第 5 章 フィリピンにおけるバンドリングされた PPP の事例を用いた検証
5.3. インタビュー結果をもとにしたバンドリング効果の検証(定性的検証)
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章 フィリピンにおけるバンドリングされたPPP
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章 フィリピンにおけるバンドリングされたPPP
の事例を用いた検証表 5-11 グループインタビューの結果
効果 インタビュー結果
量的効果
海外案件の場合、渡航費や滞在費等の費用負担から、一定の収益規模が見込めな いと事業参画は困難(日本企業)
特に新興国の場合、リスクも大きく、売上や収益の絶対額も考慮する(日本企業)
個々の事業規模は小さくても、複数事業を束ねて必要な規模に達すれば問題ない(日本企業)
事業の参画の判断に当たり、収益率だけでなく、一定の規模を求めるのは、ロー カル企業も同じ(比国企業)質的効果 規模・範囲の経済
海外案件の場合は特に、出張に伴うコスト負担の観点から、1回の渡航で複数の 事業の業務ができる(日本企業)
事務所やバックオフィス等にかかる間接費まで、コストシェアできる利点は大き い(比国企業)
人材や重機類等のモノの共有化ができるため、直接原価の削減ができる(比国企 業)
資機材の調達や人材採用のプロセスも一括して実施できることで生じるコスト 削減効果がある(比国企業)スピード化
ヒトやモノの共有化で、一部の調達プロセスが不要になる分、時間削減が可能(比 国企業)
複数の共同事業を通じてパートナー間の理解や信頼が深まり、事前調整や契約交 渉等の時間が短縮(日本企業)
弁護士等への相談時間も減り、その分コストも削減できる(日本企業)
パートナー間だけでなく、官や金融機関との調整や協議も早い(日本・比国企業)
事業者(相手)の存在が既知のため、組織内調整等に費やす時間が減少(比国自 治体)s
法制度等も精通してくるため、意思決定にかかる時間が少なくなる(日本企業)
公共事業と異なり、民間主体でリードできるので、迅速な取組みが可能(比国企 業)ポートフォリオ効果
収益基準を満たしているか等について、複数の事業のパッケージとして全体的な 観点で考えるため、もともとの事業の出発点や全体のコンセプト、パートナーと の関係等も考慮に入れながら検討することができる(日本企業)
すべての事業が一律に悪くなることは考えにくく、個別事業の特有のリスク色を 薄めて考えられるため、参画に向けた前向きなスタンスで検討できる(日本企業)
収益性自体は高くない事業でも、全体のプロジェクトのコンセプトや、地域開発 という観点から必要な事業は現実的に存在する。そのような場合に、単独では実 施できないことになるが、バンドリングすることで実施される可能性が出てくる(比国自治体・比国企業)
(注)太字・下線は著者によるもの。
(出所)著者作成
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の事例を用いた検証以上の結果、財務モデルを活用した定量分析で得た「規模の経済・範囲の経済」の効果に 加え、このインタビューを通じた定性分析の結果を通じて、ブトゥアン
PPP
事業で複数プ ロジェクトをバンドリングすることによって、バンドリング効果が全般にわたって発現し ていることが確認できた。本研究では、バンドリング効果について、一般管理費や間接費を対象に検証しており、コ スト比率が大きく、従ってスケールメリットも大きい直接工事費の削減効果まで踏み込ん だ検証は行っていないが、その代替としてインタビューによる定性的な分析を補足的に実 施した。これは、常見ら[1995]が、公共事業を対象に、工事規模が一般管理費と間接工事 費の削減率に与える影響を試算したアプローチと類似する。この先行研究では、公共工事の 発注規模に関する研究で、工事規模の変化が間接工事費・一般管理費等に与える影響を試算 しており、「公共工事の発注規模を
1.5
倍にしたと想定した場合、約3
千億円(1.5%)、2倍 にした場合、約5
千億円(2.5%)、3倍にした場合、約7
千5
百億円(3.7%)、5倍にした場 合、約1
兆円(5%)の間接工事費・一般管理費が低減できる」(pp.38-39)ことを明らかに した。公共事業を対象に検証した常見らに対して、PPP
を対象にした本研究は、公共事業と 同様にPPP
でも規模の経済が働くということを明らかにしたことと、またその規模の経済 の効果である費用の削減率の水準が、両者の間で大きな乖離がなかったことを明らかにし た点で、意義があるといえる。第