• 検索結果がありません。

   

 

2.4 IT を活用した ものづくり 生産技術まとめ   

 以上、自動車製造を例に挙げ、ものづくり生産技術を述べてきたが、この「IT を活用し た ものづくり 生産技術」をまとめると、「CAD 自体の技術進歩」、「CAE 技術の向上」、「CAE 技術の向上の伴う開発の進め方の改善」、それと「生産段階の品質管理・効率的な生産への 地道な、泥臭い活動」である。 

 

 「CAD 自体の技術進歩」とは、デザイン段階で、意匠まで織り込むことができる精緻な画 像作成技術の進歩や、またさまざまな背景で、車の塗色を変え、競合他社の車と同じ画面 で比較するような CG 技術の進歩である。このようなことより、デザインの検討をよりやり やすくしたことである。 

第 2 の「CAE 技術の向上」は、試作車を作ることなしに、デザイン CAD をもとに作られた 構造設計 CAD で、「強度・振動・衝突・・・」の評価をコンピュータ上で行い、信頼性高い 結果をもたらすようになった。また、金型設計では、その金型の CAD をもとに、コンピュ ータ上でプレス成形性解析(CAE)を行い、シワやワレなどの問題が出ないと思われる金型 を設計できるようになったのである。また、個々の部品を設計した段階で、DA(デジタル・

アセンブリ)の技術を使って、コンピュータ上で作業性/組付性の評価ができるようにな った。さらに、DF(デジタル・ファクトリー)の技術を使って、「工程編成」、「設備設計」

を行うことができるようになったのである。 

このような、CAE を利用したシミュレーション技術の向上は、開発期間・開発工数を短縮 し、デザインバリエーションを増やし、大きな原価低減に結びつき、かつ高品質を実現し たのである。 

2.3-6

 新車立上り品質(重要品質問題)

指 数

市場回収

第 3 の「CAE 技術の向上を伴う開発の進め方の改善」は、従来の「デザイン」が終われば

「ボデー設計」をして、次に「プレス型設計」・・・という新車開発の進め方を、同期化し、

情報を共業するプロセスに変えたことである。これにより、開発の上流段階で CAE を使っ てコンピュータ上で、問題を可能な限り解決して開発を行えるようになった。こうした飛 躍は、上述の開発期間・開発工数を短縮、デザインバリエーションの増加、原価低減の一 層の増大、更なる高品質を実現したのである。 

第4の「生産段階の品質管理・効率化への地道な、泥臭い活動」は、状況に応じて仕組 みを作り、人手をかけて行うしかないということが現状である。 

以上、自動車の ものづくり においては、1990 年代後半からの「CAD・CAE の進歩(特 に CAE の進歩)が、ものづくり生産技術の大きな革新をもたらした」ということができる。 

一方で、このような IT 化が進展する中で、図 2.4‑1 に示すように、中小企業の観点から は、取引先の大企業の数が多ければ、使用するソフト(CAD)の種類も増加し、数多くの「大 企業の指定するソフトに対応」する必要が出てくる。この場合、それらのソフトに対して

「高いソフト使用料」を支払う必要がある。更に中小企業では、このような「さまざまな ソフトを使いこなす技術者がいない」という問題を抱えている場合が多いのである。この 状況下で、安い労働賃金を武器にした「中国企業との競争」という現実が押寄せており、

IT 化の近辺には多くの潜在的・顕在的な問題を抱えている。 

     

大企業

大企業

大企業

中小企業 ソフト1

ソフト2

ソフト3

ソフト4

中 国 企 業 と の 競 争

・大企業違う  ソフトへの対応

・高いソフト  使用料

・さまざまなソフト  を使いこなす  技術者がいない

   

 

このような問題を解決するためには、「ネットで、安いコストで中小が使用できるように する」、「ネットでソフト使用方法を指導する」、「県が何本か買い、それを開放する」など の方法が考えられる。いずれにしろこのような現実問題に対しては、官民協力による対応 が不可欠である。 

2.4-1

 大企業の

IT

化と中小企業の対応上の問題点

[1]安保秀雄・武藤一夫(1999), サーフェスモデラーの本格的活用に向かう ,「NIKKEI  COMPUTER GRAPHICS」,3,148−151 

[2] NIKKEI DIGITAL ENGINEERING(2000), 仮想試作とRPが見栄えの作り込みを支援 12,

83−84 

[3] NIKKEI DIGITAL ENGINEERING(2000), プレス CAE 用ダイ設計ツール登場 12,41  [4] NIKKEI DIGITAL ENGINEERING(1999), トヨタの生産技術部門 3 次元モデルをフル活

