46)
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48)
49)
50)
51)
52)
53)
54)
文部省 同上書 同上書 同上書 同上書 同上書 同上書 同上書 同上書
中学校学習指導要領 p.7
p. 8 p. 8 p. 8 p. 8 p. 9 p. 7
p. 14 p. 15
第2節 教材説明文「『開いた社会』に向けて」の授業における教師 の指導牲
1 説明文の授業についての考え方
本授業である中学2年越の教材rr開いた社会』に向けて」(単元
「わたしたちと言葉一コミュニケーションについて考える」)Dは、大 村はまの指導についての考え方や、デューイの指導についての考え方を 参考にし、説明文の授業における教師の指導性を明らかにすることを意 図して構想したものである。
中学2年生という時期は、学習面をはじめ、生徒会活動やクラブ活動 など、学校内のさまざまな活動において中心的な役割を担う時期である。
しかし、一方では、身内意識や仲間意識が強まり、友人関係については 仲間と仲間でない者というように区別し、言葉遣いにおいても仲間だけ に通じる言葉を使ったり、好んだりすることが目立ってくる時期である。
本単元の学習目標である「コミュニケーションについて考える」2>こと は、そのような中学2年生という時期の発達段階についての理解のもと で設定されたのである。そこで、その単元を構成する教材として、本教 材が提示されたのである。
したがって、本授業の構想においては、コミュニケーションの能力を 実際の生活に活用させることが目的となる。その目的の達成のたあに、
本教材を学習し、子どもの広がりつつある社会生活における適切なコミュ ニケーションの必要性を運解させ、望ましい言語生活のあり方を考えさ せることを中心とした授業を展開させることを考えたのである。
そこでまず、本教材の授業を構想するにあたっては、表現領域と理解 一136一
領域における重点的な目標を明確にする必要がある。
本教材の表現領域における目標は、第一に、「自分の考えや気持ちを、
相手や場の状況に応じ、適切な言葉遣いで話すこと」3)である。
子どもは、学校や地域社会など、生活の中のいろいろな場で、いろい ろな人(友達や先生、近所の人や出かけた時に会話する人)と出会って、
そのときの状況の中で会話をしている。そこで、子どものそういった生 活を考え、子どもに、自分がもつ考えや気持ちを、自分と相手との関係
(相手がr開いた社会』4>にいる人なのか、r閉じた社会』5>にいる人 なのかということ)を考えさせ、適切に状況を判断する力をつけること が必要になる。そして、子どもが、相手に応じて、相手が理解できる言 葉を用いるようにさせ、話し手と聞き手との間にコミュニケーションが 成立するように話す力をつける必要があるのである。
この目標について、本授業では、主として第5時に、 「『開いた社会』
における、場面や状況に応じた言語について考える」6)という課題を設 定し、進学や就職の時の面接試験における面接官との適切な会話表現、
震災による仮設住宅の独居老人に対するボランティアとしての適切な会 話表現、英語助手の外国人講師に羽曳野市を紹介するときの適切な会話 表現を考えさせるという学習活動を構想した。この学習活動を通して、
子どもが、「閉じた表現」7)を条件として、自分の考えや気持ちを場面 や状況、相手に応じた適切な言葉遣いで表現するということを理解し、
場や状況に応じた適切な言葉遣いで話す力がつくと考えたのである。
表現領域における目標の第二は、 「物事の場面や状況、心情などがよ くわかるように、適切な叙述のしかたを工夫して表現すること」8)であ
る。
子どもは、生活の中で、さまざまな話したい物事、話さなければなら 一137一
ない事柄をもっている。そのようなとき、子どもは、言葉遣いにおいて 適切な語彙を使って、自分が頭に描いている事柄(場面や状況や心情)
を言葉にし、相手が具体的に理解できるように表現する必要がある。そ こで、子どもに、表現したい内容が相手にわかるように具体的な言葉で 話す力をつけることの必要が生じるのである。
この目標について、本授業では、主として第1時に、「自分の言語生 活を振り返って」9>、「自分の伝えたいことが、うまく話せなくて通じ
