第 8 章 人的資本が地域経済に及ぼす影響
2. データ
1)産業に関するデータ
表10-1 年度別の国内総生産と内訳データ(一部)
(億円)
年度 国内総生産 雇用者報酬 製造業 専門技術業 情報通信業 農林水産業
5,015,377 2,610,582 1,177,917 241,023 153,919 97,391 1 99 5 5,125,417 2,654,505 1,202,963 246,590 164,140 86,622 5,258,069 2,700,622 1,232,512 263,276 189,730 89,122 5,341,425 2,781,110 1,251,068 274,709 208,068 83,183 5,278,769 2,739,456 1,208,858 284,908 226,141 86,177 5,196,518 2,686,714 1,167,726 279,644 231,782 83,172 2 00 0 5,267,060 2,693,501 1,188,154 302,908 242,357 80,902 5,230,050 2,661,191 1,111,584 305,517 251,907 72,311 5,159,862 2,569,936 1,077,571 303,124 255,830 71,831 5,154,007 2,547,887 1,088,030 307,004 257,774 67,765 5,209,654 2,543,802 1,111,347 313,905 255,101 64,721 2 00 5 5,241,328 2,577,916 1,134,478 333,942 259,105 58,984 5,268,797 2,610,613 1,138,792 351,767 260,180 57,656 5,316,882 2,626,202 1,173,757 372,817 263,509 56,407 5,207,157 2,644,083 1,115,804 386,854 265,434 55,113 4,895,010 2,521,787 937,206 358,980 257,033 52,994 2 01 0 5,003,539 2,527,667 1,042,388 349,397 255,142 55,152 4,914,085 2,541,348 966,390 356,818 253,838 52,847 4,949,572 2,540,486 976,626 355,459 253,540 56,514 5,031,756 2,555,325 977,985 365,133 257,175 55,560 5,138,760 2,598,038 1,013,944 371,435 260,817 54,279 2 01 5 5,313,198 2,632,065 1,105,853 383,867 267,234 59,184 5,359,864 2,702,610 1,108,166 398,680 268,559 64,912 5,451,219 2,746,794 1,129,884 404,830 266,842 64,829
表10-2 年度別の産業データ
実 数 前年比 実 数 前年比 金 額 前年比 金 額 前年比 金 額 前年比 金 額 前年比
(%) (人) (%) (百万円) (%) (百万円) (%) (百万円) (%) (百万円) (%)
20 00 341,421 -1.2 9,183,833 -2.1 110,242,635 2.2 11,325,748 2.1 300,477,604 3.1 12.00 0.89
316,267 -7.4 8,866,220 -3.5 103,305,132 -6.3 11,845,227 4.6 286,667,406 -4.6 11.65 0.86
290,848 -7.3 8,323,589 -4.9 97,458,726 -2.9 9,508,008 -18.8 269,361,805 -4.4 11.71 0.87
293,910 1.1 8,226,302 -1.2 98,551,522 1.1 8,918,418 -6.2 273,409,438 1.5 11.98 0.89
271,087 -7.8 8,115,743 -1.3 101,246,663 2.7 10,340,831 15.9 283,529,598 3.7 12.48 0.93
20 05 276,715 2.1 8,156,992 0.5 103,966,838 2.7 11,728,278 13.4 295,345,543 4.2 12.75 0.95
258,543 -6.6 8,225,442 0.8 107,598,153 3.5 13,096,100 11.7 314,834,621 6.6 13.08 0.97
258,032 -6.0 8,494,793 -0.2 108,357,248 0.7 13,857,562 4.1 335,854,210 6.7 12.76 0.95
263,061 1.9 8,364,607 -1.8 101,304,661 -6.8 13,780,589 -1.7 335,578,825 -0.3 12.11 0.90
235,817 -10.4 7,735,789 -7.5 80,319,365 -20.7 10,428,497 -24.3 265,259,031 -21.0 10.38 0.77
