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ケーソン根固ブロックへの適用

第5章 シェルコンクリートの実証試験

5.2 ケーソン根固ブロックへの適用

シェルサンド置換率を 0%,25%,50%と変化させ,各置換率に対してケーソン根固ブロッ クをそれぞれ 2 函製作し,シェルコンクリートの品質やコンクリートバケットでの打設適 応性を含めた施工性を確認した.またコア採取による材料分離抵抗性や,各置換率に対し てそれぞれ製作した 1 函を陸上曝露,もう 1 函を海中曝露して,異なる養生条件下でのコ アによる長期圧縮強度の確認を行った.

5.2.1 実証試験の概要

・施工場所

青森県八戸市鮫町(製作・陸上曝露)

八戸港外港地区第二中央防波堤(海中曝露)

・ケーソン根固ブロックの形状

根固ブロックは長さ 5.0m,幅 2.5m,高さ 1.4m の有孔型であり,1個あたりのコン クリート数量は約 16m3である.根固ブロックの形状を図-5.1に示す.

図-5.1 ケーソン根固ブロックの形状

5,00 0mm 2,500mm

1,40 0mm

5,00 0mm 2,500mm

1,40 0mm

96 5.2.2 使用材料およびコンクリート配合

シェルサンド(SS)は表乾密度 2.63g/m3,吸水率 1.02%,粗粒率 3.69 のものを使用した.

その他の材料の種類および物性値を表-4.7 に,コンクリートの配合条件,配合を表-5.2,

表-5.3にそれぞれ示す.

表-5.2 コンクリートの配合条件

配合条件 最大

水セメント比(%)

スランプ (cm)

粗骨材の 最大寸法(mm)

シェルサンド 置換率(%)

コンクリート強度 σ28(N/mm2) 65 8 40 0,25,50 18

表-5.3 コンクリート配合

W/C (%)

SS (%)

単位量(kg/m3) C×(%) W C S① S② SS G① G② Ad AE 剤

65

0 149 229 534 292 0

623 553 1.0

3.0A 25 160 246 584 0 195 2.0A 50 172 265 366 0 367 1.5A

*1A=0.003%

97

SS50%

1 2 3 4 5 6 7 8 生コン車(台数) SS25%

1 2 3 4 5 6 7 8 生コン車(台数) 生コン工場 製作ヤード SS 0%

2 4 6 8 10 12

1 2 3 4 5 6 7 8 生コン車(台数)

スランプ(cm)

SS50%

1 2 3 4 5 6 7 8 生コン車(台数) SS25%

1 2 3 4 5 6 7 8 生コン車(台数) 生コン工場 製作ヤード SS 0%

1 2 3 4 5 6 7

1 2 3 4 5 6 7 8 生コン車(台数)

空気量(%)

5.2.3 施工性および品質

全アジテータ車を対象に生コン工場と製作ヤードでスランプと空気量の試験を行った結 果(図-5.2,図-5.3),シェルコンクリートの品質のばらつきや運搬(30分程度)による経 時変化は,普通コンクリートにもみられる程度のものであり,所要の品質を確保できてい ることが確認された.

また,バケットによるコンクリート打設(2層打ち)は,いずれのシェルコンクリートも 施工性に問題はなく,普通コンクリートと同様に取り扱うことが可能であった.しかし,

所要のスランプを得るための調整を単位水量によって行っているため,普通コンクリート に比べて,シェルコンクリートのブリーディング量は若干増え,凝結時間も遅くなる傾向 が認められた.

