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光学フイルム成形用フレキシブルロール

ドキュメント内 技報65 (ページ 132-135)

図 1 ロール配置例

図 2 JF ロール構造図

写真 面長約3mの大型JFロール

2. 特 徴 1. はじめに

製品・技術紹介

最近話題のテレビは4K高微細型、薄型である。これら LCDテレビ、ITフォン、などには種々の位相差フイルム、

拡散フイルムなど光学フイルムが使われ、軽量、薄型化に 重要な機能を発揮している。これらの光学、機能フイルム は溶液流延法、溶融樹脂押出しベルトニップ法、押出しロ ールニップ法などで造られる。今回開発したロールはロール ニップ法のロールで比較的薄肉で低押圧のフレキシブルロ ールである。

薄型のテレビや太陽光発電パネル、建築窓用シートなど は大型化が時代と共に進むと予想している。

弊社のフレキシブルロール「JFロール」(JSW Flexible Roll)はこの大型化に対応できるのが大きな特徴であり、

強みである。また、高線圧ロールにフレキシブル性を付与 でき、高生産性を要求される食品パックシート、汎用機能 シートの薄肉化、高速化にも適用できるのでその製品・技 術を紹介する。

1. 薄シート成形性

樹脂シートは T ダイから溶融状態のシートで押出され、

数本の成形ロールで押圧・冷却されて造られる。「JFロー ル」は冷却・成形ロールとしての機能をもち、主にタッチロ ールとして使われる。(図 1、図 2 )シート両面をほどよい力 と温度でニップすることで両面がクリアな高精度シートが得 られる。図 2 のロール内部は温調液が高速で循環してシー トを冷却・固化させる。他の成形ロールも外筒厚さは異な るが同様な構造である。

一 般にフレキシブルロールは薄肉の 外 筒で構成され 弾性があるので広いタッチ面が 得られ 、低 線 圧でシー トをニップしても押し不足になりにくい。とくに薄いシー トは溶 融 樹脂 が 早く冷却・固 化し、 また 厚みムラも生 じ易いのでこのロールが使われる。

従来のフレキシブルロールは薄肉円筒イタ構造であり 2 次元方向で均等な柔軟 性があり、ニップ部の 接触幅 拡 大とロール幅方向柔 軟 性は 基 本 的に等しく、 平 面 2 次元方向で均等な弾性を得ている。

弊社のJFロールは中肉厚の外筒内面に円周方向にネ ジミゾがあり、シート流れ方向のニップ接触幅拡大効果 は従来の薄肉フラットロールより少ないがロール幅方向 のロール柔軟性が通常のフラットロールより1桁以上(断 面二次モーメント比較)大きいことが 特 徴である。図 3 にミゾ 方 向と曲げ 方 向でその 柔 軟 性の 差を比 較 する。

(図3(a)が(b)より曲げ易い)

シート成 形 ニップ 部で の 外 筒 柔 軟 性を図 4 に 示 す。

同図はロール軸芯に沿った断面を見た図で、JFロール は図 4(a)に示すようにシート厚さ変化(縦 縞)に追従 して変 形し 易い。 薄シート成 形 性はシート流 れ方 向の 厚さムラ・縦 縞への追従性、柔軟 性が 重要であり、こ の構造を採用している。

図3 外筒の内面ミゾ(凹部)方向と剛性比較

図 4 外筒ニップ部のシート縦縞追従性

図 6 ロール外筒応力分布図 シート厚さムラを想定したsin曲線荷重時応力

図 5 ロール外筒タワミ曲線

製品・技術紹介

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図 4(b)の内面ミゾ(凹部)が無い従来の成形ロールでは ミゾが無いので幅方向の柔軟性が少なく、縦縞の未圧搾 部が生じて薄いシート成形が困難である。

図 5 にJFロールのロール幅方向のニップ部タワミ曲線を 示す。滑らかなタワミは通常の均等荷重タワミを示し、凸凹 タワミはシート厚さムラを想定したsin曲線荷重のタワミを 示す(平均荷重は均等荷重と同じsin荷重)。

前記した図 4(b)の従来構造ではこのような幅方向の柔 軟な凸凹タワミは得られない。

図 6 はJFロールにsin曲線荷重をかけたニップ部外筒 応力分布図を示す。これはシート厚さムラを想定した図 5 の凸凹タワミに相当した応力図であり、変形量も同様の分 布を示す。またJFロールの特徴である幅方向の柔軟性は、

