• 検索結果がありません。

没水 した直立 円柱周辺 の3次 元流体場 の数値解析

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "没水 した直立 円柱周辺 の3次 元流体場 の数値解析"

Copied!
5
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)海 岸 工 学 論文 集,第52巻(2005) 土 木 学 会, 701‑705. 没水 した直立 円柱周辺 の3次 元流体場 の数値解析 楳 田 真 也*・. 馬 替 敏 治**・. 由 比 政 年***・. 石田. 啓****. 振動流中および一様 流中に没水 した小口径の直立 円柱周辺の3次 元流体場 に関する数値解析 を行った.円 柱高 さの違いに よる流況および底面せん断力 の変化 を系統的に解析 し,渦 流れ過程 および底面せん断力 の増幅特性に与える円柱 の相対高 さ の影響について考察 を行った.没 水 円柱周辺の流 れは馬蹄形渦,後 流渦お よび頂部剥離渦 によ り特徴付 け られ,各 渦の大 き さや強度の関係お よび底面せ ん断力分布は相対高さに強 く依存する.馬 蹄形渦はある相対高 さ以下になる と縮小 し,そ の限 界高 さは主流域下の底面境界層が厚 いほ ど高 くなる傾 向があるこ と,底 面せん断力の増 幅範囲や最大値は相対高 さとともに 増加することなどが分かった.. 1. 序. 動 流 場 お よ び 一 様 流 場 を対 象 とす る.円 柱 壁 面 や 底 面 近. 論. 傍 に お け る境 界 層 の 剥 離 や再 付 着 を伴 う複 雑 な渦 流 れ 現 海 岸 ・海 洋 構 造 物 の 基 礎 部 周 辺 で 生 じ る局 所 洗 掘 は,. 象 を厳 密 に解 析 す る た め に,一 般 曲線 座 標系 に変 換 した. 構造 物 の 被 災 の 主 要 な原 因 で あ る.そ の 洗 掘 機構 は,流. Navier‑Stokes方. れ 収 縮,馬 蹄 形 渦 や 後 流 渦 な どの 渦 の 発 生,波. 数値 解 析 を行 っ た.本 解 析 モ デ ル の詳 細 は 石 田 ら(2002). 回折,砕. 波,地. 盤 内 の 圧 力 変 動 な ど の現 象 に 支 配 さ れ る. (Sumer・Fredsoe,2002).小 洗 掘 は,特. の反射 ・. に縮 流,馬. 口径 の 柱 状 構 造 物 周 辺 の. 蹄 形 渦 お よ び後 流 渦 な どの 渦 流 れ. 程 式 を用 い て 非 定 常 ・3次 元 流 体 場 の. を 参 照 さ れ た い. 没 水 し た直 立 円 柱 周 辺 の振 動 流 場 は,流 体 運 動 に 関 す る 次 の2つ. のパ ラメ ー タ,. の 影 響 を 強 く受 け る(Niedoroda・Dalton,1982).こ. (1). の 問 題 に 関 して は 様 々 な観 点 か ら幅 広 く研 究 が 行 わ れ て きた.著 者 らは背 の 高 い非 没 水 状 態 の 直 立柱 体 を対 象 に,. お よび 物 体 形 状 に 関 す る次 の パ ラ メ ー タ,. 