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国有企業の民営化における問題

ドキュメント内 chugoku ni okeru kabushiki gaisha hosei no gendaika (ページ 80-91)

第二章 過渡期における現代的株式会社形態と国有企業の齟齬

第五節 民営株式会社の状況

1 国有企業の民営化における問題

実際、政府は国有企業に対する改革を通して 3 年以内に国有企業の困境を解決しようと した。しかし、国有企業は変わりなく債務、負担が高く、重大な欠損状態に処していた。

国有企業の負債、負担を軽減し、欠損を営利状況に変えるためには、資金を調達して国有 企業の資本金を増加する必要性が生じた。そこで、一部の国有株を放出して資金を調達す る方法が考えられた。但し、前述したように 2001 年に一度国有株を放出する試みをしたが、

適切な方法が見つからず失敗した。そして、2005 年に後述する股権分置改革(国有株を流 通株と交換して、国有株を放出方法)を行って、解決をはかった。本節では、国有企業改 革および株式会社制度の発展、証券市場の構築段階において国も迷走し、明白に方向を示 せなかった段階を紹介する。特に、国有企業の民営化において、政府の迷いにより国有資 産は流出し、民営企業も政府を信用しない現象まで生じた。

◎事例―理不尽な民営国営化現象(貴陽新源商貿易有限会社)

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多くの国有中小企業が民営化していく企業再編の波にのって、貴陽市新源商貿易有限会 社は国有企業の民営化を実現し、また成功した企業の模範として有名であった。しかし、

地方政府の「通達」により会社は再び国有企業となった。そこで、企業と政府の訴訟があ ったが、裁判所は、同社は「国有企業」であると認定し、判決を下した。

7 月の初旬、会社に貴陽市中級裁判所より 5 月 28 日付の終審判決書が下りた。新源会社 の貴陽市財政局を被告(2002 年国有企業 10 号文)とした上訴は却下された。判決には以下 のように記載されていた。貴陽市財政局が国有企業 10 号文により―1998 年新源会社の国有 株式の譲渡は無効であり、貴陽市商業貿易会社に新源会社の国有株の経営に対し授権経営 をさせた決定は、元貴陽市国有資産管理局築国企字(1998)19 号文に対する否定と撤回と なり、政府機関が自ら過ちを是正する行為である。

調べによると、元貴陽市国資局の「貴陽新源商業貿易有限会社の国有株券譲渡に関する 国企字(1998)19 号文の内容は以下の通りである。

第一に、1996 年貴陽市新源デパートの企業再編によりできた貴陽新源商業貿易有限会社

113 前掲注(109)参照。

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http://www.sina.net

、中華工商時報、2006年

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日報道参照。

の総株式は 50 万元であり、その内、国有株が 314200 元で、従業員持株が 185800 元で、1997 年 12 月 31 日まで、会社の純資産は 1.11 元である。

第二に、新源会社の国有株を一株 1.11 元の価格で株主全員に譲渡し、当該国有株の譲渡 後会社は退職員の退職等の支出費用を負担することになるため、貴陽市の国有小企業活性 化政策により一括払いで払う場合は 20%優遇すると決定し、国有株の譲渡価格は 279009.60 元となる。

第三に、譲渡金を支払い、株券引渡し手続きを行い、国有資産の抹消登記を行う。

2001 年 9 月、貴陽市国資局は財政局に編入された。同年の 11 月、貴陽市財政局は貴陽市 新源会社に国有企業 41 号公文を出した。「貴社には国有資産がないため、国有株の代表を 貴社に委任派遣しないことと決定した」との内容だった。

裁判所より終局判決を渡された新源会社の筆頭株主兼執行役張潔氏の第一反応は、裁判 所の再審の申請をすることであった。

元国営貴陽市新源市デパートは貴陽市商業委員会所属の国有中小企業であった。企業再 編の前に、職員 113 人、退職職員 16 人、資産 135 万元、負債 116 万元、純資産 19 万元く らいだった。負債率が 89.7%に達し、在庫商品が 42 万元であった。内部管理がうまく行っ ていないため、一部の職員は会社に 5 万元くらい借金している人もいた。欠損額は 9 万元 に達した。700 ㎡の添付を持っていたが、経営不振で従業員の給料は月 150 元しかなかった。

1996 年 12 月、貴陽市では中小企業を活性化する改革を行い、新源デパートもその企業再 編の試みの一つの拠点になり、国有支配の新源商業貿易有限会社になった。評価によると、

