第 3 章 タール炭田開発状況
3.3 タール炭田 Block II の掘削状況概要
本事業において平成29年11月27日から29日に調査チームによりタール炭田の現地調 査を行った。
添付資料2に現地調査時の写真集を示す。
(1) タール炭鉱(BlockII)
Block IIの入り口には、軍隊が厳重に警備し、火器を持った護衛の警察官(ガードマン)
はゲートで下車させられ、帰るまで待機させられた。
タール炭田の開発状況について最も進展しているBlock II は極めて順調で、すでに地表 から深度100m強(8段)まで掘削が進み、一番上位の炭層まで30m程度のところまで到 達している(写真3.1)。2018年6月頃に採掘対象炭層(10段目)に到達し出炭可能な状況 にある。
帯水層は3層あり(写真3.2 青色箇所)一層目は当初懸念された出水による炭鉱の掘削 遅延は回避された模様である。水抜きはウエルポイントを使用し、かん水でないため、灌漑 に利用可能でありモデル菜園(実験畑)にて灌漑試験を実施中(写真3.3)。水の移動速度は 遅く、1m/日程度であり、4年もすればなくなるとのこと。ただし、炭層近傍のかん水(第 二層及び第三層)の状況についてしばらく注視するとともに、排水ポンドに排水して対応す る必要がある。
写真3.1 Block II掘削状況
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写真3.2 石炭層のモデル(SECMC現地事務所)
写真3.3 第一帯水層の水を利用したデル菜園(実験畑)
帯水層(1層目)
帯水層(2層目)
帯水層(3層目)
石炭層
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採掘計画は、褐炭(Lignite)露天採掘、当初年産3.8百万トンで開始し、年産22百万ト ンまで拡張する予定である。剥土量は112 M BCM、剥土比は、8.1(m3/トン)である。開 発に携わる機材は、60トンダンプトラックは125台、7m3バケットのエクスカベーター18 台で24時間(3交替制)である。採掘対象の炭層の層厚は実に18~32m に達し、発熱量
(低位発熱量)は、平均2,777kcal/kg(4,868 Btu/lb)である。
Block IIの鉱区面積は、当初55km2であり、初期探査より、鉱区南東側において、主要
炭層層厚が厚い箇所で、表土層の深度(層厚)が、他Blockに比して薄い(炭層までの深度が 浅く)ことが判明していた。
SECMCによる開発にあたり、鉱区面積は、79.6km2と約1.5倍南東方へ拡張した。現在、
開発地域は、拡張した地域からであり、今後の採掘に伴い地層の傾斜方向である西方へ北西 及び南西方二方向で開発する計画である。さらに表土等は、その反対方向である北東及び南 東方向へ廃積される。現在の開発対象箇所は、1.0×1.4kmの範囲である(図3.23~25)。
図3.23 開発計画(Block II)
出典:330 MW Coal-Fired Power Plant in Energy Park, Block II Thar Coalfields Environmental and Social Impact AssessmentHagler Bailly Pakistan(2016)を改変(赤色枠内が初期設定鉱区)
Block IIへの工水配管が工事中であった。道路わきに配管が並べられていた。
発電所の入り口にもゲートがあり、厳重に管理されている。循環流動層の発電所(330 MW
×2)は架構の工事が完了でボイラチューブの取り付けが始まったところである。
露天掘り炭鉱、発電所とも順調に工事が進んでいる印象である。
ゲート脇には露天掘り炭鉱に住んでいた原住民の移転先のモデル住宅が展示されていた。
家賃、電気代は無料で使用可能との事。
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図3.24 採掘計画 鳥瞰図(Block II)
出典:現地調査チーム撮影(Block II展望台)
図3.25 開発の現状(Block II)
出典:2017年10月末Google Earth衛生画像の改変(赤線は、調査移動ルート)
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3.4 タール炭田地域における石炭火力発電所及び関連設備(工業用水・送電線等)開