底 面 付 近 に形 成 され る馬 蹄 形 渦 や 後 流 渦 の 内 部 構造 を 数. (2). 値 的 ・実 験 的 に 明 らか に して きた(楳 田,2001). 一方 ,近 年 頻 繁 に 利 用 さ れ て い るサ ク シ ョ ン式 の ケ ー. で 特 徴 付 け ら れ る.こ. ソ ン基 礎 を考 慮 す る 場 合,前 述 の2つ. 期,vは. の渦 に 加 え て,構. 造 物 頂 部 にお け る 流 れ の 剥 離 に伴 う第3の た め,3者. 渦が発生す る. の 渦 流 れ の 詳 細 構 造 お よ び渦 間 の 干 渉 過 程 に. こ でDは. 動 粘 性 係 数,Uwは. ぬ は 円 柱 高 さ で あ る.こ 班D=10と. 円柱 直 径,Tは. 最 大 流 速 を表 す.Hは. 振 動周 水 深,. こ で は,、KC=35,β=45,. し,円 柱 の 相 対 高 さ をh/D≦7の. 範 囲で変化. 関 す る 知 見 を得 る こ と が 重 要 に な る(Yeow・Cheng,. さ せ た.主 流 域 底 面 上 の 振 動 境 界 層 の 排 除 厚 δ*は約. 2003).し. 0.05、0で,流. か し なが ら,没 水 状 態 の 直 立 柱 体 周 辺 の 流 体. 場 に 関 す る 研 究 例 は 僅 か で あ る.一 様 流 場 に 関 す る Baker(1985)の. 実 験 結 果 が 報 告 さ れ て い る が,波. 動. 0.2Dで. 速 振 幅 最 大 で 定義 す る境 界 層 厚 δは約. あ る.. 流 れ 方 向 をX軸,円. 柱 中 心 の 鉛 直 軸 をz軸,両. 者 の直. 場 ・振 動 流 場 の流 況 特 性 お よ び構 造 物 の高 さの 変 化 が 渦. 交 方 向 をy軸. の詳 細 構 造 や 底 面 せ ん 断 力 特 性 に 与 え る影 響 に 関 し て不. 解 析 格 子 は 円 筒 形 で,周. 明 な 点 が 多 い.. 方 向75点 配 置 した.解 析 領 域 は 半径 方 向 に 円柱 直 径 の約. そ こ で 本 研 究 で は,振 動 流 中 お よび 一 様 流 中 に 没 水 し. と し,原 点oは 底 面 上 の 円柱 中 心 とす る. 方 向94点,半. 径 方 向84点,z軸. 30倍 を確 保 し た.以 下 で は,座 標 値 は 円柱 直 径 で,流 速. た直 立 円柱 周 辺 の3次 元 流 体 場 に 関 す る数 値 解 析 を行 い, 円柱 の 相 対 高 さ の違 い に よ る渦 流 れ の 内部 構 造 お よ び底 面 せ ん 断 力 の 変 化 に つ い て 考 察 した. 2. 解 析 方 法 と条 件 図‑1に. 示 す よ う な 没 水 状 態 の 直 立 円柱 周 辺 の 正 弦 振. * 正会員 正会員 正会員 正会員. ** *** ****. 博(工) 博(工) 工博. 金沢大学助手 大学 院自然科 学研 究科 金沢大学教授 大学 院自然科 学研 究科 金沢大学助教授 大学 院自然科 学研 究科 金沢大学教授 大学 院自然科 学研 究科. 図‑1没. 水 円柱 周 辺 の流 れ と軸 の設 定.

