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第 2 章 非線形光学の基本理論 11

3.1 フェムト秒パルスレーザー

3.1.8 パルス幅の測定

超短光パルスによる電磁場の変化は非常に高速な現象であるため、直接パルスの 時間幅を測定することは困難である。そこで自己相関法を用いてパルスの時間幅を 測定することができる。その測定装置はオートコリレーターと呼ばれる。

 図3.17は、自己相関法を用いたパルスの時間幅を測定する原理である。入射ビー ムはビームスプリッターで二つに分けられ、一方のミラーは光学距離(時間)の調 整ができるようになっている。ミラーから反射してきた二つのパルスはビームスプ リッターで重なる。遅延を制御することで重ねられたパルスの強度を調整できる。

この重ねられたパルスを2次の非線形光学結晶で発生するSHGを用いてパルスを 測定する。SHGの強度は入射光強度の二乗で決まる。SHGの強度からパルスの重 なり度合いが計算できる。時間差はSHG強度の関数となる。

Fig. 3.17自己相関法を用いてパルスの時間幅を測定する原理

 図3.18に示すように、時間差(光路差)とSHG強度の関係をプロットした自己 相関波形G(τ)は以下の式で与えられる。

G(τ) =

−∞

I(t)I(t−τ)dt (3.9)

 本実験で用いたオートコリレーターは自己相関の原理を利用したものであるが、

セットアップが図3.17とは多少異なっている。図3.19に示したのは本実験で用いた オートコリレーターである。入射したビームは1:1のビームスプリッターにより二

Fig. 3.18自己相関法を用いてパルスの時間幅を測定する原理

つに分けられる。一方のビームは可変ディレイライン(Variable delay line)によっ て遅延をかける。分けられた光は非線形光学結晶中に入射し、結晶の中で重ねられ る。位相整合条件が揃ったらSHG光は発生する。

Fig. 3.19本実験で用いた周波数分解光ゲート法(FROG)オートコリレーター

 図3.20に示すように、周波数分解光ゲート法(Frequency resolved optical gating, FROG)では、レーザーパルスを二つに分け、一方の光路に遅延をかける。二つの レーザーパルスは非線形光学結晶に集光され、入射される。非線形光学結晶より発

生したSHG信号を検出する。SHGの強度が二つのパルスの間の遅延時間の関数と して測定される。ディレイラインの遅延時間とSHG信号スペクトルの関係を描画 することによって、スペクトログラムが得られる。さらに、フーリエ変換とフーリ エ逆変換でパルスの時間幅を計算できる。

Fig. 3.20パルスの時間幅を測定する方法

 図3.21は、実際に検出したパルスの時間幅である。その半値全幅(FWHM)は 約100 fsである。

Fig. 3.21実際に検出したパルスの時間幅