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チェックリストの信頼性の評価結果と考察

ドキュメント内 フロー理論に着目した 学習教材・学習環境の (ページ 130-133)

第 5 章 フロー理論適合度チェックリストの評価

5.11 チェックリストの信頼性の評価結果と考察

第5章 フロー理論適合度チェックリストの評価 117

図 5-4 評価実験の手順

118 第5章 フロー理論適合度チェックリストの評価

それぞれ,1.9,2.1,となっている.

また,表 5-5 より,教材毎のκ係数の標準偏差は,教材 A:0.28,教材 B:0.19,教材 C:0.40 となっており,教材 C の評価者毎のばらつきが一番大きい結果となった.

表 5-5 教材毎の評価結果のまとめ

κ係数 専門家評価

との一致率

専門家の教材の 評価値の平均 平均 標準偏差

教材A 0.47 0.28 56% 2.7

教材B 0.61 0.19 69% 1.9

教材C 0.58 0.40 59% 2.1

全体平均 0.56 0.31 61% 2.2

また,各評価者のκ係数は表 5-6 に示した通りである.表 5-6 において,A1~A7,B1

~B7,C1~C8 はそれぞれ,教材 A,B,C の評価者である.教授経験とフローの知識とは,

事前アンケートにおいて,評価者が 1 から 5 までの 5 段階で自己評価した,自分の教授経 験・教材設計経験,及びフロー理論に関する知識の多寡,である.1が少なく,5が多い.

κ 係数と教授経験,フロー理論の知識との間に有意な相関は見られなかった.また,κ 係 数の検定結果を表 5-5 の右列の数字の右肩に*で示した.*は有意水準 5%,**は 1%,***

は 0.1%である.

表 5-2 の κ 係数の目安に合わせて,表 5-6 で示した評価者毎のκ係数 の分布割合を示 したのが図 5-5 である.図 5-5 において,κ 係数の目安の「かなりの一致」となる,κ 係数が 0.61 以上の評価者の割合は,教材 A,B,C でそれぞれ,29%,71%,63%,となり,

全体平均は 55%であった.また,「中程度の一致」以上であれば,それぞれ,71%,86%,63%

となり,全体平均は 73%となった.

予備実験での 3 つの教材に対する評価の一致度係数κが 0.28~0.33 であったことを考え ると,本実験結果では,0.47~0.61 とかなり改善されており,表 5-2 の一致度係数 κ の 目安からは「かなりの一致」に近い「中程度の一致」であると言うことができる.また, 図 5-5 に示した通り,「かなりの一致」以上に該当する評価者が全体の 55%,「中程度の一致」

以上に該当する評価者が全体の 73%,いう結果となり,信頼性の観点からは実用上問題の ないレベルであるといえる.図 3-1 で示した再設計支援フレームワークの実運用を繰り返

第5章 フロー理論適合度チェックリストの評価 119

しながら,徐々に改善の実例やフロー経験に関する知見を蓄積して,チェックリストを形 成的に改善していくという観点から,現段階のチェックリストの初期値の信頼性としては 十分であるといえる.

表 5-6 評価者毎の評価結果のまとめ

教授経験 フローの知識 専門家評価

との一致率 κ係数

教材 A

A1 3 2 60% 0.69***

A2 3 2 42% 0.24

A3 3 2 45% 0.43*

A4 3 1 46% 0.44*

A5 1 2 31% 0.08

A6 4 3 47% 0.40

A7 3 4 100% 1.00***

教材 B

B1 1 1 73% 0.84***

B2 3 2 36% 0.59

B3 1 2 67% 0.65***

B4 3 2 87% 0.60***

B5 2 3 50% 0.18

B6 3 3 80% 0.70***

B7 1 1 80% 0.71**

教材 C

C1 3 2 15% -0.02

C2 4 2 73% 0.89***

C3 3 2 27% -0.07

C4 5 3 100% 1.00***

C5 3 3 29% 0.39

C6 1 2 80% 0.86***

C7 3 3 53% 0.78**

C8 4 3 80% 0.83***

(* p<0.05, ** p<0.01, *** p<0.001)

120 第5章 フロー理論適合度チェックリストの評価

図 5-5 教材毎の評価者の κ 係数の分布

ドキュメント内 フロー理論に着目した 学習教材・学習環境の (ページ 130-133)