(2) 702. 海. 岸. 工. 学. 論. 文. 集. は 最 大 振 動 流 速 で 規 準 化 した 無 次 元 量 で 表 記 す る.. 流 渦 は鉛 直 方 向 の 渦 軸 を もつ.各 渦 の 大 き さや 強 度 の 関 係 お よ び 渦 間 の 干 渉 は 円 柱 の 相 対 高 さ に依 存 す る.. 3. 流 況 解 析 の 結 果 お よ び 考 察 図‑2は 相 対 高 さの 異 な る3つ. 円 柱 高 さ が 直 径 に対 して 低 い 場 合(図‑2(a)),馬 の 没 水 円柱 周 辺 の 渦 構. 造 の 時 間 変 化 を 比 較 し た も の で あ る.渦 (Jeong・Hussan,1995)を. 領 域 は λ2法. 用 い て 特 定 し た.時. 間 をt. と し て振 動 流 の位 相 をt/Tで 表 示 し た.紙 面 に 限 りが あ る の で,同. 図 に は 振 動 流 がx軸. 半 周 期(t/T=0〜1/2)の. 第52巻(2005). 2の 頂 部 剥 離 渦 が 形 成 され るが,後. 半周. 0平 面 に 対 して ほ ぼ 対 称 で あ り,各 渦 の移 動 範 囲 は 狭 い.. 没 水 円柱 周 辺 の 流 れ は 馬 蹄 形 渦,後. 円柱 高 さ が 直 径 と 同 じ場 合(図‑2(b)),後. 流 渦 と頂 部 剥 離 渦. 流 渦 の放. 出 現 象 が 生 じて,後 流 域 の 流 れ は 非 対 称 に な る.1周 間 に4組. 期 も渦 の形 成 ・発 達 過 程 は ほ ぼ 同様 で あ る.. 流渦の発生 は明確 で. な く,渦 放 出 現 象 は な い.流 れ は1周 期 間 を通 してy=. の 正方 向 に作用 す る前. 様 子 の み 表 示 し た が,後. 蹄形. 渦 と頂 部 剥 離 渦 は 円柱 前 面 で 近 接 す る.円 柱 背 後 に は第. の 渦 対 がx軸. 期. 方 向 に放 出 さ れ る.後 流 渦 は 円. 柱 背 後 に形 成 さ れ る第2の. 頂 部 剥 離 渦 と接 近 す る た め,. の3種 類 の 渦 に よ り構 成 され る.馬 蹄 形 渦 は 円柱 前 面 で. 円 柱 背 後 で 両 者 が 結 合 した よ う な 複 雑 な 渦 構 造 を 示 す. の 底 面 境 界 層 の3次 元 剥 離 に よ り形 成 され,円 柱 の 根 元. (図‑2(b)(ii)).頂. を 囲 む よ う なU字. 型 の 平 面 形 状 を 持 つ.後 流 渦 は 円 柱. (t/T=0〜2/8)で. 部 剥 離 渦 は振 動 流 速 が 加 速 す る 位 相 発 生 ・拡 大 し,減. 速 位 相(t/T=. 側 面 に沿 う境 界 層 の剥 離 に伴 うせ ん 断 層 が 巻 き込 ん だ 状. 2/8〜4/8)で. 態 の 渦 で あ る.頂 部 剥 離 渦 は 円柱 上 部 に接 近 す る 流 れ が. 柱 前 後 側 で 交 互 に発 生 ・消 滅 を繰 り返 す が,存. 円 柱 頂 部 の 上 流 縁 で 剥 離 す る こ と で発 生 す る 渦 で あ り,. 比 較 的 短 い.. 再 度 剥 離 す る ため,第2の. れは円柱頂部 の下流縁 で. 剥離渦 が円柱背後 に形成 され. /T=2/8)で =3/8付. 最 大 に な るが,馬. 蹄 形 渦 は 減 速 位 相 のt/T. 近 で 最 大 に な る.こ れ は,底 面 境 界 層 内 の 流 れ. は境 界 層 の 外 の振 動 流 よ り位 相 が 進 み(石. る.頂 部 剥 離 渦 と 馬蹄 形 渦 は主 に水 平 方 向 の 渦 軸 を,後. (a) h/D = 0.2. (b) h/D = 1.0. (c) h/D = 5.0 図‑2. 在時 間は. 頂 部 剥 離 渦 の 大 き さ は 振 動 流 速 が 最 大 と な る 位 相(t. 円 柱 頂 上 に 位 置 す る 三 日月 状 の渦 で あ る.こ の 渦 の 再 付 着 点 が 円柱 頂 部 に あ る 場 合,流. 縮 小 ・消 滅 す る.馬 蹄 形 渦 も半周 期 毎 に 円. 没 水 円 柱 周 辺 の 渦 構 造 の 時 間 変 化,λ2=‑1平. 面(前 半 周 期,h/Dの=0.2,1.0,50). 田 ら,1999),.

