第6章 青森港防波堤消波工事における
6.4 シェルコンクリート消波ブロックの出来型調査結果
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ディンプル シーロック
テトラポッド シェークブロック
六脚ブロック
* :コア
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図-6.6 各種消波ブロックの種類とコア採取位置 6.4.1 消波ブロックの外観調査結果
シェルコンクリートおよび普通コンクリートの出来型外観調査結果を表-6.16に示す.
普通コンクリートとシェルコンクリートの違いによる消波ブロック(ディンプル)の外 観に大きな違いはみられなかった.消波ブロックの種類の違いによるシェルコンクリート の適用性は,ディンプルと六脚ブロックについては良好であったが,シーロックとテトラ ポッド,またシェークブロックについては,入隅部において軽微な沈下ひび割れがみられ た(図-6.7参照).いずれの消波ブロックも入隅部を有しているが,ディンプルのコンクリ ート打設は,シーロックやテトラポッド,また,シェークブロックと異なり,上下を逆に して行っており,また,直角の入隅部を有する六脚ブロックについては,コンクリートの 打設を各上面から行っていることが良好な出来型に影響したものと考えられる.
発生しているジャンカ,ひび割れ,表面気泡はいずれも軽微*であり,工事成果品として は全く問題の無い状態であった.また,各種消波ブロックはそれぞれ 300 個製作されてお り,ひび割れ等の発生数はごく僅かであることを考慮すると,シェルコンクリートは形状 の異なる 5 種類全ての消波ブロックに十分に適用できるものと考えられる.
*ジャンカ:粗骨材が表面に露出していない状態 ひび割れ:ひび割れ幅 0.1mm 以下の表面的なひび割れ 表面気泡:広範囲に及んでいない状態
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発生箇所 表-6.16 消波ブロックの出来型外観調査結果
消波ブロック
の種類 不具合 発生要因 発生箇所 消波ブロックの個数 シェルコンクリート 普通コンクリート
ディンプル
気泡 形状(締固め不足) 傾斜部 0 0 ひび割れ 沈下(締固め不足) 印部分 1 0 ジャンカ 材料分離 下部および傾斜部 0 0
締固め不足 全体 0 0
シーロック
気泡 形状(締固め不足) アーチ天端部 1 - ひび割れ 沈下(締固め不足) 印部分 4 - ジャンカ 材料分離 下部および傾斜部 0 -
締固め不足 全体 1 -
テトラポット
気泡 形状(締固め不足) アーチ天端部 2 - ひび割れ 沈下(締固め不足) 印部分 6 - ジャンカ 材料分離 下部および傾斜部 0 -
締固め不足 全体 2 -
シェークブロック
気泡 形状(締固め不足) 傾斜部 3 - ひび割れ 沈下(締固め不足) 印部分 9 - ジャンカ 材料分離 下部および傾斜部 0 -
締固め不足 全体 0 -
六脚ブロック
気泡 形状(締固め不足) 全体 1 -
ひび割れ 沈下(締固め不足) 印部分 0 - 強度不足 直角の印部分 0 -
ジャンカ 締固め不足 全体 0 -
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図-6.7 ひび割れ発生箇所(例:テトラポット)
6.4.2 コア採取による調査結果
消波ブロック(ディンプル)から採取したコアの外観は,普通コンクリートとシェルコ ンクリートと共に粗骨材のバラツキはなく,大きな違いは見られなかった.消波ブロック の種類の違いでは,シェークブロックに粗骨材のバラツキが若干みられたが,それ以外に ついては良好であった.
シェルコンクリートの材料分離抵抗性が低下する場合には,振動締固めなどによって,
コンクリート打込み側から深い(下側)位置のコア単位容積質量は増大する傾向がみられ ることから,シェルコンクリートの材料分離抵抗性について,コアの深さ位置の単位容積 質量で評価した.コアの深さ位置と単位容積質量との関係を図-6.8と図-6.9に,また図中 にはコアの深さ位置と圧縮強度との関係も示す.なお,成形コアはコンクリート打込み側 から上・中・下とした.
図-6.8 に示すように,ディンプルから採取したコアは,シェルコンクリートおよび普通 コンクリートと共に,上側よりも下側のコアほど単位容積質量と圧縮強度は増大する傾向 がみられ,シェルコンクリートの材料分離抵抗性は,普通コンクリートと同等であると判 断できる.
