• 検索結果がありません。

数学を身近に感じることができる教材開発について : 「石けん膜の性質」を中心に

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "数学を身近に感じることができる教材開発について : 「石けん膜の性質」を中心に"

Copied!
98
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1);:. /- -'---'-L'IIL n 1. C. = : *L;ff Cd:h F 7F 1c L+C r; :[tj. J ;. O)t. =F. M05241K. J. p"*. ,'L'Ic. * f. ). : ; 7. !i] <4.

(2) 目次. 第1章 最大最小問題  1.1  1.2  1.3  1.4. 偏導関数。....... 全微分. 合成関数の微分.. 関数の極大極小および最大最小 1.4.1 極大・極小 ... 1⊥−. 56. 1.4.2 Taylor展開.。。。_ 陰関数定理.. ラグランジュの未定乗数法,... 2. 5 5 2 66    110 11“ ∠“5 ∠3 5062 7 76 89 82 9. 第O章序文. 第2章 石けん膜の性質                             40  2.1  2.2  2.3. 3点スタイナー問題について..                   41 正四面体に張られる膜.。,                    46. 石けん膜の一般的な張り方.....                   52 2.3.1 同一の曲線を共通の縁として,3つの曲面が接続される場合の交角に    ついて......                        52 2.3.2 1点を始点として接続している曲面の接続線4本が作る曲線間の交角    について..........                    58. 第3章 数学を身近に感じる教材例  3.1  3.2  3.3  3.4. 参考文献. 自然事象を数学からの視点でとらえることができる教材例. 変化の割合の意味をとらえる教材例.......  「微分する」ことが,何をしていることかイメージできる教材例 自然現象において「微分法の活用」が実感できる教材例.... 97.

(3) 2.  目常生活で見られる自然事象には,様々な規則性や性質が隠れている。そして,普 段の私たちの生活にもそれらが取り入れられている。その中で数学は,自然事象を 解明するために,重要な役割を果たしている。  本論文では,自然事象に現れる最大最小問題について,特に石けん膜の性質を中 心に考察している。まず,最大最小問題について,考えていくために使われること が多い定義や定理についてまとめている。次に,身近な自然事象,特に今回は,石 けん膜の性質に着目し,表面張力という性質から導き出せる膜の張り方の規則性に ついて解析していく。さらに,数学を学ぶ生徒達が,その学習内容によって,数学 で解析される意味を感じられるような教材例を提案している。 以下,論文の構成について述べる。.  第1章では,1変数関数における微分法をもとにして,多変数関数における最大 最小問題に関する定義や定理について述べる。.  1.1節では,1変数関数の微分法の考えを拡張して,2変数あるいは2変数以上 の関数の極限と連続にっいて概念を定義する。そして,偏導関数の概念を定義して いく。.  1.2節では,すべての変数を動かしたときの変化分を表している全微分の概念を定 義する。.  L3節では,偏微分や全微分をするときに有効である,合成関数の微分法につい てまとめる。そして,極座標表示と直交座標表示による偏導関数の関係について述 べる。.  1.4節では,極値にっいて考えていく。はじめに,偏導関数の最も重要な応用の1. つとして,変数が2つあるいはそれ以上の関数の極大値および極小値を決定するた めの必要条件について考える。.  つぎに,1変数のTaylor展開をもとに,2変数のTaylor展開を使って,関数が極 値をもつための十分条件を考える。すなわち,2変数関数の第2次偏導関数が成分 であるHessianによる極値判定について考えていく。  1.5節では,陰関数定理について述べる。その定理を証明するために,不動点定理 を利用する。.  1。6節では,L5節で示された陰関数定理をもとに,条件付極値問題に対して,最 大値や最小値の存在が分かるときに使われるラグランジュの未定乗数法にっいて紹 介する。.

(4) 3. 0.序文.  第2章では,身近な自然事象の中で,生徒が一度は遊んだことがある「石けん膜 (シャボン玉)」について考える。.  石けん膜は,与えられた枠の中で,膜の面積の総和が最小,あるいは極小になる ような膜を張るという性質がある。  この章では,微分を使ってその規則性を解析し,石けん膜の性質を調べていく。 2.1節では,3点スタイナー問題について,まず,微分を用いない方法で証明する。. この証明法は,後で紹介する中学校選択数学の教材の展開例で取り入れている。 次に,微分法を用いて3点スタイナー問題の証明を与え,2.3節において利用する。  2.2節では,観察から得られた正四. 面体の枠に張られた膜が,どのよう な状態で安定しているのかを調べて いく。.  正四面体枠を石けん液につけると内 部に6つの三角形の膜が張られる。.  そこでこの節では,はじめに,6っ の三角形が,正四面体の重心を共有し ていることを示す。. 正四面体枠に張られる膜. 2.3節では,石けん膜の一般的な張り方に着目する。 実験や観察を繰り返すと,石けん膜は,下の写真のような色々な枠の中で膜を作る。. / ノ.  そこで,膜の張り方関する2つの事象について調べていく。  2,3.1節では,縁のある3曲面が,同一の曲線を共通の縁(これを接続線という). として接続しているとき,これら3つの曲面の面積の総和が極小または最小になる のは,それぞれの曲面が,どのような交角を作っている状態かを調べ,以下のよう な定理を得る。. 石けん枠の中で,3つの曲面(石けん膜)が1つの接続線を共有している。 このとき,それら3つの曲面の表面積の総和が,”極小”になる状態とは, その接続線上にある点における3曲面の内向き単位接ベクトルで, 接続線の接ベクトルに直交するもののなす角が120。になるときである。.

