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 ① 第一のまとまりについては、筆者があげている、r閉じた社会』

49) ニ『開いた社会』50>の実例とそれらの定義。

 ② 第二のまとまりについては、筆者があげている『閉じた表現』51

)と『開いた表現』52>の実例と定義。そして、その二つを視覚的に明ら かにするために、四辺形を用いた『閉じた図形』53>とr開いた図形』5

4) ノよる説明の意味。

 ③ 第三のまとまりについては、r開いた社会』55)とr閉じた社会』

56) A『開いた表現』57>と『閉じた表現』58>の定義をふまえたうえで の、 r開いた社会』59)とr閉じた表現』60)の関係を結びつけた誤解例。

そして、最後の段落において、学習目標の「コミュニケーションについ て考える」6Dに結びつくところの、筆i者が考えるr開いた社会』62)で の望ましい表現、すなわち、r閉じた表現』63)の必要性を述べて結論

としていること。

 以上のように、本教材の内容及び展開をとらえさせ、三つのそれぞれ のまとまりにおいて、形式段落ごとに、形式段落を使って、要点をまと めさせるという活動を設定したのである。

 そこで、本授業の構想においては、主として、これら理解領域での目 標を達成するために、大村が、「要点をつかまえさせたいときに要点を つかまえるのですよと言うのは当たり前すぎて、そういうのは教師らし くない素人的なこと」64)であるとする考え方を、課題の提示の仕方の 基本とした。

 大村は、「要点をはっきりとらえさせたい」65)という目標をもった ときには、「その目標が自然にできるように運ばないと困る」66)とし ている。要点をとらえさせるときに、その目標を直接的に子どもに課題        一143一

として与えることは、要点をとらえさせる指導にはなっていないという のである。大村は、子どもが学習に取り組んでいることと、教師が目標 をもって、子どもにその目標の達成のために考えさせていることが同じ だというのである。すなわち、本教材の授業において、文章の主題や要 旨、筆者のものの見方や考え方、形式段落の要約について子どもに考え させるときには、例えば、この形式段落の要点はどういうことか、と問 いかけて考えさせることや、このまとまりで筆者が最も言いたいことを つかみなさい、と言ったりするのは、それらの要点をとらえさせる指導 ではないというのである。そこで、大村が言うように、教師が「こうさ せたい」67)と思うことを、子どもが「気がつくと自然にやっている、

自然に目標に達している、というふうにし向け」68>るための課題を提 示しなければならないのである。本教材の文章の主題や要旨、各段落の 要点をとらえさせるには、教師が構想した課題設定に取り組ませること によって、子どもが知らず知らずのうちに目標に達したというようにし なければならないのである。

 このような大村の考え方により、各時間の目標にそって、主として次 のような課題を設定し、子どもの学習活動を構想した。

 ①第2時については、まず、第一のまとまりを読ませて、内容を形 式段落ごとにまとめさせる学習活動を設定した。しかし、その学習活動 そのものは、筆者の述べていることを単に縮めて、要約したにすぎず、

要点をつかめて理解したことにはならないという判断をした。そこで、

形式段落ごとにまとめさせた後、次の三点の課題を設定したのである。

 ・日常生活に目を向け、自分が属している社会の例を考えるという   こと。

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 ・筆者が述べている『閉じた社会』69)とr開いた社会』70>の定義を   使って、自分が属している社会がr閉じた社会』7Dの例なのか、

  『開いた社会』72>の例なのか考えるということ。

 ・例としてあげた自分が属している社会が、r閉じた社会』73)とな       さ

  る理由、もしくはr開いた社会』74)となる理由を考えるというこ

  と。

 子どもは、この課題を与えられることによって、単に教科書に書いて あることを形式段落ごとにまとめて、要点をとらえたとみなすことがな

く、この課題に取り組む過程において、筆者が第一のまとまりで定義し た『閉じた社会』75>と『開いた社会』76)に対する理解が深まり、筆者 のものの見方や考え方を理解すると考えたのである。

