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ガラス基板上への液体ガラス層の形成

第 7 章 液体ガラスを用いたガラス基板上への反射防止膜形成

7.4 液体ガラス層によるガラス基板上の反射防止効果

7.4.1 ガラス基板上への液体ガラス層の形成

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築した光学モデルおよび計算式が LG 膜により形成された反射防止膜の物性評価に有効で あると考えられる。本節以降では、本研究で作製した反射防止膜の光学物性値の同定に、本 節で構築した光学モデルを用いた。

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射率8.3 [%] に比べて約2.5 [%] の低減がみられた。この結果は、液体ガラスを使用するこ

とによって形成したLG層がガラス基板に対して反射防止膜効果を有していることを示す。

GLG基板においても同様に光学モデルを使用して反射率スペクトルの導出を行い、LG層 の膜厚およびその内部における空隙率を調整することにより、反射率スペクトルをフィッ ティングした。図7の反射率スペクトルの実測値(ドット)および光学モデルによるシミュ レーション値(実線)の比較から、それぞれのスペクトルが良く一致していることがわかる。

この結果は、本研究で構築した光学モデルがGLG基板の光学特性導出に有効であり、ガラ ス基板上に形成したLG層における屈折率の波長依存性をBK7および空気の屈折率の比と して導出することが可能であるということを示す。また、反射率スペクトルのフィッティン グから、LG層における膜厚87 [nm] および内部空隙率23 [%] を得た。

図7.5に光学モデルから算出した空隙率23 [%] におけるLG層の屈折率の波長依存性を 示す。比較として、BK7およびMgF2の屈折率を併せて示した。図より、BK7の屈折率の値 は波長に対してわずかに依存性を有しており、波長が短くなるに従いその値が増加する傾 向が示された。また、その屈折率の値は波長600 [nm] において約1.51である。一方、形成 したLG層における屈折率の値は、波長600 [nm] において約1.40であり、BK7に比べて約 0.1低く、MgF2(n = 1.38 @ 600 [nm] )とほぼ同様の値であることを確認した。この結果は、

LG 層をガラス基板における反射防止膜として用いることにより、MgF2膜とほぼ同様の反 射防止効果が期待できることを示す。

7.5 内部空隙率23 [%] におけるLG層の屈折率の波長依存性. 比較としてBK7および

MgF2膜の屈折率スペクトルを併せて示した.

1.30 1.35 1.40 1.45 1.50 1.55 1.60

400 500 600 700 800

Refractive index

Wavelength [nm]

MgF2 BK7

LG layer

135 7.4.2 膜厚を変えた液体ガラス層の反射防止効果

形成したLG層の膜厚を変えた場合における反射防止効果の変化を調べた。図7.6はスピ ンコーティングの回転速度を2000、3000、4000、6000および8000 [rpm] と変化させて作製 したGLG基板の反射率スペクトルおよびその光学シミュレーション結果を示す。なお、す べてのLG層の焼成電気炉温度は250 [C]で行った。また、参考としてガラス基板単体の反 射率スペクトルを併せて示した。図より、各LG層における反射率スペクトルの波形は、LG 層塗布時における回転速度が遅くなるに従い長波長側へと移動する傾向を示した。また、回 転速度3000 [rpm] および2000 [rpm] の条件で作製したGLG基板では明らかな干渉がみら れた。一方、それらの反射率スペクトルにおける反射率の最小値に関しては、現れる波長域 に違いがあるものの、回転速度8000 [rpm] の条件にて作製したGLG基板とほぼ同様の値で ある約6 [%] を示した。

図7.3(a,b) を用いて説明した光学モデルにおける反射率スペクトル推移、および図7.6に

おける反射率スペクトルの変化から、スピンコーティング時における回転速度が遅くなる に従い、形成したLG層の膜厚が増加していることが予測できる。また、反射率スペクトル における最小値の値がほぼ同様の値を示していることから、焼成温度250 [C] にて形成し たLG層の屈折率の値はその膜厚に関わらずほぼ同程度であることが示唆される。

次に、光学モデルから算出した反射率スペクトルとのフィッティング結果について述べ る。LG層の膜厚および空隙率を調整することにより算出した反射率スペクトルは回転速度 を変えて作製したすべての試料の反射率スペクトルと良い一致を示した。図7.7に反射率ス

7.6 スピンコーティング速度を2000-8000 [rpm] の範囲で変えて作製したGLG基板にお

ける反射率スペクトル. 実測値をドット、光学モデルから算出した値を実線および 破線を用いて表記した. すべての試料は焼成温度250 [C] にて形成した.

3 4 5 6 7 8 9 10

400 500 600 700 800

8000rpm 6000 rpm 4000rpm

3000rpm 2000rpm Eagle-XG

Reflectance [%]

Wavelength [nm]

136

7.7 光学モデルより算出した反射率スペクトルとのフィッティングにより得たLG層膜

厚および内部空隙率のスピンコーティング速度依存性. すべての試料は焼成温度 250 [C] で作製した.

ペクトルのフィッティング結果より導いた LG 層の膜厚および内部空隙率のスピンコーテ ィング速度依存性を示す。図より、LG層の膜厚はスピンコーティング回転速度の減少とと もに大きく増加していることがわかる。その結果、LG層の膜厚は87 [nm](8000 [rpm] )か

ら237 [nm](2000 [rpm] )にまで増加した。また、各LG層における内部空隙率はLG層の

膜厚に関わらず22-23 [%] と一定の値を示した。この結果は、焼成温度250 [C] において、

形成時におけるスピンコーティング速度を変えることによって、ガラス基板上におけるLG 層の屈折率を変化させることなくその膜厚を調整可能であることを示す。