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プロトタイプシステムの基本デザイン

第 4 章 プロトタイプシステムの開発と初期形成的評価

4.3 プロトタイプシステムの基本デザイン

Moodle を利用して開発した,プロトタイプシステムの基本デザインについて述べる.本 プロトタイプシステムで利用したのは Moodle ver2.0.2 (Build: 20110330) で,Debian GNU/Linux6.0.2(squeeze)上に構築した.

(1) トップページ

ポータルサイトのトップページはサイトデザインの中でも重要な役割を果たす.

利用者が最も頻繁に利用する頁で,目に付く頻度も一番高い.そのため,この頁を どう設計するかが,このサイト全体の印象を決めると言っても過言ではない.

そこで,知識・経験が多様な利用者に広く対応することと,自己制御感の醸成の ため,図 3-2 で示した画面イメージに沿って,3.7.1 で述べた,3x3 のマトリック ス型のユーザインタフェースを実現した.詳細は次節で述べる.また,トップペー ジにおいて,本ポータルサイトの詳細説明や簡単なフロー理論の説明を掲載した.

これは,最初に本ポータルサイトを訪問した利用者のためであり,2 回目以降等に ポータルサイトを利用する際は不要となる情報である.そのため,トップ頁上に詳 細情報の表示/非表示ボタン(図 4-1 における,説明/省略ボタン)を配備し,

利用者が自分で選択できるインタフェースを設けた.表示・非表示の状態は,ウェ

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ブブラウザの記録の仕組みである,Cookie を利用することで,次回ログインした 際も状態を保持することが可能となる.

図 4-1 プロトタイプ(トップページ)

(2) フロー理論適合度チェックリスト

フロー理論適合度チェックリストは小テストモジュールで実現した.Moodle の 拡張機能の中には,チェックを行うための,いわゆる,「チェックリストモジュー

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ル」と呼ばれるモジュールも存在するが,情報の表示等に制約があり,次節で説明 する,情報の詳細度のオン・オフ等の制御ができず,自由な記述が難しかった.そ の他,後述のアンケートモジュール等も調査を行ったが,表示の際の JavaScript の動作等に問題があり,現在利用できるモジュールの中では,小テストモジュール の表示機能がもっとも柔軟性があり自由度が高かったので,小テストモジュールを 採用した.

フロー理論適合度チェックリストは,詳細版,通常版,簡易版の3つのタイプの チェックリストの表現形式を用意した.詳細は次節で述べる.

(3) 改善点の提案

改善点の提案は,フロー理論適合度チェックリストの各チェック項目での学習環 境・学習教材のチェックを行った後,「適合しない」,あるいは,「全く適合しない」, を選択したチェック項目に関連する改善点の提案のため,チェックリストの活動と 同期することになる.そのため,チェックリストと同様に小テストモジュールを利 用することとした.

(4) フロー理論に関する入門教材

本入門教材については,Moodleの通常のトピック形式といくつかのモジュール を組み合わせて実現した.フローの定義や構成要素等,単なる言語情報を提示する 活動については,トピック形式を利用する.自分のフロー経験を入力する,個人的 フロー経験の活動については,利用者の入力を受けた結果の集計等がわかりやすよ うに,アンケートモジュール(mod_questionnaire)1を利用する.フロー経験の実例 集については,フロー経験についてのデータベースの内容が充実した際には,その 中から適宜抽出する方法を検討する必要があるが,初期プロトタイプでは,数も少 なく,内容の変更等のシステムの保守性を考慮し,トピック形式での表示とする.

また,個人的フロー経験の振り返りについても,同様にアンケートモジュールを利 用する.最後に,フロー理論クイズについては,小テストモジュールを利用して構

1 アンケートモジュールは moodleの公式サイトからmod_questionnaire を利用.

(https://moodle.org/plugins/pluginversions.php?plugin=mod_questionnaire)

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築を行った(図 4-2).

(5) フロー経験についてのデータベース

フロー経験についてのデータベースは,利用者が上記の活動でアンケートモジュ ールに入力した結果がデータとして蓄積されているので,適宜参照して活用するこ ととする.利用者以外のフロー経験のデータについては,システム側で匿名化し,

同様に参照し,利用者間で共有できるしくみを設ける.データベースモジュールを 活用する.

(6) 実践についてのデータベース

実践についてのデータベースについては,利用者からの入力のみなので,アンケ ートモジュールを利用し,アンケートの入力結果を,利用者間で共有できるしくみ を設ける.

(7) 実践結果のフィードバックの記述

フィードバックの記述については,改善点の提案と連動できるように,小テスト モジュールを利用して構築する.

(8) その他

将来のポータルサイトの展開を考え,また,フローに関する興味を喚起させる 観点から,フロー経験に関することが記述されている可能性のあるマイクロブログ を表示するブロックをトップページに追加した(図 4-3).また,利用者のプロフ ァイルを入力する事前アンケートを Moodle のアンケートモジュールを利用して作 成した.また,プロトタイプシステムの評価のため,チェックリストによるチェッ クの活動終了後の事後アンケートについても,アンケートモジュールで作成した.

Moodle のトピック間は,ある活動を終えないと次の活動に移れないという,ト ピック間の依存関係の記述ができるため,必須活動については,その活動を終えて いないと移れなかったり、非表示にできたりする仕組みを取り入れた.

今回のプロトタイプは,フロー理論に着目した学習教材・学習環境再設計支援 フレームワークの実現可能性の検証のためのシステムであるため,利用者間で

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Moodle にログインを行っている情報が見えない設定とした.実際にポータルサイ トを運用する際は,ポータルサイト上においてのコミュニケーション等,利用者間 のリアルタイムのインタラクションの機会を設けることでポータルサイトの利用 が促進されると考えられるが,本プロトタイプでは,提案するフレームワークの実 現可能性の検証のために構築したので,利用者情報・利用状況の表示を制限した.

ここで,利用者間のインタラクションとは,図 3-1 のポータルサイトにおいて,利 用者が改善点の提案や,実践結果のフィードバック記述を実施する際等において,

他の利用者とリアルタイムのコミュニケーション(チャット等)や掲示板での非同 期コミュニケーションを活用して意見交換を実施することができる機能のことを 指す.

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図 4-2 プロトタイプ(フロー理論入門教材)

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図 4-3 プロトタイプ(マイクロブログ)