(3) 没水 した直立円柱周辺の3次 元流体場の数値解析 t/T=3/8で. 流 向 が 反 転 す る た め,馬 蹄 形 渦 が 反 転 した. 703. 円 柱 高 さ が 直 径 に対 して 十 分 高 い場 合(図‑2(c)),後. 流 れ に よ り円 柱 半 径 方 向 へ 拡 大 す る た め で あ る(図‑2. 流 渦 の 運 動 は2次 元 円柱 周 辺 の も の と類 似 す る.渦 放 出. (b)(iii)).た だ し,馬 蹄 形 渦 内 部 の 渦 度 はt/T=2/8位. 個 数 は1周 期 間 に5組 で あ り,2次. 相 で 最 大 とな り,そ の 後 は 上 流 の 底 面 境 界 層 か ら渦 度 が. の 実 験 ・解 析 結 果(例. 供 給 され な い た め,渦 径 は拡 大 す る もの の 強 度 は低 下 し. で あ る.円 柱 の 相 対 高 さ が低 くな る と,放 出 渦 の 数 が 減. て い る.. 元 円柱 に 関す る 従 来. え ば,Williamson,1985)と. 少 し,円 柱 に作 用 す るy軸 方 向 の 流 体 力(揚. 力)の. 同じ. 変動. 周 波 数 が 低 下 す る傾 向 が 別 途 確 認 さ れ た. 図‑3に,最. 大 流 速 時 の 馬 蹄 形 渦 の 大 き さ を,渦 上 流. 端 に発 生 す る底 面 境 界 層 の 剥 離 点Sと 距 離xsを 用 い て 表 示 した.図. 円柱 中心 軸 との. 中 に は,振 動 流 場 に 関 す る. 本 計 算 結 果 と と も に,一 様 流 場 に関 す る 計 算 結 果 お よび Baker(1985)の. 実 験 結 果 を 示 す.3者. の剥 離 点距 離 は. 相 対 高 さが 増 加 す る につ れ て 急 激 に増 加 し,そ の 後 一 定 値 に 近 づ く.剥 離 点 距 離 が 一 定 に な る相 対 高 さの 下 限 値 hc/Dは. 図‑3. 境 界 層 が 厚 い た め に,hc/Dは 高 く,剥 離 点 距 離 は長 い. 一方 ,底 面 境 界 層 が 非 常 に 薄 い 条 件 下 の 実験 お よ び振 動. 剥離 点 距 離 と相 対 高 さの 関係. (i) t/T=1 /8. 流 れ に 依 存 す る.一 様 流 場 の 計 算 条 件 で は 底 面. (ii) t/T=2/8. (iii) t/T=3/8. (a) h/D = 0.2 (i) t/T=1/8. (ii) t/T=2/8. (iii) t/T=3 /8. (b) h/D = 1.0 (i) t/T =1/ 8. (ii) t/T=2/4. (iii) t/T=3/8. (c) h/D = 5.0 図‑4. 底 面 せ ん 断 力 の 時 間 変 化(前 半 周 期,h/D=0.2,. 1.0, 5.0).