(5) 0.序文. 4.  2.3.2節では,1点を始点として接続している(この点を接続点という)接続線4. 本が,どのような交角を作っているのか調べ,以下のような定理を得る。. 石けん枠の中で,6つの曲面(石けん膜)が1点(接続点0とする)を共有し, 接続線4本がつながっている。縁のある曲面6つの表面積の総和が, ”極小”になれば,次が成り立っ。.                   点0における接続線の単位接ベクトルを0。4κ(κニ1,2,3,4)とすると, ・4た(κニ1,2,3,4)は正四面体の頂点となり,. 任意の2つの単位接ベクトルの内積は,一去になる。.  第3章では,数学を身近に感じることができる教材例と教材を使用するときの展 開例について述べる。.  3.1節では,第2章で調べた「石けん膜の性質」を微分法を用いない証明法を使っ て教材化し,その展開例を紹介する。そのために,観察から得られる結果から数学 的事柄を予想したり,予想したことを,今まで学習した知識を使って確かめたりす る活動を取り入れる。.  3.2節では,一次関数と放物線の変化の割合を調べ,変化の割合が何を表している か,具体的にとらえられるような教材と,その展開例を紹介する。  3.3節では,微分法の学習が進んでいくと,計算の手順方法のみ生徒の中に残り, 計算をすることが,生徒自身にとって,何をしているのか分からず,微分の学習が 分からなくなる生徒がいる。  そこで,図形を変化させると,面積がどう変化するかということに着目して,「微 分する」ことが,何をしていることかイメージできるような教材と,その展開例を 紹介する。.  3.4節では,物理の教材の1つであるrスネルの法則」に着目する。物理の教科書 で扱わなくなった微分法を使った証明を与える。そして,微分と自然事象のつなが りについて感じてもらえるような教材と展開例を紹介する。  これらの教材を通して,生徒が,数学の学習に対し,おもしろさや不思議さを感 じ,新しい規則性の発見や解析する活動を通して,興味や関心を持ってくれること を期待したいと考える。.  最後になりましたが,本研究を進めるにあたり,懇切丁寧なご指導をしてくださっ た渡辺金治先生,様々な機会を通じて適切な示唆を与えてくださった数学教室の先 生方に深く感謝いたします。.  さらに,本大学院での研修の機会を与えてくださった福井県教育委員会ならびに 坂井市教育委員会,坂井市丸岡中学校の校長先生をはじめ職員の方々にお礼申し上 げます。.

(6) 5. 第1章最大最小問題  この章では,最大最小問題に関する定義や定理についてまとめておく。.  第1節では,1変数関数における微分法の考え方をもとにして,極限と連続の概 念を定義していき,2変数あるいは2変数以上の関数の偏導関数の概念を定義して いく。.  第2節では,すべての変数を動かしたときの変化分を表している全微分の概念を 定義する。.  第3節では,偏微分や全微分をするときに有効である,合成関数の微分法につい てまとめ,極座標表示と直交座標表示による偏導関数の関係について述べる。  第4節では,極値について考えていく。はじめに,偏導関数の最も重要な応用の 1つとして,変数が2つあるいはそれ以上の関数の極大値および極小値を決定する ための必要条件について考える。.  つぎに,Taylor展開を用いて関数が極値をもつための十分条件を考える。すなわ ち,第2次偏導関数を考え,Hessianによる極値について考えていく。  第5節では,不動点定理を利用した陰関数定理の証明について述べる。  そして,第6節では,第5節で示された陰関数定理をもとに,条件付極値問題に 対して,最大値や最小値の存在が分かるときに使われるラグランジュの未定乗数法 について述べる。さらに,具体的応用例を紹介する。. 1.1 偏導関数  ここでは,1変数関数の微分法の考え方をもとにして,2変数以上の関数の極限 と連続の概念を定義していく。そして,2変数以上の関数についての偏導関数を定 義していく。以下,即をη次元ユークリッド空間とする。 定義1。1.1.IRπの元を灘=(z1,勉,_。,劣π)と書き,原点0から点¢までの距離IIzII を,.          1囮1一一 で定める。また,点灘を列ベクトルで見たときは,.              ㌔一(D. と表示する。.

(7) 6. 1.最大最小問題. 定義1.1.2.冊⊃・4∋α,zとし,関数∫:・4H聡がある。このとき,               lim∫(劣)=∫(α).               の→α を満たすとき,関数∫(の)がA上の点αで連続であるという。  また,∫(詔)が1つの領域のあらゆる点で連続であれば,その関数は・その領域で 連続であるという。.  例えば,η=2として,集合五をα=(α1,α2)を中心とした半径1の円で考える と,定義1.1.2は,以下のようになる。 R2上の関数∫(Z1,灘2)があり,ハ上の点詔=(Z1,Z2)で,関数∫(銑,∬2)が,点(α1,α2). で連続であるというのは,             lim  ∫(劣1,∬2)=∫(α1,α2)           (の1,の2)→(α1,α2). を満たすことである。  言い換えれば,∫(α1,α2)があり,しかも∫(α1,α2)が,任意のε>0に対して一般 にεに依存するδ>0が存在して,.           o<一<δ であるときは,いつでも             1∫(∬、,Z2)一∫(α、,α2)1<ε. となるような性質を持つことである。.  上記の様子を図Llで考えると,〉一は,ちょうど定点島(α1,α2) からP(苅,z2)までの距離になっている。. の2. (Z、一α、)2+(∬2一α2)2.   詔、,2).   δ  島(α、,2). 欝1. 図1.L IR2における定義1.L2の直感的解釈.  だから,式0<V一<δは,点(苅,z2)から(α1,α2)までの 距離が0より大きくδより小さいことを必要とする。言い換えれば,点(z1,z2)は点.

(8) 7. 1.最大最小問題. (α1,α2)から離れていなければならないが,点(α1,α2)を中心,半径δの円内になけ. ればならない。  よって,Z1,範がそれぞれα1,α2に近づくとき,∫(苅,の2)が∫(α1,α2)に近づく ということは,∫(∬1,∬2)と∫(α1,α2)との差の絶対値が点(α1,α2)を中心とする十分. 小さい円内で,点(α1,α2)以外のすべての点においていくらでも小さくなるというこ とを意味する。. 例題・…3・関蜘一si. 鍔2)1こつレ・て原点で連続か・もし連続で鮒れ1ま・原点. での値をどうすれば連続になるか調べよ。.  解この関数は,原点において定義されていないから,原点で不連続である。次 に,(∬,寡)≠(0,0)のときを考える。ここで,欝=7cosθ,Ψニ7sinθ(7>0)とす ると,.            Sin{γ2(Sin2θ+C・S2θ)}Sin(T2)          ひニ                   ニ.             72(sin2θ+C・S2θ)  72 ところで,(の,“)→(0,0)のとき7→0であり,72→0になるから,        lim Sin(∬2+ツ2)一limSin(72)一limSin(γ2)一、.       (詔,ツ)→(0,0)Z2+ツ2 T→072 T2→072 が導かれる。よって,原点において,この関数の値を1にすれば,連続関数になる。 定義1。1.4,IR2上の関数∫(z1,z2)があり,z2を1つの値α2に固定すると,∫(∬1,α2). は,コリ1の関数になる。このZ1の関数が,Z1=α1で微分可能であるとき,∫(苅,の2) は,(α1,α2)で,苅に関して偏微分可能であるといい,その微分係数の値を.          (諾)@圃・∂!器向論岡 などで表す。すなわち,                ∫(α・+△∬,α2)一∫(α、,α2)         ん、(α・,α2);lim.              △即→o     △z. を,∫(軌,∬2)の(α1,α2)における∬1に関する偏微分係数という。. 定義1.1.5.IRπ上の関数∫(z)において,1つの変数鞠以外を固定し,∫(∬)が,1. 変数娠の関数として微分したときにできる導関数を,簸に関する偏導関数という。  例えば,R2上の関数∫(の,g)について考えると,zおよびッについて,∫(詔,ッ)の 偏導関数は,.            ∂∫   ∫(z+△∬,ツ)一∫(z,9)        ん(」じ,ツ)=一=1im            ∂灘  △の→0     △劣            ∂∫   ∫(z,Ψ十△Ψ十Ψ)一∫(∬,Ψ).        ん(の,Ψ)=房=轟思。   △Ψ.

