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第5章 シェルコンクリートの実証試験

5.4 ケーソン模擬供試体の製作

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1.9m 0.4m 0.4m

0.4m 0.2m 2.2m

1.8m 2 リフト

1 リフト 左壁

中壁

107 5.4.2 使用材料およびコンクリート配合

シェルサンド(SS)は表乾密度 2.61g/m3,吸水率 2.12%,粗粒率 3.32 のものを使用した.

その他の材料の種類および物性値を表-5.9 に,コンクリートの配合条件,配合を表-5.10,

表-5.11にそれぞれ示す.

表-5.9 使用材料の種類および主な物性値

使用材料 種類 主な物性値

セメント(C) 高炉セメント B 種 密度:3.04g/cm3

細骨材(S) ①八戸市松館産 砕砂 (30%) 表乾密度:2.68g/cm3,粗粒率:3.60

②三沢市庭構産 陸砂 (70%) 表乾密度:2.72g/cm3,粗粒率:2.10 粗骨材(G) 八戸市松館産 砕石 2505 表乾密度:2.70g/cm3,実積率:62.1%

AE 減水剤(Ad) ポリカルボンサン系化合物 AE 剤 天然樹脂酸塩

表-5.10 コンクリートの配合条件

配合条件 最大

水セメント比(%)

スランプ (cm)

粗骨材の 最大寸法(mm)

シェルサンド 置換率(%)

コンクリート強度 σ28(N/mm2) 50 12 25 0,25,50 30

表-5.11 コンクリート配合

水セメント比 W/C(%)

シェルサンド 置換率(%)

単位量(kg/m3) C×(%) W C SS S① S② G Ad AE 剤*

50

0 147 294 0 260 607 1056

0.40

2.00A 25 161 322 200 0 599 1056 2.00A 50 171 342 374 0 373 1056 2.50A *1A=0.004%

108 5.4.3 施工性

シェルコンクリートは生コン工場で製造後,生コン車で製作場所まで運搬し,コンクリ ートポンプ車のブームによる打設(2 リフト施工)を行った.生コン車による運搬時間は 10~15 分程度であった.生コン工場と製作ヤードで行ったスランプと空気量の試験結果(表 -5.12)に示すように,経過にともなうフレッシュコンクリートの性状の変化も,通常のコ ンクリートとほぼ同様であることが分かる.

コンクリートポンプ車(ブーム長:23.5m)による圧送時のコンクリート圧力はいずれも 1.8MP と同じであり,ポンプの閉塞や材料分離等もみられず,シェルコンクリートのポンプ 打設への適用性が確認された.目視によるワーカビリティーおよびブリーディングの評価 では,シェルコンクリートと普通コンクリートに大きな違いはみられなく,流動性や鉄筋 部への充填状況も良好であった.

表-5.12 コンクリートの試験結果

SS

(%) 試験場所 スランプ (cm)

空気量 (%)

コンクリート 温度(℃) 0 生コン工場 14.0 4.8 -

製作ヤード 12.5 4.1 25.0 25 生コン工場 15.5 4.1 -

製作ヤード 13.5 3.9 25.0 50 生コン工場 16.0 4.7 -

製作ヤード 14.0 4.0 25.0

SS 0% SS25% SS50%

写真-5.9 スランプ試験状況(製作ヤード)

109 5.4.4 打継ぎ性状

1 リフトと 2 リフトとの打継ぎ間隔は 9 日間として,打継ぎ部は 1 リフトのコンクリート 打込み翌日にワイヤブラシを用いてレイタンス処理を行った.写真-5.10にレイタンス処理 後の打継ぎ部を示す.

シェルコンクリートの打継ぎ性状を確認するため,厚さ 0.4m の 2 方向の壁部材(中壁と 左壁)中央付近から,打継ぎ面に対して水平方向にそれぞれφ75×400mm のコアを採取(写 真-5.11)し,引張(割裂)強度試験を行った.試験用のコア供試体は寸法をφ75×100mm とし,採取したコアの中央付近から 2 本成形し計 4 本とした.打継ぎ部のコア引張強度の 試験結果を表-5.13,図-5.10 に示す.同表および同図には参考値として,製作ヤードで採 取し,材齢 28 日まで標準養生(20℃水中)を行った標準供試体(φ150×200mm)の引張強 度の試験結果も示す.

打継ぎ部の引張強度は,いずれも標準供試体の引張強度に比べては低下しているものの,

シェルコンクリート(SS25%,SS50%)の打継ぎ性状は,普通コンクリート(SS0%)と同等の 品質が確保できることが確認された.

SS 0% SS25% SS50%

写真-5.10 レイタンス処理後の打継ぎ部

110 打継ぎ面

0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0

1 2 3

シェルサンド置換率(%)

引張強度(N/mm2

   0        25      50 標準供試体

打継ぎ部コア供試体 写真-5.11 コア採取状況

表-5.13 引張(割裂)強度の試験結果

図-5.10 ケーソン模擬供試体の概要 SS

(%)

引張強度(N/mm2)

打継ぎ部のコア供試体 標準供試体 0 2.48 3.21 25 2.66 3.51 50 2.32 3.35

111 5.4.5 状況写真

写真-5.12 シェルコンクリート打設状況① 写真-5.13 シェルコンクリート打設状況② (1 リフト) (2 リフト)

写真-5.14 シェルコンクリート打設状況③ 写真-5.15 シェルコンクリート打設状況④ (SS25%) (SS25%)

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写真-5.16 打継ぎ部からのコア採取状況 写真-5.17 ケーソン模擬供試体全景

5.5 まとめ

① ケーソン根固ブロックへの適用

シェルコンクリートの品質のばらつきや運搬による経時変化,またバケットによるコン クリート打設の施工性に問題はなく,普通コンクリートと同様に取り扱うことが可能であ った.しかし,所要のスランプを得るための調整を単位水量によって行っているため,普 通コンクリートに比べて,シェルコンクリートのブリーディング量は若干増え,凝結時間 も遅くなる傾向が認められた.

根固ブロックの深さ方向から採取したコアの深さ位置と単位容積質量の関係からは,シ ェルコンクリートの材料分離抵抗性は,普通コンクリートに比べて,やや低下する傾向が みられたものの,圧縮強度への影響については確認されなかった.

気中および海中曝露した根固ブロックから採取したコアの材齢 2 年までのシェルコンク リートの圧縮強度は,普通コンクリートと同程度であり,また標準養生供試体と比べたコ アの圧縮強度結果は,いずれも小さく,環境条件の違いによる強度への影響も,普通コン クリートと同様であることを確認した.

② ケーソン蓋コンクリートへの適用

コンクリートミキサ船において製造されたシェルコンクリートの品質のばらつきは,普 通コンクリートと同程度であり,またケーソン蓋コンクリートへ海上打設についても 打設箇所においてのホースの閉塞,材料分離などは認められず,普通コンクリートと同様 にケーソン蓋コンクリートに適用できることが確認された.

③ ケーソン模擬供試体の製作

シェルコンクリートのコンクリートポンプ車による圧送時のコンクリート圧力は,普通 コンクリートと同じであり,ポンプの閉塞や材料分離などもみられなかった.また,流動 性や鉄筋部への充填状況も良好であった.

シェルコンクリートのコアによる打継ぎ部の引張強度は,普通コンクリートと同様に,

標準供試体の引張強度に比べて低下するものの,シェルコンクリートの打継ぎ性状は,普 通コンクリートと同等の品質が確保できることが確認された.

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