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9. パタンを適用する 1. 対話

9.3. レポートから

みなさんはすでに未来形を習得していますので、改めてこのよ うな歴史的変化の仕組みを理解するのは容易だと思います。一方、

1年生はまだ完全に未来形が作れないことがあるので、たくさん の練習が欠かせません。そのとき、次のことを理解してから練習 すると効果があがる可能性があると思います。

(1) 未来形の語尾がhaberの活用とよく似ている。

(2) 不規則変化は母音の脱落によって生じたもので、次の 3 種類 がある。

(a) 母音が脱落して二重子音(br, dr)や二重字(rr)が生まれたケー

ス (saber > sabré, poder > podé, querer > querré)

(b) 母音が脱落し、n , l + rの間にdが入って、二重子音が生まれ たケース (poner > pondré, tener > tendré, venir > vendré, salir >

saldré)

(2c) 母音が脱落し、さらに子音(c)までも脱落したケース (decir >

diré, hacer > haré)

今日の授業はこれで終わりです。レポートを書いて提出してく ださい。

その流れで-dréのような活用ができるのはおもしろいと思 いました。

 haber と未来形について関連づけたことはなかった。今ま

で未来形になぜdが出てくるのか疑問に思ったが、今日の 説明を聞いて納得することができた。

 未来形を学ぶとき、haber の活用とはまったく関連づけて いないです。やはりただ単に口頭で繰り返し練習して覚え ました。未来形がなぜこのような形になったのか初めて知 りました。もしアラゴン地域の発音が受け入れられず、

Castilla の”terná”という形が続いていたら、今も私たちは

tendráという形に出会わなかったのだと考えると不思議な

気分です。

 haber の活用をもとに未来形を覚えた記憶がある。今でも

そうしている。未来形以外にもそうしているものが多い。

nと d はまったく違う音で、なぜn→d?と思っていたが、

変化するには共通点があることがわかった。

 haber との関連づけについては習ったのかもしれないが忘

れている。未来形についての歴史が一直線ではなく、2つ の歴史があると知って、すべて理由があるのだと感心した。

 私は未来とhaberの意識化はなかった。私はすんなり覚え られた気がした。未来形が初めてでてきたとき、語尾にこ れらをつければいいんだ、と単純に思ったがが、変形のも のもあるため、それが出てきたとき、完了過去(点過去)

の変形動詞とかぶって混乱したのを覚えている。

 未来形がhaberの活用形と同じということは軽く触れてい

て知っていましたが別のものとして覚えました。未来形を 歴史的に見るとさまざまであるが、現在のスペイン語では ルールは少なく統一性があると思いました。ルールが少な くてよかったです。

 haber と未来の関係について習ったこともないし、考えた こともなかったです。とにかく原形のうしろに é とか ás をつける、と覚えました。不規則についてはとにかく丸暗 記しました。カスティーリャとアラゴンの相互関係など、

歴史的な様々な要因で変わっていったのがおもしろかっ たです。子音の表を見ると、なぜdが入るのかなどよく理 解できて助かりました。

 未来とhaberの関係は意識したことはない。未来は未来で

覚えた。初めて未来形を習ったとき、それまでより不規則 が少なくて良いと思ったが、なぜ”d”が加わるのか謎だっ た。しかし、その理由は言語の移り変わりと歴史を見ると 解明することに気づいた。

 未来形とhaberの関連づけは、今初めて気づきました。こ

のように覚えてはいません。不定詞にé, ás, ...をつける、

と覚えました。未来形の形成のプロセスが音節と関連して いる、というのはなかなか興味深いと思った。ふだん理由 も考えず覚えているものの理由、起源をたどるのはおもし ろいと思う。

レポートを読んで

多くの場合、未来形の活用語尾がhaberの活用とほとんど同じ であることについての意識化はなかったようだ。それでもしっか りと練習して習得しているのだから、これはすばらしいことだ。

未来形は、あまり理由とか由来とか考えなくても、ちゃんと練習 すれば確実に習得されるケースなのだろう。

スペイン語専攻の学生は、多くの時間をかけてしっかり練習し ているので習得できているのだが、一般外国語の小テストの結果 を見ると、その現実はかなりきびしい。専攻では一週間に7~8 コマのスペイン語の授業があり、自習時間は1日平均2~3時間 である。一方、一般外国語では一週間に2~3コマのスペイン語

の授業があり、自習時間は1週間平均1~2時間である。この差 は非常に大きい。

一般外国語の教育・学習法は専攻とは別に考える必要がある。

一般外国語ではプラクティスの時間が圧倒的に不足している。そ れを埋めるために、限られた練習時間内でさらに練習を増やす工 夫をするよりも、むしろ理論的な枠組みや歴史的な背景を理解さ せたほうがよいだろう。

スペイン語がどのような言語なのかを知ることに、一般外国語 の学生も、そして専攻の学生も興味を持っているようだ。しかし、

理論的な枠組みや歴史的な背景ばかりを羅列して述べてはいけ ない。知の枠組みをきちんと構築し、それを基礎として有機的に 関連づけながら新知識を積み上げていく方式をとらないと、理論 も歴史も単なるバラバラの知識の寄せ集めになってしまう。これ では地震がきたら崩壊してしまう建築物と同じだ。スペイン語学 習・教育の建築学とはどのようなものなのだろう。

10. 方法と理由を考える