(9) L最大最小問題. 8. と表し,第1階偏導関数という。  また,ん(z,ッ),ん(」じ,ッ)がさらに偏微分可能ならば,.          ∂ん    ∂∫¢    ∂ん    ∂ん.       魚二蕊,玩=可7拙=蕊}痂二可, によって,4種類の第2階偏導関数が得られる。.  変数の数が2っ以上であっても,偏導関数および,高階の偏導関数は同様に定義 される。. 定義1.1.6.関数∫(¢)が,IRπ内の領域σで定義された連続関数で,かつσ内の各 点で,すべての第κ(κ=1,2,...)階の偏導関数をもち,これらすべてが連続である. とき,関数∫(の)はσでぴ級関数であるという。  また,すべてのκ(κニ1,2,...)についてぴ級関数であるような関数は,oo。級関. 数といわれる。 定理1.1.7。∫(z,g)がσ2級関数ならば,.         ム〆¢,叙)=んエ(の,“)   が成立する。  証明 φ(∬)=六詔,ッ+κ)一∫(」じ,Ψ)とおくと,平均値の定理より,ある実数θ1(0<. θ1〈1)が存在して,      φ(z+ん)一φ(z)=φ’(¢+θ、ん)ん.            ={ん(針θ・ん,ッ+κ)一∫露(z+θ、ん,〃)}ん (1.L1). が成り立っ。ここで,為をッだけの式と考えて,さらに平均値の定理を使うと,あ る実数θ2(0くθ2<1)が存在し,式(1.1.1)は,            φ(z+ん)一φ(z)={∫z写(z+θ1ん,9+θ2ん)ん}ん     {∫(z+ん,ツ+ん)一∫(z+ん,Ψ)}一{∫(z,y+κ)一∫(Ω,,ツ)}.                  ニ∫の写(z+θ・ん,y+θ2κ〉航  (1.L2). 式(LL2)の両辺を肋で割って書き直すと,. 去{∫(コ『伽+曾一∫(琳Ψ)∫@・哩}∫(鋤/一紳+蜘+砺κ)                               (L1、3) ここで,式(L1。3)についてまずκ→0とし,次にん→0をすると,ん“(z,ッ)は連続 だから,右辺→∫、穿(コp,ッ)になる。また左辺は,.   麟{ん(z+鳩)一ん(z,Ψ)}一概ん(∬+響一ん(吻一伽(z,型).

(10) 9. L最大最小問題. 証明終. になるので,ん〆z,“)=んの(記,g)が得られる。.  ここで,2変数の関数z=∫(の,Ψ)は,3次元の曲面として表される。.  図L2のように,霧を計算するとき,ッはある値,例えば駒に固定して考えてい る。したがって,その計算に含まれているβの値は,曲面z=∫(z,Ψ)が平面y=肋 によって切り取られる曲線上に対応する。すなわち,この曲線上の点P(¢0,gO,ZO). に対する差の極限は,この曲線の接線の傾きになる。言い換えれば,塞は,平面 ッ=肋と曲面zニ∫(z,“)の交線上の点、Pにおける接線の傾きを表す。同様に,窃. は,曲面z=六z,ッ)が平面z=Zoによって切られてできる曲線上の点Pにおける 接線の傾きを表している。 ∼. z.  平面Ψ二肋  平面.        ∬=ZO P(∬0,90,0). (。,ツo ZO). ・・. zαtanα一器1の。蜘,、。. β. ¢tanβ一霧』。,写。,z。. 図1.21偏導関数の幾何学的意味. 2変数以上の偏導関数については,以下のように定める。 定義1.1。8.R.π樋の点を(ロg,y)ニ(コp1,._,賜,肋,_,伽)とする。関数φ:IRη+吼→. 認に対して.             φ鞠・一(濡1). と表し,その〃に関する偏導関数吻を. φ写=. 勉 堕 ∂穿2 ∂Ψ1 勉 堕 ∂穿2 ∂91. ∂写肌. ∂∂. で定める。. ∂μ吼. φ伽. ∂φ‘ ∂φε. ∂喜1 ∂野2. 塑 塑.

(11) 1.最大最小問題. 10. 1.2 全微分  偏微分では,1つの変数だけを動かし他の変数を固定しながら変化を調べた。こ こでは,1変数で知られている微分の概念の拡張として,すべての変数を動かした ときの変化分を表している「全微分」についての概念を定義していく。  準備 賜=∫(灘,み)は連続関数で2っの独立変数zとgについて連続な第1次偏導 関数を持っているとする。  諾,gが,それぞれ△¢,△gだけ変化すると,そのとき生じる脱の変化△鴛は,          △鴛=∫(¢+△¢,Ψ+ムッ)イ(z,ッ)     (12,1) になる。したがって,式(1.2.1)は,  △uニ{∫(灘+△詔,y+ムッ)ヲ(z,ッ+△Ψ)}+{∫(z,ッ+△9)一∫(z,穿)} (1。2.2). と書ける。平均値の定理より,ある定数0<θ1,θ2〈1があって,       △%=∫、,(灘+θ・△z,Ψ+ムッ)△灘+ん(z,Ψ+θ2△y)△9  (1.2.3). に書き直すことができる。そこで,   lim  ん(灘十θ1△Z,Ψ十ムレ)=∫z(諾,穿)  (△詔,△写)→O.      limん(Z,Ψ+θ2ムッ)=ん(Z,Ψ)     (△偲,△写)→0. 言い換えれば,      ん(z+θ・△灘,ッ+ムッ)≡∫の(∬,シ)+ε、.        ん(∬,Ψ+θ2△Ψ)≡ん(劣,Ψ)+ε2.        ただしε1,ε2は,(△ag,ムッ)→0のとき(ε1,ε2)→0を満たす。 だから,式(L2.3)は,.        △鴛二!z(¢,Ψ)△z+ん(ag,〃)ムッ+ε・△3り+ε2△Ψ   (1.2.4). と書ける。. 定義1.2.1.式(L2.4)の最初の2つの項を%の全微分と呼び,.             4鋤二砺4の十陶吻 で表す。ここで,式(L2・4)の3項目と4項目に当たるε1△zとε2△雪は,ムコじと△y. が十分小さい変化量なので,4秘は△賜の近似として見なしてよい。.

