第 5 章 フロー理論適合度チェックリストの評価
5.10 フロー理論適合度チェックリストの評価実験
114 第5章 フロー理論適合度チェックリストの評価
等の活動を加える.」「学習者に意識せずに学習が進む体験をしていたことを 自覚させる.」
#10 記述の文章を変更:「学習者が学習に集中している」 -> 「学習者が周り の出来事に気づかないぐらい集中している」
改善の視点に追加:「学習者が集中できる活動を組み込む」「学習者に自分が 集中していたことを自覚させる.」
#11 記述の文章を変更:「提示される情報が鮮明で十分である」 -> 「提示さ れるマルチメディア情報(テキスト,画像,音声,動画)が鮮明で十分である」
改善の視点を変更:「学習者のPC等の環境に問題がないかを確認する」->
「テレプレゼンスを実現するための学習者のPCやネットワーク環境に問題 がないかを確認する」
#12 改善の視点を変更:「学習が増えているかを確認する」 -> 「学習の機会 が増えているかを振り返りで確認する」
#13 改善の視点を変更:「学習に対する態度が変化しているかを確認する」 ->
「学習に対する態度が肯定的・積極的に変化しているかを振り返りで確認す る」
改善例に追加:「学習に対する態度が肯定的・積極的に変化していることを学 習者に自覚させる」
#14 改善の視点を変更: 「探索的行動が増加しているかを確認する」 -> 「探 査的行動が増えているかを振り返りで確認する」
#15 改善の視点を変更:「行動制御を認識しているかどうかを確認する」 ->
「行動制御を認識しているかどうかを,振り返りで確認する.
第5章 フロー理論適合度チェックリストの評価 115
材はすべて Moodle 上のコンテンツとして開発し,レッスンモジュール,アンケートモジュ ール,小テストモジュールを組み合わせて構築した.評価者は,最低 1 年以上の教授経験,
教材設計・作成経験を持ち,携帯電話を利用したことがあること前提条件として,研究・
学習コミュニティ内で電子メールにて広く募集を行った.教材 A,B,C,に対しそれぞれ 7 名,7 名,8 名,合計 22 名が実験に参加し,実験期間は 2012 年 6 月 28 日から 7 月 27 日ま でであった.実験の詳細は以下の通りである.
(1) 参加者
22名.1年以上の教授経験あるいは教材設計経験を持つ,熊本大学教授 システム学専攻の在校生及び卒業生を中心とするボランティアで構成.新 規参加者7名,初期形成的評価実験あるいは予備実験の参加者15名.
(2) 実施時期
2012年6月28日~2012年7月27日
(3) 実験条件
Moodle 上に構築したプロトタイプシステムにおいて,事前調査,評価 用教材(「スマートフォン入門」),フロー理論適合度チェックリスト,教 材の改善提案,事後調査,の活動を実施.
(4) 実験手順
実験手順は図 5-4 に示した通りである.以下,順に述べる.
まず,参加者グループ P(今回始めて参加した参加者 7 名)と参加者グ ループ Q(初期形成的評価あるいは予備実験に参加した参加者 15 名)に 分ける.参加者にはメールにて送付された情報を元に,実験サイトの URL に Web ブラウザからアクセスし,各自の ID とパスワードを入力し,シス テムにログイン後,ガイダンスに沿って実験をはじめる.
ログイン後,最初に実験の目的と概要を説明し,事前アンケートに答え る.事前アンケートでは,参加者の教授経験・教材設計経験,フロー理論 に関する知識の程度を確認する.
次に,参加者は評価用の教材(「スマートフォン入門」)を学習する.教 材は A,B,C の 3 種類あり,各教材にグループ P とグループ Q からほぼ同じ
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人数になるように調整し,参加者は教材 A,B,C からどれか1つについて学 習を行う.参加者には教材 A が元教材で,教材 B,C がデグレード教材であ ることは知らせずに評価実験を実施した.
各教材の学習終了後,参加者全員に対して,フロー理論適合度チェック リストを活用してもらい,「条件をよく満たしている(改善の必要はない)」
から,「条件をほとんど満たしていない(改善すべき)」までの 4 段階の評 価と,「わからない」を含めた,5つの選択肢から1つを選び,回答する.
評価の値が「改善する方が良い」または「改善すべき」を選んだ参加者は 図 5-4 における改善提案 1 を記述することが要求される.フロー理論適 合度チェックリストによる評価終了後,専門家評価のリファレンス値(以 下,R 値と呼ぶ)を参加者に提示し,評価値が専門家の R 値と違うようで あれば,その理由について記述するよう求めた.最後に事後アンケートに 回答し,終了する.事後アンケートでは,該当教材に対する各チェック項 目の有効性を回答するのみとする.予備実験では,合わせて,「その他一 般的な学習教材・学習環境に対する有効性の評価」についての設問を設け ていたが,専門家レビューの結果,回答時に混乱する可能性があるため,
今回の実験では一般的な教材に対する有効性の問いを削除し,学習者が学 習した教材だけの評価に限定することとした.
また,今回の評価実験は,予備実験同様,フロー理論適合度チェックリ ストの信頼性,感度,有効性を検証するのが主目的なので,3x3 の入り口 のインタフェースの利用は省略した.ただし,チェックリストの情報の詳 細度を変更する表示・非表示のボタンは配備し,利用者が適宜,その機能 を利用することを可能な設定とした.
なお,チェックリストを含む評価者の Web 上での活動の主な画面イメー ジを付録 A に,学習者が実施する教材の主な画面イメージを付録 B に掲載 する.
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図 5-4 評価実験の手順