(4) 704. 海. 流 の 計 算 で はhc/Dは. 岸. 工. 学. 論. 低 く,剥 離 点 距 離 は 短 い の で,馬 蹄. 形 渦 は小 規 模 で あ る.こ. の結 果 は 複 数 の実 験 結 果 を整 理. し て得 ら れ たSumer・Fredsoe(2002)の. 報 告 と整 合 す る.. 振 動 流 場 に お け る 馬 蹄 形 渦 や 後 流 渦 の位 置 は半 周 期 毎. 文. 集. 第52巻(2005). 値 に留 ま る.ま た,後 流 渦 の発 達 も十 分 で な い の で,後 流 域 で の 底 面 せ ん 断 力 も1周 期 を通 して小 さい.渦 放 出 現 象 が 発 生 す る相 対 高 さ に な る と,後 流 渦 の 周 辺 お よび 渦 を 形 成 す るせ ん 断 層 周 辺 に お け る底 面 せ ん 断 力 が 増 大. に交 互 に 移 動 す る た め,同 位 相 で あ っ て も各 渦 の 大 き さ,. す る.そ の 値 は 主 流 せ ん 断力 の2〜3倍. 強 度 お よ び配 置 は 若 干 変 動 す る.特. 馬蹄 形渦や縮流 の影響下 にある円柱前面 や側面のせ ん断. に,円 柱 高 さが 直 径. よ り大 き く後 流 渦 が 発 達 す る 条 件 で は,剥 離 点 距 離 は そ の 影 響 を 受 け て 周 期 毎 に 変 化 し,h/D>3でxsは2割. 前. 力 に 比 べ る とや や 小 さい. 図‑5は 図‑4に 示 した 瞬 間 の 底 面 せ ん 断 力 に対 す る 時. 後 の変 動 幅 を もつ.こ れ に対 し,振 動 流 で も相 対 高 さ が. 間 平 均 値 お よび 最 大 値 の分 布 を示 す.平. 低 い場 合 や 一 様 流 場 の 馬 蹄 形 渦 の 剥 離 点 位 置 は安 定 す る.. に 依 らず ほ ぼx軸. 均 値 は相 対 高 さ. に 対 称 に分 布 す る が,最. 大値 の分 布. は 相 対 高 さが 大 き く な る と 円 柱 か ら0.5〜2.5D離 4. 底 面 せ ん 断 力 解 析 の 結 果 と 考 察 範 囲 で 非 対 称 に な る(図‑5(b)(iii)).こ 図‑4は 図‑2の 流 況 に 対 応 す る底 面 せ ん 断 力 の 時 間 変. れた. の こ とか ら円柱. 付 近 に存 在 す る 馬 蹄 形 渦 は 形 状 や 強 度 が 周 期 的 に安 定 す. こ で は底 面 せ ん 断 力 の 大 き さ を 円 柱 か ら. る の に対 して,放 出 さ れ る 後 流 渦 の個 々 の 強 度 や 配 置 が. 上離 れ た主流 域 下 の底面 せ ん断力 の 時 間最大値. 不 安 定 で あ る こ とが 分 か る.平 均 せ ん 断 力 の 空 間 的 な 極. 化 を示 す.こ 10D以. 程 度 で あ る の で,. で基 準 化 した値 で 表 記 した.主 流 域 の底 面 せ ん断 力 は振. 大 値 は 円柱 側 面 の 点a付. 動 流 速 よ り位 相 が1/8早. の 極 大 値 は 円柱 肩 部 の 点b付. く,そ の 値 はt/T=1/8(図‑4. (i))で 最 大,t/T=3/8(図‑4(ii))で 位 相t/T=1/8〜2/8前. ゼ ロ に な る.. 後 の 馬 蹄 形 渦 の発 達 段 階 に お い. 近 に存 在 す る が,最 大 せ ん 断 力 近 に存 在 す る(図‑5(ii)).. この 主 な理 由 は,円 柱 側 面 部 は1周 期 中 の 大 半 は 縮 流 に さ ら さ れ る た め 平 均 せ ん 断 力 が 増 加 し,円 柱 肩 部 は 半 周. て,渦 下 の底 面 せ ん 断 力 が 円 柱 前 面 か ら側 面 にか け て 増. 期 未 満 の短 時 間 で は あ る もの の,強. 加 す る.円 柱 高 さ が 直 径 以 上 の 場 合,そ. る た め 最 大 せ ん 断 力 が 増 加 す る た め で あ る.. 2/8〜3/8)も. の 後(t/T=. 馬 蹄 形 渦 の拡 大 に伴 い大 きな 底 面 せ ん 断 力. い 馬 蹄 形 渦 に 曝 され. 次 に 円柱 の 相 対 高 さ の 違 い が 底 面 せ ん 断 力 の増 幅 範 囲. を 受 け る 範 囲 が 主 に 円 柱 の 半 径 方 向 に広 が る(図‑4(b),. に 与 え る 影 響 を考 察 す る た め に,底 面 せ ん 断力 の 円 柱 半. (c)).し か し,馬 蹄 形 渦 は 減 衰 段 階 に あ り,底 面 せ ん 断 力 の ピ ー ク値 は低 下 す る.円 柱 高 さが 直 径 未 満 の 場 合,. 径 方 向7=(x2+y2)1/2の 変 化 を 図‑6に 示 した.横 軸7 =0 .5は 円 柱 壁 面 の 位 置 で あ り,縦 軸 の 底 面 せ ん 断 力. 馬 蹄 形 渦 の 強 度 に対 応 して 底 面 せ ん 断 力 は比 較 的小 さ な. τm,mは図‑5(a)に 示 し た 平 均 底 面 せ ん 断 力 のr=一. (i)h/11=0.2. (ii) h/D=1.0. (iii)hlik-5.0. (a)平 均 底 面 せん断 力. (i) h/D=0.2. (ii) h/D=1.0. (iii) h/D=5.0. (b)最 大 底 面 せん断 力 図‑5. 底 面 せ ん 断 力 の 時 間 平 均 値 ・最 大 値(h/D=0.2,. 1.0, 5.0). 定の.

