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個別インタビュー

ドキュメント内 JAIST Repository https://dspace.jaist.ac.jp/ (ページ 144-149)

5.4 仮説モデル検証のためのデータ収集

5.4.2 個別インタビュー

インタビューは、2016年コンサート前後から2017年にかけて、メディエーター・ゲスト 指導者・指導者の3名(男性1名,女性2名)と、参加者7名(男性2名,女性5名)の、

合計10名に対し、活動の時間外において、それぞれ個別に行った。調査項目はAからFを 用いて検証した。インタビュー調査の手法は、会話のフルテキスト分から抜き出したものを、

まとめている。主な意見を表5-8から表5-17に示す。

(1) インタビュー調査

表5-8 世話役A氏

表5-9ゲスト指導者S氏

表5-10 指導者F氏

[世話役A氏 女性93歳]

(B) 腹式呼吸は立ってやっても良いと思う。

(B) 声が出て歌いやすくなった。

(D)(E) この頃入っている人は(高齢者の集まりに)若くなっている。

 私らの女学校時代の童謡などと違うことも。

(D) 歌声サロンは「仲間意識」ある。

・T地区(隣のブロック)など、(A)(C) 遠くから歌声サロンだけに来ている人  とも交流ができるようになった。

[ゲスト指導者S氏 男性81歳]

(B) 皆まじめに取り組んでいる。もっと興味を追究していけば良い。

・私が、私が、というのもなく、誰かの声が飛び出すこともない。

  (D) うまく皆の和ができてきた。

[指導者F氏 女性82歳]

(A)(E) 楽譜の移調や、移調した伴奏など準備には時間がかかる。楽譜もものすごく重い。

  でも高齢の皆が楽しんで歌いやすいように。(B)(C) 自分自身の勉強にもなっている。

(G)(F) クラシックの音楽会で(聴衆が)泣いて喜んでくれるなどということはない。

  (C) これは、やはり嬉しい。

・アンサンブルで合わせて歌うのは、楽器の準備も、皆さんの食事などの   場所の確保も大変だが、(A)(G) やはり皆が喜ぶから続けたいと思う。

・家族で上京して来て、(C) このあたりの人には本当にお世話になった。

  (F) この地域に御礼という意味もある。

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表5-11 参加者S氏

表5-12 参加者Y氏

表5-13 参加者M氏

[S氏 女性84歳]

(C) 体が弱く入院も多く経験した、今は、音楽の集まりのおかげで頑張れる。

・聖歌・合唱を続けていて、(A) 老人ホームに慰問など行くことも。

(F) 御恩返しができたら、と思う。

(F) 発表などの目的があることが良い。

[Y氏 女性80歳]

・ソーシャルダンスは30年やっている。競技会にも。

  (A) 地域のことには参加していない。

(B) お話が本当に楽しいから伺っている。(2つ先のブロックから)

・ダンスがあり、毎回は来られないが、(E) 同世代である指導者のことが   大好きで、参加している。

[M氏 女性84歳]

・嫁ぎ先にいる子どもの世話にならないよう、痴呆予防に(会館に)来て   ここを知った。少し(A) 遠くからだが(隣のブロック)ボケ予防に。

  人工関節などが800g入っており、(A) まず、少しづつ歩く訓練をしていた。

・はじめは、場所違いかもしれないと遠慮していたが、

  (C) これを逃したら入れないと思った。声が出なかったから(参加したかった)。

(C) 歌って声が出るようになると元気になる。声が出るということは良いことだ。

(C) 後ろに座った人の声がとても良く響くと「元気をもらった」気持ちになる。

(B) 歌も良いが、お話も良い。勉強の機会は大事。

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表5-14 参加者Y氏

表5-15 参加者F氏 [Y氏 女性92歳]

・前は踊り(日舞)をしており、70歳までは慰問にも行っていたが、今は膝が悪いので。

・出身地方にまだ家があり、現在もよく往復するが、(A) サロン開催日に合わせて   新幹線で東京に戻ってくる。(C) 楽しみでいつも時間より早く来すぎてしまう。

(F) コンサート2回出ている。楽しかった。アンサンブルは良かった。

・(聴衆の)(F) 皆さん、知っている曲は口ずさんでいる。

  (F)知っている歌の方が良いと感じる。

  (F)「知っていること」が、やはり楽しいのだと思った。

(B) 声が出なくなった。大勢で声を出すことで健康になる。

  (C) 声は(年齢とともに)出せなくなる。(サロンをやってもらって)有難う。

(D) 70歳・90歳、年代によって皆違う。

(E)(D)92歳だけど、私はAさん(世話役・1歳上)に比べたら、まだまだ、だわね。

[F氏 男性79歳]

(A) 企業人で10回転勤、同じところには3年もいないから近所の方を覚えることもなく。

・退職直後、目を悪くし、それまで好きだった登山やダイビング、

  アウトドア全般・スポーツも全てできなくなった。

  5・6倍になる拡大鏡で手元の資料は、やっと見える。

(A) 自分でも参加できるものを探していて、ここに(サロンに)来た。

(B)(C) 夫婦で来ている。話題も共有できる。家で2人で練習して歌を歌える。

・歌はずっと小学校の先生の影響で大嫌いだった。いまだに覚えているくらい。

  以来全く歌を歌ったことはなかった。アウトドアのみ。

(A) でも、小中学校の歌は懐かしい。

(B) 話があると良い。内容を理解できると楽しくなる。

(D)(出張コンサート)ああいうところで歌うのは楽しい。

  (F) 聴いてくれる人が喜んでくれるのが楽しい。

  (C) わざわざ感想を言いに来てくれた。

  (G) また歌いたい、とはりあいがある。

  (B) 同じ曲に何回も練習を重ねてやることが良い。

(C)(F) コンサート2回目も出た。はりあいが出て、また歌いたいと思う。

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表5-16 参加者F氏

[F氏 女性75歳]

