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二軸応力場のトンネル模型実験概要

第 2 章 軸対称応力場におけるトンネル挙動に関する模型実験

2.4 本章のまとめ

3.1.2 二軸応力場のトンネル模型実験概要

(1)実験概要

(a)実験土槽および載荷装置

二軸応力場でかつ平面ひずみ条件を再現するため,図-3.1 のような鋼製の矩形土槽を用 いた.載荷圧は,サーボコントローラによって吐出される水を実験槽内壁に設置したゴム製 圧力バッグに供給することにより,模型地山の外周に与える.なお,同図の上下および左右 の土槽内壁に設置された圧力バッグは,それぞれの圧力を一定に保てるように上と下のバ ッグ,左と右のバッグは水供給パイプで連結されている.

(b)トンネルモデル

トンネルモデルは直径100mmの円形とし,図-3.2に示すように肌落ち防止を兼ねた厚さ

0.5mmのアルミ製ベアリングプレートと,アクリル製のロックボルトから構成される.ベア

リングプレート中央部には縦長の穴が設けられており,所定のトンネル軸方向ピッチでボ

ルトを配置できるようにしている.ベアリングプレートを設置する際には,特に半径方向ピ ッチの密なケースでは,隣接するプレート同士がトンネルの内空側への変形に伴って接触 しないよう若干隙間を空けて設置する.

(c)ロックボルトモデル

ロックボルトモデルは,基本的には第 2 章の軸対称応力場実験と同じく一辺3mmの正方 図-3.1 矩形実験土槽とトンネルモデル

第 3 章 ⼆軸応⼒場におけるトンネル挙動に関する模型実験

形断面とした. 軸力計測用のロックボルトには,実験槽上蓋と底版の摩擦の影響が少ない 中央1断面に配置されたボルトのうち,トンネル1/4円のみに配置した.すなわち,天端か ら側壁までの90°区間内で,半径方向打設間隔が30°のケースでは,天端から時計回りに0°

(天端),30°,60°,90°(側壁)の4本となり,その間隔が60°のケースでは,天端とそこ から時計回りに 60°の2 本となる(図-3.3).また,載荷荷重がトンネルに対して軸対称で はないため,ロックボルトモデルには曲げが作用することが十分考えられる.ここでは,図 -3.4 のように,ボルトの相対する一組の両面にひずみゲージを添付することにより,曲げ 応力と軸応力を分離した.

(d)地山モデル

地山材料には,硫酸バリウム,酸化亜鉛,ワセリンを70:21:9の重量比で練り混ぜた人 工材料を使用する.硫酸バリウム系材料を用いた理由には,1)地山にある程度粘着力を持

図-3.2 ベアリングプレートとボルト設置概念

図-3.3 トンネルモデル横断面概念図

(a)円周方向打設間隔 (b)円周方向打設間隔

たせることができる,2)締固め圧によって所定の強度を発現させることができる,3)水を 使用しないため実験中に地山物性がほとんど変化しない,ことによる.なお,地山モデルの 物性は,(4)で示す.

(2)実験手順

軸対称載荷実験と同様である.すなわち,ボルトのトンネル軸方向打設間隔に応じて地山 材料を打設していき,一層打設後に所定の載荷圧で締固めた後,一断面分のボルトを設置し て二層目の地山を打設していく.これを繰り返すことによってロックボルトで支保された トンネルを含む地山モデルを作成する.最終的に,トンネル内空に突出したボルトにベアリ ングプレートを設置し,さらにナットを取り付けてモデルの完成に至る.

載荷実験は,側圧係数を0.5に設定していることから,上下方向の圧力バッグに対しては

載荷速度10kPa/minで最大載荷圧を300kPaとし,左右方向の圧力バッグに対しては載荷速

度5kPa/minで最大載荷圧を150kPaに設定して圧力サーボコントローラにより制御した.

(3)計測概要

トンネル壁面変位計測については,図-3.1で示したように,天端から時計回りに0°,30°,

60°,90°,120°および180°の合計6個のポテンショメータを設置し,トンネル内壁とポテ ンショメータをつなぐ針金の移動量から変位を計測する.

ボルト軸力については,前述の通り計測用ボルトに添付されたひずみゲージで計測され たひずみの値に,あらかじめ引張り試験によって求めた校正値を乗じて軸力を求める.これ らの値は載荷開始と同時に10秒間隔で静ひずみ計測器を介して取り込む.

載荷荷重は,上下および左右それぞれ一つずつの水供給弁の口元に水圧計を設置して計 測した.

(4)実験ケースおよびモデル物性

実験ケースは表-3.1 に示されているように,ボルト長,およびトンネル軸方向と円周方 向の打設間隔をパラメータとして8ケース実施した.

地山モデル,ロックボルトモデルおよび地山-ボルト間の地山物性は表-3.2 の通りであ 図-3.4 計測用ロックボルト概念図

第 3 章 ⼆軸応⼒場におけるトンネル挙動に関する模型実験

る.地山モデルの弾性係数,粘着力および内部摩擦角は,軸対称載荷実験と同様である.地 山-ボルト間の物性は,第 2 章の表-2.2と同じである.

表-3.1 実験ケース 実験ケース※1

ボルト打設間隔 ボルト数

ボルト長 軸方向 (cm)

(cm)

円周方向 (deg.)

軸方向 段数

円周方向 本数

B036040 4.0 60 3 6

B036025 2.5 60 5 6 3

B033040 4.0 30 3 12

B033025 2.5 30 5 12

B056040 4.0 60 3 6

B056025 2.5 60 5 6 5

B053040 4.0 30 3 12

B053025 2.5 30 5 12

表-3.2 地山およびロックボルト等の諸物性

地山モデル

材 料 硫酸バリウム系 単位体積重量 () 15 N/mm3 弾性係数 (Er) 5 MPa 一軸圧縮強さ (qu) 64 kPa 粘着力 (cr) 19 kPa 内部摩擦角 (r) 30 deg.

ポアソン比 (r) 0.4 ロックボルト

モデル

材 料 アクリル

弾性係数 (Eb) 4,000 MPa

地山-ボルト間

粘着力 (cf) 5.9 kPa 摩擦角 (f) 24 deg.

1 実験ケースにおいて,左二桁:ボルト長(cm),中二桁:周方向間隔(deg.),下二桁:軸 方向間隔(mm)を表す.

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