第六章 音楽科の授業案の実例
第3節 器楽教材による題材の授業案
(1)第4学年2組音楽科授業案
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1。題 材 「いずみをくみに」 (小林純一作詞・畑中良輔作曲)
2。目 標
(/)アンサンブルの経験を通して、2拍子のリズムの特徴を生かし、主 旋律と副旋律の響き合いの楽しさを表現する能力を伸ばす。
(2)演奏を通して、スタッカーートの歌い方や演奏法に慣れさせる。
(3)いろいろなパートの音色やバランスを考え、お互いに助け合いなが ら、より豊かな表現に近づけようとする態度を養う。
3。指導にあたって (/)教材について
○ この曲は、4分の。2拍子で、A( aoa)・B(b・萄の二部形式で ある。bの部分は。2小節単位のエコーの感じを持っている。全体の 刀を中心とした軽快なリズムが、分散和音の小節と、順次進行に よる小節とに分けられ、刀刀1刀♪eliという形となって、生き
生きした、かわいらしい感じを与えている。朋るい感じの歌詞と合 わせて、全体にすがすがしい感じの曲となっている。
○ 以上のような主旋律に対して、笛・オルガンなどのパートは、副 旋律としての動き、あるいは主旋律をなぞるような動きをしている。
/学期の代表的な合奏曲として、和声的に考えても、いちおうまと まりのある曲といえるであろう。
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○ この教材の構造を要素でとらえると、次のようになる。
ア・リズム・・刀刀岬♪職・弓) IR, ?f〃
イeメロディー 生き生きした、かわいらしいメロディー ウ.ハーモニー 笛・オルガンなどの副旋律の響き
エ、拍 オ、速 力。調 キ.音 ク。強 ケ。歌 コ。形
子 度 性 色 弱 詞 式
4分の。2拍子
」 = 100−h−108
ハ長調
軽やかな音色、さわやかな音色 bのフレーズの対比
明るい感じの歌詞
A(。・あ・B(b・劾の二部形式
○ この教材の中心観念と基本要素は次のようになる。
中心観念 主旋律と副旋律のアンサンブルの楽しさ 基本要素 1。4分の2拍子の軽やかなリズム
2。スタッカートのきいた明るいメロディー 3。主旋律と副旋律の楽しい響き合い
○ 学習指導要領や指導内容との関連は次の通りである。
・学習指導要領との関連
A表現、(/)のア・イ・ウ・オ・キ・ク(内容は省略)
・学年の指導内容との関連
巻末資料4:年生の指導:内容の2・3・4・9・10・
11014
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(2)児童について
○ 本学級は、男子26名、女子16名、計42名の構成である。4月に学 級替えをしたばかりであるが、落ちついて学習に取り組んでいる学 級である。
音楽の学習についても、かなり積極的で、音楽好きな子が多い。
全体的には、女子の方が歌唱・器楽の両面でまさっているように思 われるが、個々に子どもを見れば、いちがいにそうとばかりもいえ ず、男子の中にも、かなり音楽的な力を持った子どももいる。
O また、音楽の学習時にはグループ編成をとっているが、音楽室の 造りの関係で6つのグループを作ってみた:。指導者としては等質グ ループになることが望ましいわけであるが、担当してから日が浅い ので、極めて機械的な編成になってしまった。リt・一一・ダーの育成にも 全然手をつけておらず、現段階ではとてもグルーープを中心とした学 習などをやれる状態ではないが、実際の学習を通じて、時間をかけ て指導していきたいと思っている。
(3)指導について
O bのフレーズは、。2小節単位のエコー的なメロディーになって いるので、前の「歌うよ春を」の学習の経験を生かして、子ども たちに強弱の工夫をさせていきたい。
○ パートを分けるについては、なるべく子どもたちの希望を取り 上げるようにしたいが、音楽室の造り、楽器の配置等の問題もあ るので、子どもたちが意欲的に取り組め、しかも学習効果が上が るように配慮していきたい。
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○ 実際のパートの人数は次のように考えている。
ピアノ伴奏 1名、 木i琴 1名、 鉄i琴 1名、笛 10名
オルガン1 6名、 オルガン2 6名、 鍵盤ハーモニカ 17名 合奏の練習を通して、バランスの問題も出てくると思われるので、
その都度音量の調節や人数の調整などをしていく。
○ 鍵盤楽器を中心とした学習で一番問題になることは、個人練習及 びパート練習などの時に、各個人・各パートの音が互いにじゃまに なってしまうことである。本教材の学習においては、これらの問題 を少しでも解消するために、オルガンパートに電子オルガンやヘッ ドホーンが取り付けられるデスクオルガンを使用し、互いの音がじ やまになる問題を少しでもおさえていきたい。
なお、ヘッドホーンを使用することは、個人練習の時は、だれに もじゃまをせず、だれからもじゃまをされず、自分のペースで練習 できる。また、他のパートの音を聴きながら自分のパートを気楽に 練習できるので、アンサンブル指導の前の段階などでは効果的だと 思われる。