また,図-6.9 に示すシェルコンクリートの各種消波ブロックへの適用性については,単 位容積質量は全て上側よりも下側のコアが増大しており,消波ブロックの種類による大き な違いはみられない.圧縮強度については,ディンプルのバラツキが大きいが,全て設計 基準強度(18N/mm2)を満足しており,問題は無いものと考えられる.
132 2150
2200 2250 2300 2350 2400 2450 2500 2550 2600 2650
上 中 下
単位容積質量(kg/m3 )
5 10 15 20 25 30
コア圧縮強度(N/mm 2)
ディンプル シーロック テトラポット シェークブロック 六脚ブロック
単位容積質量 圧縮強度 2200
2300 2400 2500 2600 2700
上 中 下
単位容積質量(kg/m3 )
10 15 20 25 30 35
コア圧縮強度(N/mm 2) シェルコンクリート
普通コンクリート
圧縮強度
図-6.8 コアの深さ位置と単位容積質量および圧縮強度の関係
(普通コンクリートと比較したシェルコンクリートの消波ブロックへの適用性)
図-6 コアの深さ位置と単位容積質量および圧縮強度の関係
(シェルコンクリートの各種消波ブロックへの適用性)
ディンプル
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6.5 まとめ
① シェルサンドの品質
1,000t 以上のシェルサンドを使用した場合においても,シェルサンドの絶乾密度および 吸水率の日変動に大きな特徴は見られず,またシェルサンドの粒度分布についても,製造 開始時に比べて,若干粗くなる傾向となったが,それ以降の使用過程における品質の変動 は,普通細骨材と同程度であった.
② シェルコンクリートの品質
シェルコンクリートのスランプおよび空気量の日変動は,生コン工場によって異なるが,
工事全体では普通コンクリートに比べて,若干大きい傾向がみられた.一方,圧縮強度の 日変動については,材齢 7 日および 28 日と共に,シェルコンクリートの方が普通コンクリ ートよりも小さい傾向がみられ,圧縮強度の値は大きくなる傾向がみられた.
シェルコンクリートのスランプの時間変動は,生コン工場および荷卸時において,普通 コンクリートに比べて若干大きい傾向にあり,経時変化については,普通コンクリートに 比べて若干小さい傾向がみられた.また,シェルコンクリートの空気量の時間変動につい ては,生コン工場では普通コンクリートと同程度であったが,荷卸時では普通コンクリー トに比べて大きい傾向にあり,経時変化については大きな差はみられなかった.
以上から,荷卸時におけるシェルコンクリートのスランプおよび空気量の日変動や時間 変動は,普通コンクリートに比べて大きくなる傾向がみられ,この原因としては,シェル サンドの粒度分布の変動よりも,形状自体のばらつきが要因として挙げられるものの,生 コン工場のシェルコンクリートに対する扱いが普通コンクリートに比べて不慣れだったこ とも大きな要因として考えられる.
しかし,2,500m3の大量のシェルコンクリートを製造するにあったても,シェルコンクリ ートのスランプおよび空気量は全て規格値を満足したことなどを考慮すると,シェルコン クリートの品質については問題の無い結果と判断できる.
③ シェルコンクリートの消波ブロックへの適用性
消波ブロックや採取したコアの外観による出来型,また,採取したコアによる材料分離 抵抗性の評価は普通コンクリートと同程度であり,シェルコンクリートの消波ブロックへ の適用性については問題の無いものといえる.
シェルコンクリートの各種類別での消波ブロックに対する適用性については,ディンプ ルと六脚ブロックについては良好であったが,シーロックとテトラポッド,また,シェー クブロックについては,入隅部(鈍角)において軽微なひび割れがみられた.しかし,発 生しているジャンカ,ひび割れ,表面気泡はいずれも軽微であり,工事成果品としては全 く問題の無い状態であり,また,各種消波ブロックはそれぞれ 300 個製作しており,ひび 割れ等の発生数はごく僅かであったことを考慮すると,シェルコンクリートは 5 種類全て
134 の消波ブロックに十分適用できるものと考えられる.