(12) 11. 1.最大最小問題. 例題1.2.2.図1.3のようにある人がS地点からσ地点に向かって泳いでいる。あ とどれだけの距離でゴールするのか計算する方法として,次に示す公式(α)(δ)(c)の. うちどれをとるべきか。.  ただし,直線の測定は1%の誤差をうけ,角の測定は2%の誤差をうけるとし,さ らにθ=45。であるとする。. (α)Ψ一暦,. (わ)〃ニんsinθ,. 9. σ. ん、. (o)  紗二灘tanθ. S :∬. ,珍、塩 図1.3:. 解 各公式にっいて,どれだけ測定値に誤差があるか全微分を使って考える。 (1) (α)を使ったとき y=(hβ一灘2)看より,. 塑伽.  =. 塑翻. 二. になるから,gの全微分は,   んdlん一aじ伽. 吻二 だから,ッの誤差は,. 吻  ん砒一翻ん Ψ   ん2−z2. ところで,.           跣    1  砒    1          一二土一 一=土一,ん=〉5z           ん   100’ jr   100. と考えられるので,最も誤差が大きいときを考えると,. 吻▽. 0.01ん2+0.01♂   ん2一の2 0。02z2十〇.01灘2.        =0.03  2¢2−z2.

(13) 1.最大最小問題. 12. と計算できる。すなわち,(α)の公式を使うと,約3%の誤差が予測される。  (2) (わ)を使ったとき.  ッ=んsinθより,Ψの全微分は,吻=sinθ硫+んcosθ4θになるから,この場合の. 最大誤差を計算すると,誓=±斎だから,          4Ψ   sinθdん十んcosθdθ   4ん    1          一二                  =一十一〔∫θ          y       んsinθ       ん   tanθ.                         ガ           ==0.01十〇.02θニ0。01十〇.02×一                         4           ニ0.0257。... になる。よって,(b)の公式を使うと,約2.6%の誤差が予測される。  (3) (c)を使ったとき.  劉二ztanθより,穿の全微分は,吻=tanθ4z+諭dθになるから,この場合の 最大誤差を計算すると,.         吻 tanθ砒+論4θ砒  1         一=          =一十     4θ         穿       z tanθ       z   sinθCOSθ.               0.02×■           =0.01十    4;0.Ol十〇.01×π               (毒)           ニ0.414.... になる。よって,(c)の公式を使うと,約4%の誤差が予測される。  したがって,(δ)の公式で計算するのが最良であるといえる。. 1.3 合成関数の微分  ここでは,偏微分や全微分をするときに有効である,合成関数の微分法にっいて まとめておく。 定理L3.1.uニ∫(∬,y)は全微分可能な関数,z=φ(孟)とッ=ψ(孟)は独立変数舌に. ついて微分可能な関数であるとする。  このとき,合成関数嘘)=六φ(孟),ψ(孟))の導関数は,      銑(オ)=ム(¢,穿)φオ(孟)+ん(¢,9)ψ古(オ),   の=φ(孟), Ψ=ψ(孟). と表すことができる。.

(14) L最大最小問題. 証明. 13. オの変化量を△むとしたときの欝,ッ,冠の変化量を△z,△“,△uとする。この. とき,.      △∬=φ(孟+△孟)一φ(孟),  ムッニψ(古+△孟)一ψ(6),      △%=∫(φ(孟+△孟),ψ(オ+△亡))一∫(φ(孟),ψ(亡)).        =∫(a5十ムコP,Ψ十△Ψ)一∫(z,汐). と書ける。ところで,式(L2.4)すなわち,       △u=∫z(z,ッ)△」r+ん(詔,9)ムツ+ε・△¢+ε2△9. の両辺を△孟で割ると,.       △賜   ムコじ   △〃 ε1ムコリ ε2△y       亙二ん(の,y)7豆+ん(z,Ψ)7豆+△孟+π になる。仮定より,z,Ψは,バこついて微分可能な関数だから,審,霧が存在する。 よって,△f→0すなわち,△z,△g,ε1,ε2→0だから, ∂∫砒  ∂∫吻       4u    4z    吻        流二加・Ψ)冴+ん(ロじ,ッ)薔=房石+砺誘. が得られる。                          証明終. 定理1.3.2.錫=∫(灘,g)において,z,シはただ1っの変数舌の関数ではなく,いくつ. かの変数の関数,たとえば,7と5の関数,z=φ(7,5),gニψ(7,5)であるとする。 このとき,7と5についての%ニ∫(φ(7,5),ψ(7,5))の偏導関数は,        %7(T,3)=ん(∬,9)φ7(7,5)+ん(z,ッ)ψT(7,3)         (1・3・1).        %5(7,8)=ん(z,Ψ)φ3(7,8)+ん(劣,穿)ψ5(T,8)   (1。3.2). と表すことができる。 証明 式(1.2.4),すなわち,.       △u=∫、。(z,膨)ムコP+ん(z,紗)△夕+ε・△z+ε2△y. について,最初に△7で割って,△7→0にすれば,式(1.3.1)が得られ,また,△5 で割って,△3→0にすれば,式(1.3.2)が得られる。          証明終. 例題1.3.3.関数六の,y)の変数¢,ッを極座標を示す変数7,θに変換したときの関数 ん(r,θ)の7とθに関する偏導関数霧および勢を求めよ。.

(15) 14. 1.最大最小問題. ツ ,(欝 (欝,Ψ). 7. nθ 7sinθ. θ. ω の. 7COSθ.               図1.4:極座標(7,θ). 解  図1.4のように,関数∫(z,Ψ)の変数醒,Ψをそれぞれ.               諾二9、(7,θ)=7C・Sθ                                    (1.3。3)               ツ=92(γ,θ)=T sinθ と置き直す。 すると,関数ん(T,θ)は,              ん(7,θ)ニ∫(9、(7,θ),92(7,θ)). と表される。また,.               ∂z  ∂91.               一=一二cosθ        (1。3、4)               ∂γ  ∂7               ∂灘  ∂91.               _ニ_=_7sinθ                  (L3.5).               ∂θ  ∂θ.               ∂ツ ∂92               一=一二sinθ                    (1.3。6)               ∂7  ∂7               ∂9  ∂92.               一=一二7c・sθ       (1。3。7)               ∂θ  ∂θ と計算される。定理1.3.2より,.               ∂ん ∂∫∂の ∂∫∂ツ.               ー=一一+一一       (L3。8)               ∂7 ∂灘∂7 ∂Ψ∂7               ∂ん ∂∫∂詔 ∂∫∂Ψ.               一二一一+一一       (L3,9)               ∂θ ∂¢∂θ ∂y∂θ になる。だから,式(L3.8)に式(L3。4)と(1。3.6)を,式(L3.9)に式(1.3.5)と(L3.7). をそれぞれ代入して,.             ∂ん   ∂∫   ∂∫             一=COSθ一十sinθ一             ∂7    ∂z    ∂Ψ             ∂ん    ∂∫    ∂∫.             一==一7sinθ一十7COSθ一             ∂θ     ∂詔     ∂Ψ.

