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学 位 の 種 類 博士(歯学)

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Academic year: 2021

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ふ り が な

氏 名

いわさ かずひろ

岩佐 一弘

学 位 の 種 類 博士(歯学)

学 位 記 番 号 甲 第 829 号 学 位 授 与 の 日 付 平成 30 年 3 月 9 日

学 位 授 与 の 要 件 学位規則第 4 条第 1 項に該当

学 位 論 文 題 目 Effects of NOD1 in Human Dental Pulp Fibroblast Like Cells

(ヒト歯髄由来線維芽細胞における NOD1 の影響) 学 位 論 文 掲 載 誌 日本歯科保存学雑誌 第 60 巻 第 6 号

平成 29 年 12 月 31 日 論 文 調 査 委 員 主 査 山本 一世 教授

副 査 池尾 隆 教授 副 査 前田 博史 教授

論文内容要旨

歯髄は常時, 物理・化学的刺激のもと歯を維持するために象牙質への栄養補給,修復象牙質の形成な どの役割を果たしている . 可逆性歯髄炎は原因を除去することにより正常な歯髄に回復し得るため , 歯髄に存在する細胞における炎症の進行過程や発症機序を解明することは歯髄の保存のために重要で あると考える. 歯髄炎の多くは, 齲蝕の進行により象牙質深部に侵入した細菌による感染症であるた め, 自然免疫に関するレセプターによって認識され, 炎症反応が惹起される. また, 刺激を受けた歯髄 組織では細胞外マトリックス分解酵素である matrix metalloproteinases (MMPs)が産生され, 歯髄組 織を破壊し病態が進行する.receptor interacting protein 2 (RIP2)は NOD1 と関連しており,免疫系に おいて重要な役割を果たしている. c-Jun N-terminal kinase (JNK)は、種々の酵素産生に関与してい る こ と が 報 告 さ れ て い る . 今 回 , 細 菌 の ペ プ チ ド グ リ カ ン の 構 造 の 一 部 で あ る D-glutamy-meso-diaminopimelicacid(iE-DAP) に 対 す る 自 然 免 疫 レ セ プ タ ー で あ る Nucleotide-binding oligomerization domein protein (NOD)1 に着目し, ヒト歯髄由来線維芽細胞にお

ける iE-DAP 刺激による MMP-3 産生およびそのシグナル伝達経路を検討した.

本研究に参加同意を得た患者の抜去歯(大歯医倫 110910 号)より歯髄組織を採取・培養し, 3~10

世代目をヒト歯髄由来線維芽細胞として本研究に使用した.ヒト歯髄由来線維芽細胞を 24well plate

に 5.0×10

5

cells/well になるよう播種し, 24 時間培養後, iE-DAP を 0,5,10,20,50 μg/ml 加え, 刺激を

行った. 刺激終了後, 上清中の MMP3 の産生を Western Blotting にて検討した. 次に RIP2 阻害剤で

ある Gefitinib を 0.5,1,5,10,15,20 μM 加え, 同時に iE-DAP 刺激を行い, 上清中の MMP-3 の産生を

Western Blotting にて検討した. ヒト歯髄由来線維芽細胞を同様に播種し, iE-DAP10µg/ml を各タイ

ムコースで加え, JNK のリン酸化について Western Blotting にて検討した. また, JNK 阻害剤である

(2)

AS601245,SP600125 を 30,70,110 nM 加え , 同時に iE-DAP 刺激を行い , 上清中の MMP-3 の産生を Western Blotting にて検討した .

その結果ヒト歯髄由来線維芽細胞における iE-DAP 刺激において MMP- 3 の産生は濃度依存的に増 強した .iE-DAP 刺激によって産生が増強した MMP-3 は RIP2 阻害剤である Gefitinib により産生が抑 制された . ヒト歯髄由来線維芽細胞における iE-DAP 刺激において JNK のリン酸化は経時的に変化し た .iE-DAP 刺激によって産生が増強した MMP-3 は JNK 阻害剤である AS601245,SP600125 を加える ことで抑制された .

以上より,ヒト歯髄由来線維芽細胞において iE-DAP 刺激による MMP-3 の産生に RIP2,JNK の関与 が示唆された .

論文審査結果要旨

本研究は細胞内自然免疫レセプターである Nucleotide-binding oligomerization domein protein (NOD)1 と 、 NOD1 が 特 異 的 に 認 識 す る 細 菌 の ペ プ チ ド グ リ カ ン の 構 造 の 一 部 で あ る D-glutamy-meso-diaminopimelicacid(iE-DAP)がヒト歯髄由来線維芽細胞に及ぼす影響を検討したも のである。

本研究ではまずヒト歯髄由来線維芽細胞に iE-DAP 刺激を行い、 matrix metalloproteinases (MMPs)産生に及ぼす影響について Western Blotting にて検討し、刺激濃度を増加することで MMP-3 産生は増強することが示されている。

これに続く研究では、iE-DAP 刺激を受けたヒト歯髄由来線維芽細胞に対し RIP2 阻害剤である Gefitinib が MMP-3 産生に及ぼす影響について Western Blotting にて検討されている。Gefitinib を 加えることで MMP-3 の産生は抑制されることが示されている。

続く研究ではヒト歯髄由来線維芽細胞における iE-DAP 刺激が c-Jun N-terminal kinase (JNK)リン 酸化に及ぼす影響について Western Blotting にて検討されている。 JNK のリン酸化は iE-DAP 刺激を 行うことで経時的変化することが示されている。

最後に、iE-DAP 刺激を受けたヒト歯髄由来線維芽細胞に対し JNK 阻害剤である AS601245 と SP600125 が MMP-3 産生に及ぼす影響について Western Blotting にて検討されている。AS601245

と SP600125 を加えることで MMP-3 の産生は抑制されることが示されている。

以上の結果より、ヒト歯髄由来線維芽細胞において iE-DAP 刺激による MMP-3 の産生に RIP2、 JNK の関与が示されている。

以上、ヒト歯髄由来線維芽細胞に対して iE-DAP と NOD1 が MMP-3 の産生を増強するという知見

と、そのメカニズムを解明した点において、本論文は博士(歯学)の学位を授与するに値すると判定した。

参照

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