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教師の指導と生徒の活動

教師iで、3番目のまとまりは2ページにわたってますけと   iも、え一、聞いてくださいよ、筆者がねえ、私たちに向   iかって述べたいこと、ね、私たちに向かって言いたいこ   iとは何かということを中心に考えてください。それを、

  i小見出しとしようと、ね。いろんなこと書いてありま   iけども、筆者がわれわれ読者ね、これを読んでる人に向   iかって、まあ、言い表したいこと、それを、まあ、え一   小見出しとしようと。

  i (しばらく間をあけた。)

  iそうすると、筆者の言いたいことにしぼって読んでい   iけばいいわけやな、ザーッと、もういっぺんな。

  i (生徒の書き具合を見てまわった。)

  i はい、江頭さん、ちょっと、ゆうてみて。江頭さん

  1は。

7−31i開いた社会での知識。

教師 はい、開いた社会での知識。はい、これをもってきて   iんな、この、開いた社会という言葉をもって来た。

  i (板書〉 「『開いた社会』での知識」

  iはい、江頭さんは、第3番目のまとまりを、開いたネ   i会での知識という言葉を使って、小見出しとしたと、ね   ; (黒板の「知識」の右側に踊を書いた。)

  ;知識という言葉は、85ページの、中を見ると、2fr   唱に出てきてますけども、これとはべっこやな、江頭さ          一175一

N

o

221,

  iん。別の意味やな。

7−31i (うなずいた。)

教師iな、うん。だいたい社会では、こういう知識がいると   iいう意味で出してくれたわけやな。

  i (しばらく間をあけた。)

  iまだ、考えられるわな。なんせ、長いですから、2ぺ   i一ジにわたってますから、どこを取ってくるかによるか

  iら。

  i (生徒の書き具合を見てまわった。)

  iさっきもあてたけど、苅谷さん、ほんなら、ゆうてみ

  iてQ

7−35i開いた社会に出るために。

教師i開いた社会に出るために。

  i (板書)rr開いた社会』に出るために」

  {やっぱり、開いた社会という言葉をもって来て、で、

  i先程は知識という言葉を使ったけど、今度は、開いた案   i会に出るためにと、ね。出るために、こんなん、こんな   iん、こんなんと言わないで、出るためにを、小見出しと   iしょうと、こういうことやな。

 7組においては、第3のまとまりについて、第1のまとまりと第2の まとまりについての小見出しの出し方についての説明はされていない。

これは、子どもの反応を「開いた社会」176>を中心に出るように、反応 を集中させることをあえて、避けて、子どものさまざまな、分散した反 応によって、授業を展開しようとしたのである。したがって、子どもの 反応は、生徒7−31の「開いた社会での知識」177)という反応のよう       一176一

に、小見出しにおいて、表現の次元とはかみあわせていない反応が出て いるのである。また、生徒7−35の反応の「開いた社会に出るために」

178) ニいうように、この反応も、「開いた社会」179>に出るために何を 準備すべきなのか、「開いた社会」180)に出るためにはどうあるべきか

という反応にはなっていないのである。すなわち、一度の読みでは、子 どもは、第3の要点をとらえることができないことがわかるのである。

このように、どのような説明をすれば、子どもがどのような反応をする かということがわかり、発問の仕方によって、子どもが、どれだけのこ とを問題とするのかということがわかり、その後の発問を組織すること ができると考えられるのである。

一一@177 一一

 【授業過程3】

 授業過程3は、指導案の第2時の「日常生活に目を向け、自分が属し ている社会の例を考え、発表させる」18Dこと、「発表した具体例は、

r閉じた社会』の愚なのか、『開いた社会』の例なのかを考え、理由を つけて発表させる」182)という指導場面である。

 1996年6月6日(木) 第4限 2年3組 (単元の第3時)

時間

30

教師の指導と生徒の活動

  iじゃ、大山さんは、どんなとこ、どんなその生活して   iいるね、社会あげました。話しおうてたん。

3−3{ (沈黙。)

教師 えっ。大山さんが、所属している集団や。

3−34iクラブ。

教師iクラブやな。ほんなら、クラブは、大山さんの、何。

  iかな。

3−34i バレー。

教師iバレ 一一部やな、女子バレー部やな。女子バレー部は、

  ;大山さんにとって、閉じた社会か、開いた社会か、どっ   iちというように自分でとってる・この・ここで言われて   iるのでゆうたら。

3−34i閉じた社会。

教師i閉じた社会。

  i (板書)「女子バレー部」

  i女子バレー部は、大山さんにとって、閉じた社会。

  iそれは、大山さん、何でと思う。何で閉じてると思う 3−34 共通の知識。

         一178一

o

32:分

教師i共通の知識をもっている。ほんで、女子バレー部にと   iて共通の知識というのは。

3−34 (沈黙。)