(16) 1.最大最小問題                            15. すなわち,.          (噛H周(瓢評) (L3・・) が導かれる。. ま繍一)の行列. :盤論θ) 行列が存在するから・.          (んんH噛)(f暫,認) と書くこともできる。だから,関数の偏導関数を調べるときは,変数変換をして合 成関数の微分を使うこともできる。  ところで2変数以上の関数∫(苅,範,.,.,妬)から作られる合成関数  ん(孟、,孟2,_,孟m)=∫(φ、(孟、,孟2,_,偏),φ2(孟、,孟27_,オm),_,φπ(孟、,孟2フ,9σ,孟m)).                      ここで,簸=軌(孟1,孟2,_,偏) を考える。  例えば,関数ん(孟1,f2,_,舌皿)を孟1で偏微分するときには,    ∂ん(孟、,_,偏)∂∫(ω、,_,勾∂の、∂∫(¢、,_辱,」r物)∂の2.           =         ・一十         一一.       ∂孟1    ∂¢1  ∂孟1  ∂灘2  ∂孟1                        ∂∫(∬1,_,zπ)∂妬                    十・噸・十         ・一                          ∂賜    ∂孟1 となるので,.         ∂ん(篭。●,孟肌)一£∂∫(z惨云・7賜)・舞.                 κ=1               ただし,簸=媒(孟1,孟2,_,偏). と書くこともできる。. 1.4 関数の極大極小および最大最小 1.4.1 極大・極小 定義1.4.1.]Rπ上の関数八劣)が,の;αの近くで定義されていて,     z≠αのとき,常に∫(¢)く∫(α)であれば,六z)は,」r=αで極大.     ∬≠αのとき,常に∫(¢)>六α)であれば,∫(z)は,z=αで極小. になるといい,それぞれの場合に,∫(α)を極大値,極小値という。.  極大値,極小値を一括して,極値という。.

(17) 16. 1.最大最小問題.  偏導関数の最も重要な応用の1つは,変数が2つあるいはそれ以上の関数の極大 値および極小値を決定することである。.  ここでは,まず2変数の関数の場合について考え,次に2変数以上の関数の場合 を述べる。. 準備 関数z=∫(灘,ッ)を考え,z=釦,〃ニ90で極値をもつと仮定する。 鳥(ZO,Ψ0,ZO). β. z. Ψ. の島は極小・(の・,ツ・,Z・). z 島は極大. 図1.5:瑞が極値のときの関数の様子  すると,(Z,g)ニ(ZO,gO)のときに,関数の値ZOは,(ZO,穿0)を含む領域で,他のす. べての点におけるβの値より大きいか,小さいかのどちらかである。図1.5は,島を 含むある領域で,瑞(範,肋,ZO)が極大値の場合および極小値の場合の関数の様子を 示している。ここでもし,曲面之=∫(Z,Ψ)が鳥(鞠,gO,20)で極大,あるいは極小に. なるとすると,島を含む任意の平面でその曲面を切ったときにできる曲線が,瑞で 極大あるいは極小にならなければならない。よって,図1.6のように平面コリ=鞠や 平面Ψ二穿oで曲面を切ったときにできる曲線も瑞において極値をもつことになる。.          蛋=0 z     ∂の. 平面                            平面Ψ二肋 z. 0. ∂ノ 魅■. 一  二 ∂劣. 1 ■. 8 、∼、. ツ         曲線z平面の=鞠. 曲線之=∫(露,ツo) 曲線之. 曲線z=∫(恥,9). T. ∬. の. 図L6:曲面を平面諾二コro,平面y=蜘で切る.  したがって,これらの曲線のそれぞれの傾きがz二鞠,g=駒のときに0でなけ ればならない。すなわち,之二∫(劣,シ)は,点(ZO,gO)において, ∂∫   ∂∫. 一=0, 一二〇 ∂¢   ∂Ψ. という結果を得る。.  この結果を変数が2つ以上の関数に拡張すると,Rπ上の点α=(α1,α2,_,απ)に. おいて第1次偏導関数をもつ関数∫(苅,範,_,のπ)が極大値あるいは極小値をもっ.

(18) 17. 1.最大最小問題. ための必要条件は,    ∂∫(α・7α2,…,απ)一∂∫(α・,α2,…,αη)一。..一∂∫(α・,α2,…,αη)一〇.       ∂z1     ∂z2       ∂賜 になることである。よって,次の定理が得られる。 定理1.4.2.Rπ上の関数∫(欝)が,ある点αで微分可能でαで極値を取れば,∫、(α)=0. になる。すなわち,           ∂∫(α) ∂∫(α)   ∂∫(α)              二     二一・二     二〇.           ∂z1 ∂劣2   ∂鰯.  しかし,ん(α)ニ0であっても,z=αのときに極値かどうかは言えない。. 例題1.4.3.図1.7のように,ふたのない直方体の容器がある。容積がyと決まって いるとき,その表面積が最小となるように各辺の大きさを求めよ。 C. b. δ ρ α. 図L71  解 3辺を図1.7のようにおく。このとき,表面積をSとおくと,体積γはy=αわc だから,.                      2y  2y          Sニαδ十2δc十2αcニαわ十一十一       (L4,1)                      α  わ になる。よって,Sが最小となるようなα,わを求めればよい。ところで,α>0,6>0. だから,Sは,最大値が存在しない。よって,関数Sのα,δについて第1次偏導関 数を出し,それらが0になるときのα,δを求めれば,最小値の候補になる。.               ∂S   2y.               房二わ一7      (1・4・2)               ∂S   2y               一二α一一        (1、43)               ∂δ   わ2 より,それぞれの値を0とおいて,連立方程式として計算すれば,式(1.4.2)より,.                  2V                δ一万        (1・4・4)                  α が出てくる。だから,式(L4、4)を式(1.4。3)に代入すると,.        2γ  2y・α2・α22γα一α4α(2V一α3).      α一一二α一       二       =        =0        ∼)2        21/・21/       21/         21/.