20 10 224,403 -4.8 7,663,847 -0.9 90,667,210 12.9 8,881,652 -14.8 289,107,683 9.0 11.83 0.88
233,186 3.9 7,472,111 -2.5 91,554,445 1.0 7,790,232 -12.3 284,968,753 -1.4 12.25 0.91
216,262 -7.3 7,425,339 -0.6 88,394,666 -3.5 9,247,896 18.7 288,727,639 1.3 11.90 0.88
208,029 -3.8 7,402,984 -0.3 90,148,885 2.0 8,383,765 -9.3 292,092,130 1.2 12.18 0.90
202,410 -2.7 7,403,269 0.0 92,288,871 2.4 9,163,203 9.3 305,139,989 4.5 12.47 0.92
20 15 217,601 7.5 7,497,792 1.3 98,028,029 6.2 9,853,518 7.5 313,128,563 2.6 13.07 0.97
191,339 -12.1 7,571,369 1.0 97,341,636 -0.7 12,058,981 22.4 302,185,204 -3.5 12.86 0.95
187,000 -2.3 7,635,444 0.8 102,901,203 5.7 12,275,612 1.8 317,247,286 5.0 13.48 1.00
労働生産性 年 次
従 業 者 数
事 業 所 数 付 加 価 値 額 有形固定資産投資総額 製造品出荷額等
2) 川崎製鉄の手掛けた新規事業の概説
(1) 半導体・シリコン事業部
エレクトロニクス分野は市場規模が大きく成長する分野と目され、特に半導体の伸びが大きいと予想された。川崎製鉄㈱の成長戦略の中 核を担うのが半導体事業と目された。
① 半導体1(日本セミコンダクター社)
・ 正当性については競争が激しくないカスタム
LSI
分野に進出し、日本セミコンダクター社(NSI社)の製品は全量LSI
ロジック社が引 き取っており、正当性はなしとした。・ 差別化については半導体技術援助協定を結び、LSIロジック社向け中間製品として出荷しており、技術差別化は行っていない。
・ 自前については米国の
LSI
ロジックス社と共同で1985
年にNSI
社を社設立(資本金112
億円、出資比率45%)している。
・
1995
年にLSI
ロジックス社に175
億円で売却した。② 半導体2(半導体事業部 宇都宮工場)
・ 正当性については半導体宇都宮工場は
1991
年からASIC、SRAM、ファウンドリー・サービス品などの営業生産を開始した。当初の生
産能力は6
インチサイズで、月産3,000
枚であったが、1995年には1
万枚に拡大した。・ 差別化については技術面では
LSI
ロジックス社から技術習得に努め、自社技術の開発に注力し、設計面では1987
年に米国ケイデンス社 とCAD
システムの業務提携、1988年には半導体の商社の株式会社ユニテックに資本参加した。・ 自前については
1990
年に280
億円を投資して、半導体宇都宮工場を建設している。③ シリコン
・ 正当性についてはシリコン業界を取巻く環境は厳しく、大規模投資なしでは大きな成長を期待することが困難な状況であった。
・ 差別化については米国内でニーズの高い大口径、枝葉式のエピタキシャル製品の生産に注力し、販売の拡大を図った。
・ 自前については
1985
年に米国NBK
社を936
万ドルで買収し、カワサキ・ウエハー・テクノロジー社(KAWATEC 資本金2,000
万ド ル、100%出資)を設立した。・
1994
年に米国のシリコンウエハーメーカーであるMEMC
社に、KAWATECを売却した。(2) 情報通信事業部
新規事業の中でもエレクトロニクス事業は有望視され、川上にある半導体事業からスタートしたが、川下分野にも参入が容易な多く の事業分野があり、相乗効果も期待できることから参入した。
① オプトエレクトロニクス
・ 正当性については、オプトエレクトロニクス分野は技術革新が激しい業界であり、商品の陳腐化が早い業界である。収益を上げるには至 らなかった。
・ 差別化については米国内でニーズの高い大口径、枝葉式のエピタキシャル製品の生産に注力し販売の拡大を図った。
・ 自前については、1986年に米国の
ISI
社のパソコン用光ディスク装置の日本における独占販売権を取得し、事業を開始した。その後、1990
年に米国にリテラル社(資本金4,300
万ドル、出資比率:21.23%、イーストマン・コダック社、オリベッティ社も26%出資)を設
立した。1988年に、オプトエレクトロニクス分野の研究開発会社としてアドバンシス株式会社を設立した。市場開発と技術開発を担当 し製造販売は川鉄計量器株式会社が行った。・
1993
年に、主要顧客で株主ある株式会社システム・インテリジェンス。プロダクツ(SIP)と事業方針が合わず解散した。② コンピュータ分野
・ 正当性については、1988年米国の中堅コンピュータ会社であるチャールズ・リバー・データ・システムズ社(CRDS)から同社製のス ーパーマイクロコンピュータの日本における独占販売権を獲得した。収益を上げるには至らなかった。
