第 4 章 フェムト秒パルスレーザー SHG 顕微鏡システムの性能評価 61
5.2 スイゼンジノリ (Aphanothece sacrum) からのサクランの抽出方法 . 74
三価イオンは一価イオンよりも静電気力が高い。一方、原子番号でサイズが違う ので表面電位はそれぞれ異なる。したがって、三価の中でも付着しやすいものとそ うでないものがある。例えば、文献[60]では希土類の4ツ組効果を見出している。元 素の種類によってサクランに吸着の効率の差が出る詳細なメカニズムはまだ分かっ ていないが。三価イオンは一価イオンよりも静電気力が高いことが関係すると考え られている。また、二価以上では分子鎖を架橋するので分子鎖が集まる。これによ りサクランのマイナス電荷が集まることで負電荷のポテンシャルが下がり、そこに、
プラスの電荷がより集まりやすくなることももう一つのメカニズムとして挙げるこ とができる。
5.2 スイゼンジノリ (Aphanothece sacrum) からのサクラ
5.3 観察用のサクラン
本研究では高純度サクランとサクラン薄膜を観察した。サクランを水溶液にする と粘性の高い液体となる。サクランは低濃度水溶液内では球状の立体構造となって いる。一方、希薄状態からゆっくりサクラン水溶液の濃度を増加させると、自己組 織化で棒状の構造に膨張し、液晶相を呈する。抽出したサクランを乾燥することで、
図5.7の写真のようなごわごわした綿のような繊維状物質が得られる。それを観察 試料の一つとして使った。
Fig. 5.7高純度サクラン
次に、高純度サクランから薄膜を作ることができる。薄膜をつくるには、まず、
乾燥サクランを0.5 wt%の濃度で純水に溶解させる。次に、その水溶液を60◦Cで 乾燥し、薄膜化する。最後に、任意の形に切り出し120 ◦Cで加熱処理すると、サ クラン薄膜ができる。
図5.8に示すように、薄膜は厚み方向に層構造となっている。さらに、サクラン 分子の伸び切り長は50μmであり、直棒として振る舞うので、薄膜の厚さは50μm 以下であれば、サクランの直棒は面内方向に面と平行して配向する。実際にできた 薄膜を光学顕微鏡で観察した結果、は厚さは30μmとなっている。このサクランの フィルムは水を吸収すると、厚み方向の一方向に膨潤する。厚み方向の線形膨潤率 は、幅方向の線形膨潤率よりも10000〜40000倍高かった[61]。
Fig. 5.8サクランフィルム構造のイメージ
図5.9に示したのは、サクラン薄膜をLED照明で照らしてとった写真である。
Fig. 5.9サクランフィルム
次に、精製した高純度サクランを水で溶解して、その水溶液をそのままシリコン 基板上に落とすと、室温で乾かしてキャスト膜ができる。