教師何が、みんな知ってんのん。みんなお互い知ってるこ   iとはなに。共通して知ってることはなに。女子バレー。

  iで共通して、知ってることはなに。

3−34iバレー。

教師iバレーのことについて。そういうことやな。ま、だか   iら、そういうところで閉じているというわけやな、うん   iそのあと、大谷さんは、うん。

  i大谷さんは、ほかに、自分にどんな社会がある。

3一諺学校。

教師i学校やな。はい、学校、今、この来ている河原城中   i校、これは、大谷さん、閉じた社会か、開いた社会かと

  iつちやろ。

3−3Z 開いた社会。

教師i (板書)「学校」

  i開いた社会、ね。学校というのがあるだろうと。じゃ   iさっきのバレー部は閉じてたけど、今度、学校は、大A   iさんにとっては、こう開いてるという、そのなんで開い

  iてると思う。

3一躍 ほかの、他人についての知識がない。

教師 知識がないな。知らん人もいてると、こういうことや   iな。だから、開いた社会じゃないか、こう言えるわけや

  iな、うん。

        一179一

o

N

  i岡本さんは、どう考えた。ほか自分が所属していると   にろ。

3−35i クラス。

教師iクラス。はい、この3組ですね。

  i(「閉じた社会」め欄に「三組」と書きかけて消した。

  iああ、ごめん。はい、この三組は、え一、岡本さん、

  閉じてんのんか、開いてんのんか、どっちでしょう。

3−35i閉じている。

教師i閉じてると思うか、それはなんでやろう。

3一一35iお互いに知っている。

教師 お互いに知っているところで、閉じてるんじゃないか   iと、こういうことですね。

i(板書)「二年三組」

  1まだ、あるでしょうか、ね。

  iはい、一奥川さんは。

3−36i羽曳野市。

教師{羽曳野市。なるほど、羽曳野市は、この開いた社会じ   iやないかと。それは、なんでそういうふうに考えんのん

3一一36iみんな知らん人。

教師iみんな知らん人。え一、知っている人もおるけど、知   iらない人と、ね。けど、これは一つの社会、ね、開いた   社会、羽曳野市。

  i (板書)「羽曳野市」

o

 教師が、子どもに自分が生活している集団について発問したときに、

生徒3−34は、「クラブ」183)と反応した。自分が所属している集団       一180一

を意識するときに、自分の経験の中から、最も具体的に感じる集団を答 えたのである。その反応に対して、教師は、「何部かな」184)というよ

うに尋ねた。生徒3−34の「クラブ」185>という反応を、クラス全体 の子どもの中でより具体的に想像させ、生徒ひとりひとりの問題とする ために、具体的なクラブ名を聞いたのである。そこで、生徒3−34は、

「バレー」186)と答えたのである。そこで、具体的なクラブ名が反応と して出たので、教師は、「女子バレー部は、大山さんにとって、閉じた 社会か、開いた社会か、どっちというようにとってる」187)と発問した。

バレー部に所属しているという子どもの経験を、教材の中での問題とし て考えさせようとしたのである。この発問に対して、生徒3−34は、

「閉じた社会」188>と反応した。子どもは、この答えを出すに至って、

自分の経験を思い出し、クラブの集団が閉じているか、開いているかの どちらであるかということを判断したと考えられる。この反応を受けて、

教師は、「それは、大山さん、何でと思う。何で閉じてると思う。」18

9> ニいうように、生徒3−34に、「閉じた社会」1go>と判断する理由 を考える学習活動を起こさせるために発問した。この発問に対して、生 徒3一一34は、「共通の知識」191)という反応をした。教科書を読み、

家族や友達グループのような小さな社会、「閉じた社会」tg2)では、共 通の知識をもっていて、考え方も大きくは違わないという内容を理解し て答えたと考えられる。生徒3−34は、教材と自分の経験と相互作用

させて、「閉じた社会」蓋93)の特徴を利用して、クラブは閉じた社会で あるというように意味を解釈して答えたと考えられるのである。生徒3

−34は、自分の経験と、筆者の「閉じた社会」194>に対する定義を相 互作用させて、筆者のものの見方や考え方を、自分の問題として解決す

るための手段として用いることができたのである。

      一181 一

 次に、教師は、生徒3−32に「自分にどんな社会がある」195)と発 問した。さまざまな子どもの反応を使って、「閉じた社会」196)と「開 いた社会」197>について、理解を深めさせようとしたのである。この発 問に対して、生徒3−32は、「学校」198)と反応した。自分が属して いる集団について、自分の経験の中で思い起こしたのである。この反応 に対して、教師は、 「これは、大谷さん、閉じた社会か、開いた社会か どっちやろ」199)と尋ねた。子どもに、「閉じた社会」200)と「開いた 社会」201>の定義がどのように理解されているかについて、判断材料と

なる発問をしたのである。生徒3−32は、この問いかけに対して、

「開いた社会」202>と答え、その理由を「ほかの、他人についての知識 がない」203)とした。生徒3−32は、学校で生活している自分の活動 を思い浮かべ、出会う人を想像して、学校は、開いた社会であると判断

したのである。この判断については、「閉じた社会」204)と「開いた社 会」205)についての定義の理解が必要である。生徒3−32は、筆者の

ものの見方や考え方を理解することによって、適切に反応できたのであ

る。

 続く、生徒3−35は、自分が所属している集団について、「クラス」

206> ニ反応した。また、クラスは、「閉じている」207)と判断し、その 理由を「お互いに知っている」208)と答えている。生徒3−35は、筆 者の定義を理解し、自分の経験に置き換えて思考し、反応したと考えら・

れる。また、生徒3−36は、自分が所属する集団には、「羽曳野市」

209>があると答え、その理由を、「みんな知らん人」210>としている。

筆者が「開いた社会」21Dについて定義するところの、出会っても名前 も知らないし、あいさつもしないような人々で構成されていて、同じ地 域に住んでいたり、同じ地域で仕事をしている人々の集団を「開いた社       一182一