(19) 18. 1.最大最小問題. が得られる。ところで,α>0より,α3−2y=0になるから,          (α一(2y)き)(α2+(2V)去+(2V)§)一〇 よって,.                            ユ        α一(2y)去,δ一(2V)巷,したがってc」2V)吾.                           2 すなわち,極値候補はただ1つであり,α=δ=2c=(2V)巻のときに表面積は最小 になる。.  しかしながら,第1次偏導関数が0である変数の座標を求めても,常に極値にな るとは限らない。次の例では,第1次偏導関数が0のときの変数の座標を求めても 極値にはならない。 例題1。4.4.関数∫(∬,Ψ)ニず一♂の極値を調べよ。.  解 この関数のの,ッについて,それぞれ偏導関数を求めると,.             ∂∫     ∂∫             一==一2ユ}}    一=2Ψ             ∂z      ∂9 なので,これらが0になるところは,(∬,〃)ニ(0,0)である。しかし,この点は,極 値ではない。なぜなら,関数の式∫(」じ,γ)ニず一♂を.             ∫(z,ッ)ニ(〃+記)(Ψ一詔)      (L4。5) と書き直す。 Ψ y. ツ   ツー必二〇. Z  ツ. ∬Ψ一平面上で Ψ一∬=0と. Ψ+z;0を考える。. ツ十∬=0. 図1.8:の“一平面上の∫(∬,Ψ)の符号を考える.  図L8のより,領域1の点については,(Ψ+∬)と(Ψ一詔)はともに正である。領域 1∬の点については,(ッ+z)と(レー∬)はともに負である。したがって,領域1,111 の点については,∫(灘,y)の値は正である。しかし,領域11の点については,(Ψ+z) が負で(ッー∬)は正である。また,領域/γの点については,(Ψ+」じ)が正で(y一コじ)は. 負である。したがって,領域11,∫yの点については,六z,g)の値は負である。だ.

(20) 19. 1.最大最小問題.  0. nコ9. θ一一. =. 灘沼. ツ. 施﹃.   喜一3,=0. 9,. Ψ.   Ψ=ztanθ.   z (α)θ.   の.   Ψ十¢=0 <エのとき  4. (δ) >. 、礎ぎニ0 4. 図L9:zレー平面上ではθの大きさで原点への近づき方が違う から,(0,0)にどれほど近くになっても,この関数は正と負の両方の値をとる。よっ て,原点における∫(0,0)=0は,極大でも極小にもなることはできない。  例えば,例題L4.4で,変数zとyがダ=ztanθの関係にあるときの∫(コg,ッ)の増 減について考える。  zニ∫(z,ッ)とすると,. z一(漁nθ)2一コ・2−z2(tan2θ一1).  になり,βは,1変数のだけの関数と見ることができる。だから,図L9のように, θの値によって,原点への近づき方が変わってくる。すなわち,農=2¢(tan2θ一1). は,1θ1<1の場合,ねn2θ一1<0だから,z=0(蟹=0)のときである原点は,極 大点になり,1窒>θ1>窪の場合,tan2θ一1>0だから,zニ0(Ψ=0〉のときであ る原点は,極小点になる。.  例題L4.4のように,第1次偏導関数が0になるような点であっても,極大点にも 極小点にもならない場合がある。このような点については,次節定理1.4.6において 述べる。.  1変数関数のとき,上に凸か下に凸か変曲点があるのかなどを調ぺるときは,第 2次導関数を調べ,その符号によって第1次導関数が0になるときの増減を判定す ることができた。しかし,多変数関数では,図1.10のような場合が考えられる。 極大点. 例題1.4.4の場合. 極小点. 図1。1012変数関数の極値の様子  したがって,第1次偏導関数だけでなく,第2次偏導関数も考える必要がある。そ こで,次節にTaylor展開を用いて関数の極値問題を考えていく。.

(21) 20. L最大最小問題. 1.4.2 Taylor展開  次に,関数が極値をもっための十分条件を考える。ここでは,1変数のTaylor展 開をもとにして,2変数の場合のTaylor展開について調べていく。 定理1.4.5.<距ッbTの定理>  関数∫(z,Ψ)が2点(z,Ψ),(z+△z,“+△Ψ)を結ぶ線分を含む領域で,0π級ならば,. ∫@+蜘+ムツ)一. 麦{嶋+△暢γ∫伽)+&. (1.4,6). ここで,式(1.4。6)において,. ほ+△暢γ∫伽)一書ゴ,(ゴ4、)!(蝉9)戸鵠望. (1.4,7). の記号を用い,1隔は適当な実数θ(0くθ〈1)で,. 酷(△艦+△暢)η∫( θ△鈎Ψ+θ△Ψ) で表される。.  証明 まず,∫(¢+△偲,g+△y)というものから,この関数値を微小量△詔と△寮. の多項式で展開を考えていく。そこで, F(5)ニ∫(∬+5△z,ツ+5△Ψ). (1,4.8). とおくことで,この関数を変数8の関数と見なし,F(5)をs=0のまわりでTaylor 展開するとどうなるか調べていく。  一F(3)は,1変数関数なので,F(5)を5=0のまわりでのTaylor展開は,.       4F(0)1242F(0)   1 η一、4η一1F(0) F(3)=F(0)+5 +一5  +…+  3   +瑞(L4.9)        d3 2! 452   (η一1)! 43π一1 ここで&は適当な実数θ(0〈θ<1)で,. 瑞一毒犀謬5) となる。ところで,式(L4.8)よりF(0)ニ∫(コo,ッ)である。また,定理L3.1より, 瓦(5)_4F(5)_△z∂∫(∬+5△z,Ψ+5△Ψ)+△Ψ∂∫(z+3△¢,Ψ+5△〃).     48       ∂z          ∂Ψ.

(22) 1.最大最小問題. 21. である。したがって,s=0での微分係数は,           4F(o)_△劣∂∫(z,Ψ)+ムッ∂∫(詔,Ψ).            45    ∂z     ∂9              一{△39奏+△暢/獅) さらに,.     42F(5)  2∂2∫(Z+5△偲,穿+S△y)  罵,(5)=    =(ムコロ).      45         ∂¢2                ∂2∫(灘+5△の,〃+5△Ψ)           +2(△z)(ムッ).                    ∂詔∂Ψ                         2∂2∫(z+5△灘,寡+5△Ψ)                      +(△9).                             ∂ツ2 だから,5=0での微分係数は,.    42F(0)  2∂2∫(∬,穿)   ∂2∫(z,Ψ)  2∂2∫(z,Ψ)        =(△の)   +2(△∬)(ムシ)  +(△〃).     45    ∂∬2     ∂¢∂”    ∂y2.        一{△艦+△暢}2∫(鋤   (・ん1・) となる。同様にして,微分を繰り返して微分係数を求め,式(1.4.9)に代入し,最後. に5=1とすれば,式(L4.6)の2変数関数のTaylor展開が得られる。  証明終. 定理1.4.6.極値判定法  関数∫(Ωロ,“)は03級関数であり,点(α,わ)で九(α,わ)=ん(α,b)ニ0とし,  .A=∫の詔(α,わ),B=∫露ッ(α,b〉,σニ∫鮒(α,b)とする。このとき,. ︶ ︶︶ 1∩∠9Q ︵ ︵︵. AO−B2>0でAく0ならば,∫(z,ッ)は(α,b)で極大値になる。 ・40−B2>oで・4>oならば,∫(z,ッ)は(α,わ)で極小値になる。. AO−B2〈0ならば,(α,b)は∫(∬,“)の極値にならない。 このとき,点(α,わ)は,関数∫(¢,g)の鞍点という。. 証明 ん,κをある微小量とし,∫(α+ん,わ+κ)一∫(α,δ)を関数∫(z,Ψ)の変化量△∫. とする。そして,∫(詔,Ψ)を点(α,わ)の近傍において,Taylor展開すると, ム(α,δ)=ん(α,δ)=0であることと定理L4。5より, △∫=∫(α十ん,δ十κ)一∫(α,わ).    1  嫁{臨(α・わ)+2脇(α,わ)+κ2ん〃(α,δ)}+R3. (L4ユ1).

