他のアカウントを追加することができます。
1. コンソールを実行し、管理サーバーに接続します。
2. 「集中管理用格納域の操作 (149ページ)」の説明に従って管理対象の格納域を作成します。
管理対象の格納域を作成するときに重複除外を有効にします。
グループとポリシーの設定
コンピュータのグループの構成が必要になる状況とその理由については、「登録されたコンピュータ のグループ化 (71ページ)」で詳細に説明します。 ここでは、前述の Acronis Backup & Recovery 10 の実装によってサポートされるいくつかのシナリオについて説明します。
サーバーの保護
ほとんどの場合、サーバーの役割に応じて、各サーバーに個別のバックアップ計画を作成します。
ただし、少なくとも 1 回はサーバー全体の完全バックアップを実行する必要があります。ソフトウェ アをインストールまたは更新してからリロケーションなどを行うまでの間に、保守ウィンドウまたはバ ックアップ ウィンドウでサーバーのバックアップを実行することができます。ここで説明する例では、
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サーバー全体を定期的にバックアップする必要はありません。バックアップの数は多くないため、古 いバックアップを手動で削除することができます。
1. ストレージ ノードの管理対象の格納域にすべてのボリュームをバックアップするポリシーを作成 します。手動で起動する[後でバックアップ]とバックアップの種類[完全]を選択します。
2. たとえば、S_1 という名前で静的なグループを作成します。このグループにすべてのサーバー を追加します(管理対象の格納域がローカル ノードのドライブ上にないときには、ストレージ ノ ードを追加できます。ローカル ドライブ上にあるときは、アーカイブ ストレージはその管理対象 格納域にバックアップされます)。
3. S_1 グループにポリシーを適用します。ポリシーが各サーバーに正常に配置されたことを確認
します。ポリシーの配置状態が[配置中]から[配置済み]に変わり、そのステータスは[OK]になっ ている必要があります。各サーバーに作成されたバックアップ計画を確認する手順は、次のとお りです。
a. [すべてのコンピュータ]グループまたは S_1 グループに移動します。
b. サーバーを選択します。
c. [情報]ペインの[バックアップの計画およびタスク]タブを選択します。
いずれかのサーバーのバックアップが必要なときは、前述したバックアップ計画に移動し、計画を選 択して実行します。
ワークステーションの保護
ここでは、最も一般的なスケジュールとして、ユーザーのデフォルトのドキュメント フォルダに対する 週単位の完全バックアップと日単位の増分バックアップを設定する方法について説明します。 ま た、保持するバックアップは最新の 7 日分のみとします。
1. ストレージ ノードの管理対象の格納域にすべてのプロファイルのフォルダをバックアップするポ リシーを作成します。 これにより、ユーザー プロファイルのあるフォルダ(Windows XP では
C:\Documents and Settings など)がバックアップされます。 [カスタム]バックアップ スキーム
を選択します。
a. 完全バックアップを次のようにスケジュールします。 週単位、1 週間ごとの日曜日、タスク を午前 12:00:00 に 1 回実行。 詳細設定: Wake-on-LAN はオン。 また、ネットワークの 使用率およびストレージ ノードの CPU 負荷を最適化するため、バックアップの開始時刻 に時間枠を設定することもできます。
b. 増分バックアップを次のようにスケジュールします。 週単位、1 週間ごとの平日、タスクを 午後 08:00:00 に 1 回実行。 必要に応じて詳細設定も行います。
c. 保持のルールを次のように設定します。 次より古いバックアップは削除する: 7 日。 依存 関係のあるバックアップを削除する場合: バックアップの統合。 残りのルールはデフォルト 設定をそのまま使用します。 [保持のルールの適用]に[バックアップ後]を設定します。
2. た と え ば 、W_1 と い う 名 前 の ダ イ ナ ミ ッ ク グ ル ー プ を 作 成 し ま す 。 条 件 と し て
%Windows%XP% と %Windows%Vista% を指定します。 この方法では、後から管理サ
ーバーに登録するすべてのワークステーションがこのグループに追加され、同じポリシーによっ て保護されます。
3. W_1 グループにポリシーを適用します。 ポリシーが各ワークステーションに正常に配置された
ことを確認します。ポリシーの配置状態が[配置中]から[配置済み]に変わり、そのステータスは
[OK]になっている必要があります。 各ワークステーションに作成されたバックアップ計画を確
認する手順は、次のとおりです。
a. [すべてのコンピュータ]グループまたは W_1 グループに移動します。