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ワイヤーハーネス・ステップカッター 図 3.自動車用ホイール偏心実験用治具

FAX 0584-89-5545 (代)

写真 8. ワイヤーハーネス・ステップカッター 図 3.自動車用ホイール偏心実験用治具

(出所:実物を撮影) (出所:小森社内資料)

ーカット部の写真を写真 1 に、その図面を図 3 に示す。 

 この製品は、CNC 成型研削盤で製作されたが、20 度傾斜して加工するため、1〜2μ の精 度を必要とする。その精度を確保するため、ダイヤモンドの磨耗まで管理する必要があっ た。新しい装置には、それらの経験が生かされ、ダイヤモンドを 4 本並べ、柔らかいダイ ヤモンドから、順に硬いダイヤモンドに切り替え成形を行ったものである。また、この作 業は 1 級技能士程度の高い技能と、刃物製作技術が生かされているのである。 

 

(3)その他 

ここでは、製品の事例ではないが、製品の進捗管理に優れた方法を活用しているので以 下に紹介をしたい。 

 小森精機では、受注した製品を、納期に間に合わせるために、パソコンを利用した社内 インターネットを使って、以下のように進捗管理を行っている(表 2)。進捗管理の目的は、

顧客の希望する納期に、顧客に要求する品質の製品を、必要な数だけ納入することである。 

表 2 に示すように、小森精機の「受注製品進捗状況管理表」では、現在どのような受注 があるか、各受注品の納期はいつか、それらは今どのような状態にあるのか(どの加工が 終わり、どの加工が残っているか)、どこの工程で作業待ちがあるのか、受注本数は計画通 りに製作されているのかが、顧客の希望通りに納入できそうか、などが一目でわかるよう になっている。またこれらの管理表は、工場内に掲示されているとともに、社内インター ネットを通じて、社員誰でも検索できるようになっており、情報の共有が図られ、進捗管 理の徹底が図られている。 

   

  :製品完成 :作業完了

製品番号 受注日 品番 受注数量 工程名 工程名 工程名 工程名 工程名

枝番号 希望納期 品名 製作数量 実績数量 実績数量 実績数量 実績数量 実績数量

指示No. 目標/回答 担当 在庫数量 日付 日付 日付 日付 日付

A001-003 2003/8/4 ABC-0023-0035 フライス 焼入焼戻 ワイヤーカット 平面研削 倣い研削 検査

001 2003/8/20 情報関係部品A 10 10 10 10 10 10

1 2003/8/20 鈴木 0 2003/8/8 2003/8/11 2003/8/15 2003/8/19 2003/8/19 A001-003 2003/8/6 ABC-0023-0036 旋盤 フライス 表面処理 検査

001 2003/8/20 情報関係部品B 3 3 3 3

2 2003/8/20 鈴木 0 2003/8/13 2003/8/15 2003/8/18

A001-003 2003/8/8 ABC-0023-0037 朝日鉄工 焼入焼戻 平面研削 外内研削 ワイヤーカット 検査

001 2003/8/29 情報関係部品C 6 10 10

3 2003/8/29 鈴木 2003/8/12 2003/8/15 2003/8/19

H001-015 2003/8/11 ABC-0041-0012 NC旋盤 焼入焼戻 平面研削 外内研削 NC旋盤 検査 001 2003/9/1 情報関係部品C 12 10

1 2003/9/1 伊藤 2003/8/16 2003/8/18

H001-015 2003/8/18 ABC-0041-0013 旋盤 マシニングセンター 外内研削 フライス 表面処理 検査 001 2003/9/1 情報関係部品C

2 2003/9/1 伊藤

表2.受注製品進捗状況管理表

(出所:小森精機社内資料)

3.小森精機の ものづくり 技術まとめ   

(株)小森精機の ものづくり 技術は、以下のように要約できる。 

・世界中の一流の工作機械を所有し、それに使いこなす高い技能をもった社員を育て、他 社の追従を許さない高精度・高品質の製品を作り上げ技術を持っていることである 

・それらの技術は、創業当時から培ってきた刃物の技術、その後に育てた精密部品切削加 工技術・治具設計製造技術が融合したものであり、ほぼすべての分野に顧客は広がる 

・次にそれら、高精度・高品質の製品を保証する正確な測定技術(高精度測定器、測定者)

を有し、それらの品質を支える体制ができている 

・ ISO9002 の認証を得たためか、管理体制が充実している。上述のような「受注製品進捗 状況管理表」のような、製品の納期管理・工程管理がうまく行われている。 

 

4. 