図-5.2 スランプの品質のばらつきおよび経時変化

98 2.2

2.3 2.4 2.5 2.6 2.7

深さ0.0~0.3m 深さ0.3~0.6m 深さ0.6~0.9m コアの深さ位置

単位容積質量(t/m3 )

5 10 15 20 25 30

圧縮強度σ28(N/mm 2)

SS 0%

SS25%

SS50%

圧縮強度

単位容積質量

深さ方向 深さ方向

  ↓   ↓

0.0~0.0~0.30.3mm

0.3 0.3~~0.60.6mm

0.60.6~~0.90.9mm

22層目層目

1 1層目層目

深さ方向 深さ方向

  ↓   ↓

0.0~0.0~0.30.3mm

0.3 0.3~~0.60.6mm

0.60.6~~0.90.9mm

22層目層目

1 1層目層目

図-5.3 空気量の品質のばらつきおよび経時変化 5.2.4 材料分離抵抗性

コンクリートの材料分離抵抗性が低下する場合には,振動締固め等によって,深い位置 でのコア単位容積質量は増大する傾向がみられることから,シェルコンクリートの材料分 離抵抗性の評価を,根固ブロックの深さ方向から採取したコアの深さ位置の単位容積質量 で行った.

コアの深さ位置と平均単位容積質量の関係を図-5.4 に,また図中にはコアの深さ位置と 平均圧縮強度の関係も示す.2 層目にあたる深さ 0.0~0.6m の範囲では,いずれも深い位置 (深さ 0.3~0.6m)のコアほど単位容積質量は増大する傾向がみられた.シェルコンクリート (SS25,SS50)の方が,その傾向はやや顕著であるが,深さ位置の違いによる圧縮強度への 明らかな影響はみられないことから,シェルコンクリートの材料分離抵抗性は問題のない ものと判断された.

図-5.4 コアの深さ位置と単位容積質量および圧縮強度の関係

99 5.2.5 コアによる長期圧縮強度の確認

気中および海中曝露した根固ブロックから,材齢1年・2年でそれぞれ採取したコア

(φ125×250mm)の圧縮強度結果を,コンクリート打設時に採取した標準養生供試体

(φ125×250mm)の圧縮強度結果と併せて表-5.4,図-5.5~図-5.7に示す.

図-5.6および図-5.7に示すように,シェルコンクリートの材齢28日からの強度の伸びは 普通コンクリート(図-5.5)と同程度であり,シェルコンクリートの長期圧縮強度への影 響は認められなかった.また,コアの圧縮強度は,いずれも標準養生供試体の圧縮強度に 比べて小さく,シェルコンクリートの環境条件の違いによる強度への影響も,通常のコン クリートと同様であることがわかる.

表-5.4 コア長期圧縮強度試験結果

SS

(%) 環境条件 圧縮強度(N/mm2) σ28d σ1y σ2y

0

標準養生 27.8 37.7 36.3 海中暴露 22.9 28.7 30.4 気中暴露 23.9 27.4 31.8

25

標準養生 24.9 32.7 32.8 海中暴露 22.6 25.7 28.5 気中暴露 20.5 24.1 28.2

50

標準養生 25.2 31.8 31.5 海中暴露 22.6 27.9 29.6 気中暴露 23.5 25.3 29.3

100 SS 0%

0 10 20 30 40 50

28日 1年 2年

材齢 圧縮強度(N/mm2

標準養生 海中暴露コア 気中暴露コア

SS25%

0 10 20 30 40 50

28日 1年 2年

材齢 圧縮強度(N/mm2

標準養生 海中暴露コア 気中暴露コア

SS50%

0 10 20 30 40 50

28日 1年 2年

材齢 圧縮強度(N/mm2

標準養生 海中暴露コア 気中暴露コア 図-5.5 コア長期圧縮強度試験結果(SS0%)

図-5.6 コア長期圧縮強度試験結果(SS25%)

図-5.7 コア長期圧縮強度試験結果(SS50%)

101 5.2.6 状況写真

写真-5.1 シェルコンクリート打設状況① 写真-5.2 シェルコンクリート打設状況②

写真-5.3 シェルコンクリート打設状況③ 写真-5.4 シェルコンクリート打設状況④ (SS25%) (SS50%)

102

中詰砂 中詰砂 中詰砂

写真-5.5 根固ブロック全景 写真-5.6 根固ブロック海中投入状況