(A) 曲の背景や風景など、今は旅行していないから、旅行していたころを    思い出し懐かしい。昔習ったものも思いだす。

・最初は、自分含めただ参加していただけ。(B)これまでは(手術のあとから)

  声が出なかったが、声が出てくるようになり、

 (C) 今は生活の中に歌が入りこみ、サロンの歌を家でも家族と練習し   本当に楽しんでいる。(A) 昔は一切こんなことなかったのに。

(C)(D) 皆さんも早々いらして。だいたい同じ席に座られて   歌詞を見ながら楽しみに待つ様子も見える。

・これまでほとんど家にいた。(D) 今は皆と友達になれた。

(D) 名前を知らない人でも、道で会ったりすると、「また今度(サロンで)ねー」と   手を振るようになった。(歌声サロンが)良い方向になっている。

(B)(D)(ゲスト指導の)S先生にも「皆さん、ずいぶんうまくなった」

  と言われてうれしかった。

(B) コンサート1回目は、まだ皆ぎこちなく、恥ずかしかった。

  そういう場面がなかったから、間違えたらどうしようかと。

  でも(聴衆が)(F) ゆったりした感じで聴いてくれたから大丈夫だと思った。

(D) コンサート2回目は自信ができた。もう知り合いも多くなって「こっち座ったら」

  などと言ってくれるように。

(C)(F) アンサンブルはプロになったみたいで感激した。

(F) 見ている人たちも楽しそうだった。

(F)(C) 手拍子など打って生き生きして聴いてくれていると、私たちにも伝わる。

  (F) 自分もいつか特養にお世話になるかもしれないと考えたら、

   このような感じになるのかと考えた。(F) その時にこのような    音楽会があったら、きっと楽しいと思う。

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表5-17 参加者O氏

(2) インタビュー調査の検証

個別のインタビューから、歌を歌うという身体に負担のかからない活動は、多様な参加を 可能にしており、健康な参加者の割合が決して多くないこともわかった。また、参加者は区 内でも、遠方から出かけてきている。顔の広い世話役が「知人ができて嬉しい」というほど

[O氏 男性65歳]

・現在の仕事は訪問介護、介護先で色々家族の愚痴を聞かなければならないが、

  守秘義務で自分たちは一切、相談も他言もできない。

  (A) このストレスから鬱症状が出て、声を出さないと、とここに来た。

(A)(C) 声を出していたら気持ちが晴れてきた。歌が良いのだと確信した。

  以来、(B) ボイストレーニング・合唱もゴスペルも。ジャズにも申し込んでみた。

  ゴスペルは若い人についていくのは大変。

(A) 歌を楽しむようになってからは、ストレスもたまらず、血圧も下がった。

(E) 訪問介護先で、介護に疲れていた家族に誘いかけ、それ以来その人は、

  ずっとここ(歌声サロン)に通っている。名前で誰だとは言えないが、

  (D) 毎回通っているのを見て、仲間ができたことがうれしい。

(D)(E) 自分の地区の老人クラブ(隣のブロック)でも、歌声サロンの勧誘をはじめ、

  (C)音楽の楽しさを伝え、(E)周囲の男性にも参加を促している。

  80歳の意固地な男性にも声をかけ誘っている。

(C) 仲間の声を聴くと活力になり、パワーがもらえる。

(D) サロンで知り合った人からクラシックの音楽会など誘われ、新たな知人も増えた。

・それまでは訪問介護の休日など、家から全く出なかった。

 (C)(F) コンサートの1回目は、ちょうど「鬱症状」から解放されたあたりだった。

(F) 聴衆に喜ばれることが何より良い。(B) 舞台度胸もついた。

  (B) 2回目のアンサンブルも良かった。

(A)(B)(C) 歌、1つだけでも持っていれば、90でもできる。誤嚥性肺炎防止にもなる。

  人とのつながりもできる。

(C) 同僚からも「見違えるほど生き生きしてきた」と言われている。

  (C) 今では、鬱症状が出たことで、

  歌に出会えるきっかけができたのだと思えるようになった。

133 である。

同じ曲に練習を重ねてやることが良い、勉強の機会は大事、内容が理解できると楽しくな る(B)など、能力向上の意欲も見られる。また、声が出ないことが参加のきっかけにもなって おり、参加して声が出るようになることが重要で、(B) これを自らの健康な生活につなげて いる(A)こともわかった。ゲスト指導者に、上手くなったとほめられたことも能力(スキル)

向上の励みになっている。(B)(E)

新幹線で戻ってきて参加する、これを逃したら入れないと思った、早々訪れ、同じ席に座 り、歌詞を見ながら楽しみに待つ、(C) など参加・出入りも自由で登録義務もない活動にお いても、参加者は月 1 回の活動を大事に考え、生きがいとしている割合が多いこともわかっ た。自らの歌だけではなく、後ろの人の声や、仲間の声も元気や活力につながること(C) も 新たにわかった。

男性を増やそうと誘うなど、自らメディエーターのような役目を担う者もいる。(E) コンサートでは、聴いた人が喜んでくれると、はりあいが出てまた歌いたい、恥ずかしか ったが、聴衆の様子で大丈夫になった、(F) ことで、適度の緊張感や、はりあいが生じ、良 い効果となっている。また、知っている歌の方が口ずさみ、良いと感じる、手拍子による一 体感、(F)など、聴衆との共創は大きい。クラシックの音楽会で泣いて喜んでくれることはな く、嬉しい(F)と、指導者もコンサートでは聴衆との共創を感じている。同世代に対してサー ビス提供を行うことで、自らのはりあいとしている様子もわかった。

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