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スライド13
ったことをやはり1つずつやっていくことによっ て,今後のその機械の操作や,例えば透析装置の 改良点などが見えてくることもあるだろうと考え ました。
スライド14のいちばん左側の写真がこの事故の 際に私どもが使用しておりました東レの除水量調 整透析装置,TR-322Mです。事故に関わった実際
の機械は警察が押収しておりますので,これは型 番が同じものを用いております。実機とは若干違 いがあるかもしれません。中央の写真の左側の細 長い筒状のものが透析用のダイアライザーと呼ば れる部分で,ここに透析装置から血液がポンプで 流れ込み,透析外液と1枚の膜を介して交換する ことによって,血液中のさまざまな老廃物を取り 除いていきます。今回の点 滴で抗生剤を用いたライン は右側の写真です。これが 大体の全体の仕組みです。
それでどんなふうに組み 立てていたかというとスラ イド15の上の写真の右上矢 印で示したところが透析装 置の本体で,血液ポンプが 右下矢印で示したところに あります。ダイアライザー がスライド中央に置いてあ って,スライドの左側が抗 生剤の点滴をしているよう な状態です。
ここでは事故と同じよう な状況でライン内に入って いる血液を全部患者さんの 体のほうにお返しをして,
ペアンで回路を止めたとこ ろ(スライド15左下の写真)
です。こういった状態で抗 生剤を静脈内に点滴投与す るため,エアトラップにつ ないで輸液ポンプを用いて 抗生剤の投与を始めたとこ ろです(右下の写真)。 次にスライド16に第1の 直接原因を示します。血液 ポンプの誤動作,誤操作で す。この血液ポンプという のがダイアライザーに血液 を送り込むためもので,こ
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スライド14
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スライド15
れは返血後は動かす必要は ないですけれども,事故の 最初の引き金はこの部分で,
1人の看護師がこのボタン を押した結果,この回路の 末端は開放されております ので,そこから空気がどん どん回路内に入っていきま す。15分間,実はこれは血 液ポンプ誤操作のあと動い ていた時間ですが,回路内 に15分間血液ポンプを動か す と 大 体2.1㎏/c㎡の 空 気が加圧されるという状態 になります。
スライド17に第2の原因,
あるいは直接の引き金にな った部分を示します。ちょ っと見えにくいかもしれま せんが,大体透析装置はこ のように回路がいろいろ入 っていて入り組んでいます。
スライド17左写真の左側矢 印で示したところが抗生剤 が入っているラインです。
抗生剤の投与が終わって右 の矢印のペアンを誤って外 してしまいました。これも 完全にミスです。操作ミス ですが,このペアンを外し
てしまったんですね,外す直前のペアンの位置が スライド17の左側の写真に示してあります。この 前のところ(スライド16右側の写真)に2.1㎏/
c㎡の表示があります。スライド17の右の写真が メチレンブルーで色を付けた水の中に逆に立てて おいた500ccのメスシリンダーです。そこにこの 透析回路の静脈側の先端部分を出しておくと,ど のくらい空気が出るか,ペアンを外した途端に,
これはもう空気が吹き出してきたところでありま して,相当な勢いで吹き出しているのが分かると
ホ ス ピ タ ル シ ョ ウ 医 療 の リ ス ク マ ネ ジ メ ン ト と I T の 活 用 スライド16
スライド17
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スライド18 䋳䋮⚿ᨐ
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思います。流入した空気量は400㏄という数字が 出ております。以上のことをスライド18に要約し てあります。
いろいろな記録を振り返ってみると,このペア ンを外したあと,患者さんがシパッとしたという ことをおっしゃっていて,その後すぐ意識を失っ たという状況で,おそらく2,3秒の間に大量の 圧縮した空気が患者さんの血管内に流れたという ことではないかなというふうに思います。これが 事故の実体です。
直接的原因の究明
これで,その操作ミスが重なって何が起きたか というのはほぼ再現できました。そうすると,な ぜそういうふうなプロセスに至ったかということ が次の問題になってきます。返血操作後に動かす 必要のない血液ポンプをなぜ再作動させたか。返 血操作後に透析回路を用いて抗生剤の投与を行う 過程で透析室スタッフの1人が誤って血液ポンプ を再作動させたことにより空気が流入し,回路内 の空気が加圧されました。この血液ポンプを作動 させた理由が第1のなぜです。もう1つのなぜは このペアンの開放です。抗生剤の点滴が終了した 時点で別の透析室スタッフが誤動作,すなわち誤 操作により動いている血液ポンプを停止させた。
血液ポンプが動いているというのは気がついたの ですが,これをただ止めただけです。ここら辺か らいろいろ問題点が見えてくるわけです。そして 回路を止めていたペアンを開放したことにより,
加圧された空気が血管内に流れ込んだ。例えばそ の血液ポンプが動いていることに気がついてポン プを止めたんだけれども,その後具体的なアクシ ョンは何も起こしておりません。このあたりのと ころを詳細に解析をしていきまして,なぜこの血 液ポンプを最初のスタッフが誤って再作動させた か,なぜ点滴終了後にペアンを開放したのかとい う2つの点に的を絞って徹底的に調べていったわ けです。
この辺はホームぺージにその詳細を全部載せて おりますけれども,ポイントを挙げていきますと スライド19のようになります。
1つは透析装置を含めたメカニズムの理解につ いて十分でないところがある。例えば先ほどの血 液ポンプの再作動のあたりに関しては,血液回路 はこの時点で血液ポンプを動かす必要のない状況 です。この1点。それから医療機器の管理システ ムやマニュアルの不備がいくつかある。それから 例えば先ほどの2人目のスタッフが,普段は動く はずのない血液ポンプが動いていることに気づい た時,普通はこれが動いているはずはありません し,あそこが動けば回路内に空気が加圧されるわ けですから,だれが動かしたかということをそこ で声を発して調べるというふうなことをすれば場 合によってはそこで事故を止められた可能性があ った。ところがポンプをただ止めただけで次の操 作にいってしまった。このあたりはメカニズムの 理解の問題だけではなく,コミュニケーションの 部分の問題も入っている。このあたりの解析は実 は本当に時間がかかりましたけれども,とことん 調べました。
背景因子となった根本的な問題
従来ですと,ポンプを誤動作させた人とペアン を開放した人を処罰してそれで終わりだと思いま すが,それでは実は問題解決にはなりません。何 が起きたのかという部分については分かりました が,なぜ起きたのかということに関しては,やは り相当時間をかけて調べていかなければならない。
根本に隠れているのはこの部分でして(スライド
ホ ス ピ タ ル シ ョ ウ 医 療 の リ ス ク マ ネ ジ メ ン ト と I T の 活 用
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スライド19