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学 位 の 種 類 博士(歯学)

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Academic year: 2021

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ふ り が な

氏 名

かがわ まきこ

香川 真貴子

学 位 の 種 類 博士(歯学)

学 位 記 番 号 甲 第 777 号 学 位 授 与 の 日 付 平成 28 年 3 月 11 日

学 位 授 与 の 要 件 学位規則第 4 条第 1 項に該当

学 位 論 文 題 目

The Effect of Phenytoin on the Matrix Metalloprotease-3 Production in HGFs

ヒト歯肉線維芽細胞における Matrix

metalloproteinase-3 産生に及ぼすフェニトインの影響

) 学 位 論 文 掲 載 誌

Journal of Oral Tissue Engineering

第 13 巻 第 2 号

平成 27 年 12 月

論 文 調 査 委 員 主 査 松本 尚之 教授 副 査 池尾 隆 教授 副 査 今井 弘一 教授

論文内容要旨

抗てんかん薬フェニトイン(PHT)の副作用として、口腔内清掃状態が不良な歯肉に歯肉増殖が誘発さ れることが知られている。歯肉増殖の要因として細胞外マトリックスタンパク質の蓄積が要因の一つ として考えられている。そこで、本研究では歯肉増殖の発症機序について検討するために、歯周炎組 織に認められる炎症性サイトカインである

TNF-α

刺激したヒト歯肉線維芽細胞における、PHT の細胞 外マトリックスタンパク質に及ぼす影響を検討した。

本研究に参加同意を得た患者の抜去歯(大歯医倫

110762

号)より歯肉組織を採取・培養し、3~10 世代目をヒト歯肉線維芽細胞として本研究に使用した。ヒト歯肉線維芽細胞を

1.0×105 cells/ml

96 well plate

に播種。PHT により刺激し、細胞増殖について検討した。また、flow cytometry を行い、Ⅰ型 コラーゲン産生能を検討した。次に、ヒト歯肉線維芽細胞を

24 well plate

5.0×105 cells/well

になるよ う播種し、

24

時間培養後、

TNF-α

PHT

を各条件下で加え、刺激終了後、上清中の

MMPs

の産生を

western blotting、gelatin zymography

にて検討した。最後に、TNF-α 刺激に

PHT

を添加した際の

NF-κB

のリン 酸化について

western blotting

にて検討した。

ヒト歯肉線維芽細胞において

PHT

刺激によるⅠ型コラーゲン、

MMP-3

産生および細胞増殖には有意 な差を認めなかった。ヒト歯肉線維芽細胞において炎症性サイトカイン

TNF-α

刺激により

MMP-3

産 生能の増強を認めた。TNF-α 刺激により産生した

MMP-3

は、PHT 濃度依存的に抑制された。NF-κB は、MMPs の転写因子として知られており、ヒト歯肉線維芽細胞においても

TNF-α

刺激により活性化 された

NF-κB

PHT

により抑制された。

以上の結果よりヒト歯肉線維芽細胞において

PHT

は、細胞増殖や歯肉結合組織主成分であるI型コ

(2)

ラーゲン合成には影響を及ぼさなかった。歯周炎モデルとして

TNF-α

刺激したヒト歯肉線維芽細胞に

おいては

MMP-3

産生能を抑制し、この抑制には NF-κB の活性抑制が関与することが示唆された。

MMP-3

は細胞外マトリックスを分解するだけでなく他のプロテアーゼを活性することから、歯周炎組

織では

PHT

MMP-3

産生を抑制し、細胞外マトリックスの蓄積を増強する可能性が示唆された。ま

た、矯正装置を口腔内に装着することで、口腔内清掃が困難となり歯肉炎・歯周炎が惹起されやすく なり、PHT 服用患者における矯正歯科治療を行う際には、歯肉増殖を予防するために適切な口腔内清 掃が重要であることが考えられる。

論文審査結果要旨

抗てんかん薬フェニトイン(PHT)の副作用として、口腔内清掃状態が不良な歯肉に歯肉増殖が誘発さ れる。本研究は、歯肉増殖の発症機序について解明するために、歯周炎組織に認められる炎症性サイ トカインである

TNF-α

刺激したヒト歯肉線維芽細胞における、PHT の細胞外マトリックスタンパク質 に及ぼす影響を検討したものである。

本研究で使用した細胞は、大阪歯科大学医の倫理委員会承認(大歯医倫

110762

号)のもと、参加同 意を得た患者の健全歯より歯肉組織を採取・培養し、3~10 世代目をヒト歯肉線維芽細胞として実験 に供している。

ヒト歯肉線維芽細胞において

PHT

刺激によるⅠ型コラーゲン、

MMP-3

産生および細胞増殖について 検討した。その結果、ヒト歯肉線維芽細胞において

PHT

刺激によるⅠ型コラーゲン・MMP-3 産生、細 胞増殖には有意な差を認めなかった。次に、ヒト歯肉線維芽細胞において炎症性サイトカインである

TNF-α

刺激と、

PHT

刺激による

MMP-3

産生への影響について検討した。ヒト歯肉線維芽細胞は

TNF-α

刺激により

MMP-3

産生能が増強され、TNF-α 刺激により産生が増強された

MMP-3

は、PHT 濃度依存 的に抑制された。

MMP-3

の転写因子として知られている

NF-κB

の活性化について検討した。ヒト歯肉 線維芽細胞において

TNF-α

刺激により活性化された

NF-κB

は、PHT により抑制された。

以上の実験結果よりヒト歯肉線維芽細胞において

PHT

は、歯周炎モデルとして

TNF-α

刺激したヒト 歯肉線維芽細胞において

MMP-3

産生能を抑制し、この抑制には MMP-3 の転写因子である

NF-κB

の 活性抑制が関与することが示唆された。

以上のことから、TNF-α 刺激したヒト歯肉線維芽細胞において、PHT が細胞外マトリックスタンパ

ク質に関与する可能性を示した点において、本論文は博士(歯科)の学位を授与するに値すると判定

した。

参照

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