7. パタンを意識する 1. 対話
7.3. レポートから
注目します。そうすると、casas, españoles, lunes, japonesesはどれ も「弱勢母音+ s」というパタンにあっています。つまり、スペイ ン語の複数形はどれも「弱勢母音+ s」というパタンを目指して作 る、と考えてみてはいかがでしょうか。casaならばsをつけるこ とで、そのパタンになります。españolは esをつけることで、そ のパタンになります。lunes は単数の形で、初めからそのパタン になっているのでそのまま複数形として使います。そして、
japonésは、lunesと似ていますが、「弱勢母音+ s」というパタン
ではないので、esをつけて語末を「弱勢母音+ s」というパタンに しなければなりません。
このように考えると、4つもあった規則が1つのパタンに納ま ります。しかし、学習者によっては、従来の4つの規則を1つず つ習得していったほうがわかりやすいかもしれません。個人の学 習スタイルが異なるからです。もしかしたら、規則を適用してい る人も、意識をしないでパタンを使っているのかもしれません。
また、規則を習得する練習の中に、あえてパタンを意識化すると いう方法も考えられるでしょう。このようにパタンという概念を スペイン語教育・学習に導入することの利点と欠点を考察してみ ましょう。
グループでディスカッションして、個人でレポートしてくださ い。授業はこれで終わります。レポートを仕上げたら提出してく ださい。
私は規則1 ~ 4まで覚える方がきっちりして合う気がします。
弱勢母音+s というのを考えると逆にすごく考えてしまって ややこしいです。
1つのパタンにしてしまうという方法は、わかりやすかった が、それは個別の規則を知っているからわかりやすく感じた のではないか。最初から1つのパタンだけを与えられてしま うと具体的ではないので、学習者は混乱してしまう可能性が あると思った。
確かに根幹にあるルールを1つ覚えた方がいいのかもしれま せんが、いちいち弱勢母音の位置を考えるのもややこしい気 がします。個人的には規則1~4で覚えた方がやりやすいので は、と思いました。
長く勉強していると、lunesesはおかしいとか、japonesesはあ りだな、と分かる記憶型なので、丸暗記も有効だと思う。
賛成:
複数になっても強勢は変わらない、ということを教えれば大 体はカバーできる。初心者は、いくつも規則を教え込まれて も混乱してしまうだけである。まずは、一番の柱になり、か つわかりやすいパタンでなじませ慣れてもらう。慣れた時点 で規則を教えればよいと思う。
4つの規則を見ながら自分の知識を整理してみると、私には やはり曖昧な点が多かった。プロセスを順に追って考えてい くことで、うまく応用できるようになる、ということは大切 だと思った。
私の場合、lunesが単複同形と知ったとき困ったのを覚えてい る。なぜ複数形でもそのままなのか興味があった。今日授業 を聞いてその理由がわかった。
複数形を作るとき、アクセント同様、感覚でやってしまって いたので、今日の「弱勢母音+s」というパタンには非常に納
得しました。実際にいくつかの単語を挙げて考えてみると、
このパタンがぴったりと当てはまって、とても不思議で面白 かったです。
今までは一番後ろにくる文字で強勢を決めていたけれど、今 このパタンを考慮に入れると、前から普通に読んでいきなが ら強勢をおけるので、スペイン語の文章を読み上げる際など はおおいにネイティブらしい、その場で悩まずにすむものに なると思った。
今までアクセント記号の付け方をあいまいなままでいたが、
今日規則を再確認でき、しかもまったく新しい視点からパタ ンを知り感動した。lunes の場合とjaponésの場合いつも迷っ ていたけれど、このパタンを知って、もう迷わないと思った。
規則には理由がある、と考えるのなら、その理由を探るのも 興味深いことだと思います。
相補:
どちらも知る方がより理解が深まるはずだ。4 つの規則を提 示する方法では、個別に示していることで学習者にもイメー ジしやすい。しかし、規則が多いため混乱をまねく可能性も ある。そこで、より一般化されたパタンを理解することで、
頭の中を整理することができる。ただ、後者だけを学んだだ けでは実際には複数形を作っていけないでしょう。
実際、西語を勉強する時には「習うより慣れろ」理論でやっ てきて、その方がいいと思うが、勉強して体で覚えたあとに 今回のような理論を入れてあげると、今まで積み重ねたもの が収まるところに収まったような感じがして、とても気持ち がいい。
最初のうちは単語の音節を後ろから数えて強勢をつけて読ん でいましたが、だんだん慣れていくうちに、なんとなく正し い位置にアクセントをつけて読めるようになっていました。
(考えずに)自然にパタンの考え方が身についていたのでは ないかと思います。
もう違う方法で学んでしまって定着してしまっているので、
今から新しい方法に考え方を変えるのは難しいと思いました。
1からスペイン語を学ぶ人たちにとっては、パタン方式で学 ぶのが有効だと思います。
いきなりパタンを教わってもピンとこないので、4 つの規則 を覚えた後で、「実は4つとも…」とパタンを学ぶ(まさに 今日の私)のがベストだと思う。
レポートを読んで
クラス全体が規則の考え方とパタンの考え方をよく理解して いる。その上で、自分の学習スタイルを考慮して、自分の問題と して考察している。
たしかに、最初の段階からあまり理論的なことを考えずに、む しろ「習うより慣れろ」とするほうが実際的であり、効果が高い と思う。理論の理解が実際のスムーズな運用を保証するわけでは ないからだ。自動車の構造や道路交通法を知ることが、必ずしも 良いドライバーとしての運転技術を保証することにはならない ことは、運転の実習を思い出せばわかる。何度でも練習して慣れ ていくことが重要だ。
一方、プラクティスだけでよいのか、となると、やはりセオリ ーも重要だと思う。両者は対立的な関係にあるのでなく、相補的 な関係にあるのだろう。
それでは、ステージとしてどちらを先に置くべきだろうか。両 者を相補的に捉えた意見を読むと、プラクティスを先に十分やっ てからセオリーを後で提示する、という意見と、最初からセオリ ーを提示する、という意見があった。私は、どちらかを先にする のではなく、両者を同時にやる、という方式を提案したい。そう すると、個別の規則の練習中に、その規則がどのような一般的な
パタンの中にあるのかを意識することができるので、規則の習得 に効果をあげるのではないだろうか。また、同時に行っている規 則の適用練習の体験があれば、理論的なパタンの理解も容易にな るはずだ。今回の理論的なパタンの理解がほぼ完璧だったのは、
上級生なのでプラクティスを積んで個別の規則をしっかりと理 解していたからだと思う。