図 5 に示すように絶対的なタワミ量及び応力値は幅方向で 差があるが均等タワミと凸凹タワミのタワミ差分、すなわち 幅方向の外筒シェル柔軟性は幅方向のどこでも均等な柔軟 性があり、シート幅のどこであっても縦縞成形性は変わら ない均等な成形性能が得られる。

2. ロール大型化

もう一つの大きな特徴として外筒厚さが一般的なフレキシ ブルロールより厚いことからフレキシブル性能を確保しつつ 大径、長尺のロールが製作可能で最大ロール面長3.5mま で製作可能である。またこの上限は現状での工作都合であ り将来の大きさの限界はない。またロール直径に関してはと くに制限は無い。

3. 高線圧「中厚JFロール」

弊社フレキシブルロールは線圧100N/cm までのロー ル柔軟性と薄シート成形性、シート低応力低歪に対応した

「標準JFロール」が標準であるが、高線圧ロールの市場ニ ーズも多い。

JFロールは外筒厚さが通常弾性ロールより厚いことか ら、フレキシブルな性能を確保しつつ高線圧ニップのロール が製作可能である。

この100N/cmを超えるニーズに対応するフレキシブルロ ールは「中厚JFロール」と称し、剛体ロールに近い丈夫さ とフレキシブル性を兼ね備えて、既設、新設の油圧加圧シ ステムが適用でき、高線圧のポリプロピレン樹脂(PP)、P ET樹脂に適用できる。

またこの「中厚JFロール」は従来の剛体ロールに比べ て、薄肉・内面ミゾ付きで剛体ロールに比較して、冷却性 能がよいことからライン高速化にも役立つと期待している。

図 7 シート適用範囲イメージ図

3. おわりに

製品・技術紹介

4. シート適用範囲

剛体ロールではPP樹脂で0.4mm 厚さ以下のシートの 成形は難しくなり、このシート厚さ以下ではフレキシブルロ ールが使われる。JFロールは線圧100N/cm を境に「標 準JFロール」と「中厚JFロール」の2つのシリーズがあ り、シートの厚さ、幅で、適用範囲を分類しており、その 概略を図 7 に示す。大型の長尺ロールは必要線圧が低くて も「中厚JFロール」にすることがある。

またJFロールのシート厚さの成形範囲は広く、「標準JF ロール」でもテスト成形ではあるがPET樹脂0.06mm厚 さからPP樹脂:数mm厚さまで成形可能である。「中厚J Fロール」ではほぼ剛体ロールと同様なシート厚さ迄、使 用することが出来る。

JFロール導入時のロール選定ではユーザーの要求によ って、弊社テスト機による成形テストで確認している。

5. 特徴のまとめ

JFロールには他にも多くの特徴があるので以下まとめる。

 1  両面タッチ薄膜シート成形に最適でシート両面を鏡面に   転写可能。梨地、彫刻ロールに適用可能

 2 ロール面はHCr メッキ鏡面、クラウン付き。梨地、溶射、

  各種皮膜にも対応できる

 3  二重管構造の冷却ロール。外筒は特殊薄肉弾性金属製   シートへ平面でタッチでき、柔軟性がある。特に薄シー  ト縦縞への対応性が良い

 4 ロール形状は小型から大型まで製作可能   特に大型ロール面長3.5mまで製作可能  5  外筒内面にミゾがあるので冷却能力が高い

 6  線圧の適用範囲は広い。一般的には20 〜400N/cm。

  他は個別に対応可能

  ・「標準JFロール」:線圧100N/cm 以下

  ・「中厚JFロール」:線圧100N/cm を超えるロール  7  薄シート成形時の低線圧化、シート低ひずみ応力化  8  温調液はオイルまたは水

 9  流路はスパイラル構造が標準

10 温調配管はロータリージョイント使用可能

11 タッチロール以外の成形ロール、加熱・冷却ロールにも   適用可能

弊社フレキシブルロール「JFロール」は幅方向の柔軟 性を選択的に高めたことで今までにない大型長尺化、高 線圧化、高冷却性能をフレキシブルロールに与えることが できた。

またこの多くの特徴の一つ例えば高冷却性能を生かす単 純な加熱・冷却ロールに適用して高性能な伝熱ロールが製 作可能であり、また他の産業機械、例えば印刷機械、製 紙機械、のニップロールへの適用と、各種加熱・冷却ロー ルへの適用など応用分野は広い。本ロール技術が広く産業 界で使用されるよう努力して行きたい。

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