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二次元核が発生する平均間隔 L nuc :定義

3. 窒化物半導体におけるステップバンチングの原因解明

3.8. 吸着原子の拡散距離の影響

3.8.3. 二次元核が発生する平均間隔 L nuc :定義

3 窒化物半導体におけるステップバンチングの原因解明

97 れは実験傾向と逆である。

 通常の成長条件では𝑥𝑑𝑖𝑓𝑓 ≫ 𝐿0であると考えられる。

3 窒化物半導体におけるステップバンチングの原因解明

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Lnucは一つの二次元核が占める領域の特徴長さなので、二次元核密度ρ2DLnucには、

の関係がる。式(3-72)~(3-75)より、

の関係を得る。Lnucを正確に評価するには、実験やシミュレーションによって0.2ML程 度成長させた後の表面の核の密度から式(3-75)を用いて計算する。

Lnucは温度と成長速度に依存する。高温では拡散係数が大きく、表面に入射した原子 は広い範囲を拡散して既に存在している核に素早く取り込まれるため、新たな核が発生 し難い。すなわちLnucが大きい。これはxdiffが低温で大きくなるのと対照的である。成 長速度Fが高いと表面原子密度が高くなるので核が発生しやすいためLnucが小さい。こ れらの依存性の概略図を図 3-30に示す。

図 3-30 LnucFTに関する依存性。

LnucL0に対して十分に大きいと、テラス上に入射した原子はすべてステップに取り 込まれるため、安定したステップフロー成長が起こる。一方でLnucL0よりも小さくな ると、テラス上で二次元核が形成され三次元成長が起こる。この概要図を図 3-31に示 す。

1/𝑘𝑇 ln 𝐿 𝑛𝑢𝑐

− 𝐸 𝑑𝑖𝑓𝑓

TT

𝐹 𝐿 𝑛𝑢𝑐

𝜌2𝐷= 1

𝐿2𝑛𝑢𝑐, (3-75)

𝐿𝑛𝑢𝑐= (𝐷 𝐹)

1/6

, (3-76)

3 窒化物半導体におけるステップバンチングの原因解明

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図 3-31 Lnucと表面モフォロジーの関係。

参考として図 3-32にステップのない基板上に0.2 MLだけ成長させたKMCシミュレ ーションの結果を示す。(𝐹/𝐷)が等しい条件であれば核密度が同程度となることがわ かる。温度が高い条件であればファセットが出た四角形状の核になるのに対して、温度 が低いと樹枝状の核となる。低温では一度結合した原子が脱離し、更なる安定位置への 拡散を行わないためファセット化が起こらない。原子の取り込みによって隆起した部分 には拡散により原子が取り込まれる確率が高くなるため、さらに隆起が大きくなり、そ の結果樹枝状の核が形成される。このように拡散により核への取り込みが支配的な核成 長過程を拡散律速凝集(Diffusion Limited Aggregation、DLA)と呼ばれる。また同じ条 件で微傾斜面(L0 = 20)上に10ML成長させたときの表面モフォロジーの変化を図 3-33 に示す。核密度が小さい条件(D大、F小)の条件ではステップフローであるのに対し て、核密度の大きい条件(D小、F大)の条件では三次元的な荒れた表面になる。

L

0

L

nuc

L

nuc

>> L

0

L

nuc

<< L

0

ステップフロー成長

三次元成長

3 窒化物半導体におけるステップバンチングの原因解明

100 𝐷0

485

5𝐷0

560

25𝐷0

664

𝐹0

1 /𝑠

5𝐹0

5 /𝑠

25𝐹0

25 /𝑠

Same F/D

図 3-32 FD を変化させたときの核密度の変化。計算サイズ200×200、L0 = ∞

(on-axis)、Ediff = 0.5 eV、En = 0.5 eV、EESB = 0.1 eV、EiESB = 0 eV、Edes = 100 eV。

3 窒化物半導体におけるステップバンチングの原因解明

101 𝐷0

485

5𝐷0

560

25𝐷0

664

𝐹0

1 /𝑠

5𝐹0

5 /𝑠

25𝐹0

25 /𝑠

Same F/D

図 3-33 FDを変化させたときの微傾斜面(L0 = 20)表面モフォロジー。計算 条件は図 3-32と同じ。