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学 位 の 種 類 博士(歯学)

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Academic year: 2021

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ふ り が な

氏 名

はせがわ あかり

長谷川 緋里

学 位 の 種 類 博士(歯学)

学 位 記 番 号 甲 第 894 号 学 位 授 与 の 日 付 令和 3 年 3 月 5 日

学 位 授 与 の 要 件 学位規則第 4 条第 1 項に該当

学 位 論 文 題 目 Effects of remote ischemic preconditioning on central nervous system regeneration

(遠隔虚血負荷が中枢神経再生能に及ぼす影響)

学 位 論 文 掲 載 誌 Journal of Osaka Dental University 第 55 巻 第 1 号 令和 3 年 4 月

論 文 調 査 委 員 主 査 百田 義弘 教授 副 査 合田 征司 教授 副 査 橋本 典也 教授

論文内容要旨

致死的な脳虚血の前あるいは後に非致死的な虚血負荷を加えることで、致死的虚血に対して抵抗性 を獲得する現象を虚血耐性現象という。虚血耐性現象は脳へ血流を直接供給する責任血管だけではな く、遠隔臓器の血流遮断においてもその有効性が報告されている。

今回、致死的脳虚血の責任血管である中大脳動脈とは異なる血管に虚血負荷を加えることで、海馬 領域を中心とした中枢神経再生機転について検討した。

実験は 3 グループに分けて行った。実験には CB17+/+wild 系統雄性マウス 6~10 週齢を使用し、セ ボフルラン吸入下で行った。FA 群:両側大腿動脈を 10 分間血流遮断した後、5 分間の再灌流を行う。

MCA 群:左側中大脳動脈を 5 分間血流遮断した後、5 分間の再灌流を行う。CA 群:左側頸動脈を 10 分間 血流遮断した後、5 分間の再灌流を行う。各群とも上記の操作を 3 サイクル行った。再灌流 3 日後に還 流固定を行い脳を摘出し、凍結切片を作製し免疫化学染色によりニューロン、グリア細胞、神経幹細 胞の発現様式を解析した。

FA 群、CA 群:恒常的再生部位である海馬歯状回において、神経幹細胞マーカーである nestin 陽性 細胞が観察され、二重染色において GFAP 陽性アストロサイトとマージしている箇所も観察された。ま た、歯状回の nestin 陽性細胞は再灌流後おおむね 14 日間観察された。大脳皮質においては、MAP2 陽 性ニューロンの脱落、GFAP 陽性アストロサイトおよび nestin 陽性細胞の明らかな発現亢進はみられな かった。MCA 群:大脳皮質梗塞巣領域において MAP2 陽性ニューロンの脱落および nestin 陽性細胞の発 現、 ペナンブラ領域における GFAP 陽性アストロサイトの発現が観察されたが、 海馬歯状回においては、

nestin 陽性細胞の明らかな発現亢進はみられなかった。

大腿動脈、片側頸動脈に虚血負荷を加えることで、海馬領域を中心に nestin 陽性細胞の増加が観察さ

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れた。遠隔虚血負荷によって内因性神経幹細胞の発現が亢進する可能性が示唆された。nestin 陽性細 胞と GFAP アストロサイトのマージ箇所には、反応性アストロサイトが存在し、神経再生機転に寄与し ていることが考えられる。また、致死的脳虚血の責任血管である中大脳動脈の血流遮断によって梗塞 巣ができた要因のひとつとして、再灌流障害の影響が考えられる。

論文審査結果要旨

本研究は、致死的脳虚血の責任血管である中大脳動脈とは異なる血管に加えた非致死的虚血負荷が、

海馬領域を中心とした中枢神経再生機転に与える影響について検討を行ったものである。

また、本研究における実験はすべて、大阪歯科大学の動物実験のガイドラインを遵守して行われた。

(実験承認番号 20-03006)

実験は 3 グループに分けて行われた。FA 群:両側大腿動脈を 10 分間血流遮断した後、5 分間の再灌 流。MCA 群:左側中大脳動脈を 5 分間血流遮断した後、5 分間の再灌流。CA 群:左側頸動脈を 10 分間血 流遮断した後、5 分間の再灌流。各群において上記の操作が 3 サイクル行われた。再灌流 3 日後に脳を 摘出し、凍結切片を作製し免疫化学染色によりニューロン、グリア細胞、神経幹細胞の発現様式が解 析された。

FA 群、CA 群:恒常的再生部位である海馬歯状回において、神経幹細胞マーカーである nestin 陽性 細胞が観察され、二重染色において GFAP 陽性アストロサイトとマージしている箇所も観察された。ま た、歯状回の nestin 陽性細胞は再灌流後おおむね 14 日間観察された。大脳皮質においては、MAP2 陽 性ニューロンの脱落、GFAP 陽性アストロサイトおよび nestin 陽性細胞の明らかな発現亢進はみられな かった。MCA 群:大脳皮質梗塞巣領域において MAP2 陽性ニューロンの脱落および nestin 陽性細胞の発 現、 ペナンブラ領域における GFAP 陽性アストロサイトの発現が観察されたが、 海馬歯状回においては、

nestin 陽性細胞の明らかな発現亢進はみられなかった。

大腿動脈、片側頸動脈に虚血負荷を加えることで、海馬領域を中心に nestin 陽性細胞の増加が観察 された。遠隔虚血負荷によって内因性神経幹細胞の発現が亢進する可能性が示唆された。nestin 陽性 細胞と GFAP アストロサイトのマージ箇所には、反応性アストロサイトが存在し、神経再生機転に寄与 していることが考えられ、今後、虚血耐性現象の機序解明のひとつとして役立つことが期待される。

以上、遠隔虚血負荷が海馬領域を中心とした中枢神経再生機転に影響を及ぼすことを証明した点にお

いて、本論文は博士(歯学)の学位を授与するに値すると判定した。

参照

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