(5) 没水 した直立円柱周辺の3次 元流体場の数値解析. 図 一6底 面 せ ん 断力 の 半径 方 向 変化. 図‑7. 705. 時 間 平均 底 面せ ん断 力 の空 間最 大値. 円 上 で の 最 大 値 を与 え る.円 柱 壁 面 か ら離 れ る に つ れ て,. 2の 渦 が あ る.第2の. せ ん 断力 τm,mは急 激 に増 加 し,円 柱 表 面 か ら0.1〜0.2D. 複 雑 な3次 元 形 状 の 渦 を形 成 す る.. 付 近 で 最 大 値 を と り,そ の 後,τm,mは 急 激 に減 少 す る.. (2). 頂 部 剥 離 渦 は後 流 渦 と干 渉 し て,. 底 面 せ ん 断力 は 馬 蹄 形 渦 お よび 後 流 渦 の 影 響 下. 相 対 高 さ が 高 い 場 合,円 柱 表 面 か ら1〜1.5D付. 近 で2. で 増 加 し,そ の 絶 対 値 や増 幅 範 囲 は 渦 と同 様 に相 対 高 さ. つ 目の 低 い ピ ー クが 現 れ る.最 大 値 で あ る第1ピ. ー クは. に 強 く依 存 す る.相 対 高 さが 増 加 す る につ れ て底 面 せ ん. 馬 蹄 形 渦 と縮 流 の 作 用 下 で,第2ピ. ー ク は 最 も発 達 す る. 放 出 直 前 の後 流 渦 の 中心 部 の 下 で 生 じる.相 対 高 さ が 減. 断 力 の 空 間最 大 値 は急 激 に 増 加 し,そ の 後 は主 流 域 下 の 底 面 せ ん断 力 の3〜4倍. 程 度 の 大 きさ に 漸 近 す る.. 少 す る につ れ て 各 渦 の規 模 や 強 度 は低 下 す る た め,底 面 せ ん 断 力 の増 幅 範 囲 は 縮 小 す る と と も に,τm,mの 第1ピ. 謝 辞: 本 論 文 を作 成 す る に あ た り高 瀬 智 佳 子 さ ん(奈 良. ー ク が 出 現 す る位 置 も 円柱 表 面 に 接 近 し ,そ の 最 大 値 は. 県)の. 減 少 す る.. 学 術 振 興 会 科 学 研 究 費 補 助 金(課. 図‑7は 底 面 せ ん 断 力 の 最 大 値 と相 対 高 さ の 関 係 を示 す.縦. 多 大 な助 力 を得 た.ま た,本 研 究 の 一 部 は,日 本. 補 助 を受 け た.こ. 題 番 号:17760401)の. こ に記 して 謝 意 を表 す る.. 軸 τmaxは図‑5(a)に 示 した 時 間 平 均 底 面 せ ん 断 力. の 空 間 最 大 値 に 対 応 す る.相 対 高 さの 増 加 に 対 して τmac は 増 加 傾 向 を示 す.h/D<0.5で ん 断力 の2倍. 未 満,h/D=0.5〜2で. で は約3〜4倍. は,τmaxは 主 流 底 面 せ は3倍 未 満,h/D≧3. に達 す る.相 対 高 さが 十 分 に 高 くな る と,. Sumerら(1997)の. 非没 水状 態 の 直立 円柱 に対 す る実. 験 値 τmax=3.5〜4.5に. 接 近 し,実 験 結 果 との 整 合 性 が 認. め られ る. 5. 結. 論. 振 動 流 お よび 一 様 流 中 に 没水 し た 直 立 円 柱 周 辺 の3次 元 流 体 場 に 関 す る 数 値 解 析 を 行 い,円 柱 の 相 対 高 さ の 変 化 が 流 況 特 性 お よ び底 面 せ ん 断 力 特 性 に 与 え る影 響 に つ い て 検 討 した.本 研 究 で得 られ た 主 要 な 結 果 は次 の よ う に ま とめ られ る. (1)没. 水 円柱 周 辺 の 流 れ は 馬 蹄 形 渦,後. 流 渦 お よび. 頂 部剥 離 渦 に よ り特 徴 付 け られ,各 渦 の 大 き さ,強 度 お よ び存 在 時 間 は 円柱 の 相 対 高 さに 強 く依 存 す る.あ. る相. 対 高 さ以 下 に な る と,馬 蹄 形 渦 は 相 対 高 さ の低 下 と と も に縮 小 す る.こ の 限 界 の 相 対 高 さ は主 流 速 分 布 の 底 面 境 界 層 が厚 い ほ ど 高 くな る傾 向 に あ る.後 流 渦 の 放 出個 数 は相 対 高 さの 増 加 と と も に増 加 傾 向 にあ り,限 界 高 さ未 満 で は 渦 放 出 は発 生 しな い.頂. 部 剥 離 渦 は 円柱 頂 上 に形. 