○ スタッカートの指導では、歌唱と器楽の関連を図りながら、本教 材の基刺ズムである刀二刀♪7腱、「生き生きと」「かわい らしく」などととらえさせたりして、感覚的につかませていきたい。
実際のスタッカf・・一一ト奏法の指導では、ソプラノリコーダーはタン ギング奏法、電子オルガン・デスクオルガンは指はなしを速くする、
鍵盤ハーモニカはタンギング奏法と速い指はなしの併用などの技能 を、子どもたちが感覚的につかんだものと合わせながら、個人練習・
パート練習を通して指導していきたい。
233 0 合奏をまとめていく際に、次の点に留意していきたい。
1。パート練習については、各パートごとの練習はもちろんである が、パート順に組み合わせながら練習させるような経験を多くし ていきたい。
2。合奏練習では、どうしても主旋律中心の練習になりがちである が、主旋律パートを支える他のパートの大切さを十分に理解させ ていきたい。そのことが、子どもたちの協調性を増し、子どもた ちに緊張感と満足感を与えることにつながるのではないかと思わ れる。
3。より豊かな表現に近づけるために、子どもたちにお互いが助け 合って一つの曲を作っていくのだという意識を持たせ、2拍子と いう同じリズムの流れの中で、全員が心を一つにして演奏に取り 組んでいけるようにしたい。
4。子どもたちの主体性を育てるために、なるべく子どもたちを前 面に出して指導していきたい。具体的には、指揮者やピアノ伴奏 なども、できるだけ子どもたちにやらせてみたいと思っている。
4.指導 計画(4時間扱い)
第一次(全体): 意欲を持って全体的に把握する段階 /時間 O 「いずみをくみに」を歌わせる。 (階名唱、歌詞唱)
○ 鍵盤ハーモニカで主旋律を演奏させる。
第二次(分析)= 美しく表現するための分析的段階 2時間
○パ。一.52;,1め、パート紹 (本選
○ アンサンブル練習、合奏練習
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第三次(総合): 感動を持って表現する総合的段階 「f/時間 ○ 様々な演奏形態での表現
○ 打楽器のパートも加え、より豊かなk楽しい表現にする。
5。本時の指導 (/)目 標
○ いろいろな演奏形態でのアンサンブルを経験させ、各パートのバ ランスを考えながら、スタッカートの感じを生かして楽しく演奏さ せる。
O お互いに助け合いながら、より豊かな演奏に仕上げていこうとす る態度を養う。
(2)授業過程
学習活動
指 導 上 の 留 意 点 備 考 1。既習曲を歌 ○ 明るいふんい気を作るため、元 「全体学習」う。 「ピクニツ 気よく歌わせたい。
ク」
2。 「いずみを ○ 前時の学習をふり返らせながら くみに」を演奏 演奏させたい。どうしても直して
する。 おかなければならない問題点があ
・歌詞唱 ったら、簡単に指摘したい。
・主旋律奏
3。学習のめあ ○ 本誌は、いろいろなパートを組
てを知る。 み合わせて、合奏の練習をするこ とを知らせる。
・スタッカート をそろえる。
・パートのバラ ンスを考える
・助け合って演 奏する。
4。個人及びパ ート練習をする
5。パート別の 発表をする。
○ めあてとして、1。スタッカー ト奏法について、2。各パートの バランス、3。全員の協力、の3 点をあけたい。
○ 子どもたちには、まだバランス という言葉を指導していないので、
簡単に説明を加えたい。
○ 助け合って演奏するということ は、互いに教え合うなどの実際に 目に見えることばかりでなく、目 に見えない協力があることを知ら
せる。
○ 各パートの演奏のできぐあいに よって、個人練習とパーート練習の 組み合わせを考えていきたい。
○オルガンバ トの子どもたちの1 個入練習には、ヘッドホーンを使 用させる。
○ 各パートごとに全員に聴かせ、
スタッカートや強弱表現などを直 していきたい。
○ 演奏していない時の子どもたち には、他のパートの演奏をよく聴 くように指i導したい。
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「個人練習」
「パーート練習」
「パート易U発表」
「全体学習」
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6。いろいろな ○ 主旋律を軸として、それに他の 「アンサンブル 演奏形態でアン パートを組み合わせたり、順にパ の練習」
サンプルする。 一トを重ねたりしていく。
7.合奏練習す 0 2拍子のリズムの流れを生かし 「全体合奏」
る。 て、全体で合奏する。
○ お互いに合わせようとする気持 ちを大事にしたい。
○ 合奏したものを録音する。 一一vレコーダー 8。録音を聴き、 ○ 録音を聴き、本時のめあてに従 「グループ学習」
感想を発表する って感想を発表し合うが、発表の 「全体学習」
前に、グループで少し話し合わせ てみたい。
○ 本時のめあて以外でも、気づい たことがあったら発表させる。
9。再び合奏練 on 児童の発表したことをなるべく
習をする。 生かし、それに注意してもう一度
10。次時につい
合奏練習させる。
宦@次時は、打楽器も加えて、合奏
て知る。 のまとめをすることを知らせる。
(3)評 価
○ スタッカートを意識して演奏していたか。
○ パートのバランスを考えて演奏していたか。
○互いに助け合って演奏していたか。