 ②第3時については、まず、第二のまとまりを読ませて、内容を形 式段落ごとにまとめさせる学習活動を設定した。その後に、①の学習活 動に対する考え方と同じ判断で、「自分たちの生活を思い出して、r閉 じた社会』での『開いた表現』の例を考え」77>るという課題を設定し た。子どもにこの課題を与え、取り組ませることによって、筆者が定義

した『閉じた表現』78)と『開いた表現』79>についての理解が明確にな るとともに、r閉じた社会』80)においてr開いた表現』81)を成り立た せる理由、要素が明らかになると考えたのである。

 ③ 第4時については、まず、第三のまとまりを読ませて、形式段落 ごとにまとめさせる学習活動を設定した。その後に、「法隆寺の場所を 尋ねる例を『閉じた表現』で言った場合を考え」82>るという課題を設 定した。子どもは、この課題に取り組むことよって、筆者が結論で言い たいことを、具体的な表現例を考えることで、明確にすることができる

と考えたのである。

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 以上のような課題を設定することによって、大村が言うように、要点 をとらえさせたいときに、その目標を直接、子どもに与えて、「要点を はっきりつかみなさい」83)とか、「もうちょっといろんなことを考え ないの」84)とかいうような言葉を口にすることなく、子どもに、自然 に具体的な形で、本教材の文章の要点、筆者のものの見方や考え方、主 題を理解させることができると考えたのである。

 また、本授業では、デューイの指導性についての考え方を基礎にして、

子どもの活動および教師の発問を構想した。

 デューイによると、教師の指導性として、子どもの相互作用としての 環境を設定すること、よりよい反応を呼び起こす刺激を選択し、設定す

ること、問題解決過程としての作業を設定することが重要であるとして いる。本授業の構想にあたっては、これらの考え方をもとに、教材と子 どもの間に相互作用が起きるように、子どもと子どもの間に相互作用が 起きるように、環境、すなわち、教材、発問、指示や説明を与えること を中心に考えた。また、教師の説明や指示、発問については、よりよい 反応を呼び起こす刺激を選択し、設定すること、子どもに問題意識が生 じ、解決するために思考が行われるような学習過程を設定することを中 心として考え、組織したのである。

 まず、子どもの相互作用としての環境を設定することについては、主 として、第1時で、「自分の伝えたいことがうまく話せなくて、通じな かったことを思い出し、発表させる」85)こと、「自分の伝えたいこと がうまく話せなかったことについて、その理由を考え、発表させる」86

)こと、「相手によって話が伝わったり、伝わらなかったりするのは何       一146一

の違いによるもめか考え、発表させる」87>ことの学習活動を設定した。

 本教材の導入では、生徒自身が社会生活を営んでいることを想像させ、

社会の中では自分が生活の中で用いている言葉があり、それに関心をも たせることをねらいとしたのである。子どもの生活は、具体的な生活の 連続である。この学習によって、自分がどのような社会で生活している のか、どのような言葉を用いて、それが生活の中で人にどのように理解 されているかについて振り返らせるのである。この学習活動が、本授業 において、 r開いた社会』88)、 r閉じた社会』89)、 r開いた表現』90

)、『閉じた表現』9Dについて筆者が定義することを理解するための前 提として必要であると考えたのである。

 また、それぞれの学習活動について、子どもが子どもと話し合う時間 を設定した。一つの課題について、自分の経験や考えを他人の経験や考 えと比較させることで、自分の経験や考えがより具体的な言葉となって、

表現することができると考えたのである。子どもが、この学習に取り組 むとき、子どもと子どもの間に相互作用が起きると考え、設定したので ある。また、子どもが、それぞれ友達と話し合ったことをクラス全体の 中で発表する活動を設定したのは、身近な友達との話し合いという、一 対一・、もしくは一対二の小さな相互作用から、クラスで発表するという 一対多の大きな相互作用へと切り替わらせるときに、言葉の表現におい て工夫するという思考が働くと考えたのである。また、発表する子ども の考える活動とともに、一方の発表を聞いている子どもも、発表してい る子どもが何を言おうとしているのかを理解するたあの活動があると考 えたのである。この話し合いの結果を発表することについては、子ども の相互作用に段階を生じさせるために、発表するという活動を設定した

のである。

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