・ 差別化については、CRDS社のスーパーマイクロコンピュータは業界標準仕様を幅広く採用し
FA,(工場自動化)、通信、金融、流通管理
などに幅広く対応が可能であった。・ 自前については、コンピュータそのものを扱う事業の第
1
ステップとして販売から参入したものであるが、当時は自社開発まで視野に入 れていた。③ 画像処理システム
・ 正当性については
1989
年から画像処理ソフトの販売を行ったが、収益を上げるには至らなかった。・ 差別化については技術研究所の画像処理システム「画像博士」を開発した。
・ 自前については製鉄業におけるシステム構築を行っていた川鉄システム開発㈱に移管された。
④ 情報通信事業
1987
年に情報・通信事業を 情報処理事業、ネットワーク事業、通信・放送事業、都市情報化事業、そしてシステムインテグレーシ ョン事業の5
分野で本格的展開をはかった。・ 正当性については情報通信事業は資本参加がほとんどであり、大きな収益や雇用の受け皿にはならなかった。
・ 差別化については情報インフラ整備における資本参加。
・ 自前については業務提携を主体にした共同事業。
・ 情報処理事業はソフトウエアープロダクツ事業として株式会社コミュニケーションサイエンスに資本参加。
・ ネットワーク事業は
LAN
事業としてアンガマン・バス株式会社と業務提携。・ 通信・放送事業は
CATV
事業としてテレコムサット株式会社(18%)、吹田ケーブルテレビ(資本金4
億円、20%出資)、株式会社ケー ブルネットワーク千葉(資本金4,000
万円、10%出資)。・ 都市情報化事業はインテリジェンスビジネスとして川鉄インテリジェントシステムズ(資本金
4.5
億円、55%出資)。(3) 新素材、化学事業部
新素材分野はエンジニア・プラスチックス、ファインセラミックス、新金属材料、複合材料あわせて
2000
年に5.4
兆円の市場規模と 予想され、当該市場で1,500
億円の売り上げを目指した。① ハードフェライト
・ 正当性については円高の影響で採算性が悪化。
・ 差別化についてはユジマグ社の技術を導入。
・ 自前については仏国のユジマグ社と共同で
1986
年に日本ユジマグ社を社設立(資本金45
億円、出資比率50%)した 1988
年に全株を 取得して川鉄マグネックス株式会社設立。・
1994
年に清算した。② ソフトフェライト
・ 正当性についてはパソコンや家電製品のインバーター化により需要が増加し、東南アジアの顧客にはタイから出荷することで需要に応え ている。
・ 差別化についてはタイに合弁会社、川鉄フェライトタイランドを設立してコスト競争力を強化した。
・ 自前については
1996
年に川鉄フェライト株式会社設立。③ 窒化ホウ素粉末
・ 正当性については化粧品用途で国内市場を独占し、高い収益性を確保。
・ 差別化については化粧品の原料用途の開発に成功する。
・ 自前については子会社の水島合金鉄㈱に製造、販売権を移管した。
④ ニッケル粉末
・ 正当性については積層セラミックコンデンサーの内部電極用途でトップシェアで高い収益性を確保。
・ 差別化については気相化学反応法の開発に成功する。
・ 自前については子会社の川鉄鉱業㈱に製造、販売権を移管した。
⑤ 金属粉末射出成形
・ 正当性については国内市場において当初期待したほどの拡大が見込めなかった。
・ 差別化についてはステンレス製時計用外装部品の開発に成功する。
・ 自前については
1988
年セイコーエプソン㈱と共同で株式会社インジェックスを設立(資本金1
億円、50%出資)。・
1995
年合弁事業を解消、セイコーエプソン㈱に売却。⑥ 界面活性剤
・ 正当性については自社製品のナフタリンの高付加価値化がはかれ、ナフタリン系界面活性剤の総合メーカーとして順調に業績を伸ばして いる。
・ 差別化については第一工業製薬㈱が生産技術提供。
・ 自前については千葉製鉄所内に工場建設。
⑦ 樹脂(高性能繊維強化スタンバルシート)
・ 正当性については順調に売上を伸ばしている。
・ 差別化については英国
WT
社から技術導入。・ 自前については
1990
年に住友化学㈱、タキロン㈱、伊藤忠商事㈱と合弁会社ケプラシート株式会社設立(資本金2.4
億円、60%出資)、千葉製鉄所内に工場建設。
⑧ 樹脂コンパウンド
・ 正当性については既存の化成品、磁性材に加えて樹脂を第
3
の柱として参入。・ 差別化については英国
ICI
社の樹脂コンパウンド技術。・ 自前については
ICI
社の樹脂コンパウンド事業を引き継ぎK-LNP
社(資本金1,200
万ドル)を設立。(4) 地域開発と海外建設開発
1986
年に地域開発事業と海外建設開発事業をエンジニアリング事業における新規事業の柱と位置図ける。しかし時期がバブル景気の もとで計画されていたために、投資の回収が困難になる事業が多発した。このため、1992年以降、事業縮小の方向で再構築を進めた。(5) その他の事業
① ロックウール事業
・ 正当性については
1998
年には業界3
位となり、高断熱住宅の普及もあり経営基盤は確立された。・ 差別化については高炉スラグからロックウールの開発に成功する。
・ 自前については
1989
年に松下電工㈱、大倉商事㈱と川鉄ロックファイバー(株) (資本金3
億円、45%出資)を設立した。② セメント用高炉砂事業
・ 正当性については製鉄における副産物の活用による事業である。
・ 差別化については高炉スラグからセメント用高炉スラグ微粉末開発に成功する。
・ 自前については