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主題による題材の授業案

ドキュメント内 小学校音楽科の授業づくりについての一考察 (ページ 103-109)

第六章  音楽科の授業案の実例

第1節  主題による題材の授業案

第6学年2組音楽科授業案

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1.題材(主題) へ長調と二短調

2.目 標

 (/)へ長調と二短調の違いを感覚的にとらえさせ、曲想を生かして創造    的に表現する能力を養う。

 (2)音楽を形づくっている要素に気づきながら、互いに協力して豊かな   表現をめさす態度を身につけさせる。

3。指導にあたって  (/)教材について

中心教材

副教材

「ゆめをのせて」  (中山知子作詞、市川都志春作曲)

「メリーさんのひつじ」  (高田三九三訳詞、外国曲)

「ドナドナ」  (安井かずみ作詞、セクンダ作曲)

「野いちご」  (阪田寛夫作詞、フィンランド民謡)

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0 中心教材の「ゆめをのせて」は、4分の4拍子、A(a・5)B(b・護)の二 部形式の曲である.。及びぎは二短調で刀り」刀1ゆリズムによる反復が特  徴になっているのに対して、bはへ長調で、付点四分音符によるのびのびと  したリズムとなっている。また歌詞は、生きる喜び、希望、あこがれを塗る  く生き生きと歌っており、子どもたちにとっても好まれる内容であると思わ

 れる。

○ 「メリーさんのひつじ」は、ハ長調、4分の4拍子、a・ぎの一部形式の外 国(・)・・J・曲であり、」.♪川」川のリズムで始まるかわいらしいメ・デ・

 一に歌詞をつけたもので、とても親しみやすい曲である。

○ 「ドナドナ」は、二短調、2分の2拍子、A(a・めB(b・あC(c・ど)

 の小三部形式の曲で、Bの部分はへ長調に転調している。フォークソングと  して流行したこの曲は、哀愁を帯びた旋律にぴったりの歌詞がつけてあり、

 親しみの持てる曲となっている。

○ 「野いちご」は、二短調、4分の2拍子、a・♂の一部形式の曲である。音  域が//度とかなり広いので、歌わせるには、その点への配慮が必要である。

 「季節の歌」としての扱いとともに、二短調の関連教材としての取り上げ方  もできるtUtである。

○ 中心教材と副畝材との関連を考えてみると、「ゆめをのせて」を中心とす  るこの学習主題の中で、指導の核となるものは、二短調の調性に慣れさせ、

 さらにへ長調との違いに感覚的に気づきながら表現させることである。そこ  で、それらの目標を達成させるための副教材として、三曲を取り上げてみた。

 「メリーさんのひつじ」は、長調と短調の違いに気づかせ、二短調の虚報・

 視奏の導入に使い、さらに発展して「野いちご」で、その学習を定着させた  いと思っている。「ドナドナ」は、「ゆめをのせて」と同じ二短調〜へ長調  〜二短調の転調を含む曲なので、発展教材として扱いたいと思っている。

       203 0 次に、中心教材「ゆめをのせて」の要素を下記のようにとらえて分  析してみた。

要.素 そ の 内 容

ア.リ ズ ム aのリズム、bのリズムの対比、ブレス      φr

C.メロディー 反復:、対比、曲の山 ウ.ハーモニー 3度の音程

工. 拍 :子

4分の4拍子

オ. 速 度

2=//2〜/20、n,

カ. 調 牲 二短調〜へ長調〜二短調 の転調 キ. 音 色 やわらかい歌声

ク・ 強 弱

皿P、皿f、〈、〉

ケ・ 歌 詞 全体の内容表現、発畜 コ・ 形 式 二部形式、転調による対比

○このように分析してみると、教材「ゆめをのせて」の中心観念と基  本要素は次のように考えられる。

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○ このような教材の構造に即して、学習指導要領や指導内容、主な学  年系統の関連をみると次のようになる。

。.学習指導要領との関連

  A表現(1)のア、イ、ウ、キ、

   ア.「範唱や範奏を聴い℃歌うこと。また、へ長調及び二短調      の旋律を三唱したり視奏したりすること。」

   イ.「リズムフレーズの拍の流れを感じ取り、リズムや速度の      変化に応じて、演奏したり、身体表現したりすること。」

   ウ. 「曲想を味わい、また、歌詞の内容を理解して演奏の仕:方      を工夫すること。」

   キ.「和声の響きを昧わって合唱や合奏をすること。」

・ 学年の指導内容との関連(巻末資料参照)

中心観念 基本要素

二短調〜へ長調〜二短調と変化していく曲想の美しさ

/。aとbの対比したリズム

。2.繰り返しと変化のあるメロディー 3。3度音程中心の美しいハーモニー

1。範唱や範奏を聴いて演奏させる。

2.楽譜を見て演奏させる。

4,曲の持つ味わいを感じ取って演奏の仕hre工夫させる・

8。和声の響きを感じ取りながら、聴いたり演奏したりさせる。

主な指導内容の学年系統

「:視唱・視奏について」

  第3学年 : ハ長調

  第4学年 : ハ長調・イ短調   第5学年 : へ長調

  第6学年 : へ長調・二短調

「歌唱教材について」

  第/学:年 :   第2学年  :   第3学年  :   第4:学年  :   第5学年  :