国有資産価値(土地使用権は含まれていない)は 31.42 万元、総株の 62.84%を占めている。

職員株が 18.58 万元で、総株の 37.16%を占めている。

民営化後、会社は 42 万元の在庫商品を全て処理し、95 万元の借入金を全て返済した。しか も利益があるため、480 ㎡の営業用店舗を購入した。しかし、会社内部で「国有を回復する かそれとも株券を均等に分けるか」との利益衝突があった。会社が益々裕福になるのをみ て会社の一部の株主は企業資産の増加した部分に対して全員持分があると考え、彼らは会 社は株主総会を開かず、会社の財務状況も公開しないし、株主にも利益配当がなかったと 理由をつけて会社を奪おうとした。

2民営株式会社の実態

(1)政府による金融独占体制および民営企業の不法対処

何度も繰り返すようであるが、中国では株式会社法を制定しており如何なる企業でもそ の条件に達すれば自由に上場できるようにみえているが、株式会社の上場には政府の認可

(2005 年の新会社法では同規定を削除)を要すると規定してあるため、実際民営企業、特 に農村企業は、地方政府と仲良しではないと上場が無理であった。また、地方においても 国有企業は上場しやすく、銀行からの融資も受けやすいが民営企業は難しかった。

株式有限会社の形態をとった民営企業は社債を発行することもできるし、理論上株式の

発行を申請することもできる。しかし、自然人が発起人として設立した株式会社は信用を 得ることが難しく、民営企業の上場は難しかった。中小企業のためのマイナー市場も中々 起動せず、検討中のまま長く止まっていた期間があった。また、企業間のインターバンク 業務は独占的な金融体制の下では不法であった。そこで、民間人から金銭を借りるしかな いが、刑法には「非法吸収公衆貯金罪」という罪がある。これが民間融資の難度および金 融業に対する徹底的な独占によるものであった。民間人からの金銭の借入であるが、どう いう場合不法であるかというと、たとえば、李というものが張からお金を借りた場合は合 法的行為であるが、かりに張が不特定の多数者からお金を借りた場合は不法であり、金融 管理秩序を破壊したことになる。刑法の「非法吸収公衆貯金罪」というのは、不特定多数 者から個人は 20 万、会社は 100 万借りれば罪となる。そこで、銀行からお金を借り入れる 道しかないが、中小規模の民間企業に対し銀行は貸そうともしないので、企業は生き残る ためには地方の政府と結託する道しかないのである。

こういう国有独占の金融体制の下で、政府と結託したくもなく、企業を拡張したい民営 企業家らは対策を考えたが、それが一般大衆から金を集めることであった。

本節では、その典型例を取上げて、会社制度の健全なる発展は健全な金融システム、企 業内の組織の健全性、企業家自身の素質などにかかわっていることを指摘することを目的 とする。地方政府の独占的金融システムの下でも、会社法の規定を守れば、刑法の罪を犯 す恐れなどがなかったと思う。経営さえうまくすれば、法律も無視できると企業家らは思 っているようであるが、この事件で民営企業家らは再度法律を守る重要性を認識したとい う。いくら中国といえ、政府と必ず結託しないで、企業家らは、企業および自己保身のた めにも会社法および関連法規を熟読して、全体の素質を高めることが非常に重要にあると 思う。下記において孫大午事件を取上げるが、孫大午氏は逮捕されるまで本人が、どこが 間違っているかまったく意識していなかったので、もし会計専門家、法律専門家を企業に 取り入れてあれば、このような事件を免れることができるはずである。つまり、法令遵守 の必要性が生じた。

―孫大午事件ー不法に遊休資本を集めた事例

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河北大午農牧集団有限会社は河北省保定市徐水県に位置し、1984 年に同社は鶏 1000 羽、

豚 50 頭から初め、家畜業を主に経営する民営会社であった。企業は益々大きくなり、養殖 業、栽培業、加工業、工業、教育業を一体とした大型科学技術民営企業に発展し、固定資 産が億元を超えた。1995 年には国家工商局より全国私営企業 500 社最強の一つに選ばれた。

しかし、2002 年の 5 月 29 日に、孫大午は不法に大衆の貯金を吸収した罪で公安部門に逮捕 され、3 年の有期懲役、4 年の執行猶予に判決が渡され、10 万元の罰金を払われた。この事 件から孫氏自身も市場経済は法制経済であると認識したという。しかし、農村経済の発展、

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http://news.xinhuanet.com/legal/2003-10/31/content_1152767.htm、新華ネット、2003

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日資料参照。

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