2 実験方法
2.4 油劣化試験
2.4.4 分析
本試験においては,3つの分析を実施した.分析装置名称,測定対象及び測定内容は以 下の通りである.
Table A3 分析メニュー
測定対象 分析装置 測定内容
Gas ガスクロマトグラフィー Gasの種類 Oil カールフィッシャー
酸化試薬
水分量 油の酸化度合
58 2.4.4.1ガスクロマトグラフィー [13]
本試験では,ガスクロマトグラフィー(以下GC)を実験装置内の気体成分を分析する方 法として用いる. 以下に測定原理を示す.
GCに注入口から導入した試料は,キャリアガスによってカラムに移動する.カラム内で は,移動相を気体として,これを試料とともにカラムの中に流し,これらと固定相の相互 作用(吸着・分配)で各成分が選択的に遅延するため,検出器までの到着時間に差を生じ させることで分離することが可能である.これらの分離された成分が検出器で電気信号に 変換され,縦軸を信号強度,横軸を時間としたクロマトグラムが得られる.保持時間(試料 を注入してから各物質が検出されるまでの時間)からその成分の特定し,クロマトグラムの ピーク部分の高さ及び面積から測定量を読み取る.
使用した検出器は,ほぼ全てのガス成分が分析可能で,特に広く用いられている熱伝導 の違いを利用した検出器(TCD : Thermal Conductivity Detector)を用いる.
今回の実験では,ガスクロマトグラムにおいて予め気体の検定試験を行うことで面積比 を算出しておき,そこから分析したガスの体積比の算出を行った.なお,キャリアガスに はアルゴンを用いた.
測定手順
1. アルゴンガスでカラムのパージを行う.この時,クロマトグラムのオーダーが空気の 強度に比べ1000分の1以下になるまでパージを繰り返し行うものとする.
2. サンプルガスを実験容器内から1cc採取し,測定する.
3. サンプルガスの測定を繰り返し行う際は,1のアルゴンパージをした後に測定を行う.
2.4.4.2カールフィッシャー水分計 [14]
カールフィッシャー法とは,主に試料中の水分量を測定することに用いられる滴定法で ある.測定原理は以下の通りである.
滴定セルにおいて,滴定セルにヨウ化物イオン
(I
2)
,二酸化硫黄(SO
2)
,アルコールを2 主成分とする電解液がメタノールの存在下で水と特異的に反応することを利用して,試料 中の水分量を定量するものである.これは,滴定の進め方により,電量滴定法と容量滴定 法とに分けられる.本実験では,検出感度が非常に高い,電量滴定法を用いている.水は塩基とアルコールの存在下でヨウ素,二酸化硫黄と反応し,これはカールフィッシ ャー反応と呼ばれている. (反応式2-3)式はこのカールフィッシャー反応の反応式であ る.
H
2O + I
2+ SO
2+ CH
3OH + 3RN → 2[RNHI] + [RNH]SO
4CH
3( 反応式 2-3)
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今回の実験で用いた電量滴定法では(反応式2-4)式に示すように,ヨウ化物イオンを含 む電解液中で電気分解により,陽極にてヨウ化物イオンからヨウ素が発生する.
2I
-→ I
2+ 2e
-( 反応式 2-4)
(反応式2-2)式で発生したヨウ素が(反応式2-1)式に従って消費されると,検出電極
でヨウ素が消費されたことを検出し,再び電気分解により(反応式2-2)式に従って陽極か らヨウ素を発生させる.発生するヨウ素の量はファラデーの法則に従って電気量に比例す る.
(反応式2-1)式より
H
2O
とI
2は1:1の反応であることから,水1モル(18g)は2×96500クーロンに相当する.従って水1mgは10.71クーロンに相当することとなる.以上
を基に,電気分解に要した電気量から水分量を換算する.
測定手順
1. 注射器を用いて油を採取し,その重量を測定する.(この注射器の重量をWt1とする)
2. 注射器から油を測定器に投入し,その注射器の重量を測定する.(この注射器の重量 をWt2とする)
3. Wt1-Wt2を行うことで,分析する油の正確な量を計測し,水分量の定量を行う.
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