第6学年

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単音の曲

単音の曲、輪唱曲及び簡単な二部合唱曲 第2学年と同じ

単音の曲、輪唱曲及び二部合唱曲

単音の曲、輪唱曲、二部合唱曲及び簡単な三部 合唱曲

 単音の曲、輪唱曲、二部合唱曲及び三部合唱曲

(。2)児童について

 O 本学級は、男子19名、女子24名、計43名の構成である。

 O 明るく、しかも落ちついたふんい気のある学級で、全般的に音楽   が好きという児童が多い。学級の活動においても、朝の会や帰りの   会などで自主的にいろいろな歌を歌っている。音楽の授業では、児   童に指揮をさせたり、伴奏をさせたりすることも多くあるが、積極

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 的にやろうとする児童がかなり見られる。しかし、中には、正しい  音程がとれなかったり、器楽に関しては、縦笛の指使いもまだよく  習得できない児童もあり、音楽的な能力差も大きい。

O 歌唱に関しては、響きのある頭声的発声で歌おうとしている女子  は数名いるが、全体的にはほとんど地声に近い状態である。合唱の  場合は、ハーモニーを感じながら歌うことよりも、自分のパートを  歌うのに精いっぱいという児童も多い。また、男子の中には、変声  期症状のために高い音を出しにくくなっている児童もあり、そうし  た児童には、無理をしないように話している。

○ 読譜力については、ハ長調音階をすぐ読めるのは、学級の80%ぐ  らいで、へ長調音階となると40%程度である。これは、器楽の指導  で固定ド唱法を重視している傾向があることにも起因している。

○ 和音感覚については、合唱クラブの児童や、音楽のおけいこごと  をやっている児童が、やはり普通よりも優れている実態がある。和  音感覚を養うために、毎時間、ハーモニーを感じさせる小さな曲を  取り上げたり、当番制でピアノに触れさせたりしている。

○ できるだけいろいろな合唱曲に親しませ、自分のパートの感覚に  慣れさせるため、4月当初より高音部と低音部に分かれて席につか  せている。パートは、本人の希望を優先にし、後にやや調整した。

 パート練習やグルー・・一一・プ練習などを通して、できるだけ一入ひとりが  積極的に声を出したり、演奏に参加したりできるようにしたいと思  っている。

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(3)指導について

 O 本題材における指導を考えるときに、基礎的・基本的事項の中心   となるのが、 「二短調の潤声と視奏」ということであろう。

   今度の学習指導要領では、視唱・視奏の学習は、小学校・中学校   の一連の中で推し進めることになり、小学校ではフラットーつまで   になった。これは、樽町・視奏を軽視するものではなく、読譜の最   も基礎的・基本的なものを確実に実につけさせるということで、第   6学年では、へ長調と関連して、二短調までの視唱・視奏の力をつ   けるということである。

   今までも視唱・視奏の指導がなされてきたが、ややもすると、読   譜のための読解というか、音楽から離れてしまった読譜指導が中心   となり、それがしだいに児童を音楽から遠ざけ、高学年になるに従   って音楽きらいが生まれる一一つの原因を作っていたように思われる。

  これは、甲唄指導そのものに問題があるというよりは、読譜のさせ   方、指導法に欠陥があったのではないだろうか。

   そこで、「音楽を愛婚する心情」を失わせずに、しかも一人立ち   できる音楽の力をつけさせる方法を工夫しなければならない。

   短調の場合、今まで割合経験が少ないので、階名は読めるが音程   はっかないという児童が多い。短調の調性、短調の特徴がつかめて   いないからである。

   次に、階名唱により音程はとれたが、リズムが読み取れず、結局   旋律にならないことがある。視唱の学習には、音の高低の面と、リ   ズムの面からの指導が必要である。

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  これらのことから、発展的な指導の流れとして、次のような例が  考えられる。

  1.短調の調性に慣れさせる。

  2.拍の流れの中でリズムを視唱させる。

  3.そのリズムに音程をつけて歌わせる。

O この学習の発展として、鍵盤図とへ長調・二短調の関連楽譜が必  要になってくる。しかし、そうした楽典的理解は、表現の後に取り  上げたい。歌ったり、楽器で演奏したりする中で、感覚的に二短調  の調性に慣れさせ、二短調の楽譜に親しませることが先である。

  また、二短調の調性を真に理解させるには、へ長調との違いを感  覚的につかませなければならないから、両者の和音の響きや和声の  流れの相違を感じさせるような指導にしたいと思っている。

○ 申心教材「ゆめをのせて」の分析を、「歌唱の6つのチェックポ  イント」に従って、子どもたちには次のような形で示していきたい。

   1.やわらかい歌声

   2.aとbのリズムの対比、ブレスのしかた    3.回かり、㊨がてなど

   4。皿P、mf、〈、〉、〆a 、罵言周

   5.音程を正しく

   6.3度音程中心の美しい響き

○ これらのめあては、だんだんに子どもの側から出てくるようにし  たいのであるが、最初のうちは、指導者の側から引きだすようにし  なければならないと思っている。

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