なかったことを思い出し」10)、「その理由を考え」1Pるという課題を 設定した。これまでの子ども自身の話すこと、聞くことの言語活動を振 り返らせ、子どもが、思うことをうまく話せなかった体験を話し合い、
発表するという学習活動を構想したのである。この学習活動の中には、
子どもがうまく話せなかった内容やそのときの気持ちを、相手が理解で きるような言葉で話さなくてはならない状況が設定されている。すなわ ち、うまく話せなかったことが、相手に具体的に伝わるように話すこと において、適切な叙述の工夫が必要となるのである。
表現領域における目標の第三は、「表現しようとする内容と文脈にふ さわしい語句を選び、文の形を工夫して表現すること」12>である。
子どもが、文によって表現しようとしているとき、表現したい内容 (物事の場面や状況、心情)については、目的に応じて、適切な言葉を
選び出して表現する力をつける必要があるということである。
この目標について、本授業では、主として第2時に、rr閉じた社会』
とr開いた社会』の定義をまとめて、発表」13)するという課題、第3 時に、「『閉じた表現』と『開いた表現』の定義をまとめて、発表」14
>するという課題、第4時に、「『法隆寺の場所を尋ねる』例を読み、
誤解の原因を考え、筆者の結論をとらえて発表」15>するという課題を 一138 一一
設定した。それぞれの課題について、適切な語句を用いて、表現しよう とする内容と文脈について工夫し、まとめとして適切な文、筆者の考え を表現する適切な文を書き、言い表すという学習活動を構想したのであ る。このように、表現領域における指導の目標としては、以上の三項目 を重点的に取り扱い、授業構想の基本とした。
次に、本教材の理解領域における目標について、第一は、「文章の展 開を確かめながら主題を考えたり、要旨をとらえたりすること」16)で
ある。この目標にそって、本教材について、子どもに理解させる文章の 展開と要旨、及び主題を次のように設定した。
① 本文は、三つのまとまり(大段落)で構成されているということ。
②第一のまとまりについては、
・家族や友達グループのような小さな社会で、構成しているメンバ 一が固定していて互いに相手のことをよく知っているということ や、共通の知識をもっていて考え方が似ているという特徴をもつ た社会を、筆者は、r閉じた社会』17)と定義しているというこ
と。
・r閉じた社会』18)に対して、通学途中で出会っても、名前もし らないし、あいさつもしないような人々、また、電車に乗ったと きの駅員や車掌といった人々に代表されるような同じ地域に住ん でいたり、そこで仕事をしたりしている人々によって『開いた社 会』19)が構成されているということ。
・r閉じた社会』20)の特徴に対して、メンバーが固定していなく て、他人がどんな人で、どんな考え方をするのかについての知識 が乏しいという特徴をもっている社会を、筆者は、 r開いた社会』
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2Dと定義しているということ。
が述べられているということ。
③第二のまとまりでは、
・r閉じた社会』22>においては、主語や述語がないような言葉、
第三者が聞いても何のことかわからない言葉でも会話が成り立つ ことがあるが、それは、お互いの共通の知識による言葉の補いが あるからだということ。
・r閉じた社会』23)で成り立つ会話については、『開いた表現』2 4)だけではなく、言葉だけで理解できて、お互いに理解するため には、何も補う必要がない表現(『閉じた表現』25))もあると いうこと。
・四辺形において、線が切れて、囲みが開いている図形を、筆者は r開いた図形』26>と定義し、その図形は線が切れている部分を補 うことによって四辺形であると判断することができるということ。
また、線が四辺とも引かれていて、囲みが閉じている図形を、筆 者は『閉じた図形』27>と定義し、その図形は、何も補わなくて も、四辺形であると判断できるということ。
・四辺形による、閉じていることと開いていることについての意味 の理解を使って、何も補う必要がなく、言葉だけで理解できる表 現を筆者は、r閉じた表現』28>と定義し、言葉以外の知識や補 いの言葉を借りて理解できる表現をr開いた表現』29>と定義し ているということ。
が述べられているということ。
④第三のまとまりでは、
・法隆寺の場所を尋ねる例を用いて、『開いた社会』30)において 一140一