(23) 22. L最大最小問題. ここで,R3は適当な実数θ(0くθく1)で, 3. )@ ∼.  十. κ. ∂砺. ∂房. (.  十. 1一別.  =.  3. R. ん. θんゆ 十 θκ . となる。ところで,点(α,わ)の近傍で調ぺるから,R3の値は,iん13+圃3の大きさが. あるが,とても小さいとして,無視して考える。ところで,.A=ム。(α,δ)≠0と考 えているから,式(1。4.11)を以下のように書き直すことができる。. △∫一1姻(ん2+ 雛lli+蝶ll) 一1ハ(ん・+2んκ会+κ・募). 一1ハ{(ん+κ芸)2一喋+引. 一1ハ{(・+・芸)2+礁伊)/. (1.4.12). が導かれる。よって,関数∫の変化量△∫は,。4の符号と。40−B2の符号によって 正負が変わる。したがって,  (1) 。4σ一B2>0で。4<0の場合,0<ん2+κ2が十分小ならば,△∫<0とな るので,∫(z,Ψ)は点(α,δ)で極大値になる。.  (2) ・40一一B2>0で.A>0の場合,0〈ん2+κ2が十分小ならば,△∫>0とな るので,六灘,Ψ)は点(α,δ)で極小値になる。.  (3) ・40一β2<0ならば,△∫の符号は,んやんの取り方で正や負になるので極 値とは言えない。                         証明終.  ここで,(3)の場合について見てみる。まず,△∫ニ0となるときを求める。式 (1.4,12)より,.   ん2+2ん認+κ29一。      。4  /1. ん漬(一B士〉諏)κ. (1.4。13). となる。ここで,ん=灘一α,κ=ッーわとおくと,式(1.4.13)は,2本の直線 ¢一α=σ+(ツー6). (L4。14). 灘一α=σ_(ツーb). (L4,15).   ただし・砺去(一β±面). (1。4.16). の近くに点(の,穿)がある時に△∫=0になる。.

(24) 23. 1.最大最小問題. (α,δ 直線」1;(∬一の=0+(ッーb). 直線♂2:(z一α)=σ. (Ψ一δ).  ただし,0土は式(L4.16)で計算される定数 図L11:点(α,δ)の近傍の様子  図1.11のように2本の直線を表す式(1。4。14)(1,4。15)に,それぞれ”直線」1”,”直線♂2’1. と名前を付ける。そして,傾きが直線♂1と♂2と異なる直線上で考えていくと,関数 ∫(の,ッ)は,点(α,わ)で極大値になったり極小値になったりする。. 前述の定理L4。6のP(z,シ)二・4σ一B2は, ∂伽∂∂.  ツ η∂ηず. η〆㍗衡 ∂  ∂  ∂∂ 穿  .   一一. Bσ. ハB.   =.   亀.  ω.  E.  ︵. の行列式になっている。この行列は,Hesse行列と呼ばれ,その行列式はHessianと 呼ばれている。. 例題1.4.7.立方体枠を石けん液につけて引き上げると図 1.12の写真ような膜が張られる。. 実験観察を繰り返すと,立方体枠には,立方体の中心と8. 個の頂点を結んでできる12個の三角形の膜を張ることは ない。どうしてだろうか。このことを行列式∬ε細απを使っ て考えていく。. 図1.12:. 解. zッー平面上では,.  B.    :1. ρ.  響F”. ご・・.  R i S. E.    i−1. 図L13:. 図1,13のように,立方体の中心の座標を原点(0,0,0)とし,立方体の8頂点の座.

(25) 1.最大最小問題. 24. 標をそれぞれ       ノ4.(1,1,1), B(一1,1,1), 0(一1,一1,1), P(1,一1,1),.       E(1,1,一1), F(一1,1,一1), σ(一1,一1,1), H(1ラー1,1). とおく。そして,0≦の,ッ≦1に対して,長方形PQRTの頂点の座標を       P(∬,Ψ,0), (∼(一z,g,0), R(一∬,一y,0), T(灘,一ッ,0). とおく。.  このとき,表面積の総和は,長方形P(∼RTとその頂点と立方体の辺を結ぶ4個の 三角形の面積その辺と立方体の辺からなる4つの合同な台形2組,の総和である。 よって,表面積の総和を表す関数をS(∬,寡),ただし(0≦z,寡≦1)を考える。そこ で,関数S(z,シ)は,. S(“)一2z・2Ψ+4((・一z)2+(』Ψ)2・2・1)   +4((2y+2)1+(1一灘)2・1)+4((2灘+2)・+(・一Ψ)2・1). 一4(瑠一+(ッ+・)雨+(99+・)・+(・一警)2)                                  (1.4.17). と書ける。よって,この関数の灘とΨについての第1次偏導関数を求めると,. Ψ藩器+1+(1一げ} 蜘一4・論+1+(一淵i1剥  )一4. になる。ここで,原点0(0,0)における帰導関数は,              S3。(0り0)=S罫(0り0)=・0. が言えるので,確かに原点は極値候補となる。そこで,zとgについて関数S(z,g) の第2次偏導関数を求め,Hessianを調べる。.                   +誌(響’箭}. 榊)一・.