小森精機より官学への要望   

 最後に小森精機の服部社長に、官学への希望をお聞きした。その内容は以下の通りであ る。 

「当社では 3 次元 CAD・CAM システムの導入を計画しているものの、現実的な問題として

(得意先によって使用ソフトが異なる)(各メーカーのソフトが相互補完できない)(すべ てのユーザーに対応するには費用が高い)などがあり、中小企業にとっては大きなネック になっている。できれば、官の働きで安価に利用できるようにすることはできないか」と いうものであった。 

   

[1]小森精機 H.P.:http://www.hitaku‑gifu.or.jp/komori/ 

     

3.1‑(D)株式会社ダイ二チ   

1.(株)ダイニチ発展の経過   

                                                             

 (株)ダイニチは、1948 年に個人にて 旋盤加工業を開業したことに始まる。そし て、

1951

年には株式会社として、(株)大 日鉄工所を設立した。1987 年には岐阜県 金属工業団地(各務原市)から現在地に本 社を移転、1990 年には社名を株式会社ダ イニチ(以下ダイニチ)と変更した。

1991

年には、家業を引き継ぐ形で現在の社長、

下村尚之氏に交代し、資本金を

1550

万円 に増資し、従来と違った積極的な経営を行 うことにした。

 つまり、従来は

3

社の親会社に製品を納 入する、親会社の意向に沿った完全な下請 け企業であったが、このような親会社の景 気動向に左右される、受注形態の不安定な 状態を克服するために、「精密小型部品」

に特化して、自社の独自商品を持った安定 経営を目指すことにした[1]

そこでまず

4,300

万円で複合加工機を 購入した。これは、従来

5〜6

台の機械を 使って加工しなければいけなかった作業 を、

1

台で可能にするという画期的なもの であった。しかし、このような高価な複合 機を購入したにもかかわらず、

2

年間はほ とんど受注がない状態が続いた。そのよう な時、「設計者が図面に書いても、あまり にも小さい直径で、しかも深い穴のために 加工できずに困っている」という話を聞 き、このニーズに対応して、深穴加工用の ロングドリルが使えるガンドリルマシン を導入。これが事業を好転させるきっかけ となった。

会社概要 

社     名 株式会社ダイニチ

所  在  地 可児市姫ヶ丘一丁目33番地 創      業  194811

会 社 設 立

代表取締役会長 下村 尚之 代表取締役社長

資  本  金 1,550万円 従 業 員 数 20名 売      上

会社沿革 

1948年 個人にて旋盤加工業を開業

1951年 株式会社大日鉄工所を設立

1987年 岐阜県金属工業団地(各務原市)から

現在地に本社を移転

1990年  社名を株式会社ダイニチに変更する

1991年 資本金1,550万円とする 1991年 独自技術力を全国にPR開始する

1996年 テレビ番組「ビジネス・ズームアップ」で

全国31局ネットに放映される

「下請企業活き活き事例100選」にえ らばれる

1999年 クラウンホーニング技術の確立 2000年 微細多数穴加工技術の確立

2001年 0.02mmの穴加工をドリルで成功

主な事業内容 

スモール部品高付加価値生産、穴加工技術の深化・

NC複合加工技術、小穴・深穴・ホーニング 加工技術 

小径深穴加工技術:ドリルによ髪の毛より細い穴の 加工から、φ32までの加工 小径ホー人グ加工技術:φ2からφ20までの小径の

加工を得意とする

NC複合加工技術:極めて複雑な部品を短時間で製品 化する

取引 

取引内容:機械部品の加工

取引技術:小径深穴加工・小径ホーニング加工・

NC複合加工 取引条件:図面にて見積もり

     

 その後、小径微細加工を目指して、さらに細かい穴をあけられるマシンを導入し、付加 価値の高い部門にシフトすることで、高収益の企業体質を確立した。 

 

2.ダイニチの ものづくり 技術   

 深穴加工を手がけているうちに,精密部品加工の仕事も増え、相乗効果で複合加工機の需 要が増した。取引先は医療機器、航空機、原子力、バイオ関連、ロボット、情報産業と分 野が広がり、今では 660 社となった。このような顧客の拡大は、ダイニチ自身の積極的な 営業活動と同時に、最近ではホームページを見ての依頼や顧客の口コミが中心になってき ている。 

 下村社長は「機械が営業マン」と考え、不況下でも積極的な設備投資を行ってきた。機 械加工の専門家を宣言し、「どんな小さな注文」にも応じられるようにした。同社の究極の 技術は、細い穴づくり。直径 0.02mmの超細穴から、32 ミリまで、部品外側の加工も含め て、1 台の機械で複合加工をする技術である。そして複合加工機により、1 台で加工するた めに、短納期・低コストを実現している。つまり、(株)ダイニチの ものづくり 技術は、

ここに集約されるものである。 

このように、材料費があまりかからない小物に仕事を絞っているため、受注量が少なく ても多めに製造しておき、顧客の急な需要にも応じられる。「仕事は多いほどよい」のでは なく、「少ないからよい」と考えた。このようにニッチな受注を獲得する中で、価格競争と は無縁に顧客を確保し続けることができる。 

 また小さな部品の加工をするようになってから、会社規模を大きくするだけが目的では ないと考えるようになった。立てた目標が「小さくても良い会社」。つまり、加工する部品 が小さくなればなるほど、工場は広く使える。部品を加工する機械も小さくて済むので、

工場には余裕が生まれ、受注量を増やしても工場は拡張しなくてもよいということである。