用 11,78−81 

[5] NIKKEI DIGITAL ENGINEERING(2000), 仮想試作とRPが見栄えの作り込みを支援 12,

85 

[6] 新木廣海(2000),製品開発プロセス変革のための協調作業環境に関する研究, 

東京大学工学博士学位論文   

第 3 章 中部地域ITを活用した中小 ものづくり 生産技術の調査   

3.1 中小企業 14 社の調査   

 調査した企業は以下の 14 社である。 

 

 (A)(株)ナベヤ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 47   (B)大垣精工(株)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 56   (C)(株)小森精機

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 65   (D)(株)ダイニチ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 75   (E)(株)ナガセインテグレックス

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 87   (F)鍋屋バイテック(株)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

102   (G)日晃オートメ(株)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

112   (H)(株)丸順

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

126   (I)丸三工業(株)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

141   (J)ダイセン(株)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

156   (K)徳田工業(株)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

171   (L)幸栄精機(株)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

179   (M)みづほ興業(株)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

193   (N)(株)ユタカ電子製作所

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

204 

3.1‑1 調査方法概要   

(1) 

質問項目   

 訪問各社への質問は、図 3.1‑1 に示す「ものづくり生産技術概念図」を示しながら、以 下の内容で行った。 

                                                 

(2) 

調査時期・調査会社 

 調査時期および調査会社を表 3.1‑1 に示す。調査会社は、「IT 技術を活用した中小 もの づくり 生産技術の高度化」委員会で推薦を受けた企業の中から、訪問調査の受諾をいた だいた 14 社であった。 

 

①デザイン・設計〜設備設計/製作で、

どのような

IT

が使われているか、その 特徴・独自性の調査

②生産でどのような「効率的な生産」

(トヨタ生産方式など)が行われてい るのか

③品質保証のための「品質管理」体制は どのように行われているか

④その他各社独自の固有技術、ノウハウ など技術力の高さについて

⑤中部経済産業局などの国家機関、公的 研究機関、大学など知の構築を目的と した研究機関などへの要望について

などである。質問は上記①〜⑤を行った が、全ての項目について解答を得たわけ ではなく、ほとんどの企業が、自社の特 徴を示す部分を中心に説明を行ってい る。従って本報告はそのような形態とな っている。

3.1-1 ものづくり生産技術概念図

 

2 大垣精工(株) 130 ○ ○ 8月19日

3 (株)小森精機 62 ○ ○ 8月5日

4 (株)ダイニチ 20 ○ 7月29日 下村尚之氏(代表取締役)

(株)ナガセ

インテグレックス

6 鍋屋バイテック(株) 240 ○ ○ ○ 8月18日

7 日晃オートメ(株) 70 ○ 7月31日

9 丸三工業(株) 40 ○ 8月25日

11 徳田工業(株) 150 ○ ○ 7月29日 徳田泰昭氏(代表取締役社長)

12 幸栄精機(株) 17 ○ ○ 8月7日

13 みづほ興業(株) 90 ○ 8月28日

(株)ユタカ

電子製作所

8月27日 長瀬幸泰氏(代表取締役社長)

○ 9月8日 青野 豊氏(代表取締役)

5 100 ○

14 8

10 ダイセン(株) 130 ○ 9月11日

宮本誠二氏(常務取締役)

水谷常夫氏(代表取締役社長)

丸 直樹氏(代表取締役社長)

林 達男氏(代表取締役)

浅野千幸氏(代表取締役)

幸脇盛治氏(副社長) 他3名 尾上健一氏(経営企画室部長)

上田勝弘氏(代表取締役社長)

花田 伸氏(代表取締役)

服部哲夫氏(代表取締役社長)

No 切削・プレス

品等製造

木型、金型 設計製作 従業

員数

電気電子

計測制御 訪問日 対応者

堀江尚男氏(常務取締役)

8月20日 金属製品

鋳物加工 機械製造 機械部品 繊維工業 製造

8 (株)丸順 551 ○ ○ 8月21日

1 (株)ナベヤ 160人 ○

酒井正男氏(取締役)

会社名 業種

岡本太一氏(代表取締役)

佐藤雅秀氏(常務取締役)

3.1⁻1 調査会社一覧表

0 2 4 6

(社)

   

           

                   

0 3 6 9 12

代表取締役 副社長・常務 取締役 その他

(社)

0 2 4 6 8 10 12 14

(社)

3.1-2 調査会社の業種

      (重複あり)

3.1-3 調査会社の地域

調査会社の業種は、「木型・金型設 計製作」が最も多く

6

社、ついで

「切削・プレス品等製作」4 社の 順である

調査会社の地域は、地元の岐阜県 が最も多く

12

社で、愛知・滋賀 が各

1

社である

3.1-4 調査会社の従業員数

3.1-5 調査時の対応者

      (重複あり)

0 1 2 3 4 5

500〜600 200〜299

100〜199 50〜99

25〜49 8〜24