(26) L最大最小問題. 25. 榊)一4                   +論(器1講、} になる。よって,        Sコ。の(0,0)一Sッッ(0,0)一2並, S∬ツー4−5〉5. になるため,Hessianを計算すると,       Sm偲(0,0)・S写影(0,0)一{Szッ(0,0)}2一一58+40》互<0. となる。よって,この関数の原点は,極小点でも極大点でもなく鞍点になる。  さらに,z>0,穿>0における原点の近傍における関数S(劣,ッ)の様子を考えて みる。.  Taylor展開により,   S(z,ッ)=S(0,0)十S偲(0,0)十S卸(0,0).        1        票{S一(0・0)∬2+2Sの写(0,0)⑳+3霧y(・・0)〃2}+0(1灘13+1ツ13)      一+1{2凸2+2(4−5袴鞠+2のΨ2!+・(1灘13+1Ψ13).      一(凸2+(4−5ガ鞠+畜)+0(@13+團3)   (1.4.18) ところで,式(1.4.18)の0(囮3+1穿13)は,原点の近傍においてはかぎりなく0に近 いため,S(コp,y)は,それより前の項である(轟」02+(4−5V◎)zッ+轟〉の符号によっ. て正か負をとる。  そこで,A=而,B=4−1纏として,式(1,4,18)を式変形すると,  S(¢,y)一(肋2+2助+鞠2)+0(1灘13+1ッ13).     一A(z2+筆ッ+り+・(囮3+團3).     一A(Ψ+B+孚z)(Ψ+B一孕¢)+・(lzI・+1Ψ1・)                                 (1,4ユ9). となる。ところが,式(1、4。19)の¢の係数B+孚B一寧は,どちらも負であ る。だから,ある正数λ,μを用いて,.        B+〉癬    β一〉褥               =一λ,         =一μ           。4            /1.

(27) 26. 1.最大最小問題. とおくと,式(1.4.19)は,.        S(灘,ッ)一ハ(穿一λ¢)(ゲμ)+0(lzl3+團3). (L420). と表すことができる。式(1.4.20)は,の>0,g>0の範囲においても(詔,Ψ)の取り方. によって,S(∬,Ψ)が正になったり負になったりすることを意味する。だから原点は,. 鞍点になっている。.  この結果は,立方体の中心では膜が安定しないことを示しており,石けん膜は,立. 方体の中心と8個の頂点を結んでできる12個の三角形の膜にならない。すなわち, 立方体の中心と8個の頂点を結んでできる12個の三角形の膜の面積の総和は,極 小,または最小ではないことを石けん膜は知っているのである。(石けん膜の性質に ついては,次章参照). 1。5 陰関数定理  ここでは,陰関数定理にっいて述べる。その定理を証明するために,不動点定理 を述べる。.  ここで,Rπの元を劣,R肌の元をΨと一般に表す。 定理1.5.1.陰関数定理  関数φ:IR叶肌H Rmはσo。級で,φ(0,0)=0,detφッ(0,0)≠0とする。.  このときIR㎜の原点のある近傍yおよびRπの原点のある近傍Uで定義された σ。。級関数ψ二Uト→R隅が存在し,次を満たす。 ψ(0)ニ0,さらにッ∈玩z∈Uならば, φ(劣,シ)=0←⇒ッ=ψ(z). この定理を証明するために,最初に縮小写像に対する次の不動点定理を示す。 定理1・5・2・κ⊂聡mとする。写像Ψ:κ←〉Kが次の条件:ある定数λ(0<λ<1) が存在し,すべてのg,Ψ・∈κに対して !1Ψ(ツ)一Ψ(ツ,)1≦λ1砂一Ψ,ll. を満たすとき,Ψ(寮)=蟹である点ッがKにおいてただ1っ存在する。  証明  (一意性について)  gとΨ・がともに不動点であるとする。すなわちΨ(ッ)=“,Ψ(Ψ・)=ッ・このとき, IIツー酬=IIΨ(レ)一Ψ(シ・)II≦λ1砂一シ・Il.

(28) 27. 1.最大最小問題. となり,.             II汐一9・II≦λliΨ一ッ,ll      (L5.1) 0<λ<1より,式(1.5.1)を満たすのは,ッーμニ0すなわちΨニΨ・より,不動点 はあればただ1つである。  (存在について).  仮定より,90∈κに対し,腕(η=1,2,_)を〃η=Ψ(腕一1)として,帰納的に定 義できるので,       1筋+1一ΨπII=IIΨ(騒)一Ψ(腕_1)II≦λII騙一翫_111.                               (L5。2)            ≦λ211ッη一、一Ψπ一21i≦…≦λπilッ、一“。II ここで,0くλく1より,.     OQ      。。         o。  IIツ1−90”    ΣIIΨπ+・一酬≦ΣληIlッ・一Ψ・II−ll〃・一酬Σλκ一1一λ    η=0            π=0                    κ=0. より,{腕}盤1は,コーシー列となり,.                ツニlim腕                 7L→oo. がKで存在する。したがって,Ψの連続性により,yニΨ(Ψ)を得る。  証明終.  定理L5.1の証明  最初に関数ψが定まることを示す。まず,φ‘について考える。φが微分可能であ ることと,丁我ylor展開より,.                     ル       φ‘(鋤一φε(灘,0)+φ‘沼(偲,0)εy+Σφ‘即,ツ)鰍  (L53)                    ゴ,κ=1 となるφ‘,ゴ,鳶が存在する。.               m Σφ・瀬灘,y)防脈 ゴ,κ=1. φ(∬,y)一φ(z,o)+φッ(の,o)勉+ ゆ ㌧㌃1. ぼ. Σφ・函・(z,穿)防. Σφ・帥(¢,Ψ)防. ゴ=1. ゴ=1. ︵豊︶. Σφ琳(灘,〃)隙. 一φ(∬,o)+φ写(∬,o)勉+ ル. ハ. Σφ幅・(∬,ッ)防…. Σφ幅m(劣,ッ)防. ゴ=1. ゴ=1. (L5.4).

参照

関連したドキュメント

断面が変化する個所には伸縮継目を設けるとともに、斜面部においては、継目部受け台とすべり止め

※ 硬化時 間につ いては 使用材 料によ って異 なるの で使用 材料の 特性を 十分熟 知する こと

および皮膚性状の変化がみられる患者においては,コ.. 動性クリーゼ補助診断に利用できると述べている。本 症 例 に お け る ChE/Alb 比 は 入 院 時 に 2.4 と 低 値

回転に対応したアプリを表示中に本機の向きを変えると、 が表 示されます。 をタップすると、縦画面/横画面に切り替わりま

 我が国における肝硬変の原因としては,C型 やB型といった肝炎ウイルスによるものが最も 多い(図

一方、Fig.4には、下腿部前面及び後面におけ る筋厚の変化を各年齢でプロットした。下腿部で は、前面及び後面ともに中学生期における変化が Fig.3  Longitudinal changes

今回、新たな制度ができることをきっかけに、ステークホルダー別に寄せられている声を分析

各テーマ領域ではすべての変数につきできるだけ連続変量に表現してある。そのため