成 さ れ る 三 日月 状 の 渦 と 円柱 頂 部 の 背 後 に形 成 され る 第. 参. 考. 文. 献. 石 田 啓 ・由比 政年 ・楳 田真也 ・平川真史(1999): 正弦振動流中 に設置 され た直立 円柱周 辺の3次 元流体場 の数値解析, 海岸 工学論文集, 第46巻, pp.801‑805. 石田. 啓 ・楳 田真也 ・由比政年(2002): 振動流中に設置された直 立円柱周辺 の馬蹄形渦お よび後流渦の特性, 土木学会論文集, No.705/II‑59, pp.115‑128.. 楳田真 也(2001): 一様流 と振動流お よび両者の共存場 における直 立円柱 底面付近 の流体 運動に関す る研究, 博士論文, 金沢大 学大学 院, 187p. Baker, C.J. (1985): The position of points of maximum and minimum shear stress upstream of cylinders mounted normal to flat plates, J. Wind Eng. and Industrial Aerodyn., Vol. 18, pp. 263-274. Jeong, J. and F. Hussan (1995): On the identification of a vortex, J. Fluid Mech., Vol. 285, pp. 69 - 94. Yeow, K. and L. Cheng (2003): Local scour around a vertical pile with a caisson foundation, Proc. of APAC2003, 7p. Niedoroda, A.W. and C. Dalton (1982): A review of the fluid mechanics of ocean scour, Ocean Eng., Vol. 9, No. 2, pp. 159-170. Sumer, B. M., N. Christiansen and J. Fredsoe (1997): The horseshoe vortex and vortex shedding around a vertical wall-mounted cylinder exposed to waves, J. Fluid Mech., Vol. 332, pp. 41-70. Sumer, B.M. and J. Fredsoe (2002): The mechanics of scour in the marine environment, World Scientific Co. Pte. Ltd. 536p. Williamson, C.H.K. (1985): Sinusoidal flow relative cylinders, J. Fluid Mech., Vol. 155, pp. 141-174.. to circular.

(6)

参照

関連したドキュメント

This paper examines the diffuse bifurcation mode of a hollow circular cylinder specimen consisting of a non-coaxial Cam-clay model.. The specimen undergoes a

Cheng 2004: Numerical simulation of wave-induced local scour around a large cylinder, Coastal Engineering Journal, Vol.46,

・中音(medium)・高音(medium high),および最

1975: An inviscid model of two-dimensional vortex shedding for transient and asymptotically steady separated flow over an inclined plate, J.. Fluid

1.4.2 流れの条件を変えるもの

ベクトル計算と解析幾何 移動,移動の加法 移動と実数との乗法 ベクトル空間の概念 平面における基底と座標系

直流電圧に重畳した交流電圧では、交流電圧のみの実効値を測定する ACV-Ach ファンクショ

・性能評価試験における生活排水の流入パターンでのピーク流入は 250L が 59L/min (お風呂の